「NFCモバイル決済とは何だろう?」「どのような種類があるの?」と疑問を抱かれている方もいらっしゃると思います。
NFCモバイル決済は、デバイス同士を近づけることで簡単に支払いができる仕組みで、Apple Pay、Google Pay、モバイルSuica、おサイフケータイなどの種類があります。
これらの決済に対応する端末を導入することで、次のようなメリットが見込めます。
・顧客満足度が上がる
・現金・クレジットカード以外の決済手段を使いたい顧客層を取り込める
・業務が効率化する
・店舗の利用データを蓄積できる
この記事では、NFCモバイル決済の種類の詳細から、メリット・デメリット、NFCモバイル決済端末を導入する手順まで解説します。
目次
NFCの基礎知識
「NFCとはそもそも何だろう?」、「どのような仕組みなのだろう?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。まず、NFCについて次の2つの項目を解説します。
- NFCとは?
- NFCの仕組み
NFCとは?
NFCとは「Near Field Communication」の略で、日本語では「近距離無線通信」と呼ばれています。
NFCはデバイス同士を近づけることで無線通信ができる技術で、スマートフォンやクレジットカード、交通系ICカードなどに広く活用されています。
NFCの大きな利点は、機器同士をタッチするだけで簡単に通信できることです。シンプルな操作で済むため、非接触決済や情報共有、アクセス管理など、さまざまな分野での活用が進んでいます。
NFCの仕組み
NFCは、13.56MHzの周波数帯を利用した無線通信技術です。NFC対応デバイス同士を約10cm以内の距離に近づけることで、ワイヤレス通信ができます。
NFCの通信距離は短いものの、その分セキュリティが強化され、不正利用のリスクが低減されることがメリットです。
NFCには「パッシブモード」と「アクティブモード」という2つのモードがあります。パッシブモードでは、一方のデバイスが電磁場を生成し、もう一方がそのエネルギーを利用して通信を行います。交通系ICカードや電子マネーなどで多く採用されているのがパッシブモードです。
一方、アクティブモードでは、両方のデバイスが電磁場を生成し、相互にデータを送受信します。より複雑なデータのやり取りが可能なため、スマートフォン同士のファイル共有などに利用されています。
NFCはBluetoothやWi-Fiと異なりペアリングや設定が不要なため、迅速な決済処理が可能なのです。
NFCの代表的な規格
NFC主に3つの代表的な規格があります。それぞれ異なる特長があり、日常生活のさまざまな場面で利用されています。
- Type-A:NXPセミコンダクターズが開発した規格で、比較的低コスト。
- Type-B:モトローラが開発した規格で、安全性が高く処理が高速。
- FeliCa(Type-F):ソニーが開発した規格で、安全性が高く処理が高速。
Type-A
Type-Aは、オランダのNXPセミコンダクターズという企業が開発したNFC規格です。
Type-Aは製造コストが比較的安く、taspoカードやテレホンカードなどの用途で活用されています。
他の規格と比較して認識速度が速く、スムーズな決済が可能です。しかし、安全性に関しては他の規格に劣る場合があるため、高度なセキュリティが求められる際は、他の規格と併用するか適切な対策を講じることが重要です。
Type-B
Type-Bは、アメリカのモトローラという企業が開発したNFC規格で、安全性と処理速度に優れています。
Type-Bは、高いセキュリティが求められる場面での利用が多く、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどに採用されています。
Type-Bの大きな特長は、処理速度の速さです。データの読み取りや書き込みが迅速に行えます。
また、Type-Bは高いセキュリティレベルを誇り、不正アクセスやデータ漏洩のリスクが低い点も魅力です。
FeliCa(Type-F)
FeliCa(フェリカ)は、日本のソニーが開発したNFC規格で、高い安全性と高速なデータ処理が特徴です。
FeliCaは、日本国内で広く普及しており、SuicaやPASMOといった交通系ICカード、Edyやnanaco、iD、QUICPayなどの電子マネーで採用されています。
短時間で大容量のデータをやり取りできるため、決済や駅の改札など、瞬時に反応が必要な場面に適しているのです。
また、FeliCaはデータの暗号化やアクセス制御など複数のセキュリティ層を備えており、高い安全性を誇ります。
NFCモバイル決済の種類
NFCを利用したモバイル決済は、さまざまな種類があります。NFCモバイル決済の代表的な種類は、以下のとおりです。
- Apple Pay:Appleが提供するNFCモバイル決済サービス。
- Google Pay:Googleが提供するNFCモバイル決済サービス。
- モバイルSuica:JR東日本が提供する交通系ICカードのモバイル版。
- おサイフケータイ:日本独自のNFC決済システム。
Apple Pay
Apple Payは、Appleが提供するNFCモバイル決済で、iPhoneやApple Watchを使って簡単に支払いができるサービスです。
事前にWalletアプリにクレジットカードやデビットカードを登録しておくと、端末をかざすだけで瞬時に決済できます。
Apple Payは高度なセキュリティ機能を備えており、カード情報はデバイス上に保存されず、代わりに一度限りの暗号化されたトークンが使用されます。この仕組みにより、カード情報が盗まれるリスクを大幅に低減することができます。
Apple Payはオンラインショッピングでも利用可能であり、アプリやウェブサイトでの決済も簡単に行うことができます。
Google Pay
Google Payは、Googleが提供するNFCモバイル決済サービスです。AndroidスマートフォンやWear OSを搭載したスマートウォッチで利用可能で、複数の支払い方法を一括管理できる点が大きな特長です。
Google Payを使用するには、Google Payアプリにクレジットカードやデビットカードを登録する必要があります。カードを登録すれば、端末をかざすだけで簡単に決済が完了します。
Google Payでは、カード情報は端末内で直接やり取りされず、暗号化された仮想アカウント番号が利用されるため、セキュリティ面でも安心です。
モバイルSuica
モバイルSuicaは、JR東日本が提供する交通系ICカード「Suica」のモバイル版で、スマートフォンやフィーチャーフォンで利用可能です。
モバイルSuicaは、交通機関の利用だけでなく店舗での支払いにも対応しています。事前にアプリをダウンロードし、Suicaのチャージを行うと、スマートフォンをかざすだけで支払いが完了します。
モバイルSuicaにはクレジットカードと連携したオートチャージ機能があるため、チャージの手間を省けることが特長です。また、ポイント還元プログラムも充実しており、支払いに応じてポイントを貯められることも魅力の一つです。
おサイフケータイ
おサイフケータイは日本独自のNFCモバイル決済システムで、主にAndroid端末に搭載されています。
おサイフケータイアプリを通じて、複数の電子マネーサービスを利用できる点が特長です。例えば、モバイルSuicaやEdy、nanaco、iD、QUICPayなどのサービスをスマートフォン一台で管理できます。
ポイントカード、クーポンなども一元管理できるとても便利なシステムで、日本国内で広く普及しています。
NFCモバイル決済を導入するメリット
NFCモバイル決済を店舗に導入すると、以下のような多くのメリットがもたらされます。
- 顧客満足度が上がる:さまざまな決済手段が利用可能になり、顧客にとっての利便性が向上する。
- 現金・クレジットカード以外の決済手段を使いたい顧客層を取り込める:キャッシュレス派の顧客のほか、インバウンド需要にも応えられる。
- 業務が効率化する:現金管理の手間が減り、業務が効率化する。
- 店舗の利用データを蓄積できる:データを蓄積し、分析やマーケティングに活用できる。
顧客満足度が上がる
NFCモバイル決済を導入することで、顧客がさまざまな決済手段を利用できるようになり、顧客満足度を向上させることが可能です。
現金やクレジットカードだけでなく、電子マネーやスマートフォンを使った決済もできるため、顧客の選択肢が広がります。なおかつ、迅速に決済が完了するので、顧客のレジ待ち時間の削減にもつながります。特に、忙しい時間帯や混雑している店舗で重宝するでしょう。
さらにNFCモバイル決済は、接触を最小限に抑えることができるため、衛生面でも安心です。
店舗でNFCモバイル決済を導入することで、顧客にスマートで便利な買い物環境を提供し、満足度を高めることができます。
現金・クレジットカード以外の決済手段を使いたい顧客層を取り込める
NFCモバイル決済の導入により、現金やクレジットカード以外の決済手段を求める顧客層を取り込めます。
特に、若年層や外国人観光客、ビジネスパーソンなど、スマートフォンや電子マネーを利用したキャッシュレス決済に慣れた顧客にとって、あらゆる決済手段を利用できることは大きなメリットです。
近年、現金やクレジットカード以外の決済手段が急速に普及しており、現金を持ち歩かない人も少なくありません。
また、インバウンドの顧客も増えています。母国でのキャッシュレス決済に慣れており、日本でもキャッシュレス決済を利用したいという外国人観光客は多いです。
このような顧客層に対応するために、NFCモバイル決済を導入することで、新たな顧客層を獲得し、売上の向上を図ることができます。
業務が効率化する
NFCモバイル決済を導入することで、店舗の業務効率を大幅に向上させることができます。
まず、キャッシュレス決済の増加により、現金管理の手間が減少します。現金のカウントや銀行への入金作業、つり銭の準備など、時間と労力を要する作業が削減されるでしょう。
また、小売店や飲食店ではピーク時のレジ対応がスムーズになり、スタッフの負担軽減につながります。迅速に支払いが完了し、顧客を待たせる時間を短くできるため、店内の混雑も軽減されるでしょう。
さらに決済データが自動的に記録されるため、記帳や計算ミスのリスクが減少し、経理業務も効率化されます。
このようにあらゆる業務が効率化することで、スタッフは本来の接客業務に集中することができ、店舗全体のサービス品質向上にも寄与します。
店舗の利用データを蓄積できる
NFCモバイル決済を導入により店舗は顧客の利用データを蓄積でき、このデータをもとにさまざまなマーケティング施策を実施できます。
具体的には、どのような商品がどの時間帯に売れているか、どのような顧客層が多く利用しているかという情報を収集することが可能です。
データを分析することで、ターゲティングの精度を向上させ、効率的なプロモーション活動が展開できるほか、購買傾向や行動パターンを把握し、新商品やサービスの開発にも役立てられます。
さらに、顧客データをもとにしたロイヤリティマーケティングも行うことができ、顧客に対して個別に特典を提供するなどの施策により、顧客満足度の向上も望めます。
NFCモバイル決済を導入するデメリット
NFCモバイル決済の導入には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。導入を検討する際には、次のようなデメリットも理解しておきましょう。
- 初期費用がかかる
- 活用できるようになるまでが大変
- 機器トラブルの可能性がある
初期費用がかかる
NFCモバイル決済を導入する際、まず考えた方が良いのが初期費用です。NFCモバイル決済の導入には、専用の決済端末やPOSシステムの購入、ソフトウェアの導入、システムの構築など、最初の段階で一定のコストがかかります。
これらの初期投資は、特に中小規模の店舗にとって負担となる場合があるため、導入前にしっかりと費用対効果を検討した方が良いでしょう。
初期費用のほかに、長期的に発生するメンテナンス費用やソフトウェアのアップデート、クレジットカードや電子マネー決済にかかる決済手数料も考慮しなければなりません。
NFCモバイル決済導入によるコストが利益に与える影響を予測し、持続可能な導入計画を立てることが重要です。
活用できるようになるまでが大変
NFCモバイル決済のシステムを完全に活用できるようになるまでには、一定の時間と労力が必要です。
スタッフ全員が操作方法を習得する必要があるため、トレーニング期間が必要となります。従来の決済方法に慣れているスタッフにとっては、新しい端末に慣れるのは難しく感じられるかもしれません。
さらに、顧客に対しても新しい決済方法を案内し、理解してもらう必要があります。特に高齢者などはNFCモバイル決済の利用を難しく感じる場合があり、サポートする人員が必要です。
機器トラブルの可能性がある
NFCモバイル決済システムは非常に便利ですが、機器トラブルが発生する可能性もあります。
例えば、通信環境が不安定な場所では、決済が上手く行われない場合があります。また、システムやソフトウェアのアップデートにより、予期せぬトラブルが発生することもあります。
トラブルに対処するためには、対応策をスタッフ全員で事前に確認し、迅速に対応できる体制を整えておくことが大切です。特に、店舗の混雑時にトラブルが発生すると顧客への影響が大きくなるため、緊急時の対応策を明確にしておきましょう。
このようなトラブルを最小限に抑えるためにも、サポート体制が整ったサービスを選ぶこともポイントです。
NFCモバイル決済の導入手順
NFCモバイル決済を店舗に導入するには、申込み→審査→設定・納品という手順を踏まなければなりません。
まず最初に、NFCモバイル決済端末の提供元に申し込みを行います。申し込み時には、店舗情報や法人・個人の証明書類、銀行口座の情報などの提出が必要です。
次に、提出した書類に基づいて審査が行われます。この審査は、サービス提供者が店舗の信用度を確認するためのものであり、数日から1週間程度で完了します。
審査が通過すると、NFCモバイル決済端末が店舗に納品されます。納品後は、端末をレジ周りなどに設置し、ネットワーク接続などの設定を行います。
最後に、NFCモバイル決済端末が正常に動作するか確認し、操作方法を習得すれば導入の完了です。
NFCモバイル決済の未来と可能性
NFCモバイル決済は、今後もさらなる発展が期待される分野です。
NFC技術は、その利便性と安全性から、さまざまな分野での活用が進んでいます。例えば、公共交通機関での利用や、イベント会場や観光地でのチケットレス入場など、NFC技術が実現する新しいサービスが次々と登場しています。また今後は、IoT(Internet of Things)と連携し、家庭内のスマートデバイスやオフィスでのセキュリティ管理にもNFCが活用されることが予想されます。
さらに、キャッシュレス化の拡大に伴い、QRコード決済も普及していくでしょう。
モバイル決済端末の導入はUSEN PAYがおすすめ
NFCモバイル決済に対応する端末は、以下のような特長があるUSEN PAYがおすすめです。
- 1台で71種の決済サービスに対応
- 導入も保守も手厚くサポート
- 決済手数料率が安い
- 売上が最短翌日に振り込まれる
1台で71種の決済サービスに対応
USEN PAYの特徴の一つは、1台の端末で71種類もの決済サービスに対応している点です。
USEN PAYは、クレジットカード決済やデビットカード決済、電子マネー決済、さらにQRコード決済にも対応しています。Apple Pay、Google Pay、モバイルSuica、PayPayなど、さまざまな決済手段を一台でカバーすることが可能です。
多様な決済方法を提供することで、インバウンドも含めた顧客のニーズに幅広く応えることができます。また、決済手段によって複数の端末を導入する必要もないため、導入コストや運用コストの削減にもつながります。
導入も保守も手厚くサポート
USEN PAYは、導入から保守までのサポート体制が非常に充実している点でもおすすめです。
まず、導入前の審査に必要な書類などの確認作業を行います。
全国に約140か所の拠点を構えており、トラブルが発生した場合には迅速に駆けつけて対応します。さらに、24時間体制の電話サポートも提供されており、営業時間外のトラブルにも対応可能です。
また、万が一端末が故障した際には、無償で交換してくれるサービスも用意されています。このような手厚いサポートにより、安心してNFCモバイル決済システムを導入・運用することができます。
決済手数料率が安い
コストパフォーマンスの面でも、USEN PAYは非常に魅力的です。
VisaやMastercardなどのクレジットカード決済の手数料率は2.99%と、業界の中でも低い水準に設定されています。WeChat PayやAlipay+といった外国人観光客に人気の決済サービスについても、3%というリーズナブルな手数料率で決済が可能です。
USEN PAYなら、コストを抑えつつ、幅広い顧客層に対応することができます。同時に、利益率の向上にもつながります。
売上が最短翌日に振り込まれる
USEN PAYでは、カード決済や交通系電子マネー決済で発生した売上が、最短翌日に指定口座へ振り込まれます。
振込手数料は無料で、土日祝日でも振り込み可能です。売上がすぐに手元に入ることは、店舗運営において安心材料になるほか、キャッシュフローの改善にも役立ちます。
NFCモバイル決済の種類を押さえて適切な決済システムを導入しよう
NFCモバイル決済の種類は、Apple Pay、Google Pay、モバイルSuica、おサイフケータイなどです。
NFCモバイル決済が可能な端末を導入すると、顧客満足度が上がる、現金・クレジットカード以外の決済手段を使いたい顧客層を取り込める、業務が効率化する、店舗の利用データを蓄積できるなどのメリットがあります。
ただし、初期費用がかかる、活用できるようになるまでが大変、機器トラブルの可能性があるというデメリットも存在するため、なるべくコストを抑えられ、導入時やその後の利用時にもサポートが充実しているサービスを選ぶと良いでしょう。
USEN PAYであれば、決済手数料が安いうえに、導入も保守も手厚いサポートが用意されているので安心です。NFCモバイル決済端末の導入を検討されている場合は、ぜひお問い合わせください。