店舗運営では、営業終了後にもやらなければいけない重要な作業がいくつかあります。中でもレジ締め作業は、売上集計に時間がかかり、金額が合わない場合はさらに時間を要します。そんなレジ締めの作業は、POSレジを導入することで効率化を図れます。ここではPOSレジの種類や、POSレジを利用したレジ締め作業の効率化についてご紹介します。
目次
レジ締めの重要性
店舗では一日の営業を終えた後にレジ締めを行います。地道な作業ではありますが重要度は高いです。レジ締めをすることで、その日の売上金額が分かり、現在レジにある現金の状況なども把握できます。また、普段よりも売上が少ない日が続けば、何が原因で売上が減っているのかを考えるきっかけにもなるでしょう。
一方で、レジ締めを毎日ではなく、週1回や月1回とタイミングを空けて行ってしまうと、釣り銭の受け渡しや会計ミスに気づくのが遅くなります。すると売上金額にズレが生じていたとしても、どのタイミングで発生したものなのかを把握することは難しくなってしまいます。
店舗運営を行なっていくうえで違算は避けたい問題なので、毎日のレジ締めでお金の状況を把握することが重要になります。
レジ締めの手順
レジ締めを行うときの主なやり方と手順について見ていきましょう。
1.その日の売上金額を計算する
最初に、その日の売上の合計金額を計算しましょう。レジのデータには1つひとつの売上が記録されているので、レシートを出力して1日の合計金額を見ることができます。また、売上の合計金額のうち、クレジットカードや電子マネー、スマホ決済などの決済方法別の売上金額も確認しておきましょう。
2.レジの中にある現金を数える
次に、キャッシュドロアの中に入っている現金をすべて数えましょう。千円、五千円、一万円など金種ごとに計算してから、それらを合算するとスムーズです。
そして、現在レジにある現金の合計額から、その日の開店前時点の金額を引きましょう。そこに現金以外の売上を加えると、その日の売上金額の合計と同じになるはずです。レジの売上データと照らし合わせて確認しましょう。
3.売上金額と現金の合計が合っているか確認する
レシートから出力された一日の売上金額と照合しましょう。
合わない場合は数え間違いの可能性もあるので、もう一度現金を数え直します。
それでも金額が合わなければ、どこかで釣り銭の受け渡しミスがあったかレジへの金額打ち間違えが考えられるでしょう。もし、違算の発生が多いようであれば、改善のため対策を検討しなければなりません。
4.翌日の釣り銭用の現金を振り分けておく
翌日の営業に備えて、釣り銭を用意しておきましょう。いくら用意するのか、金種まで決まっていることが多いです。振り分けたら、残りのお金は金庫にしまっておきます。
レジ締めの効率的なやり方
レジ締めの作業は、時間がかかってしまうことも多いでしょう。また、接客などの業務は苦にならなくても、レジ締めが苦手だという人も少なくありません。そんなときは、レジ締めの効率化を図るために、次のことを実践してみましょう。
現金は数えやすいようにまとめておく
レジ締めの作業の中で時間がかかるのは、レジ内の現金を数える作業です。小銭や千円札が多いと、数え間違いをしやすくなります。
そこで、空いた時間に少しずつ数えて、レジ締めの準備をしておくのがおすすめです。一日の中でお客さんが大勢来店して忙しいときと、空いていて暇なときがあります。その空いている時間帯にお金をできるだけまとめておくようにしましょう。
例えば、紙幣なら10枚ずつにまとめておくという具合です。千円札が何十枚もあるときでも、10枚ずつの束にしておけば、レジ締めで数えるときに非常に楽になります。
小銭も数えるのに時間がかかるため、紙幣と同様にひとまとめにしておくとよいでしょう。小銭の場合には、50枚単位でまとめると計算しやすくなるため効率よくレジ締めができます。市販のコインケースなども、ほとんどが50枚でいっぱいになるように作られています。そのため、50枚をひとまとめにすることで管理しやすくなるでしょう。
コインケースに入れて50枚あることを確認した小銭を、チャック付き袋に入れておくのもおすすめです。そうすれば、コインケースは各金種1つずつ用意すれば済みます。
異なる種類の小銭が混ざらないようにしておく
レジ締めの際に、レジのドロアの中で異なる種類の小銭が混ざっていると、それを振り分ける作業から始めなければなりません。地味な作業で時間がかかり、レジ締めの効率を悪化させることが多いです。そのため、異なる種類の小銭が混ざらないように工夫を凝らす必要があります。
通常レジのドロアの中には仕切りが付いていて、小銭の種類ごとに場所を分けられる構造になっています。そのため、どこに何円の小銭を入れるかあらかじめ決めておくことで、レジ締めの際には振り分け作業を省くことができます。
しかし、お店が混雑する時間帯だと、小銭を入れる場所を間違えてしまうことも多いです。硬貨によっては色が同じであるため、思い込みで間違えた場所に小銭を入れてしまうかもしれません。
間違ってしまうことが多い場合には、仕切りの中に目印を付けておくなどの対策が必要です。例えば、5円玉と50円玉を入れる箇所に、色の付いたシールを貼っておくといった方法がよいでしょう。急いでいても目に留まりやすいため、入れ間違いを防止できます。
現金照合表を活用する
レジ締めの際に、ドロアの中に入っているお金の合計金額と金種を把握しやすくするため、現金照合表を作成しましょう。形式は簡単で、金種ごとの枚数を記録できるように表を作成するだけです。
最近では、現金以外の方法で支払いをすることも多いでしょう。そのため、クレジットカードやスマホ決済などの金額を記録しておける欄も設けておくと分かりやすくなります。紙に印刷して手書きで記入する場合には、保管しやすくするために用紙の大きさを統一しておくのが望ましいです。
アプリやエクセルを活用する
紙の現金照合表に手書きで記入する方法は、あまり効率的とは言えません。どうしても時間がかかってしまいます。そのため、スマホアプリやエクセルなどを活用するのがおすすめです。紙幣や小銭の枚数を入力すれば、すぐに合計金額が表示されるので、時間を短縮できるでしょう。
エクセルを使う場合には、レジのすぐ近くにパソコンを置かないと難しいかもしれませんが、スマホアプリならどこでも使えます。
マニュアルを作成する
レジ締めのやり方が担当するスタッフによってバラバラだと、非効率です。手順を統一するためには、マニュアル化しておくとよいでしょう。マニュアルがあれば、引き継ぎも簡単に行えて、レジ締めの研修なども実施できます。新人の方にもわかりやすく教えられるでしょう。
POSレジを導入する
レジ締めは工夫をすることで、時間を短縮したり人的ミスを減らしたりできます。しかし、それでも手作業で行う部分が多く、効率化を図るにも限界があります。
そこで活躍するものが、POSレジです。POSレジとは、売上に関する情報を売り上げが発生したと同時に、自動で記録・集計できるシステムがついたレジです。売上金額だけではなく、商品の売上個数や在庫までの管理ができます。
POSレジを導入すれば、レジのドロアに入っている現金を数えて、合っているか確認するだけで済みます。
レジ締めの負担を軽減するには、POSレジの導入がおすすめです。
POSレジの種類と特長
POSレジには、様々な種類があります。まずはPOSレジの種類と特徴についてご紹介します。
POSターミナル
POSターミナルは、コンビニやスーパーなどでよく見られるPOSレジです。商品を置けるカウンターと一体となっている大型のものから、デスクに置けるような小型のものがあります。
いくつかあるPOSレジの中で、もっとも高機能であり、キャッシュドロアやレシートプリンタなど必要最低限の機器はすべて装備されています。また、オプションが充実していることから、様々な業態に対応できます。その反面、初期投資やメンテナンスなどの費用は高額です。端末の購入だけでも50万円程度かかることがあり、導入費用をすべて合わせると100万円を超えることも少なくありません。数年単位で老朽化による機材の買い替えも考えなければいけません。
PCPOS
PCPOSは、一般的なパソコンにシステムをインストールしてPOSレジとして運用するものです。パソコンに様々な周辺機器を接続することで、レジとして利用することができます。
PCPOSの特徴は、ベースがパソコンであること。そのため、POSレジ以外の機能が利用できます。例えば、接客マニュアルなどの共有や売上データの管理、メール機能を使用しての本部との連絡などが可能です。一方、POSターミナル同様に、パソコンを利用するため、端末費用・導入費用は安くはありません。また、ソフトの導入や周辺機器の準備にも費用がかかります。
タブレットPOSレジ
タブレットPOSレジは、iPadなどのタブレット端末にアプリをインストールすることで、POSレジとして利用するタイプのものです。スマートデバイス型とも呼ばれています。
タブレットPOSレジの最大の長所は、他の2種に比べて導入費用を抑えられるということです。タブレットPOSレジは一般的なタブレット端末をPOSレジとして利用するため、端末の費用は比較的安価です。また、スペースを取らないこともタブレットPOSレジの特徴の1つでしょう。設置場所を選ばず、持ち運びも可能です。しかし、PCPOSと同様にキャッシュドロアやレシートプリンタなどの周辺機器は必要に応じて準備しなければいけません。
タブレットPOSレジでレジ締め作業を円滑に
レジ締めはその日の売上集計や現金の過不足を確認する作業で、店舗にとって非常に重要な工程です。このレジ締めは、慣れていても時間がかかることがあり、釣り銭の金額が合わなければ帰れない場合も...。こうした面倒なレジ締め作業も、タブレットPOSレジの「USENレジ FOOD」を活用すればスムーズに終わらせることができます。
USENレジ FOOD」には、リアルタイムの売上集計管理機能が搭載されています。売上集計はその結果を確認するだけなので、後は釣り銭の金額を数えるだけでレジ締めの作業は終了。大幅に業務効率の改善につながるのではないでしょうか。
また、この機能以外にも「客単価」「前年対比」が確認できる売上実績の自動集計機能や、デシル分析・ABC分析などの自動分析機能、予算実績対比機能、勤怠管理機能といった様々な機能が「USENレジ FOOD」には搭載されています。レジでの会計作業だけでなく、店舗の運営やマーケティングに関する業務にも活用できるのです。
まとめ
レジ締め作業で時間を取られると、従業員の帰宅が遅くなり、パフォーマンスの低下につながります。タブレットPOSレジを導入することで、こうした無駄を省き、業務の効率化を図ることができます。この機会にぜひ、タブレットPOSレジの導入を検討してみてください。