店舗経営に付随する業務はさまざまで、そのひとつに「会計業務」があります。会計業務は店舗の経営状況の確認や決算などの際に必要となるもので、店舗を経営する上で欠かせないものだと言えます。しかし、会計業務は面倒でややこしいイメージが強く、その業務内容については、詳しくは分からないという方も多いのではないでしょうか。
そんな会計業務、実は会計ソフトと連携できるタブレットPOSレジを導入することで、簡単に行うことができます。そこで今回は、会計業務の概要や、タブレットPOSレジの導入で会計業務が簡単になることを紹介します。
目次
会計業務とは?
会計業務とは、帳簿を用いて、収入や支出といった経済活動を記録することで、財務状況を把握するために行われます。これにより、企業や店舗の経営目標を決定・修正することができます。また、税務署に提出する申告書の資料のひとつに帳簿があるため、会計業務は必須であると言えます。
会計業務には大きく分けて、財務会計と管理会計の二種類があります。会計業務を行うには、この違いについても知っておく必要があります。
財務会計
財務会計とは、外部に公開するために行われる会計業務です。財務会計の公表は、賃借対照表や損益計算書などで構成される決算書によって行われます。対外的に公表することから、統一された基準によって資料が作成されます。この基準のことを、企業会計原則と言います。企業会計原則には真実性の原則や正規の簿記の原則、明瞭性の原則など全部で8つの原則があります。
管理会計
財務会計が外部に公表するものであるのに対して、管理会計とは自社・自店舗内でのデータ分析や、経営判断を行うことを目的とした会計業務です。自社・自店舗内で用いるものなので、資料の作成基準があるわけではありません。
財務会計はこれまでの業績を明らかにするためのもの、管理会計はこれからの戦略を決定するためのものであるため、その性質は大きく異なります。また、財務会計が全体の連結業績を基に行われるのに対し、管理会計は事業や組織といったセグメント単位で行われる違いもあります。
会計業務の内容
会計業務は、主に次のようなことを行います。
仕訳の入力
会計業務の中でもっとも基本となるのは仕訳の入力作業です。業務に関係のある取引はすべて会計ソフトに仕訳入力を行います。例えば、商品が売れた額や仕入れ額、消耗品の購入額、従業員に給料を支払った額などです。
飲食店や小売店などの場合には、1日に何十件、何百件という数で少額の売上がありますが、それらをすべて1日分の売上としてまとめます。
仕訳の入力でミスがあると、月次試算表や決算書を作成する際におかしな点が出てきます。そして、どこが間違っているのか探して仕訳を修正しなければなりません。入力ミスが多いとそれだけ工数がかかってしまうため、なるべくミスがないように入力するのが望ましいです。
月次試算表の作成
月次試算表とは、1ヶ月分の仕訳のデータを勘定科目ごとにまとめたものです。月次試算表の作成は必須ではありませんが、多くの企業が作成しています。決算のときに作成する損益計算書や貸借対照表の簡易版と捉えて良いでしょう。
月次試算表を見ることで、その月の業績が好調なのか芳しくないのかを把握できます。前月や前年同月の月次試算表と比較するなどの使い方をしている企業も多くあります。売上高や利益などで数値目標を設定している場合は、月次試算表を見ることでその達成具合を確認できます。
また、月次試算表の作成は仕訳の入力さえきちんと行われていれば特に難しいことはありません。ほとんどの会計ソフトに、入力済みの仕訳データを元にして月次試算表を自動で作成できる機能が備わっています。
年末調整
年末調整は、各従業員の所得税額を確定し、精算することです。企業は従業員の所得税を毎月源泉徴収していますが、所得税は、その年の1月から12月までのすべての給与額が確定するまでは正確に計算することができません。12月分の給料が確定して所得税の税額を計算する際に、過不足を精算する必要があります。多く徴収した分を還付し、足りない分を追加で徴収するという具合です。
また、従業員から源泉徴収した所得税は、国に納付するまでの間は、企業の預り金となります。この預り金に関する仕訳も行わなければなりません。従業員に年末調整還付金として還付する分と、税務署に納付する分を管理する必要があります。
決算書の作成
企業は年に1回決算を行わなければなりません。決算を行うことで、その年度の売上や利益が確定し、利益を元にして計算する法人税等も確定します。そのため、会計業務の中でも、もっとも重要度が高いと言えるでしょう。
決算書を作成したら、税務署に提出します。決算書にはさまざまな書類が含まれていますが、その中でも代表的なのが損益計算書や貸借対照表です。いずれも会計業務として毎日行う仕訳を元にして作成されます。
また、決算書の提出期限は決算月の翌々月の末日です。例えば、3月決算の企業なら5月末までに決算書を提出しなければなりません。
一方で、決算書を作成するのに必要な全てのデータが出揃うのは、少なくとも決算月が経過してからです。二ヶ月弱くらいの期間で決算書を作成する必要があり、その間は会計業務を担当する人は多忙になります。店舗業務を行っている従業員が会計業務も兼務している場合には、業務負担が大きいでしょう。
会計業務の効率化を図る方法
会計業務の負担を減らすには効率を上げる必要があります。では、どのようにして会計業務の効率化を図れば良いのか見ていきましょう。
二度手間になるようなやり方をしない
会計業務においては、二度手間になるようなやり方をしている企業が意外と多いです。
例えば、会計ソフトを使用しているのに、それとは別にエクセルなどで台帳を作成しているようなケースがよく見られます。手書きで振替伝票を作成した上で、会計ソフトに仕訳入力をしている企業もあるでしょう。
基本的に会計ソフトに仕訳を入力していれば、手書きの振替伝票は必要ありません。台帳の作成機能なども、大半の会計ソフトに備わっています。一昔前までは必須だったことでも、会計ソフトを使用していれば、省略できることも多いです。他にも省略できることがないかどうか見直してみましょう。
高機能な会計ソフトを使用する
会計ソフトの中には、銀行口座の入出金履歴やクレジットカードの明細から自動的にデータを取り込めるものもあります。そのような機能を利用すれば、仕訳のデータをひとつずつ手入力する必要はありません。すべての仕訳を自動で処理するのは難しいですが、手入力するのは自動で処理できないごく一部のデータだけで済みます。仕訳の入力にかかる時間を大幅に短縮できて、人的ミスも減らせるでしょう。
高機能な会計ソフトを使用するにはコストがかかる一方で、残業代などの人件費を減らせるメリットがあります。
タブレットPOSレジの導入で会計業務を簡略化!
上述したように、会計業務は外部に業績を公表したり、経営方針を決定したり、さまざまな場面で必要な業務です。外部と内部のどちらへ向けて行う会計であっても、正しいデータを用いて業務を行わなければなりません。しかし、手動でのデータ入力や計算は、手間がかかる上にミスの可能性があります。タブレットPOSレジを活用すれば、こうしたリスクを軽減することができます。
タブレットPOSレジは、販売した商品のデータを販売時点で記録することができます。データは自動的にクラウド上で集計されるため、そうしたデータを引用すればデータ入力や計算の手間を省くことができます。計算ミスの心配もないため、スピーディーかつ正確に会計業務を行うことができるのです。
また、タブレットPOSレジの中には外部の会計ソフトと連携できるものもあります。「USENレジ FOOD」は、「MFクラウド会計 for USEN」と連携可能です。「MFクラウド会計 for USEN」は取引明細の自動取得や領収書・レシートの読み込み、勘定科目の自動提案、確定申告書・決算書の自動作成機能など、会計業務を簡略化できる機能が数多く搭載されています。こういった連携機能のあるタブレットPOSレジを活用すれば、会計業務の手間をさらに大きく軽減することができます。
まとめ
会計業務は企業や店舗にとってなくてはならない業務ですが、難しいイメージがあることから敬遠されがちです。しかし、タブレットPOSレジや連携できる会計ソフトを活用すれば、会計業務を簡単に行うことができると同時に、作業効率化によるコスト削減やデータ分析による経営戦略立案にも役立ちます。これからタブレットPOSレジを導入する場合には、会計機能や会計ソフトとの連携に注目するのもひとつの手です。