レジスターは、飲食店や小売店などの会計時に欠かせない機器です。現在では、会計機能以外に売上データの収集・蓄積が可能なPOSレジが主流になっています。レジスターを選ぶ際には、自店にあったものか、欲しい機能が備わっているかが大切です。この記事では、レジスターの種類別の特徴、選び方のポイントについて解説します。
目次
レジスターとは?
レジスター(Cash register)とは、商品の販売データや金額を計算し、レシート・領収書の発行や金銭のやり取りを記録するための機器です。一般的にレジやキャッシュレジスター、電子レジスター、POSレジと呼ばれるものはすべてレジスターに含まれます。
レジスターの進化の歴史
技術の進歩によりレジスターは年々進化を重ね、その役割は会計だけに留まりません。現在では、売上管理や在庫管理・顧客管理などの機能を併せもつPOSシステムを備えた「POSレジ」が主流になっています。
世界で最初のレジスターは、19世紀後半にアメリカで発明されたものです。この頃のレジスターは、売り手・買い手双方に取引金額を表示するという機能だけしかありませんでした。
それが徐々に取引金額の合計を計算する機能や売上記録機能が追加され、現金を収納するドロワーなども備えるようになります。そして、1902年には世界で初めての電動レジスターが誕生しました。
電動レジスターの誕生からさらに技術が進歩し、インターネットの普及とともに完全なレジシステムと言われる「POSレジ」が生まれました。現在ではこのPOSレジがレジスターの主流になりつつあります。
レジスターの種類別の特徴
ドロア一体型レジスター
ドロア一体型レジスターは、会計した金銭を一時保管しておくためのドロアがレジと一体になっているレジスターです。一般的に、シンプルで必要最低限の機能を備えた「旧型のレジ」がこのタイプにあたります。使えるのは会計機能とレシートの出力といった程度で、データの保存・収集などはできません。
【特徴】
・シンプルな電卓機能とレシートの出力機能が備わっている
・単体で簡単に利用できる
システム型レジスター
システム型レジスターは、売上情報をパソコンに取り込めるタイプのレジスターです。SDカードの差し込みが可能でデータをバックアップできるものや、インターネット回線を利用してデータをやり取りできるものなどがあります。
【特徴】
・基本的な電卓機能などに加え、売上の記録をパソコンなどに取り込み確認できる
クラウド型レジスター
クラウド型レジスターは、クラウド上に売上・会計データを保存し管理できるタイプのレジスターです。スマホやタブレットなどの端末でアプリを介してアクセスするため、ネット環境さえあれば時間や場所を選ばず利用できます。旧型のレジよりも多機能で、周辺機器などの搭載や、システムのオプションなどを利用してPOSシステムと連携できる種類もあります。
【特徴】
・ランニングコストがかかる
・導入コストは比較的安価なため、基本的なレジ機能に他の機能をプラスして使いたいときに取り入れやすい
POSレジ
POSレジとは、会計時における「日付・時刻」「商品の種類」「個数」「金額」などの販売データを記録・管理できるレジスターです。会計機能に留まらず、複数店舗の一元管理機能や売上分析などマーケティングに活用できる機能も多数備わっています。
【特徴】
・「完全なレジシステム」として多くの機能を備えている
・販売戦略のための情報を自動的に収集できる
レジスターの選び方5つのポイント
・店舗の種類によって選ぶ
・レジ場所のスペース感で選ぶ
・操作性で選ぶ
・欲しい機能で選ぶ
・予算で選ぶ
店舗に最適なレジスターを選ぶためにはどのような点を基準に選べばよいでしょうか。レジスターを選ぶ際に押さえておきたい5つのポイントについて詳しく解説します。
店舗の種類によって選ぶ
飲食店、小売業、美容院など、業種によってレジスターを選ぶ際のポイントは異なります。そのため、レジスターを選ぶ前にまず自店の特性や重視したい点の洗い出しが必要です。たとえば、飲食店であれば税率を調整できるかどうか、美容院であれば店舗の雰囲気に合うデザインかどうかといった点などが挙げられるでしょう。
レジ場所のスペース感で選ぶ
レジを設置できるスペースがどれくらいあるかを考慮することも必要です。レジスペースに余裕がない場合、コンパクトな形態のレジスターを選ぶと店内の印象がすっきりします。また、イベント出店や移動販売など屋外で使用するケースが多い場合、持ち運び可能なタブレット型のレジが対応しやすいでしょう。
操作性で選ぶ
レジスターの操作性も重要です。直感的に操作できるタブレット端末などであれば、スタッフのレジ研修なども最低限で済み、ミスも減らせます。また従来のレジスターは、登録データをSDカードなどに移して閲覧する必要がありますが、POSシステムを活用したレジであれば直接確認できるため手間がかかりません。
欲しい機能で選ぶ
会計機能などの基本的な機能を除くと、必要な機能は店舗によって異なります。たとえば、飲食店であれば税率の登録が簡単にできる機能、小売業であれば免税対応が可能な機能などが挙げられるでしょう。会計機能とあわせて+αの機能が欲しい場合は、POSレジの導入がおすすめです。
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予算で選ぶ
レジスターは、タイプによって導入費用やランニングコストが大きく変わってきます。単月で考えるとそこまで気にならない出費でも、毎月発生するコストと考えると決して負担は少なくありません。先を見越した予算設定はもとより、費用対効果もよく考えて選ぶようにしましょう。
POSレジ(Point Of Sales)の基本機能
【従来レジとPOSレジ】
従来レジ | POSレジ |
売上計算・記録ができる | (+α)売上の分析ができる |
従来のレジとPOSレジの最も大きな違いは、「売上の分析」ができるかどうかという点です。基本的な会計機能においてもPOSレジは従来のレジに比べて格段に便利になっています。今でこそ当たり前になっていますが、バーコードを読み込むだけで会計内容が即時に表示・計算されるといった機能は従来のレジスターにはありませんでした。
またPOSレジには、店舗運営において便利な機能が多く備わっています。
【POSレジの主な機能】
レジ機能 | 注文・会計、つり銭計算、商品登録、レシート発行 |
売上管理 | 日別・月別・部門別などで記録 |
不空数店舗連携管理 | 各店舗の売上の自動集計、売上報告メールの自動配信など |
在庫管理 | 売上情報の共有、棚卸し、発注・入庫管理 |
顧客管理 | 顧客の来店・購入記録、予約情報の管理 |
売上分析 | 何がいつどこでどのくらい売れたかなどの記録に伴う分析 |
上記のほかにも、スタッフの出退勤管理やシフト管理、勤怠の記録に伴う給与データ作成など勤怠管理を行えるPOSレジもあります。さらに近年では、業務別に特化したPOSレジも見られます。
POSレジを導入する5つのメリット
・業務が効率化できる
・多店舗のデータを一括管理できる
・レジ上の不正を防止できる
・レジミスを防止できる
・売上管理などマーケティングに活用できる
POSレジの導入は店舗運営を行ううえでさまざまなメリットがあります。代表的な5つのメリットについて詳しくみてみましょう。
業務が効率化できる
POSレジのメリットとして、業務の効率化が図れることが挙げられます。バーコードを読み込むだけで金額を読み取れるなど、会計処理における多くの部分を自動化でき、正確かつスピーディなやり取りが可能です。
また、周辺端末と組み合わせることでより利便性が高まり、さらに業務の効率化につながるでしょう。たとえば、多様な決済に対応できるキャッシュレス決済端末や、注文から会計までのデータを一括管理できるオーダーエントリーシステムとの連携などが挙げられます。
多店舗のデータを一括管理できる
複数店舗の一括管理が可能になる点も大きなメリットです。「各店舗の売上情報をあとで集めて計算して...」といった手間のかかる作業が不要になります。全店舗の在庫状況も可視化できるため、どこの店舗に何が足りていないかなども一目瞭然です。
「○○店は若年層の来客が多いために○○が売れやすい」といった店舗ごとの詳しい状況も簡単に把握・分析できるようになります。
レジ上の不正を防止できる
POSレジは、レジ上の不正の防止にも役立つでしょう。POSレジでは「いつ、誰が会計操作をしたか」といったレジの使用ログが残るため、不正をすることは容易ではありません。
また、バーコードを読み込めばレジに登録されてある値段が自動で打ち出されるため、金額の打ち間違えが防げます。そのため、慣れないスタッフでも安心して会計業務ができるでしょう。
レジミスを防止できる
つり銭の計算もレジが自動で行うため、計算ミスや打ち間違えなどのヒューマンエラーを減らすことが可能です。つり銭の計算や小銭の排出も自動で行ってくれる端末であれば、さらに会計時のミスを大幅に減らせます。
値引き額や割引率などの変更・登録もすぐに行えるため、キャンペーンやセールなどイベント時のイレギュラーな会計にも対応しやすくなるでしょう。
売上管理などマーケティングに活用できる
POSレジで記録されるPOSデータを活用すれば、売上管理以外にもマーケティングに活用できるでしょう。POSレジでは、売上が立ったときにリアルタイムで、いつ、どの年齢層に、どの商品・サービスを提供したかなどのデータが記録されます。
記録されたデータを基に分析すれば、季節ごとのメニュー開発やリピーター施策の立案に活かせます。結果として顧客満足度や売上の向上につながり、店舗づくりに役立てられるでしょう。
POSレジを導入する際の注意点
・初期費用、運用費用がかかる
・停電や故障の際に混乱が想定される
POSレジ導入には多くのメリットがある一方で、注意が必要な点もいくつかあります。POSレジを導入する際には注意点も把握し、対策できるようにしておきましょう。
初期費用などがかかる
POSレジの導入には、機器やシステムの購入料金といった初期費用がかかります。加えて、システムのアップデートやメンテナンスといった保守・運用にかかるコストも必要です。
POSレジの種類や機能によってコストは異なるため、事前によく確認しておきましょう。また、POSレジの導入費用はIT導入補助金の対象になるため、導入時に申請しておけばコストを抑えられる可能性があります。
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停電や故障の際に混乱が想定される
POSレジの運用には電力が必要不可欠なため、停電時にシステムが停止してしまうリスクがあります。また、通信障害や故障などのトラブルへの備えも必要です。
緊急時にキャッシュドロアを開けられなくなってしまうことを想定して、現金を準備しておくなどの対策をしておきましょう。
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業種別に特化したPOSレジ「USENレジ シリーズ」を紹介
・飲食店向け
・美容院向け
・小売業向け
・整体院向け
最近では、特定の業種に特化したPOSレジが登場し、より自店にあったものを選べるようになってきています。ここでは、業種特化型タブレットPOSレジ「USENレジ シリーズ」について業種別にご紹介します。
飲食店向け
「USENレジ FOOD」は飲食店の利用に特化したPOSレジです。会計機能はもちろん、注文や売上集計・分析まで飲食店に役立つ機能が充実しています。
オーダーシステムは、セルフオーダー・事前決済システム・デリバリーシステムなど豊富にラインナップされているため、店舗にあわせて最適なものを選べます。また、新人スタッフの教育を行う際のトレーニングモードを搭載しており、オフラインでPOSレジ操作の練習が可能です。
飲食店向けに特化したUSENレジ FOODの機能について詳しくはこちら
美容院向け
美容院向けの「USENレジ BEAUTY」は、電子カルテ機能や予約管理機能など、理美容室・サロンの経営をアシストする便利な機能を幅広く搭載しています。
電子カルテ機能では、お客様ごとのカラー情報などの施術内容を、端末のカメラや手書きメモなどを使って記録可能です。予約管理機能では、顧客情報の紹介や登録・変更に加えて、店舗独自のアンケートも作成できます。Web予約システムとの連携でWebからの予約をスケジュールに自動反映させることも可能です。
美容室・サロン向けに特化したUSENレジ BEAUTYの機能について詳しくはこちら
小売業向け
小売業に特化した「USENレジ STORE」は、小売店で重要な在庫管理を効率化する機能を豊富に搭載しているのが特徴です。
発注・入荷や棚卸し、ロス管理まで在庫変動をリアルタイムで管理できるほか、複数店舗管理・店舗間移動管理も行えます。また、期間限定セールやタイムセール時のバンドル販売やセット販売に役立つセール機能も搭載。さらに、免税商品の販売・管理にも対応しているため、インバウンド需要がある店舗には最適です。
アパレルなどの小売店向けに特化したUSENレジ STOREの機能について詳しくはこちら
整体院向け
「USENレジ HEALTH CARE」は、治療院・整体医院など施術を行う業種に特化したPOSレジです。
すべての顧客の予約管理・カルテ管理をタブレット一台で一元管理できます。カルテ管理では、ペーパーレス化や業務効率化を行えるだけでなく、分析データを基に顧客一人ひとりにあった施術提案が可能です。加えて、リピーター施策などマーケティング戦略にも活用でき、よりよい店舗運営につなげられます。
整体院向けに特化したUSENレジ HEALTH CAREの機能について詳しくはこちら
自店にあったレジ選びで店舗運営を最適化しよう
最近では、便利な機能を搭載したさまざまなタイプのレジが登場し、店舗運営における利便性は日に日に高まっています。さらに、業種・業態ごとに必要な要素を取り入れた特化型レジも登場してきているため、レジ導入の際は、より自店にマッチしたものを選ぶことで店舗運営を最適化できるでしょう。
「USENレジ シリーズ」では、飲食店・美容室・小売店・治療院の4業種に特化したタブレットPOSレジを取り揃えています。POSレジとしての基本機能はもちろん、各業種に必要な機能が充実。また、わかりやすくシンプルな操作性で、誰でも使いこなせるため手軽に導入できます。店舗の業務効率化やサービス向上に、ぜひ「USENレジ シリーズ」をご利用ください。