POSデータとは?具体例や活用するメリット、分析方法を紹介

POSデータとは?具体例や活用するメリット、分析方法を紹介

2024年10月17日

POSデータとは、POSシステムによって入手できる店舗のさまざまな販売データです。取得したPOSデータを分析・活用することによって、効率的な店舗運営や、高いマーケティング効果を得られるようになります。この記事では、POSデータ活用の具体例や活用するメリット、分析方法を紹介します。

目次

  1. 1. POSデータとは
    1. 【一覧】POSデータの具体例
  2. 2. POSデータを活用するメリット
    1. 業務を効率化できる
    2. 商品の売れ筋がわかる
    3. 無駄のない仕入れができる
    4. シフトを適切に配置できる
    5. キャンペーンの時期を検討できる
  3. 3. POSデータ(システム)の主な活用方法
    1. 商品戦略
    2. 在庫管理
    3. 店舗運営の改善
  4. 4. POSデータの注意点
    1. 費用がかかる
    2. セキュリティに注意が必要である
    3. インターネット環境が欠かせない
  5. 5. POSデータの分析手法
    1. ABC分析:重要度の評価
    2. RFM分析:顧客行動の理解
    3. デシル分析:パフォーマンスのランク付け
    4. バスケット分析:共起関係の把握
  6. 6. POSデータを売上につなげる3つのポイント
    1. 活用する目的を明確にする
    2. 複数のデータを組み合わせて分析する
    3. 施策の実行・振り返りをする
  7. 7. POSデータの活用事例3選
    1. ユウソリューションズ株式会社 様
    2. 博多うずまき 新潟駅前店 様
    3. 鮨 酒菜 秀人 様
  8. 8. POSデータ効果的に分析・活用して成果を出そう

POSデータとは

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POSとは「Point of sale」の略で、日本語では「販売時点情報管理」と訳されます。すなわちPOSデータとは、会計をした時点での販売記録データであり、顧客の消費行動をデータ化したものです。

POSレジで販売されたデータを、システム全体で連携することで、リアルタイムに売上管理ができます。集約されたデータを活用すると、在庫管理やマーケティングなどの分析が可能です。現在では、利便性の高さから、飲食店や小売店、理美容室などさまざまな業界で導入が進められています。

POSシステムについて詳しくはこちら

【一覧】POSデータの具体例

POSデータでは以下のような情報の取得が可能です。

  • 商品の購入日
  • 商品の購入店舗
  • 商品の購入点数
  • 購入した商品名
  • 購入した商品の価格
  • 購入者の年齢層、性別など

POSデータでは、「何の」商品を「いつ」「どこで」「どれくらい」購入したかという基本情報の取得が可能です。また、キャッシュレス決済や会員証などに対応・連携しているレジであれば、性別や年齢層といった顧客情報も取得できます。客層や購買行動をデータとして可視化し、それをもとに分析することで、売上向上や経営改善の糸口をつかめるでしょう。

POSデータを活用するメリット

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POSシステムでは、取得したPOSデータが日々蓄積されていきます。これらの膨大なPOSデータを活用することで得られる、さまざまなメリットを見ていきましょう。

業務を効率化できる

まず、業務を効率化できるというメリットがあります。POSデータを活用すれば、複数店舗の在庫状況や売上といったあらゆる情報が一つに集約され、一括管理が可能です。

各現場からの報告を待つ必要がなくなり、バックオフィスの業務効率が格段に向上します。また、データ入力や計算が必要なくなるため、その時間を別の業務にあてられるようになる点もメリットの一つです。

商品の売れ筋がわかる

POSデータを見ると、売れ筋商品や、逆に出数が芳しくない商品が一目でわかります。商品の需要が把握でき、売れやすい時期や時間、売れる商品の種類の分析が可能です。

動きの良い商品の発注量を増やしたり、ほぼ売れない商品は販売停止にしたりといった対策が講じられるでしょう。社歴の浅い従業員であっても、分析結果をもとに判断ができるようになり、業務を標準化できるのもメリットといえます。

無駄のない仕入れができる

仕入れの無駄をなくし、在庫量を適正化できるメリットもあります。食品を扱う業種の場合、消費期限切れによる食材の処分は無駄なコストの一因です。

POSデータからわかる、曜日・時間帯ごとの客足や商品ごとの売上実績などの情報を活用すれば、仕入れ精度が上がり、過剰在庫を防げます。また飲食店であれば、常に新鮮な食材を使用した料理の提供ができるでしょう。

シフトを適切に配置できる

シフト管理において得られるメリットも非常に大きいでしょう。POSデータによって、曜日・時間帯による客足がわかれば、そのデータをもとに適正なシフト配置が可能になるからです。

例えば、「これまで感覚的に終日5人体制にしていたが、実はディナーはランチほど集客がないので4人で十分」といった判断ができるようになります。最低限必要な人材を配置できるとコストを削減できるのはもちろん、逆に人手不足で満足度を下げてしまうケースも避けられます。

キャンペーンの時期を検討できる

時間単位やシーズン単位で売上動向を把握できるため、キャンペーンの時期を検討する際にも役立ちます。

例えば、POSデータから特定のお惣菜が4月に売れていることがわかれば、お花見の時期の需要が高いと分析でき、3月後半からキャンペーンの告知が可能です。売れるタイミング、あまり売上が望めないタイミングを正確に把握することで、精度の高い意思決定ができるようになります。

POSデータ(システム)の主な活用方法

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POSデータは、単なる販売記録以上の価値を持つ貴重な情報源です。適切に分析し活用することで、ビジネスのさまざまな側面を改善し、収益性を高められます。ここでは、POSデータの主な活用方法として、商品戦略、在庫管理、店舗運営の改善について詳しく見ていきましょう。

商品戦略

POSデータを活用した商品戦略では、売れ筋商品や不振商品を正確に把握し、効果的な施策を打ち出せます。具体例は以下です。

・季節ごとの売れ筋がわかる

季節ごとに売上が伸びる商品を特定し、品揃えを強化できる。

・時間帯別の売れ筋商品がわかる

朝の時間帯や、夕方の時間帯など細かい売れ筋がわかり、無駄のない仕入れができる。

・セットで購入されている商品がわかる

どの商品が一緒に買われているのかを把握することで、セット販売などの戦略ができるようになる。

このように、POSデータを活用することで、顧客ニーズに合わせた効果的な商品戦略を立てられます。

在庫管理

POSレジを活用した在庫管理システムでは、商品の入荷から販売、そして棚卸しまでの一連の流れを効率的に管理できます。これにより、リアルタイムで正確な在庫状況を把握し、適切な在庫レベルの維持が可能です。具体例は以下の通りです。

・入出荷管理の効率化

商品が入荷されると、POSレジで即座に在庫数に反映させることができます。同様に、販売時には自動的に在庫が減少するため、常に最新の在庫状況を維持できます。

・棚卸し作業の簡素化

POSレジのデータと実際の在庫数を照合することで、効率的な棚卸し作業が可能となります。差異があれば即座に把握できます。

・在庫アラート機能

特定商品の在庫が設定した数を下回ると自動的にアラートを発信し、適時の補充発注を促すことができます。

・在庫移動の追跡

店舗間や倉庫との在庫移動をPOSレジで記録・管理することで、全体の在庫状況を正確に把握できます。

このように、POSレジを活用した在庫管理システムにより、日々の入出荷管理から定期的な棚卸し作業まで、より正確かつ効率的な在庫管理が可能となります。

店舗運営の改善

POSデータを活用した店舗運営の改善では、各店舗のパフォーマンスを客観的に評価し、効果的な改善策を実施できます。具体例を見てみましょう。

・人員配置の最適化が図れる

時間帯別の売上データを分析し、繁忙時間に合わせて適切な人員を配置できるようになる。

・レイアウト(陳列)改善ができる

商品の同時購入傾向を分析し、関連商品を近くに配置するなど顧客ニーズに対応した戦略を練ることができる。

・営業時間の見直しができる

時間帯別の売上推移を分析し、不採算時間帯の営業時間短縮や延長の戦略が立てられる。

POSデータを活用することで、各店舗の特性に合わせた効果的な運営改善が可能となり、全体的な業績向上につながります。

POSデータの活用は、これらの方法以外にも多岐にわたります。重要なのは、データを単に収集するだけでなく、適切に分析し、具体的な戦略につなげることです。継続的なデータ分析と改善のサイクルを確立することで、確実な売上を実現できるでしょう。

POSデータの注意点

・費用がかかる
・セキュリティに注意が必要である
・インターネット環境が欠かせない

POSデータの活用で得られるメリットは多いですが、注意点もいくつかあります。注意点を見て、対策を講じる時の参考にしてください。

費用がかかる

まず、POSデータを取得するにはPOSレジを導入する必要があり、コストがかかる点は留意しておく必要があります。

POSレジ導入にかかるコストは、主に初期費用・月額費用・オプション費用などです。サービスによってはさらに、設置サポートや操作トレーニング、アフターサポートに費用が発生するケースもあります。POSレジを導入する際は、事前に見積もりを取り、予算内で運用できるか確認が必要です。ただしコストはかかりますが、業務効率化や売上向上が見込めるため、結果としてメリットが上回るでしょう。

USENのPOSレジはIT補助金の対象となり、最大で導入費用の3/4が補助されます。申請サポートも行っているため、まずはお気軽にお問い合わせください。

IT導入補助金を活用できるUSENレジについて

セキュリティに注意が必要である

POSデータは複数店舗のデータを管理できる利便性がある一方で、オンライン上でデータを管理するため、データ流出のリスクもあります。

顧客情報は個人情報であり、取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。万が一利用者の情報が流出してしまうと顧客の信頼を失う恐れがあります。POS導入の際にはセキュリティ面もしっかりと確認しておきましょう。

インターネット環境が欠かせない

POSデータはリアルタイムで更新されていくため、オンラインでの使用が不可欠です。インターネット環境がなければ、そもそもPOSレジを導入できない可能性があります。

サービスによっては、無線LANの設置工事に対応しているものもあるので、現在店舗にインターネット環境がない場合はその点も踏まえて検討しましょう。

POSデータの分析手法

・ABC分析:重要度の評価
・RFM分析:顧客行動の理解
・デシル分析:パフォーマンスのランク付け
・バスケット分析:共起関係の把握

POSデータを集めても正しく分析できなければ、効果的な施策が打てません。POSデータを分析する際の「型」となる、代表的な分析手法を見ていきましょう。

ABC分析:重要度の評価

ABC分析とは、商品の構成比を把握し、分析する手法です。複数の商品を扱っている場合に、どの商品を優先的に管理していくか、重点的に押し出していくかといった判断が可能になります。

しかし、分析するデータはあくまで過去の実績であり、必ずしも同じ傾向が続くとは限りません。講じる施策については、他の指標も含めて慎重に考える必要があります。

RFM分析:顧客行動の理解

RFM分析とは、商品を購入した顧客をRecency(購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3つの指標でグルーピングし、マーケティング施策を考える分析手法です。

顧客行動が理解でき、顧客ごとの販促施策を考えられるようになるので、マーケティング効果を最適化できます。キャンペーンの効果を高めたい時などに活用できる分析手法といえるでしょう。

デシル分析:パフォーマンスのランク付け

デシル分析とは、全ての顧客を購入金額が多い順に10等分して、売上構成比を分析する手法です。

どの客層が売上に貢献し、利益を生み出しているのかを把握できるため、ターゲティングが可能になります。ただし、購入金額をベースにしているため、精度はあまり高くありません。単一の分析ではなく、RFM分析などと併用するのがおすすめです。

バスケット分析:共起関係の把握

バスケット分析とは、複数の商品同士の共起関係を調べる分析手法です。例えば、「A商品はB商品と一緒に購入されやすい」といった関係がわかるようになります。

一見関連性がないように見える商品の相関関係がわかるため、陳列する場所を近くにしたり、セット販売したりするなどの施策の参考になるしょう。ただし、他の商品と関係なく単独で売れている商品は分析の参考になりません。あくまで商品間の相関関係に注目するようにしてください。

POSデータを売上につなげる3つのポイント

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・活用する目的を明確にする
・複数のデータを組み合わせて分析する
・施策の実行・振り返りをする

POSデータは、活用の方法次第で売上アップや利益率の向上につなげられる重要な情報です。成果を出すための3つのポイントを紹介します。

活用する目的を明確にする

POSデータを分析する際は、まず目的を明確にする必要があります。達成したい目的によって、適切な分析手法が異なるからです。

例えば、顧客の購買パターンを探りたいのであればRMF分析、特定の商品を売りたいのであればABC分析というように、目的に応じて行動方針が定まります。

複数のデータを組み合わせて分析する

POSデータのみの分析ではどうしても限界があります。定性的なデータやトレンドなど多面的な分析を行うのも重要なポイントです。

例えば、最近ではSNSのインプレッションやフォロワー数なども重要な指標になっています。他の保有データとPOSデータとを組み合わせることで、より正確な分析が可能です。

施策の実行・振り返りをする

POSデータは分析したらそれで終わりではありません。分析した結果をもとに、具体的な施策を立案・実行し、振り返りをするといったようにPDCAを回していくのが重要です。

分析自体が目的になってしまわないよう、実行したあともデータをモニタリングして、改善できる点はないか常に考えるようにしましょう。

POSデータの活用事例3選

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POSデータの活用は、実践においても大きな効果を発揮しています。ここでは、USENレジを導入し、POSデータを効果的に活用している3つの事例を紹介します。これらの事例から、POSデータの活用が実際のビジネスにどのような変化をもたらすかを具体的に見ていきましょう。

ユウソリューションズ株式会社 様

ユウソリューションズ株式会社は、全国に直営16店舗、FC150店舗を展開するスマートフォン修理事業を行う企業です。同社は以前、修理パーツの在庫管理をエクセルで行っており、在庫数が合わないこと、棚卸作業に時間がかかること、効率的な仕入れ判断の難しさの課題を抱えていました。

USENレジ STOREの導入によりこれらの点の改善に繋げました。その結果、本来の修理作業により多くの時間を割けるようになり、顧客サービスの質も向上しています。また、データに基づく仕入れ判断により、過剰在庫や欠品リスクも軽減されたということです。

修理業務に集中するためのレジを使った在庫管理テクニック

博多うずまき 新潟駅前店 様

博多うずまき 新潟駅前店は、九州料理をメインとする人気店舗です。同店は多店舗展開に伴う売上管理の複雑化に悩まされていました。

これらの課題を解決するため、安価で簡易なレジから、よりコストパフォーマンスの高いUSENレジ FOODに変更したとのことです。

USENレジ FOODの導入により迅速かつ的確な判断が可能になり、スタッフは顧客サービスの質向上に注力できるようになりました。結果として、店舗全体の生産性と顧客満足度が向上して売上につながっています。

また各店舗の売上の見える化で従業員のモチベーションが上がったというお声を頂いています。

接客を大切にしたいからこそDXサービスで店舗の効率化を図りました

鮨 酒菜 秀人 様

静岡県沼津市にある和食店「鮨 酒菜 秀人」は、以前から人手不足や接客時間の確保、フロア拡大に伴う運営の複雑化の課題を抱えていました。

これらの課題を解決するため、USENの複数のDXサービスを導入しました。導入しているUSENサービスは以下です。

・USENレジ FOOD

・オーダーシステムの「USEN SelfOrder TAB」や「USEN HANDY」

・キャッシュレス決済の「USEN PAY」など

実際に、「USEN SelfOrder TAB」を導入したことにより、スタッフの往復を半減させることができ時間の短縮につながったり「USEN HANDY」の導入によりオーダーと会計の効率化が図れたりしているそうです。

限られたスタッフ数でも効率的な店舗運営が可能になり、同時に顧客満足度の向上と新規顧客の獲得にも成功しています。POSデータの活用は、単なる業務効率化だけでなく、顧客とのコミュニケーション強化にも貢献できるといえるでしょう。

これらの事例から、POSデータの活用が実際のビジネスにおいて、業務効率化、顧客サービス向上、売上増加など、多岐にわたる効果をもたらすことがわかります。各企業の特性や課題に合わせて適切にPOSデータを活用することで、大きな成果を上げることが可能です。

​​お客様との世間話がお店のファン化(常連客)に繋がりました

POSデータ効果的に分析・活用して成果を出そう

POSデータは、日々の店舗営業で収集・蓄積される膨大な販売情報です。現在では多くの店舗でPOSレジが導入され、POSデータを活用した分析が行われていますが、分析自体が目的になってしまわないよう注意が欠かせません。目的に応じた適切な分析手法を用いたり、POSデータ以外のデータを組み合わせたりすることで、高いマーケティング効果が得られます。

POSデータを活用・分析することで、業務の効率化や適切な人員配置、ピンポイントな販売アプローチなどが可能になります。USENレジでは、POSデータの分析に役立つPOSレジ・POSシステムを提供しています。お見積もりや詳しいお問い合わせは、こちらをご覧ください。

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