防犯カメラを選ぶにあたって、設置する目的や台数、接続方法など、様々な要素を考慮した上で候補を絞り込み、選択していくことになるかと思います。
しかしながら、それぞれの要素を満たすのに最適な防犯カメラの選び方まで知っているという人は少ないのではないでしょうか。また、映像の保存方法やカメラの形状も重要な要素になり得ることを知らないという方もいるでしょう。
この記事では防犯カメラを選ぶにあたって考慮すべき要素を網羅して紹介するとともに、おすすめの防犯カメラの選び方や設置場所の例についても解説します。
防犯カメラについての理解を深めたい方は、最後までご覧下さい。
目次
【用途・タイプ別】店舗用防犯カメラの選び方のポイント
防犯カメラの選び方についてポイントをまとめると、以下のようになります。
- 用途で選ぶ
- 設置台数で選ぶ
- 機能・スペック・性能で選ぶ
- 接続方法で選ぶ
- 形状で選ぶ
- 保存方法で選ぶ
- 価格で選ぶ
防犯カメラを設置する目的や店舗の業態、環境、予算に応じて、重視するポイントは異なります。しかし、1つの要素だけに注目していては、他のポイントで不便に感じてしまうことも考えられます。また、家庭用の防犯カメラとは違い利用頻度も高まるため、選び方には注意しましょう。
店舗に導入する防犯カメラを選ぶ際は、これから紹介する全てのポイントに注目し、自分が防犯カメラに求めていることを満たすカメラを選びましょう。
1.用途で選ぶ
防犯カメラを選ぶにあたっては、どこを撮影させるかという用途をあらかじめ明らかにさせておく必要があります。屋内も屋外も、重要なのはどこからどこを撮影するのか、です。
これによって、必要となる機能や確保しておきたい画角の大きさが異なります。それぞれの場所でどのようなケースが考えられるかを確認しておいて下さい。
屋内用監視カメラ
屋内に設置する場合、店舗スペースやバックヤード、レジ周りなどを撮影することになりますが、それぞれの場所によって必要となる機能も異なります。
レジ周りに設置する場合、防犯としての用途の他に会計トラブルへの備えとしての目的も考えられるため、画質が良い物である他、音声も記録できるタイプが望ましいです。
売り場や飲食店のホールを撮影するカメラなら、画角やカメラの可動域が広いタイプを選びましょう。店舗の雰囲気作りを重視するなら、カメラを設置することによる威圧感を最小限にするため、小型の機種がおすすめです。
屋外用監視カメラ
屋外に設置する場合、店舗周辺の不審者対策や、駐車場で起こりうるトラブルへの備えが主な目的です。そのため、防犯の効果を高めるために目立ちやすい大きさやデザインのカメラをおすすめします。
天候の影響を受ける場所は、雨天対策としての防水機能や、西日対策として逆光補正機能が備わっているカメラがおすすめです。画質についても最低限の性能を求める必要があり、不審者の顔や車のナンバーが判別できるカメラを選びましょう。
屋外での撮影は、夜間でもその効果を発揮させる必要があります。そのため、夜間でも問題なく撮影できる機種を選択して下さい。
2.設置台数で選ぶ
カメラを設置する目的や撮影させたい場所によって、設置する台数も大きく異なります。特に、1台しか設置しないケースと複数台設置するケースでは、カメラに求める機能が変わるため、防犯カメラの仕様を確認しておかなければなりません。どういったポイントに着目する必要があるのかを解説します。
1台しか設置しない場合
カメラの設置台数を1台とする場合、その1台でできるだけ広い範囲を撮影できるようにする必要があります。
昨今では、1台のカメラで全方位撮影できるカメラも販売されています。魚眼カメラなどとも呼ばれていて、上下左右前後の全方位撮影できる360度×360度のカメラもあれば、前後左右の360度×180度に対応したカメラもあり、防犯カメラとして導入するなら後者のカメラが便利です。
空間の中心部の天井に設置するだけで、空間全体を撮影できます。ただし、遮蔽物(しゃへいぶつ)によって生じる死角には注意して下さい。
2台以上設置する場合
できるだけ死角を作ることなく狙った範囲を撮影する場合は、カメラは複数台導入することになります。設置場所や向きを上手く組み合わせて、空間の隅々までカメラの画角に収めるようにしましょう。
複数台組み合わせる場合は、固定された1つの視点から撮影するものと、角度や倍率を自由に操作できる高画質カメラを組み合わせることがおすすめです。
広い範囲を撮影できる固定カメラと、不審人物の顔や車のナンバープレートを判別できる高画質カメラの両方があれば、トラブルや事件が起きた時の証拠映像として活用しやすくなり、早期解決にもつながります。
場合によってはダミーカメラを使うところも
カメラを複数台導入したいと考えていても、予算などの都合上どうしても実現できないという場合には、ダミーカメラの導入も有力な選択肢です。
撮影することはできませんが、実際のカメラを導入するよりも安価で入手でき、設置することで犯罪の抑止にもつながります。
ダミーカメラを導入する際は、できるだけ目立つような機種を選び、設置場所もあえて目立つようにさせ、防犯カメラが設置されていることをアピールすることがおすすめです。本物のカメラと組み合わせて使用することで、予算を抑えつつ防犯の備えも実現できます。
3.機能・スペック・性能で選ぶ
防犯カメラを選ぶ上で、カメラの性能をチェックすることはとても大切ですが、どの項目がどのように影響するかまで細かく把握している人は少ないのではないでしょうか。防犯カメラの機能・スペックについて、それぞれの特徴について詳しく解説します。
録音機能
録音機能の有無は、防犯性能の向上やトラブル・事件の解決において重要な役割を果たします。
例えば、レジ周りのトラブルが起きた時、従業員がお客様に向けた発言内容が争点となることがあります。言った言わないが重要なケースとなる場合、防犯カメラがトラブルの解決に役立つでしょう。
録音機能があるカメラの多くはマイクが内蔵されているタイプですが、マイクを後付けできるタイプもあります。どちらの場合も、マイクの集音精度がどの程度優れているかをあらかじめチェックしておきましょう。
マイク内蔵型の集音が優れていない場合でも、マイクを後付けして利用できます。
夜間撮影・遠隔監視・検知機能
不審な行為はいつ発生するか分かりません。夜間に不審者が侵入することも想定できるため、防犯カメラでは夜間撮影が可能なカメラを選ぶ必要があります。その場合、赤外線照射による撮影ができるカメラが望ましいです。
業務時間外の不審者侵入をいち早く察知して確認するためには、動体検知機能と遠隔監視機能が付いているカメラを選びましょう。動体検知ができるカメラであれば不審者の侵入を検知して、スマホへ通知することができます。さらに遠隔監視機能があれば、より迅速にリアルタイムの状況を把握することが可能です。
耐久性
防犯カメラは24時間365日いつでも稼働し続けられる耐久性が必要です。カメラそのものの寿命も大事ですが、外的要因に対する耐久性にも注意しましょう。
屋外に設置するカメラでは、雨風による影響を防止する防水・防塵機能が必要です。また、荒天などの際に風に飛ばされてくる物が当たっても簡単に壊れない、耐衝撃性能があるカメラをおすすめします。
また、不審者がカメラを破壊するなどして、撮られることを避けようとするケースも想定されますが、耐衝撃性能があると、不審者によるカメラへのいたずらへの備えとしても有効です。
広角撮影
防犯カメラを選ぶ上で撮影できる範囲を把握しておくことはとても重要となります。この場合、少ない台数で広い範囲をカバーするためのカメラとして、広角レンズ仕様のカメラを選択することが有効です。
一般的には画角が60度を超えているレンズが広角レンズと呼ばれています。これを超える画角を有しているレンズが超広角レンズとなり、100度を超える画角を持つカメラも選択肢として選ぶことが可能です。
また、魚眼レンズを搭載している防犯カメラになると、180度かそれ以上に及ぶ角度の範囲を撮影できるため、より少ない台数の設置で済むようにもなります。
画質・フレームレート
画質が悪い防犯カメラを選択してしまうと、不審者の顔などを鮮明に撮影することができず、トラブルや事件の解決が難しくなってしまいます。そのため、防犯カメラを選ぶ際は画質の良い物を選ぶようにしましょう。
防犯カメラの画質は、画素数が高い物を中心に選択することをおすすめします。動画に関しては、フレームレートの数値にも着目しましょう。
フレームレートとは、1秒の動画に対して何枚のコマを使用しているかを示す値で、数値が高ければ高いほど滑らかな映像になります。
しかし、フレームレートが大きくなるとデータ容量も大きくなるため、防犯カメラとしての役割を満たせる程度のフレームレートを選びましょう。
防塵・防水
防塵・防水の機能は、主に屋外に設置するカメラに対して求められる性能で、雨による浸水や砂埃に対する耐久性を高めるためにも、意識しておきたいポイントです。
防塵・防水の性能を示す企画には、IPというJIS規格があります。スマートフォンでも目にする規格で、通常はIP〇〇と二桁の数字とともに表されます。
左側の数字は防塵性能の高さを示し、右側は防水性能を示す数字です。防犯カメラにおいてはどちらも等級6が最上位とされていて、これを満たす防犯カメラを選んでおけば、防塵・防水への備えは問題ありません。
ズーム・フォーカス機能
カメラのズーム・フォーカス機能についても細かくチェックしておくことをおすすめします。カメラのズームについては、倍率だけでなくズームの種類についても理解を深めて選ぶようにしましょう。
ズームの種類には、デジタルズームと光学ズームがあります。デジタルズームは映像の切り取りによって拡大させる方式で、レンズ設計などが複雑にならない代わりに、拡大された映像は粗くなります。そのため、防犯カメラで撮影した人物の顔や車のナンバープレートが判別できない可能性もあります。
光学ズームはレンズを動かす事によって撮影する映像を拡大させるため、対象がはっきりと写ったまま映像の拡大が可能です。
4.接続方法で選ぶ
防犯カメラを選ぶ上では、カメラとレコーダーや電源をどのようにして接続させるかも重要なポイントです。配線をつなげて接続する有線方式か、ワイヤレスでレコーダーと接続させるかの2つがありますが、どちらも明確なメリットとデメリットがあります。
有線
有線方式は、カメラとレコーダー・電源をコードを用いて接続させる方式です。
直接接続させることによって安定的な電源供給が可能になり、レコーダーとの接続も安定するため、記録される映像が途切れるような心配もありません。
デメリットは、工事の手間と費用です。防犯カメラを設置する際、コードを接続させるための配線工事をしなければなりません。その分、工事業者の手配をしなければならず、費用も発生します。無線方式と比較すると、設置の初期費用がかかってしまうことがデメリットです。
無線(ワイヤレス)
無線方式は、ワイヤレスでカメラとレコーダーを接続させる方式です。Wi-Fiなどを用いた無線接続をするため、配線の必要がなく、工事業者を手配することなく簡単に設置可能です。
しかし、有線と比較すると接続が不安定になるため、映像が乱れたり途切れたりする可能性があります。また、電源については電池式や充電式を採用しているタイプもあり、定期的に電池残量の確認が必要です。
屋外設置の無線式カメラの場合、電源をソーラー蓄電池で賄っている製品もあり、バッテリーを気にする必要がほぼありません。また、製品によっては電源だけ有線での供給で賄っているものがありますが、電源の配線工事を必要とします。
5.形状で選ぶ
防犯カメラを選ぶ時は、カメラのデザイン・形状をどのように選択するかも重要なポイントです。カメラを目立たせたいのか、小型のカメラが好ましいのか、形状によっても、カメラの選択肢が変わります。防犯カメラには3つの代表的な形状があります。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
ボックス型
ボックス型とは、一般的に防犯カメラの形としてイメージされる形状のカメラで、細長いカメラ部分が撮影している方向を向いている形です。カメラの部分が筒状になっているタイプは、バレット型とも呼ばれています。
見た目でカメラとわかりやすいので、設置しているだけで防犯の効果が期待できます。屋外と屋内の両方で普及しているタイプですが、屋内用のものは目立たせないためにカメラの部分が小さくなっているものもあります。
撮影している方向が分かりやすい形であるため、死角になっている部分や撮影されていない場所が分かりやすいことも特徴です。
ドーム型
ドーム型とは、その名の通りカメラの形状がドーム型になっているタイプのカメラです。照明や火災報知器に似た形状をしているため、カメラとして目立ちにくく、カメラを向けられているという圧迫感を抑えることができます。
画角が広い製品が多く、死角をほとんど出さずに広範囲の撮影が可能です。レンズが向いている方向も外観では簡単に判別できないため、カメラに近づけさせなくさせることによる防犯効果も見込めます。
主に屋内で利用されるタイプですが、建物の形状によっては屋外での設置にも利用されているタイプです。
PTZ型
PTZカメラは水平方向と垂直方向の回転と、拡大縮小の動作を遠隔で操作可能なカメラです。
カメラレンズの向きを好きな方向へと動かせるような形をしており、ドーム型をやや縦長にしたような見た目が主流となっています。遠隔操作で撮影する方向や映像の倍率を変えられるため、常にカメラの映像を監視している人員が配置できる場合には特におすすめです。
ただし、カメラが向けられていない方向は死角になりますし、ズーム中はその分撮影範囲が狭くなります。広範囲を撮影できるので、固定カメラとの併用がおすすめになります。
6.保存方法で選ぶ
防犯カメラで撮影した映像を、どのように保存するかによっても選択肢が変わります。選べる保存タイプは、手元のレコーダーやSDカードなどの媒体に保存するタイプと、ネットワークに接続してクラウド上に保存するタイプの2つです。それぞれのメリットやデメリットを紹介します。
クラウド保存
クラウド保存では、インターネット上にあるクラウドに撮影した映像を保存します。映像を保存するためのレコーダーや記録媒体を用意する必要がなく、その分の配線も要りません。
また、レコーダーの故障や第三者による損傷行為の被害を受ける心配も無いため、撮影された映像が失われる可能性も低いです。
一方、デメリットは、インターネット環境が必要になることと、クラウドを利用するためのコストもかかることです。
また、クラウドサービスは運営元の都合で予告なく終了するリスクも伴うため、利用するサービスは慎重に選ぶ必要があります。
レコーダー保存
レコーダー保存は、手元にあるレコーダーやSDカード、USBメモリなどの記録媒体に撮影した映像を保存する方式です。
自分で媒体を用意すれば映像を記録できるので、クラウドとは異なりランニングコストを必要としません。サービス終了によるデータの喪失を防げる他、インターネット接続の不安定さから映像がうまく記録されないなどのトラブルも回避できます。
ただし、映像を記録するためのレコーダー本体とその設置スペースが必要になる他、何らかの理由で記録媒体が故障するとデータが失われる可能性もあります。
7.価格で選ぶ
防犯カメラを導入するにあたっては、予算に応じた機種を選ぶことが重要です。性能の面では価格が高い方が優れてはいますが、求めている性能次第ではより手頃な値段のカメラも選択肢に入るでしょう。しかし、安いカメラと高いカメラの特徴を知っておくことで、より適切なカメラを選べるようになります。
安い防犯カメラ
ECサイトなどで1万円台やそれ以下の値段で買える防犯カメラがあります。しかし、安価で手に入るというメリットとは裏腹に、画質の面で物足りなさを感じたり、夜間撮影の性能が不足していたりする可能性が高いです。
また、アフターサポートが万全ではないことも考えられるため、これらの点に考慮してカメラを選ぶ必要があります。
3万円から5万円程度のカメラであれば、家庭に設置するカメラとしては不足しません。しかし、店舗に設置するカメラとしては不十分です。
高い防犯カメラ
値段が高いカメラであれば、カメラの基本スペックが高く、防犯カメラとして十分な役割を果たすことが期待できます。
さらに防水防塵性能、夜間撮影、カメラの画角、録音などの機能に、長い録画期間や充実したアフターサポートも加わることが、値段が高い防犯カメラのメリットです。
ただし、性能が高いカメラは配線工事やレコーダーの設置工事などが必要になり、導入する際の初期費用は高くなります。
また、防犯カメラに求めている性能や設置する目的によってはオーバースペックとなる可能性もあるため、高ければ高いほど良いとは一概に言えません。必要な機能に応じたカメラを選ぶようにしましょう。
店舗・会社におすすめな防犯カメラ
実際に防犯カメラを導入するにあたっては、どのような機能を重視するべきか、店舗のタイプやオフィスなど、導入する場所や環境によって細かく異なります。場所や環境に応じた最適なカメラを選ぶようにしましょう。
小売店・飲食店
小売店や飲食店で防犯目的にカメラを設置する際、設置する場所によって必要となる機能が異なります。レジ周りの不正やトラブル防止を目的とするなら、レジの手元が鮮明に写る画質と、従業員とお客様の会話を録音できる機能があるカメラを選びましょう。
営業時間外の監視を目的とするなら、自動検知機能と暗視での撮影が可能なカメラがおすすめです。動作物を検知して撮影を開始するタイプを選べば、常時撮影よりもコストがかからず、映像を保存する容量も節約できます。
営業時間外は主に深夜であるため、暗闇の中でも不審人物の顔を撮影できることが望ましいです。こうした機能に加え、カメラの映像をスマートフォンを使ってリアルタイムでチェックできるカメラをおすすめします。
オフィスや営業所
会社のオフィスや営業所でも、業務時間外に侵入してきた不審者を撮影できるカメラ選びが重要です。自動検知機能があるカメラや夜間撮影性能の高いカメラを選ぶことが必要ですが、これに加えて、オートフォーカス機能が付いている機材をおすすめします。
オフィスや営業所では、重要書類や記録媒体を設置している場所、加えて出入り口を撮影できていれば、想定される主なトラブルに対しての対処が可能です。
不審者が侵入してきた際に、その顔を鮮明に捉えることに特化したカメラであればより心強いでしょう。侵入者の迅速な特定と警察による身柄確保に貢献できます。
駐車場
駐車場を監視するカメラを設置するならば、駐車場で起きることが想定されるトラブルや、駐車場という環境に適しているカメラがおすすめです。
車上荒らしを抑止するために設置するなら、BOX型などの目立つ見た目のカメラを選ぶようにしましょう。また、車のナンバープレートを捉えたり、不審者や不審な車の動きを追うことのできる、PTZカメラもおすすめです。
屋外の駐車場に設置する際は、防水防塵性能に優れている機種を選んで下さい。違法駐車に対処するならば、録画時間の長さや、撮影した映像を保存する手段にも着目しましょう。違法に駐車されていた期間を特定するのにも役立ちます。
飲食店・小売店の防犯カメラ設置場所
防犯カメラは設置する場所も非常に重要です。飲食店や小売店でオススメの設置場所や、備えておきたい機能、抑えるべきポイントをを紹介します。
出入り口付近
店舗に出入りする人物を細かく記録するのであれば、出入り口への設置がおすすめです。出入り口を撮影することで、不審人物の侵入を抑止するとともに、万引きや食い逃げなどのトラブルが起きた場合には、状況の把握や不審人物の特定にも貢献できます。
設置する際は、出入り口の外に向かって撮影する画角で検討しましょう。店舗の外を往来する人へ配慮しつつ、設置場所を検討して下さい。この時、西日が入り込むような角度になってしまう場合には、店内に向かうような画角になっても問題ありません。
犯罪の抑止の観点からは、大型のカメラとなるBOX型がおすすめです。営業時間外の夜間でも撮影できるような機能があればなお良いでしょう。
レジまわり
レジ周りは、営業中に最も気を付けなければならない場所の一つです。外部の人間による現金強盗の他にも、従業員による内引きへの対策として防犯カメラの設置は必須です。こうした犯罪行為の他にも、お客様との支払いトラブルが発生した時の備えとしても利用できます。
釣銭の受け渡しやレジの操作ミスなどを映し出せるよう、画質の良いカメラを選ぶようにしましょう。ズーム性能に優れているカメラであればなお良いです。
また、お客様との会話を録音しておくことや、強盗の声を記録することの必要性から、録音機能の付いたカメラをおすすめします。
バックヤード・倉庫
バックヤードや倉庫への設置は、主に従業員の私物や店舗の備品の窃盗、倉庫内の商品の盗難に対する備えを目的とします。また、内部の従業員のみならず、外部からの侵入者に対する備えや抑止としても有効です。
バックヤードに設置するカメラを選ぶ際に重要なのが形状です。ボックス型のように、撮影していることが視覚的に分かりやすいカメラは、従業員を監視しているという印象を与えやすく、圧迫感を感じてしまいかねません。
また、想定されるトラブルによって求められる機能が異なります。営業時間外も監視が必要な場合は、夜間撮影性能と自動検知機能を考慮して機材を選びましょう。
客席(売り場)やキッチン
売り場やキッチンなどもトラブル防止のために有効なカメラの設置位置です。小売店の場合は万引きへの抑止へとつなげられますし、飲食店では従業員への暴力といったトラブルの対策にもなります。
どちらも従業員の目が届かない場所をカバーできることからカメラの設置がおすすめです。ただし、店内にカメラを設置することは来店客に周知させておく必要があります。無断での撮影はお客様に不快感を与える可能性があるので注意しましょう。
キッチンへの設置は、営業時間外の不審者による迷惑行為への抑止に有効です。いずれの場合も、設置するカメラのタイプはお店の雰囲気に合わせることが大切ですが、特に問題が無い場合は、ボックス型がトラブル抑止に向いています。
トイレ周辺
店内で発生するあらゆるトラブル抑止のためには、トイレ周辺への設置も重要です。特に注意すべきが万引き行為で、売り場からトイレに持ち込んだ商品を鞄やポケットの中に隠して、そのまま店を出るといった手口で行われます。
また、トイレットペーパーをはじめとした備品の持ち出し抑止にも有効です。この場合、防犯カメラ設置を周知するとともに、防犯カメラの存在感をアピールするために大きめの機材を採用することをおすすめします。
注意が必要なのが、トイレの中を写すことができないという点です。トイレの出入り口付近や廊下などに設置するようにしましょう。
駐車場などの屋外
駐車場を設けている店舗では、駐車場でのトラブル対策として防犯カメラが必要になります。
店舗の駐車場でよくあるトラブルが、店舗を利用しない車両による無断駐車です。無断駐車に対しては、店舗利用の有無や駐車時間を正確に把握して適切に対処するために、防犯カメラの撮影記録が利用できます。
屋外に設置する場合、防水防塵性能が高く耐久性のあるカメラを選ぶことが望ましいです。また、夜間撮影の可否を確かめておく他、防犯カメラの存在をアピールできる機材を選択しましょう。
店舗に防犯カメラを設置するメリット
店舗に防犯カメラを設置は、犯罪などのトラブル防止や、発生後の迅速な解決だけでなく、実は店舗の売上をアップさせることも可能です。具体的にどのようなメリットがあるのかを確かめてみましょう。
窃盗などの犯罪を抑止する効果がある
防犯カメラが設置されていることを周知し、従業員にもその意識を強く持たせることで、窃盗などの犯罪を未然に防ぐことが可能です。
人は監視されているという意識や、後々捜査の手が自分に及ぶことを感じることで、犯罪やお店のルールに反する行動を取りづらくなります。
突発的な迷惑行為まで抑止するのは難しいですが、防犯カメラがあることを示すのは無駄にはならないでしょう。
マーケティングの活用につながる
防犯カメラが活躍するのは、迷惑行為への抑止ばかりではありません。実は来店客の属性や動向のデータを集めることができ、データを活用した集客や新商品開発のヒントも得られます。
顧客分析機能が備わっているカメラであれば、録画した映像から、AIが来店客の属性を分析。その日の来店客数が多かった時間帯、来店客の性別、年齢層を解析して、データとして出力できます。
そして、得られたデータを、店舗運営の効率化や売上向上のための対策や方針設計に役立てることも可能です。
問題が起きた場合の証拠になる
防犯カメラで記録した映像は、トラブル解決の糸口になったり、証拠として活用したりすることが可能です。映像や音声データを証拠として提示することで、悪質なクレーマーによる被害を減少させることができます。
例えばレジ周りにおいて、釣銭が不足しているというクレーム に対して、その真偽を確かめるために映像が有力な証拠となります。
録音機能が付いているカメラであれば従業員からお客様への発言も記録として残せるため、トラブルの全容を明確にできるでしょう。
店舗に防犯カメラを設置する時の注意点
お店に防犯カメラを設置することは、トラブルの防止や店舗運営の効率化、売上の向上にとても役立ちます。
しかし、良い事ばかりだからといって慌てて導入することも禁物です。防犯カメラを導入するに当たって注意するべきポイントを2つ紹介します。
店内の雰囲気に合わせた防犯カメラを選ぶ
防犯カメラを選ぶ時には、店内の雰囲気を壊さないような見た目のものを選ぶようにしましょう。
防犯カメラは見た目によっては、お客様に威圧感を与える可能性もあります。落ち着いた雰囲気の店内に大きなカメラがあると、落ち着いて過ごすことができない空間になってしまうため、お店のコンセプトとは合致しません。
防犯カメラの見た目には十分に注意した上で、雰囲気に合うようなものを選びましょう。上記のようなケースの場合、ボックス型のカメラよりもドーム型カメラをおすすめします。カメラの存在感を抑えられるためめ、雰囲気作りにも干渉しません。
個人情報に注意して設置する
防犯カメラを設置する上で見落としがちなポイントが、個人情報取り扱いへの配慮です。個人の顔を識別できる場合はあらゆる情報を個人情報として扱わなければならないため、取り扱いには十分に気を付ける必要があります。
個人情報に関して敏感に意識している方もいるため、防犯カメラ設置自体がトラブルの原因にもなりかねません。防犯カメラを設置している旨は、あらかじめドア付近や壁の張り紙、あるいは店舗の公式サイトによってお客様に周知させておきましょう。
USEN Cameraが店舗に向いている理由
防犯カメラに求めている機能や条件を踏まえると、店舗に導入するカメラにはUSEN Cameraがおすすめです。
USEN Cameraは防犯抑止に役立つ撮影性能を満たしているだけでなく、AI技術を用いた来店客分析機能が利用可能です。
来店客を男女比率や年代傾向、リピーターの比率といった属性でデータを収集し、それを出力します。
撮影した映像の保存方法は、記録媒体に直接録画するローカル録画型と、クラウドに映像を保存するクラウド録画型から選べるため、利用環境に応じて最適な方式が選択可能です。サポートは24時間365日、電話で対応しています。
コストと機能面で選ぶなら「USEN Camera」
防犯カメラを選ぶ際には、設置する目的やカメラの性能、機能など、さまざまな要素を考慮する必要があります。
また、防犯カメラとしての役割だけでなく、マーケティングに活用可能なデータ集中ツールとしても利用可能です。設置場所にも注意しながら、目的を果たせるようなカメラを導入しましょう。
USEN Cameraであれば、高性能な防犯カメラに加えてAIを利用した来店客分析機能も利用できます。機能とコストのバランスに優れているUSEN Cameraをぜひご検討下さい。以下より無料相談と資料請求の申込みができます。