従来のガチャレジよりも、利便性や使える機能などが充実しているタブレットPOSレジ。タブレットPOSレジは、その機能を有効活用することで在庫管理や販売戦略の立案など、様々な業務で利用することができます。今回は、そんなタブレットPOSレジの特徴や機能についてご紹介します。
目次
従来のガチャレジとの違い
タブレットPOSレジには、ガチャレジにはない特徴がいくつかあります。なかでも大きな特徴が、レジスペースをあまり取らず、持ち運びも可能だということ。
ガチャレジは、レジ本体が比較的大きかったこともあり、店内にレジ専用のスペースが必要でした。本社にデータを送信する必要がある支店などの店舗であれば、データ送信専用の機器も設置する必要が出てきます。そうしたことからレジ関連の機器は総じてスペースをとり、また動かしにくいものだと言われていました。
これに対して、タブレット端末を利用したタブレットPOSレジは、ガチャレジに比べて設置スペースが小さくて済み、手で持って移動させることも簡単です。設置も撤去も楽に行うことができるため、ガチャレジよりも扱いやすいと言えます。
また、タブレットPOSレジは、データをインターネット上で管理するクラウド方式を採用しているため、インターネット回線さえつながっていればどこからでもそのデータを確認することができます。支店などの各店舗の状況も本社から確認することができるため、リアルタイムで経営戦略を立てることができます。
近年増加傾向にあるタブレットPOSレジ
業種を問わず活用できるタブレットPOSレジですが、導入店数が増加傾向にあるのが飲食業界です。商業施設新聞の調査によると、2014年で約2,300店、2015年で約2,500店を超える飲食店が上場したとされています。
その一方で、有効求人倍率は約3倍に膨れ上がっており、飲食業界の深刻な人材不足が懸念されているのです。このような背景もあって、飲食業界では業務やオペレーションの効率化が重要課題となっており、タブレットPOSレジを導入する企業が増加しています。
オーダーの伝達を簡略化
飲食店では、ホールと厨房のオーダーの伝達を効率的に行うことが重要となります。どちらかの作業が滞ってしまうと、大きなロスが発生する原因となるのです。
従来の手書き伝票では厨房へオーダーが伝わるまでのタイムロス、伝票の取り違えによるオーダーミスといったトラブルが起きやすい傾向にありました。しかし、POSシステムを導入すれば画面操作によるオーダーが可能なので、伝達ミスが起こる心配もありません。
フロアスタッフはハンディ端末からオーダーを確定させ、オーダー内容は瞬時に厨房のプリンタから印刷されるので、オーダーから調理開始までのタイムロスが解消されます。
人材不足の解消
近年では、人材不足を補うために、外国人スタッフを積極的に採用している企業も増えています。日本語のレベルはそれぞれですが、日常会話よりも読み書きに苦手意識を持っている人が多いようです。
iPadを使用したタブレットポスレジには、日本語や英語、中国語など、多言語表記の切り替え機能が装備されている種類もあります。そのため、これまで外国人スタッフを雇う際の懸念点となっていた、言語の壁もクリアできるようになったのです。採用の対象が広がることで、慢性的な人材不足の解消が期待できます。
決済方法の多様化への対応
クレジットカードや電子マネーなど、決済方法は年々多様化しています。Apple社では、iPhone7以降から「Apple Pay」の運用を開始。スマートフォン1つあれば、簡単に買い物ができる時代になったのです。
このように時代の変化に早急に対応できるようにしておくことが、顧客獲得の大切なポイントとなります。タブレットPOSレジには、クレジットカード決済だけでなく電子マネーなどの決済端末との連携も可能な種類があり、従来のレジよりも対応への障壁が少なくなるのです。
便利な機能
タブレットPOSレジには、ガチャレジにはない便利な機能がいくつか搭載されています。これらの機能を使いこなすことで、よりスムーズに、より効率的に店舗を運営することができます。以下に、代表的な機能をいくつかご紹介します。
売上管理
タブレットPOSレジはクラウド管理されているため、レジに入力されたデータがリアルタイムで集計できます。例えば、日付や曜日、時間帯などのカテゴリー毎に集計することも可能です。どういった時間帯に、どのような顧客が、いくらの商品を買ったかを簡単にデータ化することができるため、経営改善に役立てることもできます。
また、在庫管理を行えるタブレットPOSレジもあるため、売上管理と連携すれば、効率のよい店舗運営をすることができます。
メニュー登録
季節によって、売れ筋メニューは異なります。また、飲食店では仕入れ先の都合により、定期的な価格の見直しが必要となるケースも考えられます。
タブレットPOSレジであれば、メニューの登録・変更が簡単に行えます。そのため、新しいメニューの開発や季節メニューなども店舗で簡単に追加できます。
デシル分析
売上データをより高度に分析したいのであれば、「デシル分析」がおすすめです。デシルは、ラテン語で10等分を意味しており、この分析方法によって売上貢献度の高い顧客層が見出せます。まず売上の高い順に顧客を並べ、10等分します。購入比率が高い順にデシル1~10と分けて、各グループの購入金額の合計を出します。全体の購入金額と、各グループの購入金額の比率をパーセンテージとして算出し、その結果から、グループごとの売上比率が分かります。
タブレットPOSレジであれば、このような面倒な集計作業もボタン一つで可能です。
ABC分析
飲食店では、数多くのメニューを取り扱うことになります。そのため、商品によって売上実績に偏りが出る場合もあります。これらを整理する際に役立つのがABC分析です。
ABC分析は、売上金額や売上個数に応じて商品をA、B、Cとランク分けしていきます。
例えば売上金額順に振り分けた場合、主力商品であるAグループは仕入れや展開の強化。Cグループは商品の見直しといった対応を検討できるようになります。
売上個数など、様々な指標から簡単にABC分析を行うことができるのもタブレットPOSレジの便利な機能のひとつです。
顧客情報の管理
タブレットPOSレジでは、顧客情報の管理も行うことができます。誰がいつ来店したのか、何を注文したのか、どれだけの金額を利用したのかなど、細かく管理することができます。これによってきめ細やかなサービスが可能になり、リピーターの獲得や顧客満足度の向上につなげることも可能になります。
勤怠管理
タブレットPOSレジのなかには、勤怠管理を行うことができるものもあります。売上管理とともに勤怠の管理ができれば、人件費の見直しなどが効率的にできるようになります。また、タブレットPOSレジはクラウド管理されているため、勤怠を遠隔地から確認することもできます。
テーブル管理
店舗に訪れるお客さまのなかには、席の予約をしている人もいます。そうした予約も含めた「テーブル管理」ができるものも、タブレットPOSレジのなかにはあります。テーブル管理はダブルブッキングの防止や、回転率の向上に役立ちます。操作も難しくないため、入店間もないスタッフなどでも利用可能です。
まとめ
従来のガチャレジは金額の精算を行うことしかできませんでしたが、タブレットPOSレジは様々な管理業務に役立てることができます。また、リアルタイムでデータを確認することができ、複数の店舗をまとめて管理することもできます。現在複数店舗を運営している、あるいはこれから店舗を増やそうと考えている方は、タブレットPOSレジの導入を検討してみてください。