居酒屋を開業するには?資金・手続き・経営のステップを分かりやすく解説!

居酒屋を開業するには?資金・手続き・経営のステップを分かりやすく解説!

2025年10月01日

「いつかは自分の居酒屋を持ちたい」という夢を抱いているものの、何から手をつければよいのか、どれくらいの資金が必要なのか、具体的なイメージが湧かず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、居酒屋開業を目指す方に向けて、開業までの具体的な流れとスケジュール、必要な資金の内訳、成功に導くための経営のコツまでを網羅的に解説します。

目次

  1. 1. 居酒屋を開業する際の流れ・スケジュールは?
    1. 1. コンセプトを決める(1年~半年前)
    2. 2. 事業計画を作成する(1年~半年前)
    3. 3. 物件を探す(半年前)
    4. 4. 資金調達をする・融資を受ける(半年前)
    5. 5. 内外装工事を行う(3ヶ月前)
    6. 6. 機器・什器・備品の選定・設置を行う(3ヶ月前)
    7. 7. 必要な資格の取得、許可・認可の手続きを行う(2ヶ月前)
    8. 8. 集客・販促を準備・実施する(2ヶ月前)
    9. 9. スタッフの募集・研修を開始する(1ヶ月前)
    10. 10. オープン
  2. 2. 居酒屋の開業に必要な費用は?
    1. 物件取得費・テナント賃借費
    2. 内外装工事費
    3. 機械・什器・設備費
    4. 運転資金
  3. 3. 居酒屋を開業する方法は?
    1. 個人で開業する
    2. フランチャイズで開業する
  4. 4. 居酒屋を開業する際によくある質問
    1. 赤字経営率・黒字経営率は?
    2. 個人事業主と法人のどちらがよいのか?
  5. 5. 居酒屋の開業を成功に導くためのコツは?
    1. 1.自店舗のコンセプト・ターゲットを明確にし、店舗の運営をする
    2. 2.原価管理を徹底する
    3. 3.お客様体験の質を向上させる
    4. 4.DXで店舗オペレーションを効率化する
  6. 6. 居酒屋開業時のチェックリストは?
    1. 各種届出・手続き
    2. 設備・備品・什器
    3. オペレーション
    4. 販促・集客
  7. 7. 居酒屋の開業なら、USENにお任せ!
    1. 0円から始められる飲食店向けPOSレジ「USENレジ」
    2. USENのオーダーシステム
    3. キャッシュレス決済「USEN PAY」
    4. USENの開業支援サービス「開業おまかせプラン」

▼この記事のポイント

項目 概要
居酒屋開業までの流れは? 以下の流れを経てオープンに至る。
  1. コンセプトの決定
  2. 事業計画の作成
  3. 物件探し
  4. 資金調達・融資
  5. 内外装工事
  6. 機器・什器・備品の選定・設置
  7. 資格取得・行政手続き
  8. 集客・販促の準備
  9. スタッフの募集・研修
  10. オープン
居酒屋開業に必要な資金は? 物件取得費や内外装工事費、運転資金など、600万円~1,000万円程度の資金が必要である。
居酒屋開業を成功させるコツは? コンセプトの明確化や徹底した原価管理、DXによる業務効率化が成功の鍵である。

居酒屋を開業する際の流れ・スケジュールは?

居酒屋開業までの流れ・スケジュール

居酒屋の開業準備は、コンセプト設計からオープンまで、おおよそ1年前から始めるのが一般的です。ここでは、開業までの大まかな流れを解説します。

時期 やるべきこと
1年~半年前
  • コンセプトの決定
  • 事業計画の作成
半年前
  • 物件探し
  • 資金調達・融資
3ヶ月前
  • 内外装工事
  • 機器・什器・備品の選定・設置
2ヶ月前
  • 資格取得・行政手続き
  • 集客・販促の準備
1ヶ月前
  • スタッフの募集・研修
0ヶ月
  • オープン

1. コンセプトを決める(1年~半年前)

立ち飲みや大衆酒場など多様な業態から、どのようなお店にするかという「コンセプト」を明確に定めましょう。

コンセプトが曖昧なままでは、店舗のイメージが定まらず、効果的な集客が難しくなります。そのため、「誰に(ターゲット層)」「どのような価値を(提供価値)」提供するのかを具体的に定義する必要があります。

また、ライバル店との差別化要因がなければ、お客様に来店する動機を与えることはできません。独自性のあるメニューやサービス、内装などをコンセプトに盛り込むことが重要です。

2. 事業計画を作成する(1年~半年前)

事業計画とは、お店の設計図であり、融資を受ける際の重要な判断材料にもなるものです。商圏調査や市場分析に基づいて具体的な計画を作成し、第三者にも事業の将来性が伝わる事業計画書を完成させましょう。

まず、出店を検討しているエリアの特性やお客様層を商圏調査や市場分析を通じて把握します。その上で、自店舗の方向性や、開業に必要な初期費用、運転資金、資金調達の方法、さらには売上見込みを具体的に算出しましょう。それによって、妥当な事業計画を作成できます。

3. 物件を探す(半年前)

開業の半年前を目安に、店舗コンセプトとの適合性と、家賃が経営を圧迫しないかを考慮しながら物件探しを始めます。家賃は収益性を左右する重要な固定費であり、一般的に月商目標の10%以内に抑えるのが望ましいとされています。

また、立地の選定は集客に直結するため、ターゲット層の動線や競合店の状況を慎重に分析する必要があります。店舗コンセプトと立地が合わないと集客力の低下を招くため、例えば「仕事帰りのビジネスパーソン向け」なら駅近の繁華街、「地域密着型」なら住宅街の路面店など、コンセプトに適した物件を選ぶことが重要です。

※開業資金を融資で賄う場合は融資が承認された後に物件契約を行うようにしましょう

4. 資金調達をする・融資を受ける(半年前)

居酒屋の開業には、一般的に600万円~1,000万円程度の資金が必要とされています。自己資金だけで不足する場合は、この段階で融資の申し込みなど具体的な資金調達に動きます。

開業費用の主な内訳は、以下の通りです。

項目 費用目安
物件取得費 250万円
内装・外装工事費 居抜き:20万~60万円程度
スケルトン:30万~80万円程度
※工事内容により大きく変動します
厨房機器 中古:100万円
新品:250万円
※導入する機器により大きく変動します
レジ 10万円
その他備品 10万円~

特に重要なのが、開業後の経営を支える運転資金です。開業当初は売上が安定しないことも多いため、事業が軌道に乗るまでの運転資金が不足すると、事業継続が困難になるリスクがあります。初期費用を抑え、3ヶ月から6ヶ月分程度の運転資金を確保することが、開業当初の経営の安定性を高める上で重要です。

5. 内外装工事を行う(3ヶ月前)

物件の契約が完了したら、開業の3ヶ月前を目安に内外装工事に着手します。工期は店舗の規模や状態によって異なりますが、2週間~2ヶ月程度を見込んでおきましょう。

工事には一定の期間を要するため、オープン日から逆算して余裕を持ったスケジュールを設定することが大切です。また、トラブルを未然に防ぎ、円滑に工事を進めるためにも、飲食店施工の実績が豊富な業者を選定することが望ましいです。

6. 機器・什器・備品の選定・設置を行う(3ヶ月前)

内外装工事と並行して、開業3ヶ月前から厨房機器やテーブル、椅子、食器といった什器・備品の購入準備を始めます。この段階で準備を始めることで、商品の納期や設置工事のスケジュール調整が円滑に進められ、余裕を持って手配できます。

なお、厨房機器のレイアウトは、日々の作業効率を大きく左右します。事前にスタッフの作業動線をシミュレーションし、最適な配置を検討することが、オープン後のスムーズな店舗運営に繋がります。

7. 必要な資格の取得、許可・認可の手続きを行う(2ヶ月前)

居酒屋の開業には、法律で定められた資格の取得と、関係各所への届出が必須です。手続きには時間がかかるものもあるため、開業2ヶ月前を目安に早期に着手しましょう。必要な資格・手続きは以下の通りです。

  • 食品衛生責任者
    各店舗に1人以上の配置が義務付けられている
  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届
    深夜0時以降にお酒を提供する場合は、警察署への届出が必要である
  • 飲食店営業許可
    店舗の所在地を管轄する保健所への申請が必須である
  • 防火管理者
    店舗の収容人数が30人以上の場合は、防火管理者の選任と消防署への届出が必要である

これらの手続きは自治体によって要件が異なる場合があるため、事前に管轄の役所に確認し、余裕を持った計画を立てましょう。

参考:厚生労働省 食品衛生責任者について
参考:国税庁 酒類の販売業免許の申請
参考:総務省消防庁 防火管理者制度

8. 集客・販促を準備・実施する(2ヶ月前)

オープン2ヶ月前からは、以下のような販促活動を開始し、開業前から店舗の認知度を高めていきましょう。

  • ホームページの開設
  • SNSアカウントの開設
  • チラシの作成
  • ショップカードの作成

開業時はお客様の注目が最も集まりやすい時期です。このタイミングを最大限に活かすため、事前の宣伝活動が非常に重要です。オープン前からお店のコンセプトやメニューの情報を発信し、期待感を醸成しておくことで、スムーズなスタートダッシュを切ることが可能になります。

9. スタッフの募集・研修を開始する(1ヶ月前)

オープン1ヶ月前を目安に、スタッフの募集と研修を開始します。適切な人材を確保し、十分な研修期間を設けることで、接客スキルや業務手順の習得が可能となり、開業初日からスムーズな店舗運営ができます。特に正社員を採用する場合は、候補者探しに時間がかかることを見越して、3ヶ月前から募集を開始することが望ましいでしょう。

10. オープン

無事にオープンを迎えることは大きな節目ですが、これはゴールではなくスタート地点です。開業後は、食材の品質管理や安定供給、スタッフの定着、そして何よりも経営者自身の健康管理など、日々発生する運営上の課題に対応し続ける必要があります。お客様に愛されるお店を長く続けるために、継続的な改善と努力が求められます。

居酒屋の開業に必要な費用は?

居酒屋の開業に必要な費用

居酒屋の開業には多額の資金が必要となりますが、その内訳を正しく理解し、計画的に配分することが重要です。ここでは、開業資金を構成する主な4つの費用について解説します。

  • 物件取得費・テナント賃借費
  • 内外装工事費
  • 機械・什器・設備費
  • 運転資金

物件取得費・テナント賃借費

2020年度の日本政策金融公庫の調査によると、物件取得費は開業資金全体の約17%を占めています。この費用には、家賃の数ヶ月分に相当する敷金・保証金や不動産会社へ支払う礼金や仲介手数料などが含まれます。敷金・保証金は退去時に一部が戻ってくるとは言え、物件によって額が大きく異なるため事前によく確認しておきましょう。また、居抜き物件の場合は上記費用のほかに、前店舗オーナーに支払う造作譲渡費が発生する場合があるため、こちらも注意が必要です。

内外装工事費

内外装工事費は、開業資金の約40% ※を占める最も大きな費用項目です。天井や壁、床といった内装から、電気、ガス、水道などのインフラ工事までが含まれるため、計画的な予算管理が求められます。

この費用を抑えるには、テナントの業種が近い居抜き物件を選び、既存の内装や設備を流用する方法が効果的です。しかし、希望するコンセプトと大きく異なる場合は大規模な改装が必要となり、かえって費用がかさむこともあります。そのため、物件選定時には入念な事前調査を実施しましょう。

また初期投資を抑えるには、コンセプトに合った「居抜き物件(前のテナントの設備が残っている物件)」を選択するのが有効です。一方で、内装の自由度が高い「スケルトン物件」は工事費用が高額になる傾向があります。ただし、コンセプトと合わない居抜き物件は追加の改装費用が発生することもあるため、物件の状態を慎重に見極めることが重要です。

※日本政策金融公庫調べ

機械・什器・設備費

機械・什器・設備費は、開業資金の約20% ※を占めます。厨房機器や空調設備、テーブルや椅子、食器類など、店舗運営に必要なあらゆる物品が含まれるため、何に費用をかけ、どこでコストを抑えるか、メリハリのある物品選定が求められます。初期費用を抑えるには、業務用厨房機器などを扱う中古品販売店を利用するのが有効な手段です。

※日本政策金融公庫調べ

運転資金

運転資金は開業資金の約20%を占める項目です。人件費や家賃、広告宣伝費、水道光熱費など、店舗を運営し続けるために不可欠な資金であり、開業当初の売上が安定するまでの支えとなります。

運転資金を適正化するためには、継続的なコスト見直しが欠かせません。例えば、電力会社やガス会社を比較検討して切り替えたり、繁忙期と閑散期に合わせてシフトを柔軟に調整したりすることで、固定費や人件費を最適化し、収益性を改善できます。

居酒屋を開業する方法は?

居酒屋を開業する方法

居酒屋を開業するには、大きく分けて以下2つの方法があります。

  • 個人で開業する
  • フランチャイズに加盟する

ここでは、それぞれの開業方法の特徴について解説します。

個人で開業する

個人での開業は、独自のコンセプトを追求できる自由度の高さが最大の魅力ですが、その成功には経験や入念な準備が求められます。

居酒屋チェーンなどでの勤務経験がある場合、現場で培ったノウハウをもとに事業計画を立てられるため、比較的スムーズな開業が期待できます。未経験者でも必要な資格を取得すれば開業は可能ですが、経験者に比べてリスクは高くなるため、より慎重な準備が必要です。

フランチャイズで開業する

フランチャイズとは、本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)が契約を結び、ブランドの使用権や経営ノウハウを得て事業を行う仕組みです。

本部の知名度を利用できるため、開業初期から安定した集客が見込める点が大きなメリットです。また、物件探しから仕入れ、スタッフ研修に至るまで、本部からの充実したサポートを受けられるため、飲食店経営が未経験でも安心して開業できます。

一方で、毎月の売上に対してロイヤリティ ※を支払う必要があり、提供メニューや店舗デザインに制限があるため、個人開業のような自由な店舗運営は難しくなります。

※一般的に5~8%程度と言われていますが、最近は様々な契約形態があるため、大きく異なる場合もあります

居酒屋を開業する際によくある質問

居酒屋の開業でよくある質問

ここでは、居酒屋の開業を検討する際によく寄せられる質問にお答えします。

赤字経営率・黒字経営率は?

東京商工リサーチの調査によると、2022年時点で居酒屋の約43.6%が赤字経営です。これは、原材料費の高騰や人件費の上昇が経営を圧迫していることが背景にあります。

しかし、見方を変えれば半数以上の56.4%が黒字経営を実現しており、適切な経営戦略を立てれば十分に収益を上げられます。飲食店が赤字から脱却するためには、後述する経営戦略が重要です。

出典:株式会社東京商工リサーチ 居酒屋業績動向調査

個人事業主と法人のどちらがよいのか?

飲食店を開業する際は個人事業主として始めることが多いですが、事業計画によっては法人を設立する方が有利です。

一つの目安として、年間利益が800~900万円以上見込める場合は、法人設立を検討する価値があります。一定の所得を超えると個人事業主の所得税率が法人税率を上回るためです。ただし年間利益のみでは判断できないので、詳細は税理士等に相談することをお勧めします。

法人は個人事業主と比較して経費として計上できる範囲が広く、節税対策の選択肢が豊富です。事業が軌道に乗り、利益が安定して見込めるようになった段階で、法人化を検討するのが一般的です。

居酒屋の開業を成功に導くためのコツは?

居酒屋の開業を成功に導くためのコツ

ここでは競争の激しい飲食業界で居酒屋経営を成功させるための4つのコツを紹介します。

  • 自店舗のコンセプト・ターゲットの明確化
  • 徹底した原価管理
  • お客様体験の質の向上
  • DXによる店舗オペレーションの効率化

1.自店舗のコンセプト・ターゲットを明確にし、店舗の運営をする

飲食店の集客を成功させる上で最も重要なのは、お店のコンセプトとターゲット層を明確にすることです。顧客のニーズや需要を的確に捉え、それに合った店舗運営を行うことで、効果的な集客が実現します。

そのためには、まず市場やターゲットの需要をリサーチ・分析することが欠かせません。公的な統計データを活用するのも有効な手段です。例えば、経済産業省が公表する経済動向や、日本フードサービス協会が発表する外食産業の市場動向調査などを参考に、業界のトレンドを把握しましょう。

参考:経済産業省 飲食関連産業の動向
参考:一般社団法人日本フードサービス協会 外食産業市場動向調査

以下では、コンセプト・ターゲットを決める際の一例をご紹介します。

店舗のテイスト・スタイルの例

店舗の雰囲気は、お客様がお店を選ぶ際の重要な判断基準です。自店舗のコンセプトに合わせて、どのような空間を提供したいかを具体的にイメージしましょう。例えば、以下のようなコンセプトが挙げられます。

  • 和風
  • モダン
  • レトロ
  • 大衆的
  • 隠れ家風
  • カウンター主体
  • 個室完備

ターゲット層の例

「誰に」来てほしいのかを明確にすることで、メニュー構成や価格設定、プロモーションの方向性が定まります。ターゲットを絞り込むことで、より心に響くアプローチが可能になります。ターゲット層の例としては、以下が挙げられます。

  • 仕事帰りのサラリーマン
  • トレンドに敏感な若者
  • 小さな子供連れの家族
  • 食事と会話を楽しむ女性客

提供料理・メニューの例

コンセプトの核となるのが料理です。専門性を打ち出して「〇〇ならこの店」という強みを作るのか、幅広いメニューで様々なニーズに応えるのかなどを明確にしましょう。提供料理の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 和食中心
  • 創作料理
  • 郷土料理
  • 焼き鳥専門
  • 新鮮な魚介が自慢の海鮮居酒屋

価格帯の例

ターゲットとする顧客層が利用しやすい価格帯を設定することが、リピート利用に繋がります。お店の雰囲気や提供する料理の価値に見合った価格設定を心がけましょう。

  • 接待にも使える高級路線
  • 普段使いしやすいリーズナブルな価格帯
  • 気軽に立ち寄れる格安居酒屋

2.原価管理を徹底する

安定した利益を確保するためには、原価管理の徹底が不可欠です。具体的な方法としては、複数の仕入れ先を比較検討して価格交渉を行ったり、日々の在庫を正確に管理して過不足をなくしたりすることが挙げられます。ただし、コスト削減を意識するあまり、料理やサービスの品質が低下しないよう注意が必要です。

3.お客様体験の質を向上させる

リピーターを増やし、安定した経営を続けるためには、お客様体験の質を高めることが不可欠です。質の高いお客様体験は、スタッフ教育の徹底や魅力的なメニュー開発によって生まれますが、キャッシュレス決済やオーダーシステムといったデジタルツールの導入も有効です。

キャッシュレス決済を導入する

キャッシュレス決済への対応は、今や飲食店にとって必須のインフラです。導入は、店舗とお客様の双方に以下のような大きなメリットをもたらします。

【店舗側のメリット】

  • 業務効率化:レジ締めや両替など、現金管理の手間を削減できる
  • 生産性向上:会計時間を短縮し、スタッフを接客などのコア業務へ集中できる
  • 機会損失の防止:キャッシュレス層の取り込み、客単価の向上が期待できる
  • 衛生・安全性の向上:現金接触の低減による衛生管理、盗難・紛失リスクの軽減ができる

【お客様側のメリット】

  • 迅速で衛生的な会計:非接触でスムーズな支払いができる
  • ポイント還元:ポイントが還元される

キャッシュレス・クレジットカード決済の代行を行っているアルファノート株式会社の「飲食店利用者のキャッシュレス実態調査」によると、飲食店の支払い方法はキャッシュレス決済が約85%を占めます。また、若年層を中心としたアンケート調査を行っているTesTee Labの「キャッシュレス決済に関する調査」では、回答者の58.4%が「キャッシュレス決済の有無が店舗選びの決め手になる」と回答しました。

加えて、メットライフ生命保険株式会社の「全国47都道府県大調査2024」では、4人に1人がふだんから財布を持ち歩かないという結果も出ています。このように消費者からのニーズは非常に強く、飲食店もキャッシュレス決済への対応が必要です。

出典:アルファノート株式会社
出典:TesTee Lab
出典:メットライフ生命保険株式会社 全国47都道府県大調査2024

オーダーシステムを導入する

オーダーシステムとは、お客様自身が端末から注文したり、スタッフがハンディ端末で注文を受けたりするシステムです。このシステムの導入により、以下のようなメリットが得られます。

  • オーダーミスの防止ができる
  • ホールスタッフの業務負担が軽減できる
  • 接客品質の向上ができる

実際に、株式会社リクルートの調査(2024年5月実施)では、消費者がオーダーシステムに好意的な意見を寄せています。今後の利用意向として、テーブルトップオーダーは72.4%、セルフオーダーは47.6%という数値が出ており、消費者からの需要が高いことが分かります。

出典:株式会社リクルート「外食店利用時の注文ツール利用実態・意向調査(2024年5月実施)

4.DXで店舗オペレーションを効率化する

店舗オペレーションの効率化、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、人手不足が深刻化する飲食業界においても重要です。以下のようなDXツールを導入することで、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。

システム名 概要
POSレジ
  • 売上データを自動で集計・分析できるシステム。
  • 日々のレジ締め作業を効率化できる
  • データに基づいたメニュー改善や販促計画の立案ができる
予約管理システム
  • 電話やWebからの予約を一元管理できるシステム。
  • 予約の重複や聞き間違いといった人為的ミスを防止できる
  • 予約受付業務の負担を軽減できる
勤怠管理システム
  • スタッフの出退勤をデジタルで記録し、給与計算までを自動化できるシステム。
  • シフト作成や給与計算の手間を大幅に削減できる
  • 勤怠管理業務を効率化できる

居酒屋開業時のチェックリストは?

居酒屋開業時のチェックリスト

居酒屋の開業準備は多岐にわたるため、タスクの抜け漏れが発生しがちです。店舗によってチェック内容は異なりますが、やるべきことをリスト化し、一つずつ消化していくことで、開業前後のトラブルを未然に防げます。以下は、チェックリストの一例ですので参考にしてください。

各種届出・手続き

  • 飲食店の営業許可は取得済みか
  • 防火管理者の資格取得と選任届は完了したか
  • 開業届(個人事業主)または法人設立届出書は提出済みか
  • 税務署への青色申告承認申請は済ませたか
  • 給与支払事務所の開設届は提出したか
  • 源泉所得税の納期の特例に関する申請は済ませたか

設備・備品・什器

  • 厨房機器は全て正常に作動するか
  • 空調・冷暖房の動作に問題はないか
  • ガスコンロや湯沸かし器など、ガス器具は問題なく使えるか
  • 店内の照明は全て点灯するか
  • 給湯器からお湯は正常に出るか
  • 食洗機の動作は正常か、洗剤は補充済みか
  • BGMなどの音響設備は問題なく再生できるか
  • インターネット・Wi-Fiの接続は安定しているか
  • 換気扇は正常に作動し、排煙はスムーズか
  • 店舗の電話は正常に通話できるか
  • トイレやシンクで水漏れや詰まりはないか
  • 全設備の電源を入れてもブレーカーが落ちないか
  • スタッフのユニフォームは人数分揃っているか
  • ハンディ、キッチンプリンターは正常に連携・作動するか
  • レジの設置とメニュー登録は完了しているか

オペレーション

  • ホールスタッフはハンディの操作に習熟しているか
  • 注文の取消や変更の処理はスムーズに行えるか
  • キッチンスタッフはプリンターから出力される伝票を理解できるか
  • レジ会計(個別会計、割引処理など)の手順は全員が理解しているか
  • クレーム発生時の報告・対応ルールは全スタッフに浸透しているか
  • 領収書を求められた際に、担当者は正しく発行できるか
  • 収入印紙は、金額に応じて適切に貼付できるか
  • キャッシュレス決済の操作方法は習得したか
  • プレオープンやレセプションで、一連のオペレーションを試したか
  • スタッフはメニューの食材や調理法について説明できるか
  • 清掃の役割分担と手順は明確になっているか

販促・集客

  • 店舗の公式サイトは開設済みか
  • グルメサイトへの店舗登録は完了したか
  • ポイントカードや会員証は作成したか
  • 近隣の店舗や企業へのあいさつ回りは済ませたか
  • ショップカードやリーフレットは作成したか
  • 予約受付システム(ツール)は導入済みか
  • SNS投稿を促す卓上POPなどは設置したか
  • 公式SNSアカウントの開設と、運用ルール(担当、更新頻度など)は決まっているか

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  • 配席から注文、会計までの一連の業務をスムーズにし、省人化を実現。スタッフの負担を軽減し、接客品質の向上ができる
  • レジ操作の履歴管理や権限設定で内部不正を防止できる
  • 導入から運用まで専門スタッフがサポートするため、安心して運用できる
  • キャッシュレス決済、オーダーシステム、予約システムなど、様々な外部サービスと連携できる

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