店舗経営において、日報や月報は振り返りとして活用できる他、責任者が状況を把握するための手段のひとつとも言えます。特に複数の店舗を経営している場合、店舗ごとの日報や月報は重要な情報です。人事や業務効率の改善、売上目標の設定・管理など、多くのことに役立てることができます。
そこで今回は、店舗業務で日報・月報に記載する項目やポイント、重要性などについて解説していきます。
目次
日報・月報の重要性とは?
一般的に、日報や月報の提出は、多くの企業や店舗で行われています。日報・月報の重要性を理解した上で報告を行うことで、より効果的な情報に変えることができます。まずは、店舗の日報・月報の重要性について考えていきます。
見える化
日報や月報には、売上以外に来店人数やメニューごとの注文数などを細かくまとめておく必要があります。その日、その月に何が起こったのかを分析するために、場合に応じて従業員の人数や時間帯別の売上変動なども記載します。
情報の信憑性
日報・月報の作成に必要なデータの管理方法も大切なポイントです。
例えば、日別の注文数を計算する場合、手書きの注文伝票であれば一枚ずつ数えなければなりませんし、注文の変更があった際は計算ミスも発生しやすいです。さらには、万が一注文伝票の紛失があった場合、情報の信憑性は低くなります。
このように手書きの注文伝票でデータ管理を行う場合、情報の信憑性は当日働いた従業員に委ねられてしまうため、管理者側は細心の注意が必要です。
店舗運営(飲食店や小売店、美容室)における重要な情報源
日報・月報は、作成・管理することを目的とするのではなく、分析・比較を行い店舗の運営を改善するために活用していくことが重要です。日報・月報は、目標設計と達成率の確認、今後のアクションプランに落とし込むための大切な情報源となります。
このように、日報・月報は店舗を運営していく上で重要な情報と言えます。
売上日報に記載する項目
売上日報には次のような項目を設けて記載します。
その日の目標
1日でどんな成果を出したいのか、何ができるようになりたいのか具体的に記載しましょう。店舗業務であれば、1日の売上金額の目標を具体的に記載するのが望ましいです。
その日の成果
1日で実際に達成できた成果について、具体的に記載しましょう。店舗業務なら目標と同様に、1日の売上金額を記載します。
良かった点
その日の中で、成長を実感できたことや、上手くいったことなどについて記載しましょう。店舗業務なら、お客さまへの対応が中心です。対応の仕方が良かったことで、お客さまが満足した様子だったことなどを記載しましょう。小さなことでも問題ありません。クレームに上手く対処できたことなども、良かった点として記載できます。
今後も似た状況で、同じように対処できたら良いと思えることを記載しましょう。
改善すべき点
その日の中で失敗したと感じたことや、あまり上手くいかなかったことなどについて記載します。良かった点と同様に、店舗業務ではお客さまへの対応が中心になるでしょう。スムーズに対応できずお客さまを待たせてしまったり、クレームが来てしまったことなどを記載します。
良くなかった事実をただ記録するだけでなく、次はどのように対応すれば改善につながりそうかということも書いておきましょう。
翌日の目標
翌日は、どのような成果を達成したいのか記載する項目です。具体的な売上金額の数値目標を記載しましょう。今日の出来事や売上金額などを考慮して決めます。
売上日報の書き方
売上日報を書くときには、次のような点を意識するようにしましょう。
具体的な数字を含めて記載する
日報に記載する内容のうち、数字で書き表すことができる項目があれば、そこにはすべて具体的な数字を記載するようにしましょう。
例えば、「新商品の売上数を増やす」のような書き方ではなく「新商品の売上数を30個以上にする」のような具合です。具体的な数字を書くことで、達成できているかどうかを客観的に判断できます。
まとめて書かない
1日の仕事の最後に日報を書く人も多いですが、記載するべき内容が出てきたら、なるべくその都度記載するようにしましょう。まとめて書こうとすると、あまり詳しく思い出せず、薄い内容になってしまうこともあります。
原因や理由をよく考える
記載内容について、良かった点も悪かった点も、なぜそのようになったのか具体的な原因や理由をよく考えて記載するようにしましょう。そうすることで、良かった点であれば、次回同様の状況になった場合も同じく良い対応ができるようになります。悪かった点であれば、改善するのに役立つでしょう。
長期的に続ける必要がある
売上日報は、短期間だけ実施しても大きな効果を得ることはできません。日報の作成は、長期的な取り組みとして継続させましょう。
売上日報を作成する目的は、店舗運営に必要なデータを集め、それを分析・比較させることにあります。データは、一定期間中の顧客の来店状況や注文傾向を分析し、新商品の開発をはじめとしたマーケティング戦略に活用するものです。
そのため、少ない量のデータでは活用できません。蓄積されたデータ量に応じて信頼性も向上するため、できる限り多くのデータが必要です。
売上日報を長期的に継続させる必要性を、従業員に浸透させましょう。
手動で入力する場合に注意するべきこと
売上日報を長期的に続けるためにも、自動化を実現させると便利に業務が進められるようになります。
しかし、日報作成を自動化させるシステム導入のコストがかかる他、操作方法のトレーニングなどの手間がかかってしまうため、手動での作成を行っているケースもあることでしょう。そのような場合に注意するべき事を紹介します。
数字などの入力ミス
日報はデータ収集とマーケティング戦略への活用という観点から、どれだけ数字を正確に入力できるかが大切です。
しかしながら、手動での作成は人為的ミスが発生してしまうため、売上の計算とマーケティングの両面で支障をきたし、それを修正するための余分な仕事が増える可能性があります。
仮に日報の入力内容にミスが生じてしまうと、データとして利用することができません。売上日報の内容が正確に入力されているかどうかは、日報作成に関わる人の目による、再三の確認が必要になってしまいます。
業務量が増加する
日報の作成や管理は、膨大な数のデータを処理しなければなりません。これが1店舗分であれば何とかなっていたとしても、2店舗や3店舗と増えると、その分だけ日報の作成、処理の時間がかかってしまいます。
1日や2日ではなく、毎日の業務がそれだけ増加するわけですから、データを集めることが目的になってしまい、肝心であるマーケティング戦略や売上分析などの業務に時間を割くことができません。
人件費が余計にかかる場合もある
手作業での日報作成には、それに従事する従業員が必要です。無料で使えるテンプレートはありますが、その分従業員に充てる人件費などのコストがかかってしまうことも、手動作成では注意しなければなりません。
仮に日報の作成に毎日2時間かかっているとすれば、1ヶ月当たり60時間を日報作成に充てていることになります。
本来であれば従業員を充てて行うべき他の業務の効率も悪くなるため、日報作成だけでなく、店舗運営全体における課題として解決策を考えなくてはいけません。
POSレジを使った効果的な日報・月報の管理方法
飲食店など店舗の日報・月報では、日別や月別単位での売上管理が求められます。
ガチャレジを使用している場合、レジ締めを行いその日の売上を計算し日報としてまとめ、必要に応じてオーナーや店長など、責任者に共有します。電卓などを使って計算する場合、計算ミスが起こる可能性が考えられます。このように、日報作成に手間や時間を要し、ミスの可能性もあるため、ガチャレジの利便性は高いとは言えません。
一方POSレジを導入することで、上述のような日報作成による手間やミスを軽減できます。POSレジであれば、会計精算時、売上は自動的にクラウドサーバ上で管理・集計され、日別の売上実績をすぐに確認することが可能です。そのため、日報作成における売上計算は必要ありません。月報も同様に、月別単位での自動集計が行われて蓄積されるため、簡単に比較・分析が行えます。
また、オーナーや店長などの責任者もネットワークを介してどこからでも情報を閲覧することが可能です。このように、POSレジの導入で日報・月報の作成は円滑になり、計算ミスの可能性も防げ、効果的な運用が行えます。
まとめ
ガチャレジでは手間や時間がかかり、ミスの可能性もあった日報・月報の作成も、POSレジの導入で円滑な業務に変わります。クラウド上で蓄積されるデータを、外出先からも閲覧できるので、本社への情報共有も円滑になります。
POSレジは製品によって搭載されている機能が異なるため、導入の前にはどういった機能があるのかをしっかりと確認することをおすすめします。タブレットPOSレジ「USENレジ FOOD」には日報・月報の照会機能が搭載されています。POSレジの導入の際は、ぜひご検討ください。