ジャーナルとは、レジで印刷できる書類のひとつです。ジャーナルにはその日の売上に関する情報が記載されており、確定申告や店舗の売上管理などに使われます。
この記事では、レジのジャーナルについて詳しく見ていきましょう。ジャーナルを電子データとして保存する方法や活用方法などを解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
目次
レジのジャーナルとは
店舗を経営する場合、さまざまな書類を発行して管理しなければなりません。そのひとつが、レジのジャーナルです。
レジのジャーナルとは、レジに登録された売上情報が印字された紙のことをいいます。日ごとの売上を管理するために、毎日のレジ締めの際にジャーナルを印刷しておくのが一般的です。
1日の最後にジャーナルを印刷することで、その日の詳細な売上情報を把握できます。店舗の売上情報は今後の経営戦略を検討するために役立ち、税金の申告などにも用いられるため、ジャーナルは店舗オーナーにとって重要な書類のひとつです。
ジャーナルに記載されている内容
通常、ジャーナルには以下のような内容が記載されます。
- 精算日時
- 販売した商品名
- 商品ごとの単価
- 商品ごとの総売上
- 消費税額
- 精算日の総売上額
- 決済方法ごとの売上 など
販売した商品の種類や商品ごとの総売上が分かるため、売れている商品の傾向を把握できます。合計の総売上が記載されているので、ジャーナルを毎日印刷していれば、日ごとの売上の推移を確認することも可能です。
キャッシュレス決済を導入している場合は、決済方法ごとの売上もジャーナルで確認してみましょう。かかっている手数料に対して利用件数が少ない決済方法があれば廃止するなど、コストの最適化が図れます。
このように、ジャーナルに記載されている内容は店舗を運営する上で確認が欠かせないものばかりです。
ジャーナルとレシートの違い
ジャーナルはレジで印刷し、商品名や単価などが記載されているため、一見するとレシートに似ています。しかし、ジャーナルとレシートは全くの別物です。
ジャーナルとレシートの大きな違いは、店舗用なのかお客様用なのかという点です。ジャーナルは1日の最後に印刷して店舗で管理する書類であるのに対して、レシートは会計するたびにお客様単位で印刷します。
また、ジャーナルにはその日の全体の売上データが記載されていますが、レシートには1回の会計に関するデータしか記載されていません。これも、ジャーナルとレシートの大きな違いです。
ジャーナルの保存期間
ジャーナルは店舗の売上を証明する書類で、納税の手続きにも使われます。国税庁では売上に関する書類を7年間保存するように定めていて、ジャーナルもこれに該当します。保存期間内に破棄や紛失してしまわないよう、適切に管理しましょう。
保存期間である7年間とはジャーナルを発行した日からではなく、その年度の確定申告期限の翌日から数える点に注意してください。また、確定申告で赤字を繰り越す場合、ジャーナルの保存期間が10年に延長される点にも注意が必要です。
ジャーナルの種類
ジャーナルには、紙と電子の2種類があります。従来は紙のジャーナルが一般的でしたが、近年ではジャーナルを電子データとして管理するケースも珍しくありません。
ここでは、それぞれのジャーナルの特徴について見ていきましょう。
紙のジャーナル
紙のジャーナルは、レジで物理的に印刷したジャーナルです。毎日のレジ締めの際に印刷し、保存しておきます。
紙のジャーナルに慣れている人も多いかと思いますが、紙の場合は保管スペースが必要で、劣化して印字された内容が読めなくなるリスクもあるため、注意が必要です。
電子ジャーナル
ジャーナルは、電子データでの保存も認められています。POSレジには日々の売上データが記録されていて、いつでも確認できるようになっているので、それ自体がジャーナルの役割を果たします。
そのため、POSレジを導入している店舗では紙のジャーナルを印刷せず、電子データで日々の売上情報を確認しているケースも珍しくありません。
ジャーナルの活用方法
「確定申告のためにジャーナルを保存しているものの、あまり内容を見直すことはない」という人もいるかもしれません。しかし、ジャーナルに記載されている売上情報にはさまざまな活用方法があります。
ここでは、ジャーナルの具体的な活用方法について解説します。
売上データの記録と管理
ジャーナルの代表的な役割は、売上データの記録と管理です。その日に発生した取引に関する詳細な情報が記載されているため、売上データを正確に把握できます。
店舗を経営していると、お客様に以前の会計内容について尋ねられたり、税務署から売上について確認されたりすることもあるでしょう。その際、ジャーナルがあれば正しい情報を提供できます。
売上傾向の分析
日々の売上データが記録されたジャーナルは、売上傾向の分析にも活用できます。売上データを分析することで、効率的な店舗運営のために必要不可欠な情報が得られます。
例えば、売れている商品と売れていない商品が分かれば、仕入れ量の調整や今後の販売戦略の検討がしやすくなります。また、日ごとの売上情報を比較すれば、曜日ごとによく売れる商品や忙しくなる日の傾向を掴めるかもしれません。それに合わせて仕入れ量や人員配置を見直せば、仕入れコストや人件費の最適化が目指せます。
このように、ジャーナルに記載されている内容からさまざまなことが見えてくるので、積極的に分析を進めて店舗経営に役立てましょう。
ジャーナルを活用するなら電子ジャーナルが便利
ジャーナルには紙と電子の2種類があると紹介しましたが、ジャーナルを活用するなら電子ジャーナルの方が便利です。
電子ジャーナルは紙と比較して保管方法に手間がかかりません。保存スペースが不要で紙やインクも消費しないため、低コストで管理できます。紙よりも紛失や破損のリスクが低く、長期間の保存にも向いています。
また、電子データで売上を管理しておくと、検索機能で必要な情報をすぐに見つけられるのもメリットです。日時や商品名で検索すれば、瞬時にデータが見つかります。
紙のジャーナルの場合、ファイリングなどを行って管理していたとしても、数年前の情報を素早く見つけ出すのは難しいでしょう。7年間の保存が必要なため、紙の量も膨大になります。
このように、管理にかかるコストや手間は電子ジャーナルの方が大幅に抑えられます。
電子ジャーナルの利用にはPOSレジが必要
電子ジャーナルを利用するには、売上データの管理に対応したPOSレジが必要になります。この時に重要となるのが、電子帳簿保存法で定められた形式のデータが保存できるかどうかです。電子帳簿保存法とは国税関係の書類を電子データとして保存することを定めた法律で、電子ジャーナルもこの法律の対象です。
例えば、改ざん防止の措置が取られているかどうかや、日付や金額などで検索できるかどうかなど、保存形式に条件があります。POSレジを導入する際には、そのPOSレジが電子帳簿保存法に対応できているかどうかを確認するようにしましょう。
以前は電子ジャーナルによる運用を始めるには税務署への申請が必要でしたが、2022年1月1日から申請不要とになりました。そのため、電子帳簿保存法の要件に対応したPOSレジを導入すればすぐにでも電子ジャーナルの利用が始められます。
POSレジを導入するメリット
電子ジャーナルが使えること以外にも、POSレジを導入すると多くのメリットがあります。ここでは、POSレジを導入するメリットを3つ紹介します。
レジ作業を効率化できる
POSレジはあらかじめ商品の種類や価格を登録しておくため、会計時には商品を選択したりバーコードを読み取ったりするだけで合計金額を算出できます。スタッフが手入力する必要がなくなるため、効率的にレジ作業を進められるのが大きなメリットです。
お客様1人当たりの会計にかかる時間が短縮できるため、忙しい時間帯でも混雑を防いでスムーズに対応できます。待ち時間が減れば、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。会計時の手間が減るので、スタッフの負担軽減にもつながります。
人的ミスを防げる
レジで商品や価格を手入力すると打ち間違いのリスクがあり、お店の損失やお客様からのクレームにつながるおそれがあるため注意しなければなりません。その点、商品の選択やバーコードの読み取りだけで販売する商品を登録できるPOSレジは、人的ミスを防げるというメリットもあります。
忙しい時間帯ではスタッフが焦りやすくお客様に急かされることも多いため、ミスが起きやすい状況です。POSレジを導入すれば手入力する必要がないため入力ミスが起きにくく、会計がスムーズに進むのでそもそも混雑しづらいという側面もあります。
売上傾向などを簡単に分析できる
POSレジには基本の会計機能に加えて、データ分析機能も備わっています。ジャーナルの活用方法として売上傾向の分析を挙げましたが、POSレジを導入すれば高度な分析も簡単に行えるようになります。
どのような分析ができるかはPOSレジ製品によって異なりますが、月別・日別・曜日別・時間帯別など細かく売上実績をグラフにしたり、売れ筋商品・死に筋商品を明らかにしたりする機能を備えたものもあります。
これらはエクセルなどを使って分析することも可能ですが、毎日の業務が忙しく分析にまで手が回っていない店舗オーナーも多いでしょう。分析機能を備えたPOSレジなら、簡単な手順でさまざまな分析結果を得ることができます。
POSレジを導入するならタブレットPOSレジがおすすめ
POSレジには従来のレジスター型だけでなく、タブレット端末に専用アプリをインストールして使うタイプのものもあります。タブレットPOSレジは大型のレジスター本体を購入するよりも導入コストを抑えやすく、操作も分かりやすいものが多いため、これから導入するならタブレットPOSレジがおすすめです。
タブレットPOSレジはレジ本体として使用するタブレット端末に、レシートプリンターやキャッシュドロアー、決済端末など必要な周辺機器を組み合わせて使用します。それぞれの店舗が求める機能や予算、設置スペースなどを考慮して最適な組み合わせを選べるので、無駄がありません。
月額利用料が安価なタブレットPOSレジもあり、ランニングコストを抑えやすいのもメリットです。
POSレジの選び方
POSレジは種類が多いため、製品選びに苦労する人も多いでしょう。ここではPOSレジを選ぶ時にチェックしておきたい3つのポイントを紹介するので、「どれが自分の店舗に合っているか分からない」と迷っている人はぜひ参考にしてください。
機能を確認する
POSレジを選ぶ時に最も重要なのが、必要な機能がそろっていることです。電子ジャーナルの活用が目的なら、少なくとも電子帳簿保存法の要件を満たしていなければなりません。その他、飲食店ならハンディ端末との連携、小売店なら在庫管理など、店舗に必要な機能が搭載されているものを選びましょう。
POSレジの中には、飲食店向け・小売店向け・美容サロン向けなど、各業界に特化したものもあります。業界特化型のPOSレジはその業界に必要な機能が一通りそろっている可能性が高いので、迷った時は特定の業界向けに提供されている製品を選ぶのも方法のひとつです。
コストを確認する
経費を少しでも抑えたいと考えている店舗オーナーも多いでしょう。そのため、導入コストの比較も必要です。同じPOSレジ製品でも金額が異なる複数のプランを用意している場合もあるため、プラン選びも重要になります。
コストを確認する際は、単純に金額だけを比較するのではなく機能との兼ね合いを考慮しましょう。無料プランや月額料金が安いプランは、使える機能が制限される可能性があります。
いくらコストを抑えられても必要な機能がそろっていなければ意味がないため、最初に機能を確認して候補を絞り込んでから、製品ごとのコストを比較するのがおすすめです。
サポート体制を確認する
機能やコストと併せてチェックしておきたいのが、サポート体制です。サポート体制が充実しているPOSレジなら、導入前の提案や導入時の操作レクチャー、導入後のトラブル対応など、手厚い支援が受けられます。
POSレジを初めて導入する場合、分からないことや不安な点も多いでしょう。導入前から相談に乗ってくれるベンダーの製品なら、店舗に最適なプランや機器の組み合わせを提案してもらえるので安心です。
タブレットPOSレジを導入して電子ジャーナルを活用しよう
レジのジャーナルは店舗運営に役立つ情報が多く記載されていて、納税の手続きにも必要となる重要な書類です。紛失や破損がないように、適切に保管しましょう。電子ジャーナルなら紙のジャーナルよりも管理がしやすいため、POSレジを導入してジャーナルの電子化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
電子ジャーナルに対応したPOSレジをお探しの場合は、業種特化型のタブレットPOSレジ「USENレジ」がおすすめです。飲食店・美容室・小売店・治療院の4業種に特化したPOSレジを提供しており、導入前のオンライン相談なども含めたサポート体制が整っています。ぜひお気軽にご相談ください。