店舗経営においてwifi環境は必須になっています。店舗のPOSレジや電子決済システム、監視カメラなどをネットワーク接続したいと考えている店舗経営者もいるでしょう。店舗経営においては、どのようなwifiシステムを構築するべきなのでしょうか。この記事ではwifiとは何か、wifiの種類、メリット、導入のポイントなどを基本から解説します。
目次
wifiとはそもそも何?
wifiとはインターネットに接続したり、さまざまな機器同士をネットワークで結んだりできる無線通信の1つです。LANケーブルの代わりに無線で接続できるので、ケーブルが届かない場所、邪魔になる場所でもIT機器を使えるのがメリットです。たとえば、POSレジから入力された情報をwifi経由でインターネットにつないで電子決済を完了できます。また、パソコンに保存してある音楽をwifi接続したスピーカーから流すなども可能です。無線通信といえば、携帯電話の「LET」やワイヤレスイヤホンなどに使われる「Bluetooth」などの他の通信規格を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。wifiは主に住宅やオフィス、店舗内などでの高速通信に適した規格です。
wifiを利用する方法は大きく分けると3種類に分けられます。自宅用やオフィスで主流となっているのは、光ファイバーケーブルを引き込こむ光回線です。また、モバイルwifi(ポケットwifi)は外出先でも使える無線通信で、携帯電話とほぼ同じエリアをカバーしています。つまり、スマホでインターネットを利用するのと同じ感覚で、パソコンやタブレットなども利用できます。ホームルーターはコンセントに接続することでwifiが使えるタイプです。通信方式はモバイルwifiと同じなので、据え置き型のモバイルwifiと考えればよいでしょう。コンセントから常時電源を供給できる分、モバイルwifiに比べて電波の送受信が安定しやすいことが特徴です。
いずれの方式でも「wifiルーター」と呼ばれる無線通信を行う機器が必要です。wifiルーターは複数の端末を同時にインターネットにつないだり、相互に通信したりする役割を果たします。通信をまとめて整理してくれる小さな通信基地局のようなものと考えればよいでしょう。店舗では通信量が多い主要なパソコンやサーバーはwifiルーターと有線接続するのが一般的です。また、タブレットや電子決済の機器、ワイヤレススピーカーなどは無線接続して使えます。
wifiの種類:モバイルwifi
モバイルwifiは外出先でも簡単に持ち運びができるコンパクトなwifiルーターです。ポケットサイズであることから「ポケットwifi」とも呼ばれています。ここでは、モバイルwifiのメリットとデメリットを解説します。
モバイルwifiのメリット
モバイルwifiの最大のメリットは、外出中どこでもインターネットに接続できることです。商談先やカフェ、新幹線の中など、通信エリア内であれば通信が可能です。工事も不要で、通信業者と契約してwifiルーターを購入またはレンタルすれば、簡単にインターネット環境が整います。また、サービスや料金プランにもよりますが、一般的に固定回線より通信費が安いこともメリットです。光回線の月額料金は平均4000~5000円なのに対し、モバイルwifiは3000~4000円程度が相場になっています。
モバイルwifiのデメリット
モバイルwifiのデメリットは、光回線やホームルーターに比べて速度が遅いことと、通信が不安定になる傾向があることです。最大通信速度で比較すると必ずしも劣っているとはいえませんが、実行速度で比べると通信速度や質が落ちることが多いため注意が必要です。また、利用場所によっては、電波状況が悪くなる場合もあります。そもそも、モバイルwifiは個人利用を想定しているため、同時接続可能な台数が少ないのも特徴です。高性能なwifiルーターを使う場合でも、15台程度を目安に考えておくとよいでしょう。そのため、少し規模が多い店舗では利用できません。また、接続台数内であればよいというわけでもなく、十分な通信速度や安定性が出ない場合もあります。
プランによっては通信量の上限もあり、それを超えると通信速度制限がかかります。そうなってしまえば、一般的なサイトを閲覧するのもストレスがかかるほどになるため、現実的には使えない状況になってしまうでしょう。こうしたことから、業務用としてモバイルwifiを利用するのは、少し厳しいといえるでしょう。POSレジや決済サービスで通信速度制限がかかってしまい、決済ができずお客様に迷惑をかけてしまう可能性があります。
wifiの種類:光回線のwifi
光ファイバーを引き込む光回線は高速で安定した通信を実現できることから、屋内での利用において主流の方式です。ここでは光回線のメリット、デメリットを解説します。
光回線のメリット
光回線は電磁波によるノイズを受けず、室内の接続口から基地局までの距離が長くても影響を受けることがありません。光回線の通信速度は下り1Gbpsが一般的ですが、なかには10Gbpsのサービスも提供されるようになりました。wifiを利用できる回線種類のなかで、最も高速で通信できるのが光回線です。通信負荷が大きい場合には、高速通信を安定して利用できる光回線が向いています。光回線は複数の機器を同時接続しても回線に余裕があり通信速度が保たれます。オフィスや事務所など複数人が利用する職場や、多くの機器が接続される店舗などでも快適な利用が可能です。
また、光回線ではモバイルwifiと違って通信量の上限もありません。通信量オーバーによる速度制限を気にすることなく、無制限に利用できます。ただし、ビルやマンション、アパートにおいては、建物内で光ファイバーが共有されている可能性があるので注意が必要です。この場合、建物内の他のユーザーが大容量の通信をするなどにより、通信速度が遅くなることや不安定になることも起こります。光回線のマンションタイプは一戸建てタイプに比べて月額料金が安いですが、この点に注意しておきましょう。
光回線のデメリット
建物内にすでに光ファイバーが引き込まれていない場合には、工事が必要です。3~4月の引っ越しシーズンは繁忙期になるので、予約しても1~2カ月待たされることもめずらしくありません。開店時期が迫っている間は、システムの運用テストなども必要になるため、工事のためにスケジュールが進まないのはデメリットです。また、現在使用中の回線が遅い、不安定などの理由で、できるだけ早く回線を切り替えたい場合にも不便に感じるでしょう。
面積が広い場合やフロアが複数階に分かれる場合には、wifiルーターに接続する光ファイバーを施設内でも引き回さなければなりません。場合によっては、工事費用が高くなる可能性があります。そもそも、光回線の工事においては、通信業者や施工業者の都合や建物の構造などによって、断られる可能性もあります。また、建物のオーナーが特定の光回線業者と契約している場合などの理由で、店舗側が希望する光回線の導入が認められないこともあるので、事前に問い合わせておきましょう。
wifiの種類:ホームルーター
ホームルーターは、モバイルwifiの据え置き型と考えられます。通信業者と契約してwifiルーターを設置すれば、工事不要で利用を開始できることも同じです。モバイルwifiとの違いは、契約した場所以外で利用することが、原則としてルール違反であることです。したがって、たとえば営業中は店舗内で使い、仕入れや商談の際に外出先でインターネットを使うことなどはできません。しかし、店舗内での利用に限るなら、工事をすることなく短期間でインターネット環境を構築できるホームルーターのメリットが大きくなります。
特に、接続する通信機器がそれほど多くない中小規模の店舗では、光回線でなくても業務用としても十分快適に利用できるでしょう。モバイルwifiのwifiルーターと異なり、同時接続しても速度が落ちにくく、POSレジや電子決済機器、IP電話、インターネットFAXなどを一台でまかなえます。加入する通信サービス、プランによっては、通信量の上限があり、通信速度制限がかかる点はモバイルwifiと同じです。しかし、店舗内でプライベートでの利用のように、大容量の動画やオンラインゲームなどを利用するケースは少ないでしょう。利用状況を検討したうえ自社の通信量内で収まるプランに加入しておけば、光回線よりも月額利用料を減らすことが可能です。
wifiの選び方
ここまで、モバイルwifi、光回線、ホームルーターというwifiを利用する3つの方法を紹介してきました。それぞれメリットとデメリットがあるので、どれを選べばよいのか迷うこともあるでしょう。そこで、wifiの選び方として3つの重要な検討項目を解説します。1つ目は通信速度と月額利用料のバランスです。店舗で提供しているサービスによっては、高額の月額利用料を支払ってでも高速で安定している光回線を契約したいケースもあるでしょう。逆に通信負荷が低い店舗においては、費用を抑えられるモバイルwifiやホームルーターが向いています。
2つ目は接続可能な台数です。wifiルーターの仕様書には同時接続できる台数が書かれているので、これを目安にしましょう。パソコン以外にもPOSレジやIP電話、インターネットFAXなど、接続台数は予想より増える傾向にあります。スタッフが使うスマホやタブレットなども検討して、台数に余裕を持っておきましょう。モバイルwifiは接続台数が少ないため、IT機器をほとんど接続せず1~2人で経営している場合以外には向きません。
また、wifiを利用する環境を考えて回線の種類を選ぶことも重要です。店舗内で利用する範囲が広い場合やフロアが分かれる場合は、電波強度が強いタイプのwifiルーターが必要になります。たとえばポケットサイズのモバイルwifiのwifiルーターよりは、大型のホームルーターのほうが広範囲で通信が安定しやすい傾向があります。光回線においては、光ファイバーを数カ所に分けて引き込んでおけば、複数のwifiルーターを接続することも可能です。設置場所によっても通信の質が変わるため、導入前にどこに置くか検討しておきましょう。
接続する機器に対応した通信規格(IEEE802.11axやIEEE802.11acなど)を満たしているかについても確認が必要です。接続する機器が古い場合は下位互換によって接続されるため基本的に問題ありません。しかし、接続する機器の通信規格のほうが新しい場合には、通信速度や安定性などにおいて、本来持っている性能を発揮できない可能性があります。
wifi契約の注意点
wifi契約の際に注意しておきたいのは、3年契約などのいわゆる「縛り」です。さまざまなキャンペーンが実施されていますが、その条件には複数年の契約が前提になっていることが多いので注意しましょう。特に高い通信品質を求める場合には、運用してみて満足できなければ、すぐに乗り換えなければならない可能性もあります。料金と通信品質を比較して本当に納得できるか、できるだけ限りリサーチをしておくことが大切です。また、店舗経営者で失敗しがちなのは、「飲食店向け」として提供されているwifiサービスをよくチェックせずに加入してしまうことです。
これらのなかには、来店者にフリーwifiを提供することを目的にしたサービス、製品が少なくありません。業務用として使う場合には、オーバースペックになってしまうこともあるので注意しましょう。また、単に多人数用というだけで、故障したときのサポートが充実しておらず、業務用の機器の接続にも適していないことがあります。
店舗運営に特化したwifi「USEN AIR」とは
ここでは、店舗運営に特化したwifi「USEN AIR」のサービス内容と導入メリットについて解説します。
「USEN AIR」とは何か
USENのUSEN AIRは店舗運営に特化したwifiです。回線種別ではホームルーターに分類され、工事不要でコンセントにwifiルーターを接続するだけで、簡単にインターネット環境が構築できます。USENでは最短3営業日で開通できるため、短期間で開店準備や回線切り替えを完了させたい店舗に向いています。ビジネスユースとして高スペックなwifiルーターとして設計されているためPOSレジや電子決済機器などの接続に適しており、安定した通信が可能です。
また、オプションでIP電話やFAXの機器も追加可能です。内線機能があるので、店内連絡用や系列店への連絡などに便利に活用できるでしょう。さらにIoT管理システムによる24時間365日対応リモートサポートにも対応しており、万が一、故障が発生したときもすぐに検知できます。電話サポートや出張修理サービスも充実しているので、安心して店舗運営に集中できるでしょう。
USENなら店舗に関する業務機器を一元化できる!
IP電話や店内モニター用のカメラなど、店舗経営にはさまざまなシステムが必要です。契約業者が多くて管理が大変という経営者も多いのではないでしょうか。USENでは店舗運営を支援する店舗BGM、アナウンスのツール、カメラなどを各種提供しています。あらゆる機器の依頼先を一元化して経営の効率化を図れます。
店舗BGMに!「USEN MUSIC」
「USEN MUSIC」はAIを搭載した店舗BGMツールです。店舗の種類や内装の雰囲気、サウンドイメージなど幾つかの項目を選択するだけで、店舗に最適なBGMが流れます。店舗BGMはマスキング効果によって不快な音を目立たなくし、お店のコンセプトや雰囲気を引き立たせてくれる重要な要素です。しかし、日々のBGMの選曲に悩む店舗経営者は少なくありません。著作権の関係上、プライベートのときのように楽曲リストを作って流せないといった悩みを持つ経営者もいるでしょう。USEN MUSICは著作権手続き・支払いを代行するので、こうした心配は要りません。店舗経営者の好みや傾向をAIが自動学習していき、使っていくだけでさらに最適なツールへと進化していきます。
また、閉店案内や店内のキャンペーン案内、感染症対策の注意喚起など、1000種類以上の店内アナウンス用メッセージを標準搭載しています。操作設定用のタブレットも付属するので、誰でも簡単に効率的な店舗経営ソリューションを導入可能です。
防犯カメラと来店客分析ができる「USEN Camera」
「USEN Camera」は店舗内に設置するカメラシステムです。防犯用、来客分析用、スタッフ教育用のいずれにも活用できます。防犯用として使える機能には、標準で7日間、オプションで最大28日間の録画機能、発熱体検知機能、明るさを検知による感度調整機能などがあります。来客分析用の機能には、AIによる来客者の性別、年齢、常連客・新規顧客などの属性分析が利用可能です。また、周辺の競合店舗の数や営業時間などのデータベースも確認できるので、マーケティングに役立てられます。スタッフ教育用として使える機能としては遠隔地からも使えるカメラ操作があるので、店内巡回の負担が大きい場合などに店内ビューアとして活用してはどうでしょうか。
店舗のwifiは業務に耐えうるものを!
無線通信の一種であるwifiを活用すれば、パソコンを始めとしてPOSレジ、監視カメラなどのIoT機器をケーブルなしで接続できます。wifiを利用する際にはモバイルwifiや光回線、ホームルーターがありますが、どれを導入するにしても業務に耐えうる通信速度と安定性が求められます。「USEN AIR」は店舗経営に特化したホームルーターです。通信の優先順位を付けることもできるので、営業上重要な機器の通信に影響を出しません。また、店舗のBGMとアナウンスが可能な「USEN MUSIC」、防犯・来店客分析・スタッフ教育用のいずれにも活用できる「USEN Camera」なども接続できます。店舗経営に必要な機器を一括導入できるUSENのwifiシステムを、ツールとともにぜひ検討してください。