防犯カメラを導入するにあたっては、防犯カメラの種類についての理解を深めておくことが重要です。形状の違いもさることながら、備わっている機能も把握しなければ、目的や実情に応じて最適な防犯カメラを選べるようになりません。
この記事では、防犯カメラの種類について紹介するとともに、防犯カメラに備わっている機能を解説。防犯カメラの導入を検討している方は最後まで読み進めて、カメラ選びの失敗を防ぐための参考にしてみましょう。
目次
【録画方式の違い】防犯カメラの種類
防犯カメラの種類は、撮影した映像を保存する方式でも分類できます。撮影した映像の保存は、後々活用するためには必要なことになるため、保存機器やコストについても十分に考えなければなりません。
防犯カメラの保存方式にはどのような種類があるのか、代表的な2つの種類を紹介します。
ローカル保存の「アナログカメラ」
ローカル保存のカメラは、撮影した映像を直接記録媒体に保存させるタイプです。カメラと連動させた専用のレコーダーを用いる場合もあれば、レコーダーを介してSDカードやUSBメモリなどに保存するケースもあります。
この方式では、レコーダーを設置する場所を確保したり、記録媒体を別途用意しなければなりません。また、多くの場合はカメラとレコーダーを接続させるために配線も必要となります。
しかしながら、残しておきたい映像を常に手元に残しておけることや、長期的な保存を考えると低いコストで残し続けられることが、ローカル保存のメリットです。
クラウド保存の「ネットワークカメラ(IPカメラ)」
クラウド保存のカメラは、撮影した映像をインターネット上にあるクラウドで保存するタイプです。
このタイプは、お店のルーターを介してインターネットに接続されていて、撮影した映像を常に送信して共有させています。スマートフォンやタブレットを使えばリアルタイムで映像を確認できることが特徴の一つです。
ただし、ネットワークカメラ(IPカメラ)を利用するためにはインターネット環境を整える必要があります。また、クラウド利用にも毎月の固定額がかかります。
一方で、レコーダーやモニターを別途用意する必要がなく、機材によっては配線工事も必要としないため、工事の手間無く導入できるというメリットもあります。
【形状の違い】防犯カメラの種類
防犯カメラは、カメラ本体の形状によって分類することも可能です。カメラの形状によって特徴があり、目的に応じて最適な形のカメラを用意する必要があります。それぞれのカメラの特徴と、向いている設置場所や目的について知っておきましょう。
ドーム型
ドーム型のカメラは、レンズ部分がドーム状のカバーで覆われているタイプのカメラです。カメラそのものの形状が小さめで、目立ちにくいという特徴を持っています。カメラを目立たせること無く設置させたいというケースに有効です。
主に雰囲気を重視している店舗の売り場や店舗のバックヤード、マンションで利用されています。
端から見ると、カメラのレンズが常に下を向いているようにも見えますが、使用されているレンズは超広角になっているものがあり、見た目以上に撮影されている範囲が広いのが特徴です。そのため、死角を見つけにくく、カメラに写ることが避けにくくなっています。
ボックス型
ボックス型のカメラは、長方形の箱状のカメラを撮影対象に向けているカメラのことです。防犯カメラとして一般的にイメージされやすい形状で、大きめのサイズが主流となっています。
目立つ形状をしているため、防犯カメラの存在そのものが迷惑行為の抑止にもなりやすいです。小売店などの店舗の他、屋外で広く設置されています。
一方で、撮影している方向が分かりやすいため、死角の判別も容易なことが弱点です。また、カメラそのものが動くタイプも少なくなっています。1台での運用は現実的ではなく、死角を補い合う複数台の定点カメラとして利用することが有効です。
バレット型
バレット型は、筒状の見た目をしており、ボックス型のマイナーチェンジ版ともいえるカメラです。筒状のケースはハウジングと呼ばれているカメラの保護ケースで、カメラ本体を雨風や埃から保護します。
基本的な特徴はボックス型とあまり変わりませんが、ボックス型と比較して小型のタイプも多いため、利用シーンはボックス型よりも多めです。
屋内に設置しやすいデザインである他、ハウジングがあるために屋外への設置にも向いています。サイズ面や機能面で、用途に合うカメラが選びやすいといえるでしょう。
防犯・監視カメラのおすすめの機能一覧
防犯カメラには様々な機能が搭載されていますが、目的に応じて必要な機能だけ搭載されているカメラを選択することが現実的です。そのため、防犯カメラの機能についての理解を深めていく必要があります。
逆光補正機能
逆光補正機能は、主に駐車場などの屋外に設置するカメラや、屋内から入り口などの屋外を向いているカメラに必要な機能です。
主に活躍するのが西日が差し込むような場面です。補正機能が備わっていないと、撮影した映像が白飛びしたり、被写体によっては黒く潰れてしまって見えなかったりしてしまいます。そのような映像では、防犯カメラとしての役割を十分に果たすことができません。
逆光補正機能は、西日などによる逆光の影響を最小限に抑え、撮影した映像を後から確認しても、問題なくチェックできる映像が撮影できます。
全方位・パノラマ
全方位カメラとは、1台のカメラで周囲360度の全てを撮影できるようなカメラのことです。魚眼カメラとも呼ばれていて、主にドーム型カメラに搭載されています。
1台で設置されている場所の周囲をくまなく撮影できるため、設置台数が少なく済み、コスト削減も可能です。撮影可能な映像の特徴から、屋内に設置する目的との相性が良くなっています。
ただし、カメラから遠い場所は映像の解像度が低くなるため、人の顔を識別するといった用途には向いていません。
音声録画・通話機能
音声録音機能は、カメラの周囲の物音や会話を録音できる機能です。従業員とお客様の会話を記録しておく必要があるような場面や、不審な物音を検知する必要がある場合に導入することをおすすめします。
音声録音機能がその機能を特に強く発揮するのは、レジ周りに設置する場合です。会計トラブルが発生した時の従業員とお客様のやりとりを全て録音できるため、事件やトラブルの早期解決に貢献します。
従業員の発言を記録できると、お客様との言った言わないのトラブルもすんなりとした解決が可能です。
防塵・防水規格
屋外に設置する防犯カメラで特に重視したいのが、防塵・防水規格です。
屋外のカメラは砂埃や雨風を常に浴び続けている環境下で仕様されるため、何の備えも無しに設置しておくと、カメラの劣化が早くなるどころか、早々と故障してしまうおそれもあります。
そうなってしまっては、映像が撮影できず、防犯カメラとしての役割を果たすことはできません。そうならないよう、屋外設置のカメラを選ぶ際は防塵・防水規格の有無を確かめておきましょう。防塵・防水に関してはIP規格でその性能の高さが示されています。屋外用カメラでは、IP66以上の製品がおすすめです。
夜間撮影機能
屋外の撮影や、店舗の営業時間外の撮影を目的とするなら、夜間撮影機能を搭載しているカメラを選びましょう。
夜間撮影に対応していないカメラでは、暗い中を動く人の姿を捉えることはできません。夜間の駐車場をはじめとした屋外の監視や、店舗内に侵入した不審者を写すためにも、夜間撮影機能があるカメラは必須の条件です。
夜間撮影機能には、赤外線照射の暗視撮影ができるものと、僅かな灯りでも鮮明な映像を撮影できる微光監視型があります。設置する場所や予算に応じて適しているカメラを選んで下さい。
人感センサー・動体検知
営業時間外に稼働させる防犯カメラを選ぶなら、人感センサーや動体検知機能があるカメラがおすすめです。
営業時間外は撮影を行わず停止しますが、カメラが検知する範囲内で人や物が動いた時に撮影を開始して、不審者の姿を捉えることができます。こうした機能があるカメラなら、24時間休みなく撮影し続ける必要がなくなるため、映像の録画容量や電気代の節約が可能です。
また、インターネットに接続しているカメラによっては、動体検知をすると同時にスマートフォンやPCにメールや通知が届くように設定できるため、通知の後ですぐにカメラにアクセスして、状況をリアルタイムで把握できるようにもなります。
光学ズーム
カメラでの撮影を、ズームと縮小を交えて行いたいという場合には、ズームの方式にも着目しましょう。カメラのズームには、主に光学ズームとデジタルズームの2種類があります。
デジタルズームは、録画した映像を引き伸ばして拡大する方式です。カメラの設計がコンパクトになるというメリットがありますが、その分ズームした映像は画質が荒くなります。
光学ズームはレンズを動かす事によって被写体の拡大や縮小をする方式で、拡大による画質劣化の心配がありません。防犯カメラに向いている拡大方式は光学ズームなので、光学ズームによる拡大が何倍なのかにも着目して選びましょう。
オートフォーカス
被写体の姿を鮮明に映し出したいなら、被写体に対して自動的にピントを合わせる、オートフォーカス機能が搭載されているカメラが有効です。
レンズの焦点は通常、初期設定されている距離や、あらかじめ設定されている物に対して合わせられています。
しかし、オートフォーカス機能を使いこなせば、不審人物などの動く物に対して自動的に合わせる設定や、撮影の対象としている固定物に対して一定周期でピントを切り替えることが可能です。
顔認証
防犯カメラの中には、カメラに写った人物の顔を識別する顔認証機能が搭載された機種もあります。
例えばバックヤードに出入りしている人物の中で認証していない顔を検知した際に通知したり、その人物の動きを追尾して撮影したりすることが可能です。
また、万引きをはじめとした犯罪行為や迷惑行為の常習者が入店した時にも通知させることができるため、トラブル防止を目的とした迅速な対応もできるようになります。
混雑検知
カメラの撮影範囲で人の数が多くなった場合、それを検知して通知できる機能が混雑検知機能です。
例えば小売店や飲食店で、レジ周りの混雑が激しくなった場合などにオペレーションの適切な割り振りができるようになります。公式サイトやSNSで混雑情報を知らせているお店であれば、混雑検知を活用した混雑状況の発信も可能です。
感染症の感染リスク回避など、活用の方法はお店の環境や状況次第となりますが、混雑状況の通知によって来店の分散を促したい店舗におすすめの機能となります。
サーモセンサー
サーモセンサー付きの防犯カメラは、来店客が帯びている熱や体温を計測することができます。この機能を用いることで、簡易的に非接触での検温が可能です。
店舗スタッフだけが確認できるようにするのではなく、入口付近で撮影した映像を流しておくことで、来店客自身にも発熱の有無を認知させられます。
発熱が疑われる来店客がいる場合には、店舗で定めたルールに従った対応により、感染症のまん延防止の施策が実行可能です。
店舗における防犯・監視カメラの選び方
防犯カメラの形状や機能は、お店のコンセプトやカメラを設置する目的によって、選ぶべき機材が決まります。
カメラの機能を基準にした選択は比較的容易に行えますが、使用シーンで選ぶ場合は、好きな見た目だけで選ぶわけにはいきません。カメラ設置の目的や、カメラの形状・大きさによって適切なタイプを選ぶことが必要です。
目立たせたくない場合は「ドーム型」
防犯カメラの存在を目立たせたくない場合は、ドーム型の防犯カメラを選びましょう。
落ち着いた雰囲気の飲食店や、従業員の休憩スペースとなるバックヤードに大型のカメラを設置してしまうと、常に監視されている感覚をお客様や従業員に与えてしまい、窮屈な思いをさせてしまいます。
ドーム型であれば、火災報知器と同等のサイズ感でカメラが設置できる他、カメラの向きが認識しづらい形状をしているため、圧迫感を抑えた運用が可能です。部屋の雰囲気になじみやすいのが、ドーム型の特徴ともいえます。
防犯対策で目立たせたい場合は「ボックス型・バレット型」
迷惑行為や犯罪を抑止することを第一にカメラを設置するなら、カメラが目立ちやすいボックス型やバレット型をおすすめします。
ボックス型やバレット型であれば、カメラ本体が大きく、カメラの存在を認知されやすいです。カメラの存在は犯罪行為や迷惑行為の抑止力となり、防犯カメラとして大きな役割を担います。
目立たせることを前提としたカメラの設置なら、ボックス型とバレット型のどちらでも目的を果たすことができます。求めている機能や大きさで選びましょう。
防犯・監視カメラを選ぶ際の注意点
店舗やオフィスに設置する防犯カメラを選ぶ前に、確認しておくべき注意点を2点紹介します。あらかじめ確認しておくことで、導入した後で後悔しない防犯カメラ選びが可能です。
設置場所と利用目的を明確にしておく
防犯カメラを選ぶ前には、今一度設置する場所と設置する目的を明確にさせておきましょう。設置する場所の確認が不十分だと、防塵・防水機能をはじめとした必要な機能の有無が確認できません。
夜間も撮影することが目的なら、夜間撮影機能が搭載されているカメラを選ぶ必要があります。このように、場所や目的がはっきりしていることで確認しておくべき機能も限られ、選択肢が絞り込めます。
撮影範囲と画質に注意する
カメラのスペックを比較する時に、画質や撮影範囲をチェックすることも忘れないようにしましょう。1台で広範囲の撮影をさせたいなら画角の広いカメラを、映像を鮮明に撮影したいなら画質が良いカメラを選びましょう。
ただし、撮影範囲が広過ぎると画角の端の方では画質がかなり劣化してしまいます。また、画質を妥協してカメラを選んでしまうと、肝心な部分の画質が悪くなってしまい、不審者の顔が識別できません。
店舗向けの防犯カメラは「USEN Camera」
店舗向けの防犯カメラは、形状や機能によってたくさんの種類のカメラがあります。適当に選んでしまっては迷うだけですから、目的や実情に応じた適切なカメラを選ぶようにしましょう。
店舗にカメラを導入するなら、USEN Cameraがおすすめです。今回紹介した機能の多くを備えているだけでなく、来店客の分析も可能とします。導入後のアフターサポートも24時間365日の体制(営業時間外は受付予約)で整えているため安心です。
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