光回線とWi-Fiには具体的にどのような違いがあるのかわからず、悩んでいている方も多いのではないでしょうか。光回線は通信回線の一種で、Wi-Fiはインターネットに接続するための通信技術という違いがあります。この記事では、光回線とWi-Fiの違い、それぞれの具体的な特徴やメリット・デメリットについて解説します。
目次
光回線とWi-Fiの違い
光回線とWi-Fiは全く別のもので明確な違いがあります。そもそも光回線やWi-Fiとは何かという点を踏まえてそれぞれの違いについて見ていきましょう。
光回線は光ファイバーを利用した通信回線
光回線とは、端的にいうと光ファイバーを利用した通信回線です。光ファイバーは石英ガラスやプラスチックでつくられた光を通すケーブルで、光の反射や屈折を利用してデータを送受信します。
有線で直接回線と接続するため、従来の電話回線などに比べて通信速度が速く、長距離の通信でも電波の影響を受けずに安定した通信が可能です。
通信速度 | 有線で回線接続するため、速くて安定している |
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費用 | 約5000~15000円の初期費用、約5000~6000円程度の月額費用
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回線工事 | 必要 |
Wi-Fiは電波を利用した通信技術
一方Wi-Fiは、回線ではなく電波を利用して無線で通信するための技術を指します。インターネット接続には光回線やホームルーターなどの通信回線が必須ですが、有線接続でインターネットを利用できる環境があればWi-Fiは必要ありません。
光回線と異なり、Wi-Fiは電波の届く範囲であれば、ケーブルなどをつながずに無線でインターネットへの接続が可能です。さらに、同時に複数台のデバイスと接続できます。ただし、Wi-Fiを利用するためには、原則Wi-Fiルーターを用意する必要があります。
通信速度 | 使用する環境次第では、光回線と比べるとやや通信速度が遅くなったり、通信が不安定になったりする場合もある |
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費用 | 無線ルーターを持っていれば初期費用は不要。 (月額に+500~1000円でルーターも貸し出してもらえる場合あり) 約3000~5000円の月額費用 |
回線工事 | 不要 |
光回線とWi-Fiの関係性
Wi-Fiは、インターネット回線とネットを使用するパソコンやスマホなどのデバイスをつなぐ技術を指します。すなわち、通信回線の一つである光回線とは本来比較対象になるものではありません。
前提として、Wi-Fiを使用するためには通信回線が必要です。その通信回線の選択肢の一つとして、光回線があるという関係です。Wi-Fiの接続に必要な通信回線は、固定回線とモバイル回線の2種類に分けられます。
固定回線 | モバイル回線 | |
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種類 |
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工事 |
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固定回線は、光回線に代表されるケーブルを自宅に引き込んで利用する有線タイプの回線のため、工事が必要であるケースが大半です。一方モバイル回線は、通信事業者の電波を利用する無線タイプの回線であるため、ほとんどの場合工事は必要ありません。
光回線のメリット
光回線は、他の回線に比べて通信速度が速く、通信の安定性に優れています。ここでは、光回線の具体的なメリットについて解説します。
最大通信速度が速い
光回線の最も大きなメリットは、その他の回線と比べて通信速度が高速な点です。有線接続のためモバイルWi-Fiなどと比べて回線も安定しています。
最大通信速度は理論上の最大値であり、実際には環境やプロバイダ、時間帯などによって変わってくる点は注意が必要です。しかし、一般的に最大通信速度が速ければ、実際の通信速度も速いと考えておいて差し支えありません。
通信制限がなく月額で使い放題
サービスの提供事業者にもよりますが、一般的に光回線は月額固定料金で、容量無制限で通信できるケースが多い傾向にあります。モバイルWi-Fiやスマホのように毎月利用できる容量が決まっていて通信制限がかかることもないため、データ容量を気にせずにインターネットへの接続が可能です。
なお、Wi-Fiルーターに回線を繋げれば、スマホやパソコン、そのほかの電信機器でも光回線を利用してインターネットへ接続できます。
スマホとセットの契約で割引される場合がある
光回線を提供する多くの事業者はスマホとのセット割引を設けているため、携帯の月額料金もお得になる場合があります。
また、光回線契約時のオプションとして光電話サービスが利用できるケースも多いです。光電話サービスとは、光回線を利用して電話がかけられるサービスで、一般的な固定電話よりも通話料金を抑えられます。なかには、スマホを子機として利用できる光電話サービスもあります。
光回線のデメリット
光回線には多くのメリットがあるものの、注意すべき点もいくつかあります。デメリットになりうる部分も把握したうえで、状況に応じて利用の可否を決めるのがよいでしょう。
エリア・建物の構造上利用できない場合がある
光回線は、事業者によって提供エリアが異なるため、住んでいる場所によっては利用できない場合があります。基本的に、光回線の提供エリアは各事業者のウェブサイトで確認できるので、申し込み前に確認しておくとよいでしょう。
また、自宅と電信柱の間に何らかの障害物がある、配線ルートが見つからないといった場合は、光ファイバーを引き込めない可能性もあるため注意が必要です。
立ち合いが必要な工事が発生する場合がある
光回線を利用するためには、光ファイバーケーブルを引き込む開通工事が必要です。工事には立ち会いを求められるため、事業者と日程調整する手間が生じます。
また、開通工事には初期費用が必要ですが、工事料が無料になるキャンペーンを行っていいる事業者もあります。できるだけコストを抑えたい場合は、サービス提供事業者の選定の際にチェックしておきましょう。
開通まで時間を要する
光回線の申し込みから開通までには、事業者側の手続きや現地調査、工事日程の調整などがあるため、早くて2週間、混雑している場合は1カ月程かかる場合もあります。とくに3〜4月など新生活が始まるシーズンなどは混み合うため注意が必要です。
インターネットを使えない期間を踏まえたうえで、あらかじめスケジュールを考えておくとよいでしょう。
持ち運びできない
光回線は、外部から室内に配線を敷設して使用する固定式の通信回線であり、移動できません。契約した光回線を利用できるのは、LANケーブルやWi-Fiの電波が届く範囲までです。
そのため、自宅よりも主に外出先でインターネットを利用する機会が多い方にとってはメリットを感じられない可能性もあります。さらに、引っ越した先で光回線を利用するには、新居で新たに回線契約しなければなりません。
時間帯により、通信速度が遅くなる
相対的な通信速度の速さや通信の安定性に優れている光回線ですが、時間帯によって通信速度が遅くなる場合もあります。光回線は1本の光ファイバーを複数の世帯で共有しているため、近隣でアクセス要求が増えるとプロバイダで応答の待ち時間が発生してしまうケースがあるためです。
とくに多くの人がインターネットを利用する夜などの時間帯は、回線が混み合い通信速度が落ちやすい傾向にあります。
契約期間がある
光回線の契約では、頻繁に工事が発生するのを防ぐために最低契約期間を設けているケースが少なくありません。そのため、定期契約の期間内に解約をすると違約金が発生してしまうケースもあります。
また、乗り換え時には新たに光ファイバーの敷設が必要で、旧光ファイバーの撤去と新規敷設の工事費用がかかる点も注意が必要です。
Wi-Fiのメリット
Wi-Fiは、スマホやタブレット、ゲーム機などさまざまなデバイスに対応しており、同時に複数端末でネット接続する際に便利など多くのメリットがあります。Wi-Fiのメリットを詳しく見てみましょう。
複数機器を同時接続しやすい
有線LANの場合、接続したい台数分のLAN端子が必要です。また、スマホやタブレットなどLANケーブルを接続できないデバイスは利用できません。その点、Wi-Fiのような無線LANはケーブルも端子も必要ないため、対応している端末であれば複数台同時に接続できます。
配線が最低限でシンプル
光回線などを含めた固定回線を使用しない場合、コンセントに挿すホームルータータイプ、もしくはモバイル型のWi-Fiルーターのみで接続が可能です。そのため、複雑な配線が必要ありません。
店舗などで使用する際にも、使用端末と配線の位置などの兼ね合いを考慮する必要がないので便利です。掃除も楽になり、見た目にもすっきりするでしょう。
ケーブルを引くのが難しい場所でも利用できる
有線LANの場合、別々の部屋や階・ベランダ・庭・お風呂場などケーブルを引き込めないような場所で使用するのは難しいでしょう。その点、Wi-Fiは電波の受信が可能な範囲であれば、使用場所を問わずどこでもネット接続できます。
スマホのデータ通信料を節約できる
携帯電話回線を使った高速なデータ通信の容量には制限があり、超過すると通信速度が低下してしまう恐れがあります。一方、光回線やホームルーターのWi-Fiを使ってインターネットに接続すれば、通信速度の低下を回避できるうえ通信料の節約にもつながるでしょう。
USENの店舗Wi-Fiは安定した環境で、設置日からすぐに使えます。詳しくは下記よりご覧ください。
Wi-Fiのデメリット
Wi-Fiにも押さえておきたい注意点があります。場所を問わず利用できる柔軟性は魅力ですが、場合によってはストレスに感じるデメリットもあるのでしっかり把握しておきましょう。
利用場所の周辺環境によって電波が弱くなる可能性がある
Wi-Fiは、パフォーマンスが周辺環境に左右されやすい点に注意が必要です。ルーターまで距離がある場合や、周囲で多くのWi-Fi機器が使われていて電波が混み合っている場合に通信速度が低下したり、接続が途切れたりする場合があります。周囲の影響を受けにくい有線接続に比べると、やや通信の安定性に劣るといえるでしょう。
他の電化製品からの電波干渉を受ける可能性がある
Wi-Fiは周辺の電化製品との電波干渉も不安要素です。場合によっては接続が悪くなったり、途切れたりするケースもあります。また、目に見えるケーブルがなく設定箇所も多いため、接続できない場合や速度が遅い場合に、原因を特定するのが難しいというケースも少なくありません。
加えて、電波が届く場所であれば利用できるため、パスワードを知られてしまった場合は不正利用されてしまう恐れもあります。セキュリティ面には十分配慮する必要があるでしょう。
事業者向けにおすすめの工事不要店舗向けWi-Fi
- 回線工事が不要
- 最短3営業日で利用可能
- 混雑する時間帯でも通信速度を確保
- Wi-Fi接続(無線接続)、有線接続どちらにも対応
- 耐熱性のある機器(-20℃~60℃)
ホームルータータイプには、業務用に特化した店舗事業者向けのサービスもあります。光回線とWi-Fiのよいところを兼ね備えているのが特徴で、工事不要で素早く使用開始できる点がメリットです。さらに、レジや決済端末など店舗運営に関する機器の接続には容量制限がないため、店舗運営への影響を気にすることなく快適に運営できます。
光回線とWi-Fiの違いに関するよくある質問
光回線とWi-Fiの違いに関してよくある質問をまとめました。これから利用を考えている場合は参考にしてみてください。
Q. 差し込みタイプのWi-Fiルーターは持ち運びできる?
A. 持ち運び可能です。
差し込みタイプのWi-Fiルーターはホームルーターとも呼ばれ、Wi-Fi契約さえしていればコンセントに挿すだけで利用可能です。逆にいえばホームルーターはコンセントがなければ利用できないのですが、転居した場合も登録住所の変更手続きをするだけですぐに利用を再開できます。
Q. 光回線を使用するWi-Fiとその他のWi-Fiに契約方法の違いはある?
A. Wi-Fiに接続する方法によって異なります。
光回線は開通工事が必要ですが、ホームルーターやモバイルルーターを使う場合は工事不要です。また、テザリング機能でスマホをWi-Fiルーターとして利用する方法もあります。追加のオプション契約が必要なケースもあるので、利用しているキャリアに確認してみましょう。
光回線とWi-Fiは状況によって使い分けよう
光回線は固定回線やモバイル回線といった通信回線の一つで、Wi-Fiはインターネットに接続するための通信方式であるという違いがあります。Wi-Fiに接続するための方法の一つとして光回線があるという関係性です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、普段のネットの利用目的や利用場所に応じてどちらを使うか選択するのがよいでしょう。
コンセントに挿すだけでネット接続が可能なUSEN AIRは、店舗向けに特化したWi-Fiルーターです。回線工事やその他の機器は一切不要で、届いたその日からインターネットを利用できます。
また、POSレジや決済端末など店舗運営に欠かせない機器の接続に関しては容量制限なしで利用可能です。店舗のインターネット環境をUSEN AIRだけでまかなえるのでコストや運用管理の負担も抑えられます。ぜひ導入をご検討ください。