店舗にWifiを導入したいものの「費用がかかるのでは」「設置工事に対応する暇がない」などの理由で実行に移せない店舗経営者も多いのではないでしょうか。そんなときに役立つのが、コンセントに挿すだけでインターネット環境を設置できるタイプのWifiサービスです。今回は、手軽さが魅力の「コンセントに挿すだけのWifi」について、基礎知識やメリット・デメリット、おすすめのWifiサービスなどを解説していきます。
目次
コンセントに挿すだけのWifiって?
無線でデバイスをインターネットに繋ぐことができる「Wifi」。店舗の業務効率化や顧客サービスの一環としてWifi導入を進めるオフィスや店舗も増えており、店舗運営・集客にとって重要なツールになりつつあります。そんなWifiだからこそ、「導入には大がかりな回線工事が必要になるのではないか」と考える人も少なくありません。ところが、実際にはコンセントに挿すだけで一定の範囲がWifi環境になる「ホームルーター」という便利な機器があるのです。「置くだけWifi」と呼ばれることもあるこの機器は、ホームルーターから出ている電源コードをコンセントに挿し込むだけでWifiを利用できるようになります。
機種により異なりますが、円柱や丸みを帯びた直方体などのデザインで、片手で簡単に持てるサイズのものが一般的です。難しい手続きや設定は必要ないので、機械やインターネットに詳しくなくても簡単にWifi環境を設置できるでしょう。
コンセントに挿す以外のWifi
店舗でインターネットを利用できるようにするには、ホームルーター以外に「固定回線」と「モバイルWifi」という2つの方法があります。コンセントに挿して使うホームルーターのメリットを理解するためにも、まずは固定回線とモバイルWifiの特徴を知っておきましょう。
工事を行う固定回線
固定回線とは、特殊なケーブルを引き込んでインターネット回線につなぐ通信方法です。物理的な回線でインターネットに接続するため、通信が安定し速度も速いというメリットがあります。代表的なのは、光ファイバーと呼ばれるケーブルをつないで利用する「光回線」です。光はたった1秒で世界を7周半も移動できるほどの速さを誇り、その光のパルスを用いた光ファイバーを利用するので、安定した高速通信が可能になります。光回線もそれ以外の固定回線も、物理的に通信するため回線にかかる負荷がそれほど多くなく、通信容量の上限がありません。多くのお客様が来店しても、通信制限を気にすることなく快適な通信を楽しんでもらえるでしょう。
ただし、回線種別によっては、通信量に応じた従量課金制を採用していたり、短期間の大量通信に対して一時的な通信制限をかけたりする場合もあります。思わぬ料金や通信速度に対する不満が発生する可能性もあるので、契約する際はプラン内容を慎重に確認しましょう。また、固定回線を利用するには回線工事を行わなければなりません。工事を受けられるまで数週間待ったり、立ち合ったりしなければならないケースがある上に、工事費用として数万円かかることもあります。また、物理的にケーブルでつなぐため持ち運びができず、その場所でしかWifi環境を整えることができません。
持ち運びできるモバイルwifi
モバイルWifiは小型のルーターのことで、自由に持ち運びができる点が特徴です。手のひらに乗るようなサイズが多く、ポケットやカバンに入れて外出先へ持って行くこともできます。ケーブルや電源コードが付いておらず、完全に無線で回線を利用するため工事が必要ありません。ルーターが届いたら電源を入れるだけですぐに使えるため、急いでWifi環境を整えたい場合に最適です。光回線と比べると工事費用が不要で料金も割安な場合が多いので、通信費を節約したい場合はモバイルWifiを選ぶのも良いでしょう。
その一方で、モバイルWifiは毎月の通信に制限がかけられているものがほとんどです。3日間や1カ月など、一定期間に決められた以上の通信を行うと速度制限がかかってしまいます。速度制限の内容や速さはモバイルWifiにより異なりますが、制限中はストレスを感じるほど遅い通信しかできなくなるでしょう。中には通信容量無制限のプランもありますが、その場合は光回線とあまり変わらない料金になるケースもあり、コストパフォーマンスが良いとは言えません。また、複数台で接続すると回線が混み合い、それぞれの速度が落ちやすくなります。
コンセントに挿すwifiのメリット
コンセントに挿す以外のタイプのWifiについて、特徴を押さえられたでしょうか。これを踏まえた上で、次はコンセントに挿すWifi「ホームルーター」のメリットをチェックしていきましょう。
速度が安定している
ホームルーターは、構造やシステムそのものはモバイルWifiとほとんど変わりません。違うのは、その大きさです。モバイルWifiは持ち運びを前提としており、必要最低限のパーツでできる限り小さく作られています。こうなると、必然的にアンテナも弱くなってしまいます。アンテナはインターネットにつなぐ電波を受信するための大切な部分であり、それが小さいということは接続も不安定になりやすいのです。この点、ホームルーターはモバイルWifiと比べると大きく、その分、アンテナも強力になります。モバイルWifiよりも広く強く、安定して電波を飛ばせるようになるのです。このため、「通信が途切れる」「遅い」などの不満が出にくくなります。
ただ、あくまでも無線回線である以上、接続台数が多くなるほど通信速度が落ちるのは仕方ありません。ホームルーターの機種により接続可能台数が変わるので、必要に合わせてスペックを選びましょう。
工事なしですぐ使える
ホームルーターは、届いたら電源コードをコンセントに挿すだけで使えます。SIMカードの挿入やパスワード入力などは必要ですが、最初に設定するだけでどれも簡単に行えるものなので心配はありません。回線工事のように時間がかからず立ち合いも不要なので、好きなタイミングで手軽にWifi環境を整えられます。もちろん、物件のオーナーや管理会社に工事の許可を求めたり、工事費用として数万円を支払ったりする必要もありません。工事ができない事情がある場合や、急いでWifiを導入したい場合などには最適です。また、モバイルWifiほどではありませんが持ち運びもできるので、店舗の引っ越しやレイアウト変更などにも対応しやすいでしょう。
配線がない
固定回線とは違い、ホームルーターは無線回線なのでケーブルをつなぐ必要がありません。電源コードはありますが、必要なのはそれ1本だけです。固定回線のように、何本ものケーブルでゴチャゴチャとした見た目にならずに済みます。特に店舗の場合、見た目は店舗のイメージを左右することもあるため、インテリアや雰囲気に影響しにくい点は大きなメリットになるでしょう。
同時接続が可能
Wifiは、1つの回線に複数のデバイスが同時接続できます。家の中で家族みんなが使うような場面も想定されているため、このような機能も備えているのです。ただし、あまりに多くの接続があると回線が混雑してしまうため、基本的には同時接続が可能な最大台数が設定されています。モバイルWifiはコンパクトなため同時接続可能台数も少なく、機種によって10~16台ほどしかありません。これ以上のデバイス接続が想定される店舗の場合、モバイルWifiを選ぶのはかなり難しいでしょう。ルーターを契約して回線を増やすという方法もありますが、その分料金がかさむのであまりおすすめできません。
この点、ホームルーターなら20~60台以上を同時に接続できる機種もあるため、店舗内で多くのデバイスを同時に利用できます。料金はモバイルWifiとホームルーターであまり変わらないものもあるため、より多くを同時接続できるホームルーターのほうがおすすめです。
コンセントに挿すwifiのデメリット
メリットが多いホームルーターですが、良い点ばかりではありません。注意したいデメリットが3点あるので、契約する前にそれぞれ正しく理解しておきましょう。
店舗外への持ち運びができない
ホームルーターは、コンセントにつないで利用することを前提としています。持ち運ぶために作られたモバイルWifiとは違い、サイズも比較的大きめです。実際にはカバンに入れて持ち運べるサイズのホームルーターもありますが、外出先での利用は認められておらず、原則として契約したときの住所で使用しなければなりません。このため、「コンセントにつなげばどこでも使えるだろう」「店舗だけじゃなく自宅でも使おう」と考えるのはやめましょう。契約した住所以外での利用をサービス運営会社に知られると、強制的に利用停止にされてしまう可能性もあります。持ち運んで使いたいと考えている場合は、ホームルーターではなくモバイルWifiを選びましょう。
無制限ではない
ホームルーターの契約プランによっては、通信容量が無制限となっている場合もあります。しかし、実際には好きなように使い放題できるわけではありません。たとえ1カ月の通信容量が無制限だったとしても、実際には「3日間で10GB以上」のように、短期間での速度制限がかけられるケースが多いので注意しましょう。ただ、速度制限がかかるのは、期間内にYouTubeを10時間以上見るなど大胆な使い方をした場合です。店舗運営であれば、そこまでの利用をすることはあまりないでしょう。普通の使い方であれば特に不便はないので、過剰に心配する必要はありません。
固定回線より速度は遅く不安定
モバイルWifiと比べれば安定しているものの、やはり物理的にケーブルをつないで接続する固定回線と比べると速度や安定性が劣ってしまいます。工事が不要で余計な手間や費用がかからないのは魅力的ですが、業務用と考えると速度や安定性が劣るのは大きな課題かもしれません。何に対してWifiを利用するかにもよりますが、速度や安定性を重視する場合はリスクに注意しましょう。
そもそも「工事」って何をするの?
速度や安定性が優れている固定回線が良いけれど、工事の内容が気になるという人も多いでしょう。工事は、その場所に固定回線へつなぐためのケーブルを引き込む作業のことです。店舗にもともと回線が引き込まれていれば工事不要となるケースもありますが、基本的には希望する回線に応じた工事が発生すると考えておきましょう。戸建て住宅は近くにある電柱から回線を引き込みますが、マンションやビルのような集合住宅はエントランスなどの共有スペースまですでに回線が通っていることも多いです。具体的な工事内容としては、壁の穴あけや室内へのケーブル設置などがあり、基本的には室内に作業員が入るため立ち合いが必要になります。
工事の申込から完了までの期間は早くて数週間、長いと1ヵ月ほどかかります。4月や10月前後の引っ越しシーズンになると回線工事の申込が増え、1カ月以上かかる場合もあるため計画的な申込が必要です。また、費用も工事業者によりバラバラで、1万8000~4万円ほどかかります。
工事不要で店舗でwifiを使うなら「USEN AIR」
コンセントに挿すだけで利用することができ、工事も不要なホームルーター。非常に手軽で便利ですが、固定回線と比べると速度や安定性の面で不安を感じることもあるでしょう。このような場合は、手軽さと速度・安定性をバランスよく両立できる「USEN AIR」がおすすめです。「USEN AIR」の魅力について、次で詳しくチェックしてみましょう。
「USEN AIR」とは
「USEN AIR」は店舗での運用を想定して開発されたホームルーターの一種です。申込から使用開始までがスピーディーで、最短3営業日でWifiをスタートできます。コンセントに挿すだけでWifiを使用でき、もちろん工事は必要ありません。内蔵された高性能の業務用WifiによりPOSレジや電子決済もスムーズに利用可能な上、LANポートも搭載されているため活用の幅が広がります。また、「USEN AIR」では運営会社による24時間365日の電話対応や出張修理などが行われています。ITに詳しくないためWifiを導入しても使いこなせるか不安という人も多いですが、トラブルに対する手厚いサポート体制が整っているため安心して利用できるでしょう。
「USEN AIR」のメリット
コンセントに挿すだけで利用できるホームルーターは数多くありますが、その中でも「USEN AIR」は業務用として大きな魅力を持っています。それは、接続する業務用機器に「優先順位」をつけて運用できるという点です。多くの機器を接続しても、POSレジや電子決済など業務用の通信が優先されるため、回線が混雑したときに重要機器が動かないといった事態を避けやすくなります。重要機器が動かなくなると、業務がストップしたり会計の遅滞により顧客満足度が低下したりするなど、さまざまな問題につながってしまうでしょう。このようなリスクを軽減するためにも、業務用の通信を優先する機能は大いに役立ちます。
店舗での使用を想定して作られたWifiならではの強みであり、スムーズな店舗運営が期待できるのは大きなメリットです。機種は1つのみで選べない、キャッシュバックなどの特典やキャンペーンがないなどの注意点はありますが、それを十分に補うほどの効果が期待できるでしょう。
IP電話とFAXをオプションで利用可能!
「USEN AIR」には、基本的なWifi機能のほか、IP電話とFAXをオプションで加えることも可能です。どちらも店舗運営において活用できるシーンが多いので、内容を確認した上で必要に応じて申し込みましょう。
IP電話とFAXはあった方が良いのか?
オプションを申し込む前に、そもそも「いまどき店舗に専用のIP電話とFAXが必要なのか」と疑問に感じる人もいるでしょう。結論から言えば、どちらもあるに越したことはありません。オーナー個人のスマホを連絡先として活用することもできますが、店舗の代表電話番号が個人の番号になっていると、信用性の問題などで電話をかけるのをためらう取引先やお客様もいます。やはり市外局番のある専用の電話番号があったほうが、お客様にも安心してもらえるでしょう。まだFAXで取引関連の資料を送受信している会社などもあるため、それぞれ設置しておいたほうが安心です。
なお、固定電話を使っている場合、IP電話にすることで通話料を節約できるため、大幅にコストを削減できることもあります。番号ポータビリティにより従来の固定電話番号をそのままIP電話として使えば、お客様への連絡や看板などの書き換えも不要なので手間もかかりません。
「USEN AIR」のIP電話とFAX
「USEN AIR」にオプションでIP電話を加えると、専用のスマホが無料でレンタルされます。IP電話とはいえ市外局番を設定できるので信用性の面でも問題ありませんし、一部の地域では従来の固定電話と同じ番号の使用も可能です。複数台契約すれば、店舗内や系列店などで内線として活用することもできます。しかも驚くべきことに、専用スマホでFAXが送れるという機能まで付いており、撮影した画像や指で書いた文字などをそのままFAXとして送信できるのです。まるでメールのようにFAXを使用できるので、従来のFAXに慣れていない人でも問題ありません。ただし、Wifiルーターの「USEN AIR」とは違い、こちらは使えるようになるまで最短で5営業日かかるので計画的に申し込みましょう。
工事不要で手軽なwifiは魅力!ただし信頼性のあるものを
工事が不要でコンセントに挿すだけで使用できるホームルーターは、非常に手軽で魅力的なWifiです。ただ、ビジネスで使うとなると通信の速度や安定性には十分な注意が必要です。安さだけを重視してホームルーターのサービス運営会社を選ぶと、いざ使い始めてから後悔することにもなりかねません。また、通信環境によってはPOSレジや決済端末などが動かなくなり、トラブルを招く恐れもあります。業務効率化や顧客サービスなどの目的を果たすには、手軽さだけでなくルーターの性能やサービスの信頼性なども含めて選ぶことが大切なのです。
このようなポイントを満たすサービスを探しているなら、やはり「USEN AIR」を検討しましょう。簡単に高性能のWifi環境を整えられるのはもちろん、「業務用の通信を優先できる」「手厚いサポートを受けられる」「IP電話とFAXも使用できる」など、多くのメリットが期待できます。Wifiを活用し、店舗運営を効率化させてさらなる売上アップを目指しましょう。