加速するキャッシュレス化の流れ。お客様の利便性向上と業務効率化を同時に実現する手段として、PayPayの導入が注目されています。自分の店舗でも導入してみたいと興味を持っている方も多いでしょう。
ただ、いざ導入するとなると、
「導入しても本当に利点があるのか」
「どれくらい費用がかかるのか」
「申し込みがめんどくさそう」
など、色々と気になるところです。
そこで本記事では、PayPayを導入するメリット・デメリットや導入の際にかかる費用、導入までの手順などを詳しく解説します。無料で導入できるキャンペーン情報も紹介するので、少しでもお得にキャッシュレス化を実現したい方は是非ご一読ください。
目次
キャッシュレス決済はスタンダードになっている
2023年に公開された「公益財団法人 NIRA 総合研究開発機構」の実態調査結果によると、消費支出額におけるキャッシュレス決済比率は70.6%に達しており、現金よりも利用されている状況です。クレジットカードだけでなく電子マネーやQRコード決済の利用も増加の一途を辿り、キャッシュレス決済をどこでも利用できることが当たり前の社会になりつつあります。
キャッシュレス決済は顧客の利便性を向上させるだけでなく、店舗側の業務効率化や売上向上にも繋がります。キャッシュレス化の波に乗り遅れないためにも、キャッシュレス決済への対応はもはや必須と言えるでしょう。
月額利用料が0円の制限プランと有料プランがある
PayPayにはQRコード決済を利用するための2種類のプランが用意されており、月額利用料が無料で利用できる「制限プラン」と、有料の「ライトプラン」があります。どちらのプランでもQRコード決済の基本的な機能は利用できますが、ライトプランの方がより多くの機能が利用可能です。
制限プラン | ライトプラン | |
ストアページの管理 | 〇 | 〇 |
お知らせ記事の投稿 | 〇 | 〇 |
PayPayクーポン | ✕ | 〇 |
PayPayスタンプカード | ✕ | 〇 |
各サービスの利用分析 | ✕ | 〇 |
決済システム手数料 | 1.98% | 1.60% |
ライトプランではQRコード決済に加えてクーポン発行やスタンプカードが利用でき、新規顧客の獲得やリピート客の増加に効果的です。また、決済システム利用料も制限プランより安く設定されています。
PayPay導入の費用と手数料
PayPayを導入する際の費用や手数料は、契約プランによって異なります。先述のとおり「ライトプラン」の方が利用できる機能が豊富ですが、その分費用がかかります。
制限プラン | ライトプラン | |
初期費用 | 無料 | 1,980円 |
月額利用料 | 無料 | 1,980円/店舗 |
決済手数料 | 1.98% | 1.60% |
それぞれの費用や手数料を比較して、現在の状況に合ったプランを選択しましょう。また、ライトプランを無料で利用できるキャンペーンも併せて紹介するので、少しでも費用を抑えたい方はチェックしてみてください。
PayPay導入時の初期費用
PayPayを導入する際の初期費用は、無料プランの「制限プラン」では一切かかりません。一方「ライトプラン」の場合、通常は初期費用として1,980円(税別)が必要となります。
月額利用料
PayPayを導入する際の月額料金も「制限プラン」の場合一切かかりません。一方で「ライトプラン」では月額料金1,980円(税別)が発生します。店舗ごとの料金設定なので、複数店舗を運営している場合はその店舗数分だけ料金がかかります。
決済手数料
PayPayを導入する際の決済手数料は「制限プラン」の場合、取引金額の1.98%となります。しかし「ライトプラン」に加入し、かつ全ての加盟店でこのプランを利用する場合、決済手数料は1.60%に引き下げられます。もし一部の店舗のみで有料プランを利用する場合、決済手数料は1.98%のままです。
決済手数料の観点から加入するプランを検討する際は、店舗数分の月額利用料とかかる手数料を計算し、どちらが得なのかを把握することが大切です。
無料キャンペーンの有無
ライトプランで契約する場合は初期費用が1,980円、月額利用料が店舗ごとに1,980円かかります。しかし、キャンペーンを活用すればお得にPayPayを導入することが可能です。
2024年8月19日時点ではトライアルキャンペーンが実施されており、初期費用と2ヵ月分の月額利用料が無料になります。ただし、PayPayが提供するスキャン支払い(お店のQRコードを読み取る方法)に申し込んでいる加盟店のみが対象です。
他のキャッシュレス決済システムとの決済手数料比較
キャッシュレス決済が普及し様々な選択肢が存在する中、決済手数料は利用サービスを選ぶ上で重要な判断材料の1つです。本章ではPayPayと主要なキャッシュレス決済の手数料を比較します。
決済システム | 決済手数料 |
PayPay | 1.60% or 1.98% |
楽天ペイ | 2.95% |
au PAY |
2.60% |
d払い | 2.60% |
メルペイ | 2.60% |
上記の表を見ると、PayPayは主要なキャッシュレス決済と比較して手数料の面で優位性を持っていることがわかります。他社サービスが2.60%以上の中、PayPayでは条件を満たすことで1.60%で利用が可能です。
PayPay導入は個人事業主でも可能
個人事業主でもPayPayを導入することは可能です。PayPayは事業形態を問わず幅広い層に門戸を開いています。
しかし、PayPayの導入には実店舗の存在が必須です。そのため、通信販売など実店舗を持たない事業形態の場合、審査を通過することが難しいでしょう。
一方、店舗を構えている個人事業主であれば問題なくPayPayを導入できます。固定の店舗だけでなく、キッチンカー、イベント出店、ワークショップなど、場所が固定ではない場合でも「移動販売等」という形で申請すればPayPayを導入可能です。
つまり、PayPay導入の可否は、個人事業主であるかどうかではなく実店舗の有無がポイントとなります。
PayPayの導入手順
これからPayPayを導入したい、キャッシュレス決済に挑戦してみたいと考えている方に向けて、本章ではPayPayの導入方法を紹介します。主な手順は以下の5つです。
- 仮登録する
- 申込み案内メールを受信する
- 審査情報を入力する
- 審査が完了するのを待つ
- スターターキットのガイドに沿って、利用を開始する
仮登録する
まずはPayPay公式サイトの申し込みページで、必要事項を入力して仮登録を行います。
入力するのは以下の項目です。
- 法人or個人事業主
- 業種
- 申込み担当者名
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所
- 法人名/法人番号(法人のみ)
知人から紹介者コードを受け取っている場合は、このタイミングで入力しましょう。
入力が完了したら「申込む」をクリックしてください。
申込み案内メールを受信する
仮登録が完了すると、登録したメールアドレスに案内メールが届きます。メールに記載されているリンクから申し込みフォームを開き、次のステップに進みましょう。
審査情報を入力する
申し込みフォームでは本登録の審査に必要な情報を提出します。個人事業主か法人かによって必要書類や入力情報が異なるため注意が必要です。事前に必要なものを確認しておきましょう。
必要書類
- 代表者(法人の場合は申請者)の本人確認書類
- 売上金入金先の口座情報
- 法人番号(法人のみ)
- 店舗内観写真・店舗外観写真(各1枚、合計2枚)
なお、書類関連は原本のみ提出可能です。
審査が完了するのを待つ
審査情報を入力して申し込みが完了すると、審査が始まります。審査にかかる時間は、通常1~2週間ほどです。審査に通ると1週間ほどでスターターキットが届きます。
スターターキットのガイドに沿って、利用を開始する
スターターキットが届いたら、同封されているガイドに沿って登録や設定を行い、PayPayの使い方を確認しましょう。テスト決済なども行い、問題がないことを確認した上で、いよいよPayPayでの決済受付を開始できます。具体的な手順や詳細は、スターターガイドに詳しく記載されていますので、必ず目を通してください。
PayPay導入のメリット
PayPayを導入することで店舗運営に数多くのメリットがあり、売上向上や業務効率化、顧客満足度向上など、多岐にわたる効果が期待できます。本章では代表的なメリットをさらに掘り下げて解説します。
- 決済手数料が最安値水準
- 加盟店となることで集客力が上がる
- レジでの決済スピードが上がる
- 現金を扱う手間が減る
決済手数料が最安値水準
他社決済システムとの比較でも解説したとおり、PayPayの決済手数料は業界でも最安値水準を誇ります。特に中小規模の事業者や薄利多売のビジネスモデルにとっては大きなメリットです。
クレジットカード決済などと比較しても大幅に低い手数料で、売上増加分をしっかりと利益として確保できます。また、制限プランなら、導入費用や月額費用も無料であるため、初期費用を抑えて導入できます。
加盟店となることで集客力が上がる
キャッシュレス決済は現代のスタンダードになっています。PayPayを導入することでキャッシュレス派の顧客層にアピールし、店舗への集客力を高めることが可能です。
国内QRコード決済サービスの中でもPayPayはトップクラスの利用者数を誇ります。そのため、PayPay加盟店になることで、これまでリーチできなかった潜在顧客の獲得が可能です。
さらに、PayPayが定期的に実施する電子マネーの還元率アップキャンペーンなど、利用者にとって魅力的なサービスも多くあります。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の来店頻度向上や購入単価アップにも繋がり、売上の増加も期待できます。
レジでの決済スピードが上がる
PayPayを導入することでレジでの決済スピードが向上し、 利用客と事業者双方にとってメリットが生まれます。
利用客にとっては、レジでの待ち時間が短縮されスムーズな買い物が可能になるのが利点です。現金払いでは小銭の受け渡しや釣銭の確認などに時間がかかることがありますが、PayPayのようなQRコード決済ではスマートフォンをかざすだけで支払いが完了するため、決済にかかる時間を大幅に短縮できます。
また事業者側にとっても、PayPay導入はレジ対応時間の削減できる利点があります。キャッシュレス決済を導入することで従業員の負担を軽減し、より効率的な店舗運営が可能です。
現金を扱う手間が減る
PayPayを導入することで、事業者は現金を扱う手間を削減できます。まず、現金の取り扱いが減ることで、開店時や閉店時に現金を数える手間を省くことが可能です。特に閉店後のレジ締めは時間のかかる作業ですが、PayPayを導入すればその負担を軽減できます。
また、飲食店などでは、現金に触れる機会が減ることで、衛生面のリスクを低減できるのも利点です。さらに、PayPayでは売上や入金状況などをリアルタイムで確認できるため、わざわざ帳簿をつける必要がなく簡単に経営状況を把握できます。
このように、PayPayを導入することで事業者は現金を扱う手間を減らし、本来の業務に集中できる環境を整えられます。その結果、業務効率が向上し、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
PayPay導入のデメリット
PayPayを導入することで、利用客と事業者どちらにも大きなメリットがあります。しかしPayPayに限った話ではありませんが、キャッシュレス決済を導入する際には気を付けなければいけない点もあります。導入後に後悔しないよう、事前にデメリットを把握しておきましょう。
- 入金タイミングの管理が必要
- セキュリティに気を付ける必要がある
- 他のキャッシュレス決済サービスの検討も必要
入金タイミングの管理が必要
PayPayを導入するデメリットの一つは、入金タイミングの管理が必要になることです。PayPayを導入すると、現金と違い売上が立ったタイミングと実際に手元に入金があるタイミングにズレが生じます。その結果、事業のキャッシュフローに影響を与える可能性があるのです。
特に小規模店舗の場合、日々の現金の流れが事業運営に直結するため、PayPayの入金タイミングを把握し、それに合わせた資金繰りが求められます。例えば、PayPayの入金サイクルによっては、月末にまとまった支払いが発生する際に一時的に手元資金が不足するといった事態も想定されるので注意が必要です。
セキュリティに気を付ける必要がある
PayPayを導入する際には、その利便性だけでなく、セキュリティ面についても十分に配慮する必要があります。QRコード決済は、その手軽さが魅力ですが、同時にセキュリティリスクも抱えています。
例えば、設置型のQRコードが気づかないうちに不正なものにすり替えられてしまう事例です。このような不正が行われると、本来お店に入るべきはずの売上が犯罪者の手に渡ってしまう恐れがあります。
PayPay導入はキャッシュレス化を進めて顧客満足度を高める有効な手段ですが、セキュリティへの意識を怠ると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。導入前にしっかりとリスクを把握し、適切な対策を講じることが大切です。
他のキャッシュレス決済サービスの検討も必要
キャッシュレス決済を導入する際には、PayPayだけでなく他の決済サービスの導入も検討することが重要です。PayPayは国内で高い普及率を誇りますが、お客様全員がPayPayを利用しているとは限りません。
例えば、QRコード決済ではPayPayの他にも「楽天ペイ」や「LINE Pay」が人気です。また、クレジットカードや交通系ICカードでの支払いを希望する方もいるでしょう。
PayPayのみの対応では、こうした多様な顧客ニーズに応えられず、機会損失につながる可能性があります。
USEN PAYシリーズでPayPayなど複数の決済方法を導入しよう
本記事ではPayPayの導入について解説しました。決済方法としてPayPayを導入することで、集客力が上がったり、現金を扱う手間が減ったりなど多くのメリットがあります。しかし、導入する際には入金タイミングやセキュリティ面など、気を付けなければいけない点もあります。また、PayPay以外の決済方法を利用したいお客様も多いため、他のキャッシュレス決済サービスの導入も検討しなければいけません。
もし複数の決済方法を導入するのが難しい場合は、PayPayを含めたキャッシュレス決済をまとめて利用できるサービス「USEN PAYシリーズ」がおすすめです。QRコードやクレジットカード、電子マネーなど合計71種のブランドに対応しており、様々なニーズに対応できます。
本記事を参考にキャッシュレス決済を導入し、業務効率化や売上UPを目指してみてください。