防犯カメラを設置するに当たっては、撮影した映像を録画できる時間がどのくらいなのか、はっきりとさせておきたいのではないでしょうか。
カメラを設置する目的によっては、24時間365日休まず撮影しなければならないケースもあり、録画できる容量にも不安を抱くことがあるかもしれません。
録画時間に関しては、映像を保存する記録媒体だけでなく、録画の設定次第で大きく変わりますから、目的に応じた最適な録画時間を把握しておくことが必要です。
この記事では防犯カメラの録画時間に着目し、録画時間の目安や録画時間を延ばす方法について紹介します。
目次
防犯・監視カメラの録画時間(保存期間)は記録媒体によって変わる
防犯カメラで撮影した映像は、映像データとして記録媒体に保存されるため、同じ録画環境下においては媒体の容量によって録画が可能になる時間が異なります。
どの程度の容量でどのくらい撮影が可能なのか、それぞれの記録媒体の一般的な容量を参考にして確認してみましょう。なお、以下に紹介する録画時間の目安は、画質フルHD・30fpsの設定で撮影した場合です。
ハードディスク(1TB)の目安
ハードディスクは他の媒体と比較すると大容量であることが特徴ですが、容量に対する購入価格が安く済むため、コストパフォーマンスに優れた媒体として利用されています。
画質フルHD・30fpsで録画した場合、映像を録画できる時間の目安は約75時間です。およそ3日分はフルで映像を残しておける計算になります。
家電量販店などでは外付けのデバイスとして販売されていることが多いですが、防犯カメラの映像を残す媒体としては、専用のレコーダーに内蔵されていることが一般的です。そのため、主にローカル保存の環境で活躍します。
SDカード(128GB)の目安
SDカードは非常にコンパクトな媒体でありながら、記録できるデータの容量がとても大きい記録媒体です。
こちらもデータ容量に対する購入価格が安くなっていて、一般的にも広く普及しています。大きさによってminiSDカードやmicroSDカードなどの種類があり、アダプターを用いれば防犯カメラで撮影した映像を、パソコンやタブレット、スマートフォンに移し替えたり、閲覧したりすることができ、持ち運びにも便利で使い勝手が良いです。
録画時間の目安は、128GBで約15時間で、半日程度の期間となっています。
クラウド保存の場合
クラウド保存はネットワークのクラウド上に映像データを保存する方式であるため、使える容量に制限はありません。
インターネットにアクセスして録画した映像を保存するため、レコーダーのような録画機器や他の記録媒体は必要ありません。スマホやタブレットなど、インターネットにアクセスできる端末であれば、外出先からでも時間を問わずクラウドにログインして記録をチェックできます。
録画を続けられる期間は、契約の内容に沿った日数分です。媒体の損傷によるデータの消失もないため、契約し続けている限りは、映像データが見られる状態を維持し続けることができます。
【設置場所別】録画時間の目安は?
防犯カメラは設置する場所によって、最適とされている映像の保存期間が異なります。以下の表が、防犯カメラを設置する主な場所の、映像保存期間の目安です。
設置場所 | 録画時間 |
戸建て住宅 | およそ1週間 |
マンション・アパートなどの集合住宅 | 1週間から1ヶ月程度 |
店舗(飲食・小売店など) | 1週間から1ヶ月程度 |
銀行 | 1週間から1年程度 |
工場 | 半年から2年程度 |
駐車場 | 1週間から1ヶ月程度 |
街頭 | 1週間から1ヶ月程度 |
戸建て住宅や集合住宅では、事件や事故が発生したらすぐに気づきやすく、カメラを見返すまでの時間が空きにくいことから、保存期間は短めです。
一方で、金融機関や工場は、犯罪捜査や異物混入の事後検証などを目的として、過去に遡って映像を検証する必要があります。そのため、保存期間として設定している期間も長めです。
ただし、これらの期間はあくまで目安となっていて、保存期間を明確に定めているルールが存在しているわけではありません。
設置する場所が公共の場所を写すカメラの場合、保存期間に関しても自治体によって定められているガイドラインや条例に遵守しなければならないケースもあるので、注意しましょう。
防犯・監視カメラの保存期間を延ばす方法
防犯カメラで撮影した映像を残しておくにあたっては、少ない容量で長時間の映像を残しておきたいのではないでしょうか。
しかし、そのためには何をどのように工夫すれば良いのか分からなかったり、カメラを設置した目的を果たせるのか不安になったりするかと思います。
そこで、防犯カメラの録画時間を少しでも延ばすための方法をいくつか紹介するので、採用できる方法は積極的に取り入れてみてください。
画質を下げる
映像データは、画質が鮮明であればあるほど、記録するための容量が必要です。そのため、画質を多少低くすることによって録画時間を伸ばすことができます。
この時注意が必要なのが、画質をどこまで下げられるかを慎重に検討しなければならないことです。画質が荒くなってしまうと、映像に映っている個人の顔や、車のナンバープレートを判別できなくなってしまいます。そうなると、不審者の確保につながるような証拠として活用することができません。
最低限、目的を果たせる程度の画質は確保しておく必要があるため、テスト撮影するなどして確認しておきましょう。
フレームレートを下げる
フレームレートの数値を調整することも、映像データの容量を節約して録画時間を延ばすことにつながります。
フレームレートとは、1秒の映像に何コマ使われているかを表す数値で、大きければ大きいほど滑らかな動きの映像を残すことができますが、小さいと動きが途切れて記録されてしまいます。
カメラに写った不審人物が何をしていたのかを記録したい場合は、最低限人の動きがはっきりと分かる程度のフレームレートに設定しておくことが必要です。30fpsを基準に微調整しながら設定してみましょう。
HDD・SDカードの容量を大きいものにする
HDDやSDカードなどの記録媒体を、容量の大きいものに入れ替えることも、録画時間を延ばす方法の1つです。単純な方法ではありますが、カメラの映像の質を少しでも下げたくない場合には最適な方法となります。
HDDであればレコーダーに増設したり、容量の多いHDDを搭載したレコーダーに入れ替えたりして録画容量の増設が可能です。SDカードに関しても、近年では512GBや1TBといった、HDDに迫る容量の商品も入手できます。
しかし、その分だけ購入に必要なコストがかかってしまうことに注意しなければいけません。
稼働時間を減らす
防犯カメラで撮影する映像を減らすことも録画容量を減らすことにつながります。カメラの稼働時間を減らす工夫をすれば、撮影時間の削減が可能です。
カメラを設置する目的を空き巣対策としている場合、自宅に誰かがいる時間はその対策が不要ですから、家を空けている間だけ稼働させるようにしましょう。
これに加えて動体検知機能が備わっているカメラを利用すれば、不審者が接近した時だけ録画できるようになるため、さらなる稼働時間の削減が可能です。
ただし、設置場所によっては24時間休みなく稼働させなければならないため、全てのケースで当てはまる方法にはなりません。
防犯・監視カメラを選ぶ時の注意点
実際に導入する防犯カメラを選ぶに当たっては、どのようなポイントに注意しなければならないのかを確かめておくことが必要です。
設置場所や目的に応じたカメラを選択できなければ、せっかくカメラを導入しても無駄になってしまいます。そうならないためにも、カメラ選びの注意点を把握しておきましょう。
保存方式を理解しておく
撮影した映像の保存方法は、映像を残しておく期間やカメラを導入するに当たっての初期コスト、ランニングコストを左右します。
主に3つの保存方式についてメリットとデメリットをまとめましたので、想定している設置場所や目的に、どの方式が合致するかをじっくりと検討してみてください。
ハードディスク(HDD)のメリット・デメリット
ハードディスクのメリットは、保存できるデータ容量が圧倒的に大きいことです。
数TBにも及ぶ容量は長時間の録画を可能にしており、画質などの設定次第では数日間分の映像を録画し続けることも可能です。容量に対するコストパフォーマンスにも優れています。
ただし、ハードディスクを利用するには専用のレコーダーを導入しなければなりません。また、ハードディスクは外からの衝撃によって中のデータが破損するリスクも存在します。そのため、レコーダーの取り扱いには十分注意しなければなりません。
SDカードのメリット・デメリット
SDカードのメリットは映像の視聴や持ち運びのしやすさです。コンパクトなサイズであるため持ち運びがしやすく、録画した映像をカメラから引き出して、パソコンやタブレット端末などでチェックすることもできます。
HDD並みの容量がある記録媒体を、手のひらよりも小さいサイズで取り扱えるという手軽さがSDの特徴です。
ただし、小さいサイズであるために、紛失には注意しなければなりません。また、静電気にも弱いという特性があります。これはカメラの中に溜まる静電気に対しても同様です。そのため、映像データが残せなくなることを回避するために、定期的な交換が必要です。
クラウド保存のメリット・デメリット
クラウドは物理的な記録媒体を必要としないため、HDDやSDカードを購入する必要がなく、破損や紛失の心配もありません。
契約内容次第では、記録媒体よりも大きいサイズの記録容量を使えるため、より長い時間の録画が可能です。これらがクラウドのメリットです。
ただしクラウドは、常にインターネットへアクセス可能な環境を整えなければ利用できません。仮に通信状態が悪くなってしまうと、録画しているはずの映像に穴が生じてしまうのが、クラウドのデメリットです。
肝心な部分が録画できていないという状況を避けるためにも、カメラの利用に適しているインターネット環境を整えましょう。
機能・スペックを確認する
目的に応じて最適なカメラを選ぶなら、利用できる機能やカメラ本体のスペックをチェックしておきましょう。
録画時間を考慮するなら、撮影できるカメラの画素数やフレームレートがどのように設定できるかを確かめておいてください。夜間も撮影する必要があるなら、灯りが無い場所でも鮮明に被写体を撮影できる、夜間撮影機能を搭載したカメラを選びましょう。
店舗に防犯カメラを設置するなら、マーケティングに活用できるカメラがおすすめです。撮影した映像をAIで判別し、来店客分析が可能なカメラを利用できれば、店舗運営戦略に役立てられます。
屋内・屋外などの設置場所を確認する
防犯カメラを設置する場所に応じて選ぶべきカメラも変わります。屋内に設置する場合は、スペースと室内の雰囲気作りへの配慮から、小型のカメラがおすすめです。
特に来店客にプレッシャーを与えたくないお店の場合は、カメラの大きさに十分気をつけましょう。その上で、広い範囲が撮影できるカメラがおすすめです。
屋外に設置するカメラは、カメラが設置されていることをアピールすることで犯罪の抑止にもつながるため、目立つデザインや大きさのカメラでも構いません。雨風や砂埃による故障に備えるため、防水防塵性能が高いカメラを選びましょう。
セキュリティの高いものを選ぶ
防犯カメラの中には、レコーダーとカメラをネットワークを介して接続させているネットワークカメラもあります。
これに加え、クラウド保存を実施しているカメラも常時インターネットに接続していますが、これらのカメラを選ぶ際には、セキュリティが高いカメラを選ぶようにしてください。これは、防犯カメラに対する不正アクセスを防止する観点からも重要です。
カメラに不正アクセスされ、録画されている映像の情報を抜き取られるのは非常に危険です。撮影対象によっては個人情報の漏えいにもつながるため、そのようなことが起こらないような備えをしなければなりません。
サポートがしっかりしている業者を選ぶ
利用目的によっては、防犯カメラは24時間365日稼働させ続けるものになります。そのため、万が一のトラブルが発生した時には、メーカーによる迅速なサポートが必要です。防犯カメラを選ぶ際には、メーカーのアフターサポートの内容も確認しましょう。
サポートに関しては、メールやチャットよりも電話での対応が可能かどうかが大切です。リアルタイムで迅速な対応が可能になりますし、一度のやり取りで伝えられる情報量も多くなります。
また、サポートの内容に配線や取り付けなどの工事対応が含まれているかも確かめておきましょう。
長時間録画時できる防犯カメラはUSENカメラ
防犯カメラの撮影時間を延ばすためには、記録媒体の容量や画質の調整などの方法が有効です。ただし、防犯カメラの設置目的次第では最適な方法は異なりますから、十分に注意しましょう。
映像の長時間録画が可能な防犯カメラをお探しであれば、USENカメラがおすすめです。以下より無料相談や資料請求が可能です。ぜひ気軽にお問い合わせください。