キャッシュレス決済の普及が加速する中、店舗を運営する上でキャッシュレス決済はもはや必須です。ただ、いざ導入するとなると、「種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」「 電子マネーやQRコード決済、何が違うの?」など、気になることも多いでしょう。
そこで本記事では、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済の3つについて、それぞれの特徴やメリット・デメリットを徹底比較します。ご自身の店舗に最適な、キャッシュレス決済の始め方を検討されている方は、ぜひご覧ください。
目次
キャッシュレス決済は現代のスタンダード
2023年に行われた「公益財団法人 NIRA 総合研究開発機構」の実態調査結果によると、個人の消費支出額におけるキャッシュレス決済比率は70.6%に達しており、現金よりもキャッシュレス決済の方が利用されていることを示しています。キャッシュレス決済比率70.6%の内訳は以下のとおりです。
支払手段 | 利用率 |
クレジットカード | 41.1% |
口座引き落とし | 10.0% |
QR・バーコード決済 | 8.1% |
電子マネー | 4.9% |
インターネットバンキング | 1.5% |
デビットカード | 1.4% |
キャッシュカードでの振込 | 1.4% |
タッチ決済 | 1.1% |
その他 | 0.9% |
※2024年10月現在
キャッシュレス決済の内訳を見ると、クレジットカードが41.1%と最も高い割合を占めています。QRコード決済や電子マネーもそれぞれ8.1%、4.9%と利用されており、キャッシュレス決済の決済手段が多様化していることが分かります。
また、5年前の調査結果と比較すると、キャッシュレス決済比率は51.2%から70.6%へと19.3ポイント増加しており、これはキャッシュレス化が進んでいる証拠です。特に、QRコード決済とタッチ決済を合わせた決済比率は0.7%から9.2%へと大きく増加しており、今後もキャッシュレス決済の利用拡大が予想されます。
キャッシュレス決済はもはや特別なものではなく、どこでも利用できて当然という社会になりつつあります。多様な決済手段が普及し、利用率も増加していることから、キャッシュレス決済は現代のスタンダードと言えるでしょう。
2 キャッシュレス決済の比較
現在キャッシュレス決済の中でも特に利用されている以下の3つについて、それぞれの特徴を詳しく解説します。
- クレジットカード決済
- 電子マネー決済
- QRコード決済(バーコード決済)
クレジットカード決済
キャッシュレス決済の代表格といえば、クレジットカード決済です。キャッシュレスという言葉が普及する前から、クレジットカードは人々の生活に浸透していました。
クレジットカード決済の最大の特徴は、後払いである点です。商品やサービスを利用した時点では支払いが発生せず、後日まとめて支払うことができます。急な出費や高額な買い物にも対応できるため、柔軟な資金管理が可能になります。
また、クレジットカードは利用できる店舗やサービスが非常に幅広いのも魅力です。国内外の多くの店舗はもちろん、公共料金の支払い、ネットショッピングなど、多岐にわたるシーンで利用できます。
なお、近年では即日引き落とされるなど、使いすぎの防止などに配慮したサービスもあります。
電子マネー決済
電子マネー決済は、事前にチャージした金額の範囲内で支払いができる、プリペイド式のキャッシュレス決済です。あらかじめカードやスマートフォンアプリに現金をチャージしておき、支払いの際に専用の端末にかざすだけで決済が完了します。
コンビニエンスストアでのちょっとした買い物や、電車やバスの運賃の支払いなど、少額の支払いを頻繁に行う場合に便利です。
QRコード決済(バーコード決済)
QRコード決済は、スマートフォンやタブレットのアプリを活用し、QRコードを読み込むことで手軽に支払いが完了する決済方法です。その利便性から、キャッシュレス決済の中でも急速に普及が進んでいます。
QRコード決済の魅力は、何と言ってもその手軽さにあります。クレジットカードのようにカードを提示したり、電子マネーのように端末にかざしたりする必要がなく、アプリでQRコードを読み込むだけで支払いが可能です。
QRコード決済には、主に2つの方式があります。一つは、店舗側が提示したQRコードを利用客が読み込む「ユーザースキャン方式」です。もう一つは、利用客のスマートフォンアプリに表示されたQRコードを店舗側が読み取る「ストアスキャン方式」です。いずれの方式も瞬時に決済が完了するため、レジ会計の待ち時間短縮に繋がります。
キャッシュレス決済の用語を解説
一口にキャッシュレス決済と言っても、様々な決済方法が存在します。本章では代表的なキャッシュレス決済の用語を解説するので、導入前に認識に相違が無いか確認しておきましょう。
- 非接触決済
- タッチ決済
- スマホ決済・モバイル決済
非接触決済
非接触決済とは、現金や物理的なカードの受け渡しを必要とせず、スピーディーかつ安全に支払いを完了できる決済方法の総称です。具体的には、SuicaやPASMOなどの交通系ICカード、nanacoやWAONなどの電子マネー、PayPayやLINE PayなどのQRコード決済、そしてクレジットカードのタッチ決済などが含まれます。
近年、非接触決済は急速に普及しており、コンビニエンスストアやスーパーマーケットだけでなく、飲食店や自動販売機など様々な場所で利用できるようになっています。今後もさらに利便性が高まり、利用シーンが広がっていくでしょう。
タッチ決済
従来の決済方法では、現金の受け渡しやカードの読み取りに時間がかかりがちでした。しかし、タッチ決済では、対応するカードやスマートフォンを専用の端末にかざすだけで支払いが完了します。
タッチ決済には、様々な種類があります。例えばuicaやPASMOなどの交通系電子マネーやクレジットカードのタッチ決済機能などです。それぞれ異なる技術を用いていますが、いずれも「かざすだけ」という手軽さを共通点としています。
タッチ決済の普及により、レジでの待ち時間が短縮され、スムーズな買い物が実現しました。また、現金を持ち歩く必要がなくなり、セキュリティ面でも安心感が高まりました。
スマホ決済・モバイル決済
スマホ決済・モバイル決済とは、スマートフォンを使って支払いを済ませる方法全般を指します。誰もが持っているスマホひとつで手軽に支払いが完了するため、キャッシュレス社会を象徴する決済手段として急速に普及しています。
スマホ決済には様々な種類があり、その中には先述した「タッチ決済」や「QRコード決済」も含まれます。店舗での買い物だけでなく、公共交通機関の利用やオンラインショッピングなど、幅広いシーンで活用が可能です。
キャッシュレス決済のメリット・デメリット
様々なキャッシュレス決済が存在するため、どれを選べばいいか迷ってしまうでしょう。本章では、主要な決済方法のメリット・デメリットを紹介します。
- クレジットカード決済でのメリット・デメリット
- QRコード決済でのメリット・デメリット
- 電子マネー決済でのメリット・デメリット
クレジットカード決済でのメリット・デメリット
クレジットカード決済のメリットは、幅広い顧客層に対応できることです。クレジットカードは国内外問わず、多くの人々が利用しています。特にインバウンド消費を促進したい店舗にとっては、クレジットカード決済の導入は必須と言えるでしょう。
また、クレジットカードは他のキャッシュレス決済と比べて高額な支払いに対応しやすいです。高級品を取り扱う店舗や、客単価の高い店舗にはクレジットカード決済が向いています。
逆にクレジットカード決済のデメリットは、導入コストがかかることです。クレジットカード決済を導入するには、専用の端末やシステムの導入が必要となり、初期費用やランニングコストが発生します。特に小規模な店舗にとっては負担が大きくなるでしょう。
また、クレジットカード決済を行うためには、利用者側も審査を通過する必要があります。審査に通らない、審査申込の条件を満たしていない顧客層も一定数いるため、全てのお客様に対応できるとは限りません。
QRコード決済でのメリット・デメリット
QRコード決済のメリットは、店舗側・利用客双方にとってスマートフォンやタブレット端末さえあれば利用できる手軽さです。高額な専用端末や複雑なシステム導入は不要で、小規模店舗でも気軽に導入できます。
QRコード決済は幅広い年齢層で利用者が増加しており、特に若年層や中年層への訴求力が高いです。加えて、QRコード決済利用率の高い中国からの観光客に対応することで、国内だけでなくインバウンド消費の取り込みも期待できます。
また、QRコード決済サービスが提供するキャンペーンやポイント還元を活用することで、顧客の購買意欲を高め、売上増に繋げられるでしょう。
ただしデメリットとして、QRコードのすり替えや不正利用など、セキュリティ面でのリスクが挙げられます。QRコードを定期的に変更したり、従業員へのセキュリティ教育を実施したりなど対策が必要です。
電子マネー決済でのメリット・デメリット
電子マネー決済のメリットは、QRコードやクレジットカードの処理に比べてスピーディーな会計が可能なことです。レジ会計の待ち時間が短縮されることで、顧客満足度の向上に繋がります。
また、クレジットカードを持たない若年層や、現金を持ち歩くことを好まない層など、電子マネーは多様なニーズに応えることができます。特に、国内での利用者が多い交通系ICカードでの決済も可能な点は大きな魅力です。
ただし、電子マネー決済を導入するためには専用の端末やシステムの導入が必要となり、初期費用やランニングコストが発生します。また、利用するたびに決済手数料がかかることも考慮すると、大きな負担となるでしょう。
また、電子マネーにはチャージ上限が設定されている場合が多く、高額な商品の決済には対応できません。高単価の商品を扱う店舗では、クレジットカード決済との併用などを検討する必要があります。
電子マネー決済やQRコード決済の代表的なサービス
電子マネー決済として普及率の高いサービスは以下のとおりです。
・nanaco
セブン&アイ・ホールディングスが提供する電子マネーです。セブンイレブンをはじめ、イトーヨーカドーやデニーズなど、グループ店舗での利用でポイントが貯まります。
・Suica
JR東日本が提供する交通系電子マネーです。電車やバスの乗車はもちろん、コンビニやスーパーなど、様々な店舗での支払いに利用できます。
・PASMO
株式会社パスモが提供する交通系電子マネーです。Suicaと同様に、交通機関以外での支払いにも対応しています。
・QUICPay
クレジットカードと連携して利用できる電子マネーです。QUICPay対応のクレジットカードを登録することでスピーディーな支払いが可能になります。
また、QRコード決済では以下のようなサービスが人気となっています。
・PayPay
ソフトバンクとヤフーが共同で提供するQRコード決済サービスです。加盟店が豊富で、PayPay残高や連携した銀行口座からの支払いができます。
・楽天Pay
楽天が提供するQRコード決済サービスです。楽天ポイントが貯まりやすく、楽天市場での買い物がお得になります。楽天キャッシュや連携した銀行口座からの支払いが可能です。
・メルペイ
メルカリが提供するQRコード決済サービスです。メルカリの売上金を利用できるのが特徴です。iD決済にも対応しており、幅広い店舗で利用できます。
電子マネー・QRコード決済の導入費用
電子マネー・QRコード決済は、比較的低コストで始められます。初期費用は端末費用がメインとなり、0円から数万円程度です。すでに業務で使用できるスマートフォンやタブレットがあれば新たに端末を購入する必要がないため、初期費用を抑えることができます。
決済手数料は売上に対して3%から5%前後が一般的です。クレジットカード決済の手数料と比較すると低い水準となっています。
入金手数料は、無料の場合もあれば数百円程度かかる場合もあります。入金金額や回数によって手数料が変動することもあるので、事前に確認しておくと安心です。
電子マネー・QRコード決済サービスの選び方
現在はキャッシュレス化の流れに伴い、多数の決済サービスが存在します。その中から自分の店舗にあったサービスを見つけられるよう、本章では選び方のポイントを解説します。
- 利用者層で選ぶ
- 費用面で選ぶ
- 入金サイクルで選ぶ
- セキュリティやサポート体制で選ぶ
利用者層で選ぶ
導入する電子マネー・QRコード決済サービスを選ぶ際には、利用者層を考慮することが大切です。なぜなら、店舗の立地や客単価によって、利用客が好む決済手段は大きく異なるからです。
例えば、駅に近い店舗であれば電車を利用する人が多く訪れるため、交通系ICカードなどによるタッチ決済の利用率が高くなります。一方、高単価な商品を提供する店舗や、年齢層の高い利用客が多い店舗では、クレジットカードの利用率が高くなるでしょう。
このように、店舗の立地や客単価によって利用者層が変化し、それに伴い好まれる決済手段も変わります。キャッシュレス決済の導入を検討する前に、自店の利用者層をしっかりと把握することが重要です。
費用面で選ぶ
電子マネー・QRコード決済サービスの導入を検討する際には費用面も大切です。サービスによって、導入費用や手数料、月額費用などが大きく異なります。
それぞれのメリット・デメリットで解説したとおり、専用の端末が必要となるサービスもあれば、QRコードを読み取るだけで決済が可能なサービスもあります。また、決済手数料もサービスによって異なり、売上に直接影響を与える可能性があります。
そのため、キャッシュレス決済サービスを選ぶ際には、自社の売上規模や商品価格、顧客層などを考慮して最適なサービスを選びましょう。例えば、高額商品を扱う店舗であれば、決済手数料が低いサービスが向いています。一方、少額決済が多い店舗であれば、月額費用が低いサービスを選ぶのがおすすめです。
入金サイクルで選ぶ
導入する電子マネー・QRコード決済サービスを選ぶ際には、入金サイクルを確認しましょう。現金とは異なりキャッシュレス決済は即時に入金されるわけではないため、店舗のキャッシュフローに影響を与える可能性があります。
入金タイミングが早い、もしくは柔軟に対応してくれるサービスを選ぶことで、資金繰りをスムーズに行うことが可能です。例えば、翌営業日に入金されるサービスや、手数料はかかるものの即日入金に対応しているサービスなど、様々な選択肢があります。
セキュリティやサポート体制で選ぶ
電子マネー・QRコード決済サービスを選ぶ際、セキュリティやサポート体制も欠かせない要素です。QRコード決済では、コードのすり替えや不正利用といったセキュリティリスクが存在します。電子マネー決済にもスキミングやなりすましなどのリスクがあります。そのため、強固なセキュリティ対策を備えたサービスを選ぶことが重要です。
さらに、導入後の運用サポート体制もチェックしましょう。導入時の不明点やトラブル発生時の対応が迅速かつ丁寧なサービスを選ぶことで、安心してキャッシュレス決済を導入・運用できます。サポート体制が充実しているサービスであれば、何か問題が起きた際にも迅速に対応してもらえるため、店舗の業務に支障をきたすリスクを軽減できます。
電子マネー・QRコード決済はUSEN PAYシリーズがおすすめ
キャッシュレス決済を導入したいけど、どのサービスを選べばいいか分からない方には「USEN PAYシリーズ」をおすすめします。その理由は以下の3つです。
- 業界最大級70種類以上のブランドに対応できる
- 利用範囲に応じてサービスを選択できる
- サポートが充実
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USEN PAYシリーズは業界最大級の70種類以上のブランドに対応しており、幅広いニーズに対応可能です。PayPay、楽天ペイ、au PAY、d払い、メルペイなど国内主要ブランドはもちろん、Alipay+、WeChat Payといったインバウンド向けの決済ブランドにも対応しています。そのため、外国人観光客にもスムーズな決済を提供でき、集客力アップにも繋がります。
利用範囲に応じてサービスを選択できる
USEN PAYシリーズには「USEN PAY」「USEN PAY ENTRY」「USEN PAY QR」など複数のサービスがあります。カード、電子マネー、QRコード決済など、利用したい決済方法に合わせてサービスを選択が可能です。
また、すでにレジがある場合は決済端末を単体導入する、レジがない場合はレジ連携で便利に導入するなど、店舗の状況に合わせて最適なプランを選べます。
サポートが充実
USEN PAYシリーズでは、お問い合わせのタイミングから疑問や不安を解消できるよう、専任スタッフが丁寧に相談に乗ってくれます。また、導入後も安心です。24時間対応の電話窓口があり、いつでも気軽に問い合わせることができます。
さらに、機器が故障した場合は、日本全国どこでも無料の駆けつけ出張修理サービスを利用できます。万が一のトラブル発生時にも迅速に対応してもらえるため、安心して営業を続けられるでしょう。
まとめ
本記事では、キャッシュレス決済として現在主流となっているクレジットカード・電子マネー・QRコード決済の違いについて解説しました。それぞれ導入方法や手数料など異なる点が多いため、特徴を比較して自分の店舗に合ったサービスを選びましょう。
もしサービス選びが難しい、複数の決済方法を同時に導入したいと考えている場合は「USEN PAYシリーズ」がおすすめです。70種類以上のブランドに対応しており、手数料や導入方法など利用状況に合わせて最適なプランを選択できます。
本記事を参考にキャッシュレス決済を導入して、効率的な店舗運営を実現しましょう。