個人タクシーでも、近年はキャッシュレス決済が主流になりつつあります。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済が利用できる決済端末を導入することで、乗客にとってもドライバーにとっても利便性が大幅に向上します。本記事では、個人タクシー向けの決済端末の種類や導入メリット、選び方のポイントについて詳しく解説。決済端末の導入を検討している個人タクシー運転手の方は、ぜひ最後までご覧下さい。
目次
個人タクシー向けの決済端末機に必要な機能や選び方は?
個人タクシー向けの決済端末を選ぶ際には、効率的かつ利便性の高い機能を持つものを選ぶことが重要です。ここでは、個人タクシー事業者が決済端末を選ぶ際に、どういった機能があるものを選べばいいのかについて詳しく解説します。
導入が簡単
個人タクシー業界では、運転業務に加えて事務作業も個人で行わなければならないため、システムの導入に時間や手間をかける余裕がないことが多いです。
そのため、初期設定が容易な端末がいいでしょう。具体的には、説明書がわかりやすい日本語で記載されているものが推奨されます。また、タクシーの運行中でも問題が発生した際に迅速に対応できる、オンラインサポートや24時間対応のカスタマーサポートが充実しているメーカーの製品を選べば、安心して業務に集中できます。
さらに、タクシー業務に特化した導入支援サービスがある場合、手続きがスムーズに進むため初めて導入する人でも安心です。
アプリ決済やタッチ決済が可能
近年、スマホ決済やタッチ決済(非接触決済)の利用者が急増しています。
特に、若年層や外国人観光客は現金を持ち歩かない傾向が強く、キャッシュレス決済で支払うケースが増えているので、個人タクシーにおいてもこれらに対応し、利便性を高めるべきでしょう。端末は、主要なQRコード決済(PayPay、楽天ペイなど)や、クレジットカードのタッチ決済(Visaタッチ、Mastercardコンタクトレスなど)に対応しているものが望ましいです。
これにより、乗客に多様な支払い方法を提供でき、顧客満足度の向上やリピーターの獲得に繋がります。また、電子マネー(Suica、PASMOなど)や交通系ICカードにも対応していれば、乗客にとってさらに利用しやすくなるでしょう。
利用者の割合が多い
導入を検討する際には、他の個人タクシー事業者がどの決済端末を使用しているかを確認するのもおすすめです。多く利用されているものがあれば、その分サポート面や利便性の面で実績があり、安心して利用できるということです。
また顧客側の利用者が多いことも重要でしょう。せっかく端末を導入したのに利用者が少なければ、メリットを存分に活かせません。そのため、今どの決済が一番多く利用されているかの市場調査や、タクシー業界でどの決済端末が人気があるのかなど、実際に導入する前に確認してみるのが大切です。
初期費用・ランニングコストが小さい
個人タクシーの経営では、収益を確保しつつコストを最小限に抑えることが重要です。決済端末を導入する際には、初期費用の他、月額のランニングコストや決済手数料についても慎重に確認しましょう。
特に、端末を無料で提供しているサービスや、手数料が低いプランを選ぶことで、収益性を維持しやすくなります。また、キャッシュバックキャンペーンや一定期間無料で利用できるキャンペーンがある場合、それらを活用すればさらに導入コストを抑えられます。
導入前には、複数のサービスを比較検討し、自分の事業規模に適したプランを選ぶことが大切です。
個人タクシーがキャッシュレス決済サービスを導入するメリットは?
キャッシュレス決済の普及が進む中、個人タクシーでもキャッシュレス対応が求められるようになっています。キャッシュレス決済を導入することで、顧客満足度の向上から未払いリスクの排除まで、さまざまなメリットが得られます。
ここでは、個人タクシーがキャッシュレス決済を導入する具体的なメリットについて解説します。
顧客満足度の向上
キャッシュレス決済の普及に伴い、現金ではなくカードやスマホ決済を希望する乗客が増えています。
個人タクシーでもキャッシュレス決済に対応することで、顧客満足度を上げられるでしょう。特に、急いでいる場合など釣り銭のやり取りが不要なため、スムーズな支払いが可能です。これにより、乗客のストレスが軽減され、タクシー利用時の体験が向上します。
また、外国人観光客にとっても、日本円ではなくキャッシュレス決済が利用できるのはメリットです。インバウンドで外国人が増えている今、現金しか利用できない状態では満足度が下がってしまい、利用も減ってしまうでしょう。
個人タクシーだからこそ、キャッシュレス決済に対応し顧客満足度を高めていきましょう。
利用客の増加
キャッシュレス決済を導入することで、新たな層の利用客を獲得できる可能性が広がります。
現金支払いのみのタクシーは、特に若年層やビジネス客から敬遠されがちですが、クレジットカードやQRコード決済に対応することで、利便性を求める顧客にも対応可能です。また、スマホ決済を日常的に利用している若者や、現金を持ち歩かない社会人にとっては、キャッシュレス対応のタクシーが選ばれる理由となります。
さらに、キャッシュレス決済に対応していれば、団体などからの注文も受けやすく、顧客基盤を広げることができるでしょう。
資金管理が楽
キャッシュレス決済を導入することで、タクシー事業者にとって資金管理が大幅に効率化されます。
現金取引では、日々の売上を集計したり、釣り銭を準備したりする必要がありますが、キャッシュレス決済では全てがデジタルで記録されるため、自動的に売上が管理されます。このように、自動で売上が記録されることで、人的ミスや現金の紛失リスクが軽減され、経理業務の負担も大幅に減少します。
また、決済情報がデータとして保存されるため、帳簿作成や税務申告が簡素化され、効率的な資金管理が可能です。さらに、売上のデータはリアルタイムで確認できるため、経営状況をタイムリーに把握できるのも大きなメリットです。これにより、より戦略的な経営判断が可能となり、事業の安定性が向上します。
特に個人タクシーの場合、企業が管理してくれるわけではないため、より管理しやすいキャッシュレス決済システムは有効です。
未払いリスクの排除
未払いが発生するリスクは限りなく少ないとは思いますが、リスクを排除しておくのは有効な手段です。現金支払いの場合、乗客が運賃を持ち合わせていない場合や、中には泥酔客で支払いが困難な場合もあります。現金とキャッシュレス両方に対応しておくことで、こういったリスクを回避し、安全に運行することが可能です。
個人タクシーが決済端末を導入する際の注意点
個人タクシーでキャッシュレス決済を導入することで、乗客の利便性が向上し、業務効率も上がりますが、導入にはいくつかの注意点があります。ここでは、決済端末を導入する際に押さえておくべき重要なポイントについて解説します。
ネットワーク環境が必要
キャッシュレス決済端末を利用するためには、安定したネットワーク環境が不可欠です。
ほとんどの決済端末は、インターネット接続が前提となっており、Wi-Fiやモバイルデータ通信を利用して決済を行います。タクシーの運行中に通信が途切れると、決済が完了しないリスクがあるため、通信環境の整備が求められます。特に、郊外や山間部、ビル群の中など、通信が不安定になりやすいエリアでは通信状況を事前に確認し、必要に応じてモバイルルーターの導入や、通信速度が安定するサービスを検討しましょう。
また、通信トラブルに備えてオフラインでも一時的に決済情報を保存し、後で送信できる端末を選ぶことも一つの方法です。安定したネットワーク環境を整えることで、トラブルを未然に防ぎ、乗客にストレスのないサービスを提供できます。
キャッシュレス決済には手数料がかかる
キャッシュレス決済を導入する際には、決済ごとに手数料が発生する点を理解しておく必要があります。
クレジットカードやQRコード決済には、一般的に2〜5%の手数料がかかります。これらの手数料は運賃から差し引かれるため、利益に影響を及ぼす可能性があります。導入前にどの決済手段を選ぶか、手数料がどの程度かを事前に確認しておきましょう。
なるべく手数料が低いプランを提供している決済サービスを選ぶことで、利益を最大化することが可能です。
別途レシートプリンターが必要な場合もある
キャッシュレス決済を行う際、乗客にレシートを提供することが求められるケースが増えています。
特に、ビジネスでタクシーを利用する乗客や経費精算が必要な場合、レシートの発行は必須です。しかし、多くの決済端末にはレシートプリンターが内蔵されていないため、別途プリンターを購入する必要が生じる場合があります。プリンターが別売りの場合、その費用や設置場所の確保も検討しなければなりません。
タクシー車内のスペース制限を考慮し、コンパクトで耐久性のあるプリンターを選ぶのがいいでしょう。また、レシート発行が不要な場合でも、電子レシートを提供できる機能や、メールやアプリを通じて領収書を送信できるシステムに対応しているかどうかも確認しておくと、幅広いニーズに応えられます。
プリンターの導入コストを抑えたい場合は、電子レシートに対応した決済端末を選ぶのも一つの選択肢です。
個人タクシーにおすすめの決済端末
個人タクシーでキャッシュレス決済を導入する際、どの端末を選ぶかは非常に重要です。それぞれの端末には特徴があり、費用や対応決済方法、使い勝手などが異なります。ここでは、個人タクシーにおすすめの決済端末をいくつか紹介します。
USEN PAY
USEN PAYは、カード決済やQRコード決済など、幅広い決済手段に対応しているのが特徴です。主要なブランドをほぼ網羅しており、乗客のニーズに柔軟に対応できます。
インターネット環境さえあれば、端末を手軽に導入できる点も個人タクシーにとって大きなメリットです。また、導入から運用までのサポートが充実しており、初めてキャッシュレス決済を導入する人でも安心して利用できます。特に、24時間対応のカスタマーサポートがあるため、トラブルが発生しても迅速に解決できる環境が整っています。
メリット
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多様な決済手段に対応(クレジットカード、QRコード、電子マネーなど)
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初期費用が比較的安い
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サポート体制が充実
スマレジ・ PAYGATE
スマレジ・PAYGATEは、アプリをダウンロードするだけで簡単にレジ機能を導入できる決済端末です。これ一台で現金決済にも対応できるため、キャッシュレスだけでなく現金取引もスムーズに行えます。
さらに、レシートプリンターが内蔵されており、別途プリンターを購入する必要がないため、初期費用を抑えることができます。小型で持ち運びやすく、タクシー内の限られたスペースでも邪魔になりにくい設計も魅力です。
メリット
レシートプリンター内蔵
小型で持ち運びやすい
月額費用が比較的低コスト
Square
Squareは、スマートフォンやタブレットと連携して手軽にクレジットカード決済を行える端末です。初期費用が安価で、専用リーダーをスマートフォンに接続するだけで導入が可能です。また、決済手数料が業界でも低めに設定されており、個人事業主やフリーランスに人気があります。
メリット
導入コストが非常に低い
クレジットカードの決済手数料が業界平均よりも低い
操作がシンプルで使いやすい
PayCAS Mobile
PayCAS Mobileは、ポータブルな端末で、スマレジ・ PAYGATEと同じくプリンター内蔵型のキャッシュレス決済端末です。操作が直感的で、タクシー運行中でも素早く決済を完了できる点が魅力です。
また特徴としてソフトバンクのSIMがあればWi-Fiがなくても利用できる機能があり、Wi-Fiの契約ができていない人などでもすぐに利用できます。
メリット
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プリンター内蔵型のモデルがある
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簡単な操作性と素早い決済処理
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多様な決済手段に対応
Airペイ
Airペイは、幅広い決済手段に対応しており、クレジットカード、QRコード決済、交通系ICカードなどほとんどの支払い方法をカバーしています。特に、初期費用が無料で、決済手数料が業界最安水準など導入のハードルが低いのが魅力です。
また、スマートフォンやタブレットとの連携がスムーズで、キャッシュレス対応を一元管理できる点も評価されています。
メリット
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初期費用が無料
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幅広い決済手段に対応
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操作がシンプルで導入が容易
個人タクシー向け決済端末の導入方法
個人タクシーでキャッシュレス決済を導入するためには、準備や手続きが必要で、スムーズに導入を進めるためには、事前準備や端末の選定が重要です。ここでは、決済端末を導入する具体的な手順を紹介します。
必要書類・インターネット環境の準備
決済端末を導入する際には、まず必要な書類やインターネット環境の準備を行います。以下の書類が一般的に求められます。
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個人事業主の確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、住民票など)
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銀行口座情報
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タクシー業務の営業許可証など
これらの書類を事前に揃えておくことで、申し込みプロセスがスムーズに進み、余計な手戻りを防ぐことができます。特に、銀行口座の情報は正確であることが求められるため、事前に確認しておきましょう。また、決済端末はインターネット接続が必須です。Wi-Fiやモバイル通信などの環境を整えておくことが、安定した決済処理に直結します。
運行中の通信途切れを防ぐために、通信環境が良好なエリアを把握し、場合によってはモバイルルーターの導入も検討して下さい。
決済端末の選定・申し込み
次に、導入する決済端末を選定し、申し込みを行います。決済端末にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なるため、以下のポイントを基準に選定しましょう。
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対応決済方法:クレジットカード、QRコード決済、電子マネーが対応可能か
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初期費用や手数料:初期費用が無料のサービスや、月額費用がかからないプランなどがあるか
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サポート体制:導入後にトラブルが発生した際、24時間対応のサポートがあるか、オンラインでのチャット対応が充実しているかなど
端末の選定が終わったら、メーカーやサービス提供会社のWebサイトから申し込みを行います。申し込み後には審査が行われ、無事に通過すると端末が発送されます。審査期間は数日から1週間程度が一般的です。
端末の設置
端末が届いたら、タクシー内に設置を行います。設置作業は比較的シンプルで、手順通りに進めれば自分で行うことが可能です。しかし、初めての導入で不安がある場合は、業者によるサポートを依頼することもできます。設置時には、以下の点に注意しましょう。
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端末の固定場所の確保:運転中に揺れても端末が安定して操作できる場所を選ぶ。ダッシュボードやセンターコンソールなど、見やすく手が届きやすい位置が理想。
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電源の確保:車内の電源供給を確認し、シガーソケットやUSBポートから安定した充電が可能かどうかをチェック。
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インターネット接続の設定:Wi-Fiやモバイル通信を設定し、通信が安定しているか確認。設定が完了したら、実際に運転中のエリアでもテストを行い、問題がないか確認することが重要。
設置が完了したら、必ずテスト決済を行い、正常に動作することを確認しておきましょう。これにより、運用開始後にトラブルが発生するリスクを最小限に抑えられます。
個人タクシーも決済端末機を導入して利便性を向上させよう!
キャッシュレス決済は、現代のタクシー業務において必須のサービスとなりつつあります。個人タクシーが決済端末を導入することで、顧客満足度が向上し、業務の効率化も期待できます。必要書類やインターネット環境の準備、端末の選定から設置までのプロセスをしっかりと押さえ、スムーズな導入を目指しましょう。
USEN PAYでは導入時のサポートも行っているので、検討している人はぜひお気軽にお問い合わせ下さい。