店舗経営における売上管理といえば、「日々の売上を記録する作業」というイメージがあります。しかし、売上はただ数字の管理を行うだけではありません。数字から何を読み取り、どのような行動を起こすかが大切です。また、効率よく売上管理を行うためには、方法についても考える必要があります。
そこで今回は、売上管理の必要性や行うべきこと、その手法などについてご紹介します。
目次
売上管理とは?
売上管理では、目標となる売上高を達成できるように日々の売上の記録・分析を行います。注文されたメニューや数、その単価や合計金額など、売上を細かく管理していれば、どのような顧客に対してどのようなメニューがどれだけ売れたのかを正確に把握することができます。日別でなく、週次や月次などさまざまなタームで売上を確認することも可能です。
また、売上管理を行っていれば、自ずと繁忙期や閑散期も把握することができます。それに合わせてスタッフの配置を行い、効率よく店舗の経営を行うこともできます。
数字を分析して活用するには?
上述したように、売上管理を行えば店舗の売上情報を正確に把握することができます。しかし、売上管理の目的は単に数字を管理することではありません。管理した数字を分析し、課題の発見や問題の解決などを行い、その先の行動に繋げることが大切です。
例えば、売上管理をしていれば、売上が低迷していることに気付くことは可能です。しかし、本当に大切なのは低迷していることを知ることではなく、その原因を解明して売上を回復させることです。
そのためには、まず分析しやすい売上管理を行う必要があります。例えば、ランチタイムとディナータイムの営業であれば、売上管理も分ける必要があります。売上管理を分けておくことで、ランチタイムとディナータイムのどちらの時間帯で問題があるのかをすぐに把握することができます。
具体的には、ランチタイムが低迷していてディナータイムが好調であれば、思い切ってランチをやめるという選択肢も考えられます。さらには、フードメニューとドリンクメニューを分けて管理しておけば、原価率や利益率をメニューごとに分析することも可能です。
このように、売上管理を正しく行うことで、数字を記録するだけではなく、課題や問題を見つけやすくなります。こうした分析や活用が、売上管理の目的であるといえます。
売上管理を行う上でチェックしておくべき項目
売上管理では、次のような項目をチェックしておきましょう。
月毎の売上高
まず売上高のチェックが必要です。年間のトータルの金額だけでなく、月ごとにチェックしましょう。売上目標を立てる際にも月ごとに設定するケースが多いため、月単位で分析することで課題も見つけやすくなるでしょう。特に季節によって売れ行きに差がある商品を取り扱っている場合には、月ごとの分析は非常に重要です。
目標と実績との差
各月の売上が目標を達成できているのか、目標との差はどのくらいなのかチェックしておきましょう。そして、売上実績が目標を下回っている月に関しては、その要因を分析する必要があります。
目標はこれまでの実績と実現可能な努力目標を加味して、設定することが多いです。もし実績が目標を大幅に下回っているのであれば、努力目標を大きく見積もりすぎている可能性があります。
前月との比較
売上が伸びているのか落ち込んでいるのか把握する上で、前月比のチェックは重要です。前月の売上に対して今月の売上が何パーセント上下しているのかを見ることで、変化を客観的に把握できます。季節による売上の変化を見る上でも前月比は重要です。
前年との比較
前年と今年の売上高を年単位で比較してみることで、長期的に見て施策が上手くいっているのかどうか分かります。年単位での比較なら季節の影響もありません。事業内容や社会情勢などに大きな変化がなければ、業績の変化を如実に表した数値になります。
原価
売上高と原価をチェックすることで、売上総利益を把握することができます。社会情勢の変化により原材料価格が高騰しているような局面では、原価のチェックが非常に大事です。原価が上がると売上総利益は下がってしまうため、早い段階で対策を講じなければなりません。
原価が上がるのは、原材料費の高騰をはじめとする外的要因が原因になっているケースが多いです。そのような場合には、他のところで粗利を上げるための対策を考える必要があります。
売上管理を上手く行うためのポイント
売上管理を行う上で、次のようなポイントが重要です。
テンプレートを準備してルールを策定する
売上管理を担当する人によって、数値や項目を記載する表の形式が異なると、分かりづらくなってしまいます。現場で活躍するスタッフにとっては、対策も立てにくいでしょう。そのため、あらかじめテンプレートを準備するのがポイントです。テンプレートを埋める形式で、売上管理を行えば、誰から見ても分かりやすいでしょう。文章で記入する項目に関しては、入力のルールなども策定するのが望ましいです。
目標達成のために対策を練る
売上目標を設定したら、それを達成するための対策を練らなければなりません。どの項目で目標に達していないのか、目標との差はどの程度なのか具体的に把握しましょう。その上で、目標を達成できなかった原因を突き止めることが重要です。原因を踏まえておけば、有効な対策を講じられるでしょう。
また、目標の達成率はなるべくこまめにチェックすることが大切です。そうすれば、もっとペースを上げる必要があるのか、この調子で頑張れば達成できるのかを把握できます。
現実的な売上目標を設定する
目標は努力次第で実現可能な内容にすることが重要です。どう頑張っても実現できないような目標だと、達成できないのが当たり前の状況になってしまいます。現場で働くスタッフのモチベーションも下がってしまうでしょう。もし、目標を達成できない月ばかりのようであれば、見直しが必要です。
売上管理の方法
売上管理の具体的な方法としては、次のようなやり方が挙げられます。
エクセルなどの表計算ソフトを活用する
エクセルなどの表計算ソフトを使って売上管理表を作成できます。管理しやすいように商品をいくつかのカテゴリーに分けることも可能です。部門別に分けた上で個々の商品別などに分けるなどするといいでしょう。さらに得意先別に分けるなど、複数の分け方をして管理すると便利です。
会計ソフトを活用する
会計ソフトを使用すれば、売上情報のデータは全てソフトに保存されます。会計ソフトの多くは、決算のときに税務署に提出する書類を作成する機能だけでなく、さまざまな形式データを出力できます。会計ソフトによっては、売上管理に役立てられるような形式でデータを出力することも可能です。
例えば、損益計算書を会社全体ではなく部門別に分けた形式で出力できる会計ソフトや、前期比較表などを作成できるものもあります。CSV形式でデータを出力できる場合には、エクセルなどの表計算ソフトと併用するのもおすすめです。
POSレジを導入する
売上管理は表計算ソフトなどを用いて行うことができますが、データを手動で入力するのは手間がかかる上、入力ミスや計算ミスから正しいデータを集計できないことがあります。効率よく売上管理を行うためには、こうした手間やミスを極力なくす必要があります。そこで便利なのが、POSレジです。
POSレジは従来のレジとは異なり、販売時点でのさまざまなデータを自動的にクラウド上で管理しています。記録されたデータは集計され、ひと目で売上金額や個数、時間といった数字を確認することが可能です。そして、POSレジを用いれば、手動で行っていたデータ入力や計算を自動的に行ってくれます。これにより、効果的な売上管理を実現できるでしょう。
まとめ
店舗の売上だけでなく、経営方針にも大きな影響を与える売上管理。POSシステムを活用すれば、効果的な売上管理を行うことが可能です。また、売上管理機能だけでなく、ABC分析やRFM分析などさまざまな視点から分析できる機能も搭載しています。そして「USENレジ FOOD」もその機能を搭載したPOSシステムのひとつです。効率的に売上を管理したい場合には、「USENレジ FOOD」の導入をご検討してみてください。