飲食業界で注目を集めている「間借り営業」。自分の店を持たずに、既存の飲食店の空き時間や空間を活用して開業できるのが魅力的なスタイルです。
初期費用を抑えながらも、本格的な飲食店として営業できる点が大きな魅力ですが、営業許可の取得やトラブル回避のための知識は必須です。本記事では、間借り営業に必要な手続きや注意点を解説します。
目次
カフェや飲食店の間借り営業とは?

まずは、そもそも「間借り営業」とはどのようなスタイルなのか、基本的な特徴について解説します。
間借り営業とは、既に営業中の飲食店やカフェの空き時間などを利用して、自分のブランド・屋号で飲食業を行う営業形態です。通常、時間単位や曜日単位で契約を結び、キッチンやカウンター、冷蔵庫などの設備を共有して営業します。
初期費用を抑えながら開業できるのが大きな魅力で、物件取得費用や内装工事、厨房機器などの初期投資を抑えられることから、副業やテストマーケティングの手段としても人気を集めています。
「シェアキッチン」や「ゴーストレストラン」と混同されることもありますが、間借り営業の特徴は、自分自身の名義で営業許可を取得し、独立した事業者として営業を行う点にあります。つまり、間借りとはいえ「自分の店」として責任を持って運営する必要があるのです。
飲食店オーナー側にとっても、空いている時間帯を活用して収益化できるため、双方にとってメリットのある信頼関係を築ける営業スタイルと言えるでしょう。
間借り飲食店の営業許可を得る際の疑問

ここでは、間借り営業を始める際に多くの方が抱く、営業許可や資格に関する疑問を6つに分けて解説します。知らずに進めるとトラブルや営業停止のリスクもあるため、しっかり押さえておきましょう。
物件オーナーの許可は必要?
間借り営業を行うためには、物件のオーナー様から明確な許可が必要です。多くの自治体では、営業許可申請時に「使用承諾書」の提出を求めています。使用承諾書とは、貸主が間借り営業を認めていることを示す書面です。
口頭での同意では、法的根拠が不十分なため、万が一のトラブル時に保健所や裁判所での証明が困難になります。必ず書面にて承諾を得るようにしましょう。
また間借りする店舗が賃貸物件の場合、大家(ビルオーナー)の承諾書も必要となる場合が多いため(賃貸借契約書には転貸禁止の文言が入っていることが多い)、間借りする店舗の賃貸借契約書等をよく確認する必要があります。
承諾書や契約書には「使用可能な曜日・時間帯」「営業可能なスペース」「契約期間」などの項目を明記することが望ましいです。条件のすれ違いを防ぐことで、長期的な信頼関係の構築にも繋がります。
保健所の営業許可は必要?
既存店が既に飲食店営業許可を取得している場合、その設備を使用して間借り営業を行うことは一応可能です。しかし、実際の運用においては、間借りする側も独自に営業許可を取得しておくことを推奨します。
理由としては、万が一食中毒や異物混入などのトラブルが発生した場合、営業許可がない状態だと保健所からの指導や営業停止命令が貸主側に及ぶ可能性があるためです。間借り営業であっても、独立した営業者として責任を果たす姿勢を持つことが、長く信頼される店舗運営に繋がります。
食品衛生責任者の資格は必要?
間借り営業であっても食品衛生責任者の資格は必要です。飲食店を営業するには、1店舗につき最低1名の「食品衛生責任者」の設置が義務づけられています。これは保健所の営業許可を取得する上での必須条件です。
資格は、1日の講習を受講することで誰でも取得可能です。講習会は各都道府県の食品衛生協会などで定期的に開催されています。注意点として、営業許可の申請者と食品衛生責任者が同一人物である必要があります。間借り営業でも、自分自身でこの資格を取得しておくことが基本といえるでしょう。
防火管理者の資格は必要?
飲食店の収容人数が30人以上になる場合には、消防法に基づき「防火管理者」の選任が必要となります。ただし、この資格は間借り営業者が必ず取得しなければならないわけではなく、既存店舗側が既に防火管理者を設置していれば新たな手続きは不要です。
必要な場合は、管轄の消防署が指定する1日〜2日程度の講習を受けることで取得できます。自身の営業規模や間借り先の状況に応じて、事前に確認しておきましょう。
水道料・光熱費の取り扱いは?
水道や電気、ガスなどの光熱費については、貸主との契約内容によって取り扱いが異なります。一般的には、月額で一定額を請求する「定額制」と、使用量に応じて精算する「実費精算制」があります。
後者の実費精算制の場合、トラブルを避けるために定期的にメーターの確認をしておきましょう。どちらの方式にせよ、料金の取り決めは契約書に明記しておくことが重要です。負担割合が曖昧なままだと、信頼関係にヒビが入る原因にもなります。
間借り賃料の相場は?
間借り賃料は立地や設備、利用時間帯などによって大きく異なりますが、東京都内では月額3万円〜15万円、地方都市では2万円〜8万円程度が目安とされています。
昼営業のみ、夜のみ、週末限定など、時間帯ごとの料金設定が一般的で、短時間営業であればより低価格で借りられることもあります。
また、賃料に水道光熱費や店舗設備が含まれるかどうかも契約前に確認しておきたいポイントです。費用の内訳を明確にすることで、想定外の出費を防ぎ、運営の安定に繋がります。
間借りで飲食店運営する際の注意点

ここでは、間借り営業を実際に始めた後に起こりがちなトラブルや注意点について解説します。特にオーナー様との関係や設備の取り扱いなど、日々の運営に直結する項目が中心です。事前の取り決めと細やかな配慮が、長期的な営業の鍵になります。
トラブルは間借り先にも悪影響を及ぼす
間借り営業において起こるトラブルは、自店舗だけでなく間借り先の店舗オーナーにも影響を及ぼします。例えば、SNSやレビューサイトでの悪評が、自分だけでなく貸主の店舗名にまで及ぶ可能性があります。
さらに、食中毒や異物混入といった衛生事故が発生した場合、営業許可の管理主体である貸主にも営業停止などの行政処分が下るケースがあります。これは「施設全体」が一体の営業場所としてみなされるからです。
そのため、間借り営業であっても「借りているだけ」という意識ではなく、ブランドや信用を共有する責任ある立場として、慎重な運営を心がけてください。
設備や備品トラブルは事前に取り決めする
厨房設備や備品を共有する間借り営業では、トラブルを未然に防ぐための取り決めが必要です。冷蔵庫の使い方、食器の管理、調理器具の貸し借りなど、日常の細かい運用ルールを口頭で済ませると、後々の誤解や摩擦の原因になりかねません。
特に、器具や什器を破損・紛失してしまった場合の弁償や修理費用の負担については、事前に合意しておくことが重要です。そのためにも、貸与品リストや使用ルール表などを事前に作成し、両者で内容を確認しておくと安心です。
ゴミの処理方法を確認する
飲食店のゴミは、「産業廃棄物」として一般家庭のゴミとは異なる処理が求められます。そのため、間借り営業で発生するゴミについても、誰が、どのように処分するのかを事前に明確にしておく必要があります。
例えば、店舗全体で契約しているゴミ処理業者にまとめて出せるのか、それとも間借り営業者が別途業者と契約しなければならないのかは、必ず確認しておきましょう。また、可燃・不燃・資源ごみなどの分別ルールや、廃棄物を出す時間帯や場所についても、貸主とすり合わせを行っておくことが重要です。
適切なゴミ処理のルールを共有することが、店舗全体の衛生管理や近隣トラブルの回避にも繋がります。
金銭管理はどうするか確認する
金銭の取り扱いは、間借り営業において特に重要です。現金決済をメインにする場合、売上の把握や帳簿管理において、双方でのルールづくりが必須となります。
トラブルを防ぐためには、キャッシュレス決済の導入を検討するという手もあります。キャッシュレス対応のPOSレジを活用すれば、売上の記録が自動化され、帳簿管理や収支報告の作業もしやすくなります。間借り営業者と貸主、双方が共通の基準で数字を把握できる仕組みがあることで、信頼関係の構築にも繋がるでしょう。
また、売上報告の頻度や方法も事前に合意し、運用の手間を減らしておくことが円滑な経営に寄与します。
間借り飲食店経営のメリット

ここでは、間借り営業を選ぶことで得られる主な利点を4つに分けてご紹介します。初期費用を抑えて、早期に営業を始められる点はもちろん、将来の出店に向けたお試しとして活用できるのも大きな魅力です。
初期費用を抑えられる
間借り営業の最大の利点は、開業にかかる費用を大きく削減できることです。通常の飲食店開業では、物件取得費、内装工事、厨房機器、設備や備品など、まとまった資金が必要ですが、間借り営業ではこうした設備を既存店舗のものを使えるため、ほとんどの費用が不要となります。
保証金や内装費が発生しない場合も多く、数十万円で開業に踏み切れる事例もあります。大きな資金を用意せずに、まず一歩踏み出したいという人にとって、非常に現実的な選択肢です。
すぐに営業を始められる
間借り営業では、物件探しや工事に時間をかけずに済むため、短期間で営業を開始できます。通常の出店では数ヶ月を要する準備が必要ですが、間借りであれば早ければ2週間から1ヶ月ほどで開業にこぎつけることも可能です。
これは、既に保健所の許可を受けた店舗の設備を使うため、衛生基準を満たしているケースが多く、新たな改修がほとんど必要ないことが理由です。副業や週末限定の営業など、時間に制約がある人にとっても、始めやすい方法と言えるでしょう。
商品や業態を試せる
間借り営業は、新たに考えた料理や提供方法を、実際のお客様に試してもらえる貴重な機会です。商品コンセプトや価格、サービスの質など、机上では見えなかった課題を発見しやすく、改善を重ねるにはうってつけの環境です。
また、週末だけ、あるいは期間限定で営業することも可能なため、負担を抑えながら試してみることができます。将来的に実店舗を構える前段階として、実践的な経験を積むには理想的な手段と言えるでしょう。
お客様に知ってもらいやすい
間借り営業は、開業当初から一定の集客効果が見込める点も利点の一つです。既存店舗に既に来店している常連客に自分の店を知ってもらえるチャンスがあり、完全なゼロからの集客とは異なります。
また、新しい取り組みとして注目を集めやすく、SNSや地域メディアで取り上げられることもあります。写真映えする料理や独自のコンセプトがあれば、話題性も生まれやすく、自然な形で認知度が広がっていく可能性があります。
立地や店舗の雰囲気をそのまま活かしながら、費用を抑えて自分の店舗を知ってもらえるのは、間借りならではの魅力といえるでしょう。
間借り飲食店経営のデメリット

ここでは、間借り営業を始める際に注意しておきたいデメリットを3つご紹介します。初期費用の安さや始めやすさが魅力の一方で、自由度や安定性には制限もあるため、事前に理解しておくことが大切です。
内装などの自由度が低い
間借り営業では、既存店舗の設備や内装を借りて使うため、自分の好みに合わせた改装は原則できません。壁の色を変える、棚を設置する、ロゴを掲示するなど、ブランドの世界観を表現するための工夫には制限があります。
照明や音楽などの雰囲気づくりに関しても、店舗オーナーの方針や他の時間帯の営業との兼ね合いから自由に変更できないことがほとんどです。自分らしさを表現したい気持ちがあっても、限られた環境の中で工夫する必要があります。
営業時間に制限がある
間借り営業は、貸主の店舗が使用していない時間帯に営業するという性質上、利用できる時間が限られます。昼営業の店舗であれば夜間、夜営業の店舗であれば日中や早朝など、営業できる時間帯はあらかじめ決まっていることが一般的です。
営業時間が限られるということは、売上の上限もある程度決まってしまうことを意味します。短い時間の中でいかに多くのお客様に来てもらうか、どのように注文を効率良くさばくかといった工夫が必要になります。
間借り先とのトラブルのリスクがある
人と人との信頼関係の上に成り立つ間借り営業では、契約内容の曖昧さやコミュニケーション不足が原因で、トラブルに発展する可能性もあります。例えば、「片付けが不十分だった」「お客様の層がかぶってしまった」など、小さなことが原因で関係が悪化し、急に退去を求められるケースもあります。
さらに、売上や集客について、どちらの成果かという点で意見の食い違いが起きることもあるでしょう。こうした問題を未然に防ぐためには、契約書の内容を明確にし、運営ルールを共有した上で、お互いの立場を尊重し合う姿勢が必要です。
間借り飲食店を開業する流れ

ここでは、実際に間借り営業を始めるまでの基本的な手順を4つのステップで解説します。物件を探す前に考えておきたいポイントから、営業許可の取得、開店後の集客まで、段階ごとに確認していきましょう。
コンセプト・ターゲットを決める
まずは、どのような料理を誰に提供するのか、自分の店の方向性を明確にしましょう。例えば、「スパイスカレーを会社員のランチタイムに提供する」「家庭的な定食を学生向けに販売する」といった具合に、提供するメニューと想定するお客様像を具体的に描くことが大切です。
また、メニューの価格帯や提供方法も、ターゲット層の生活スタイルに合っているかを考慮して設計する必要があります。コンセプトが定まっていると、物件探しや内装、告知など、次の工程も進めやすくなります。
間借りできる物件を探す
コンセプトが固まったら、それに合った間借り物件を探します。営業可能な曜日・時間帯、キッチンの広さ、座席数、衛生面の状態など、自分の営業スタイルに適した条件が揃っているかを確認しましょう。
特に、保健所の基準を満たしているかどうかは重要なチェックポイントです。厨房設備や手洗い場の位置、冷蔵庫の容量などが基準に適合していない場合、営業許可が下りないこともあります。
また、物件のオーナー様との相性も見逃せません。日々のやり取りや共同利用が発生する以上、信頼関係を築けそうかどうかも大事な判断材料になります。
間借り営業の許可を取る
物件が決まったら、営業に必要な許可を取得します。保健所に申請するためには、「営業許可申請書」「賃貸契約書」「設備図」「食品衛生責任者の資格証明書」などが必要です。申請前には必ず保健所に事前相談を行い、施設や書類の不備がないか確認しておきましょう。
併せて、食品衛生責任者の資格を持っていない場合は、速やかに講習を申し込みます。講習は各自治体で定期的に開催されており、1日で取得できる場合も多いです。
間借りであっても、自分の名義で営業する場合は一事業者としての責任を負うことになります。書類の不備や説明不足によるトラブルを防ぐためにも、準備段階から慎重な対応が求められます。
集客をする
営業の準備が整ったら、開業日を決めて告知活動を始めましょう。最も効果的なのは、InstagramやXなどのSNSを活用した情報発信です。店舗の雰囲気やメニュー写真、開業までの経緯などを発信することで、関心を持った人との繋がりを作ることができます。
また、間借り先の常連客と自分のターゲット層が似ている場合は、店内にポップを設置したり、チラシを配布したりすることで、相乗効果を生み出すことが可能です。さらに、物件マッチングサービスや専門の情報サイトでも告知を行うことで、幅広い層に発信できます。
開業前から積極的に情報を発信しておくことで、営業初日から一定の来店が見込める体制を整えられます。
間借りできる物件を探す方法

間借り営業を成功させるには、自分のコンセプトに合った物件を見つけることが重要です。ここでは、実際に間借りできる物件を探すための3つの方法をご紹介します。それぞれの特徴やメリットを理解し、効率よく候補を絞っていきましょう。
店舗物件紹介サイトを利用する
インターネット上には、飲食店向けの物件を紹介する専門サイトが複数存在します。「間借り」「居抜き」「時間貸し」などの条件で検索できるサービスも多く、希望の地域・設備・利用可能時間帯などの条件を指定して探すことができます。
写真付きで設備の様子が分かるものも多く、比較検討しやすいのが大きな利点です。また、中には試食営業や短期利用を受け入れている店舗もあり、実際に利用感を確かめた上で契約に進める場合もあります。
物件数が豊富で更新頻度も高いため、まず最初にチェックしたい方法です。
オーナーに直接交渉をする
意外と見落とされがちですが、自分の足で探し、空いている時間帯のある店舗に直接交渉するという方法も有効です。例えば、平日昼間に営業していないバーや、夜間営業のみのカフェなどが対象になります。
実際に店舗を訪れて人柄や熱意を伝えることで、信頼感が生まれやすく、条件交渉もしやすくなるケースがあります。SNSを通じてメッセージを送ったり、友人・知人を介して紹介してもらうなど、人脈を活かすこともポイントです。
ただし、契約書や使用条件の整備は口約束に頼らず、しっかりと文書で取り交わすようにしましょう。
地域の不動産屋に相談する
地域密着型の不動産会社に相談するのも、有効な手段です。特に飲食店の取り扱いに慣れている業者であれば、間借りやシェア利用の実績があり、契約の際の注意点や交渉のポイントなどについても具体的なアドバイスが受けられます。
また、立地の特性や周辺の客層についても詳しいため、商圏分析の面でも頼りになります。「間借り」とは明言されていなくても、時間帯で貸し出し可能な物件が眠っている場合もあるため、希望条件を丁寧に伝えておくことが大切です。
物件の紹介から契約手続きまで一貫して対応してもらえるため、初めての開業でも安心して進められるでしょう。
店舗オーナーにおすすめ「USEN開業支援サービス」

これから間借り営業をきっかけに、将来的には自分の店を持ちたいと考えている人にとって、開業に向けた準備は多岐に渡ります。ここでは、そんな方を総合的にサポートする「USEN開業支援サービス」についてご紹介します。
開業までに必要なサービスをご提案します
飲食店を開業するには、物件やメニューの準備だけでなく、通信環境、会計システム、保険、音響設備など、様々な要素を整える必要があります。こうした準備は、初めての方にとっては負担が大きく、何から手をつければ良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
USENでは、これまで数多くの飲食店を支援してきた実績をもとに、開業に必要なサービスをまとめて提案しています。個々の状況に合わせて、必要なものを無駄なく、過不足なく整えることができるため、開業準備に不安を感じている方にも安心です。
業界トップクラスのサポート体制
USENの開業支援サービスは、全国に140以上あるサポート拠点を活用し、きめ細かな対応を行っています。設置作業は専門の技術スタッフが担当し、店舗の状況に応じて最適な機器やレイアウトの提案も可能です。
また、導入後も安心して使い続けられるよう、年中無休で対応する専用のヘルプデスクが用意されています。万が一のトラブルにも迅速に対応してくれる体制が整っているため、開業後の運営にも心強いパートナーとなるでしょう。
間借り営業のよくある質問

ここでは、実際に間借り営業を検討する方が抱きやすい疑問を4つ取り上げ、それぞれ分かりやすくお答えします。初めての方でも安心して準備ができるよう、基本的な考え方を押さえておきましょう。
Q1. 間借り営業とシェアキッチンは何が違うの?
間借り営業は、既存の店舗の空き時間や空きスペースを活用して営業するスタイルです。店舗オーナー様との個別契約に基づき、自身の屋号や許可で営業を行います。
一方、シェアキッチンは用途が分かれた共用施設で、複数の利用者が同じ場所を時間で区切って使う形式です。設備やルールが統一されており、短期間や単発での利用も可能な場合が多く、営業許可も施設単位で取得されているケースがあります。
つまり、間借り営業はより本格的な個人営業に近く、責任や自由度も大きいという特徴があります。
Q2. 賃貸契約ではなく、口約束だけでも営業していいの?
口約束だけで営業を始めることは、避けるべきです。万が一のトラブルや契約の行き違いが起きた際に、書面がないと責任の所在が不明瞭になり、問題が長引く原因になります。どれだけ信頼関係があっても、最低限の契約書類は整えておくことが、安全で持続可能な営業の基本です。
Q3. 営業時間は自由に決められるの?
営業できる時間帯は、間借り先の店舗との契約条件によって決まります。例えば、昼間だけ営業しているカフェであれば、夜の時間帯が借りられる可能性がありますが、仕込み時間や清掃の時間など、他の営業との重なりに配慮が必要です。
間借り営業は共有の空間を借りる以上、自由度は限定されます。自分の営業計画と照らし合わせながら、柔軟に調整していくことが求められます。
Q4. お酒を提供するにはどうしたらいい?
アルコール類を提供するには、例え間借り営業であっても、別途「酒類販売業免許」が必要です。この免許は営業許可とは別に、税務署へ申請するもので、申請者自身の名義で取得する必要があります。
午前0時以降もアルコール類を提供する場合は、間借り営業先が「深夜酒類提供飲食店営業」の許可を取得していたとしても、別途許可が必要です。
イートインやテイクアウトなど提供形態でも必要な免許が異なるため、事前に調べて必要な許可をご準備ください。
また、提供する場所が賃貸や間借りである場合、オーナー様からの使用承諾書や物件の用途に関する確認も必要になるため、事前に税務署へ相談することをおすすめします。無許可での提供は法令違反となるため、注意が必要です。
まとめ:間借り営業もサポートする「USEN開業支援サービス」
間借り営業は、初期費用を抑えて飲食店を始められる柔軟な方法ですが、営業許可の取得や契約内容の明確化など、注意すべき点も多くあります。成功のためには、事前の準備と信頼関係が必要です。
将来的に本格的な出店を目指す人は、USENのような開業支援サービスを活用することで、安心して一歩を踏み出すことができるでしょう。

