クラウドPOSとは、クラウド上にデータを置くことができるPOSシステムの総称です。リアルタイムにデータが反映される点や、自社サーバー不要で導入コストを抑えられる点などから多くの業種・業界で導入されています。この記事では、クラウドPOSの機能や従来のPOSとの違い、メリットや注意点について解説します。
目次
そもそもPOSシステムとは
POS(Point Of Sales)システムとは、日々の売上や販売商品をデータ化して管理するためのシステムを指します。アプリケーションを表す用語ですが、店舗のハードウェアに搭載されているシステムなども含めた総称として使われるのが一般的です。会計時の金銭授受や、売上情報などを販売した時点で記録・集計するため、日本語では「販売時点情報管理」と訳されます。
POSシステムは、その他のさまざまなシステムと連携することで、業務の効率化や売上に関する分析など店舗運営に役立つ多様な機能を使えるようになります。
POSレジとの違い
POSレジとは、POSシステムを完備したレジです。POSシステムが仕組みの総称であるのに対し、POSレジはPOSシステムを搭載したレジそのものを指します。
機能面では従来のレジスターより優れていますが、据え置き型のPOSレジはサイズが大きく、設置場所の確保が必要です。またサーバーを設置し、専用のアプリケーションをハードウェアにインストールする必要があるため、導入費用も高額になるケースが見られます。
クラウド型POSシステムとは
クラウド型POSシステムとは、アプリケーションのダウンロードなど簡単な準備だけで、手軽に利用が始められるPOSシステムです。データの保存場所がサーバーではなく、クラウド上にあるため、どこからでもリアルタイムで共有情報にアクセスできます。
スマホやタブレットがあれば使用できるため、従来のPOSレジのような高価な専用端末が必要ありません。また、情報のアップデートも自動で行われ、常に最新の状態でシステムを使用できます。
クラウド型POSレジの主な機能
・商品管理
・在庫管理
・売上管理
・顧客データ管理
・座席管理
・勤怠管理
・キャッシュレス決済
・各種システム連携
クラウド型POSレジには主に8つの機能があります。それぞれ具体的にみてみましょう。
商品管理
商品管理機能では、商品情報の登録を行えます。具体的には、商品コード・商品名・商品ごとの販売価格などです。また、原価の登録や価格変更、限定メニューの登録などにも対応しています。
在庫管理
在庫数をリアルタイムで確認できます。在庫の変動履歴で在庫の減り具合をみながら、仕入れ数を変更するといった管理が可能です。また、店舗間の在庫移動や棚卸し機能を搭載しているものもあります。
売上管理
日別・商品別に加え、曜日別・時間帯別・客層別などさまざまな角度から売上の特徴を分析できます。データは自動集計されるため、常に最新情報の参照が可能です。また、複数店舗を管理する場合は、店舗別の売上情報も把握できます。
顧客データ管理
顧客に関するさまざまな情報を管理できる機能です。顧客別の販売記録などの確認・検索や、来店・予約情報を一元管理できます。また、顧客の性別・年齢・来店日時などを基に行動分析も可能なため、OPや販売促進に役立つでしょう。
座席管理
空席確認などの座席の状況や、利用客のオーダーと座席の情報を紐づけて管理できる機能です。テーブルごとの注文内容がレジや厨房のプリンタなどと自動で連携されるため、OPの効率化につながり、オーダーミスなどの人的なエラーも軽減できます。
勤怠管理
パート・アルバイトなどスタッフの勤怠を管理できる機能です。出退勤の記録・管理やシフトの作成をはじめ、スタッフごとの残業時間の計算も可能なため、労務管理に役立ちます。
キャッシュレス決済
クレジットカード・電子マネー・QRコードなどキャッシュレス決済の専用端末と連携できる機能です。POSレジと連動することでスピーディな決済が可能になり、別端末で会計金額を二度打ちする必要がなくなります。
各種システム連携
さまざまな外部システムとの連携が可能です。オーダーエントリーシステムや予約システム・会計システム、ポイントカードなどとも連携できます。ほかにも多様な業種・業界のシステムと連携でき、付加価値の高いサービス提供が可能です。
クラウドPOSを導入する5つのメリット
・導入コストを抑えられる
・省スペース・持ち運び可能な使用感
・店舗にあわせた拡張規模のシステム連携ができる
・ リアルタイムでシステム連携される
・一元管理で売上分析や販売戦略の見直しができる
POSのクラウド化にはさまざまなメリットがあります。ここでは、クラウドPOSを導入する代表的なメリット5つ解説します。
導入コストを抑えられる
クラウドPOSは、タブレットやスマホにアプリケーションをインストールするだけで利用できるため、サーバーの購入・設置が必要な従来型のPOSレジに比べて導入コストを抑えられます。自社でシステム開発やサーバーの保守・運用をおこなう必要がないためメンテナンスコストもかかりません。
さらに、IT補助金を利用すれば、よりコスト負担をかけずに導入できます。
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省スペース・持ち運び可能な使用感
クラウドPOSを導入すればタブレット端末などで会計が可能で、従来の据え置き型POSのようにレジ回りのスペースを確保する必要がありません。店の内観イメージを損なわずに、会計システムだけを移行できます。
また、イベント出店など店舗外で利用したい際に持ち運びができる利便性もメリットです。
店舗にあわせた拡張規模のシステム連携ができる
クラウドを通して情報を共有できるため、他のシステムと簡単に連携できるのがクラウドPOSの強みです。モバイルオーダーやセルフレジ、会計ソフトなど店舗の運営スタイルにあわせて必要なシステムと柔軟に連携できます。そのため、業務の効率化やサービスレベルの向上が見込めるでしょう。
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リアルタイムでシステム連携される
クラウドPOSは、データの共有やシステム連携がリアルタイムかつ自動でおこなわれるため、端末間でファイルをやり取りしたり、手動で更新したりする手間がありません。また、データはクラウドに共有されます。そのため、スマホやタブレットなどから時間や場所を選ばず店舗情報の確認が可能です。
一元管理で売上分析や販売戦略の見直しができる
複数店舗を管理する際、これまで各店舗個別に行っていた売上の集計・管理をクラウド上で一元管理できるのも大きなメリットです。データが一元管理されているため、全体情報の把握・分析をスピーディに行えるでしょう。販売戦略の見直しなどの意思決定がスムーズになります。
クラウドPOSを導入する際の3つの注意点
・クラウドPOSレジの破損や盗難に注意が必要
・インターネット回線の導入が必須
・システムのトラブル時やメンテナンス時に使用できない機能がある
さまざまなメリットがあるクラウドPOSですが、注意しなければならない点もいくつかあります。クラウドPOSを導入する前に注意すべき点を把握し、対策できるようにしておきましょう。
クラウドPOSレジの破損や盗難に注意が必要
据え置き型に比べて簡単に持ち運びできて移動頻度が多くなると、破損や盗難のリスクが高まります。持ち運びを想定している場合は、落とした際にも最低限の衝撃ですむよう、端末にカバーをつけるなどの工夫をしておきましょう。
盗難防止の対策としては、セキュリティ設定や、鍵付きワイヤーなど盗難防止のアクセサリを装着しておくのも一つの方法です。
インターネット回線の導入が必須
クラウドを使用するためには、ネットワーク環境が欠かせません。店舗にインターネット回線が無い場合は、同時にネット回線の導入が必要です。
また、インターネット回線は、停電や不具合で突発的に使用できなくなる場合もあるでしょう。万が一の場合に備えて、モバイルWi-Fiの用意や、テザリングなどの策を講じておくことも重要です。
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システムのトラブル時やメンテナンス時に使用できない機能がある
クラウドPOSシステムは、サーバーのトラブルが発生すると利用できない場合があります。また、システムのアップデートやメンテナンスがおこなわれている間も同様です。普段連携させている各システムにはどのような影響があるのかなどを把握しておき、緊急対応方法をあらかじめ用意しておきましょう。
業種特化型タブレットPOSレジを紹介
・飲食店向け
・美容院向け
・小売業向け
・整体院向け
現在では、さまざまな業種・業界に特化したクラウドPOSシステムのサービスが展開されています。ここでは、業種別特化型タブレットPOSについて特徴やメリットをご紹介します。
飲食店向け
【主な機能一覧】
・会計
・注文
・集計、分析
・システム連携
・トレーニングモード
・周辺機器のカスタマイズ
飲食店向けのPOSシステムでは、注文〜会計における業務管理から売上集計・分析まで、飲食店に必要な機能をオールインワンで搭載。情報の一括管理が可能です。オペレーションを一元化・効率化できるため、飲食店が抱える慢性的な人員不足などの問題解消につながります。
また、新人スタッフの教育などに活用できるトレーニングモード機能があるのも特徴です。オフラインで練習できるため、通常業務に支障をきたすことなくOJTを行えます。
【導入事例】
全国に居酒屋事業を展開する株式会社オールウェイズでは、現場からの声を受けてタブレットPOSレジを導入。主に以下のような導入効果がありました。
【導入効果】
・省スペース化によりOPの導線を改善でき、スタッフの教育時間短縮にもつながった
・リアルタイムな売上管理、基幹システムとの連携で経理に負担をかけない運用が可能になった
・本部と店舗でメニューデータの共有が可能になり、OPを効率化できた
飲食店向けに特化したUSEN レジ FOODの機能について詳しくはこちら
美容院向け
【主な機能一覧】
・顧客管理
・電子カルテ機能
・売上管理、分析
・スケジュール、予約管理
美容院向けのPOSシステムは、会計機能をはじめ、予約管理や顧客管理といった美容院のオペレーションに合わせた機能が充実しています。店舗運営に役立つ売上集計や分析も可能です。
顧客管理機能では、顧客のプロフィールや対応した内容などを電子カルテに記録し、顧客情報を一元管理できるようになっています。顧客情報の照会・登録、変更はもちろん予約管理システムとの連携も可能です。記録・蓄積した顧客情報をサービスに反映できるため、満足度を高められます。
【導入事例】
美容室・ヘアサロンのHESTER(エスター)では、シンプルな操作性とわかりやすいUIからタブレットPOSレジを導入。導入後のメリットや効果は以下のとおりです。
【導入効果】
・施術記録を写真で残せる電子カルテ機能によって紙のカルテが不要になった
・カルテの履歴から顧客のベストな来店時期がわかり、DMで来店を促せるようになった
・スケジュールやカルテなどすべての必要な機能がタブレットひとつに集約されているので、店舗のスペースをすっきりさせることができた
美容室・サロン向けに特化したUSENレジ BEAUTYの機能について詳しくはこちら
小売業向け
【主な機能一覧】
・レジ業務
・在庫管理
・システム連携
・カスタマーズディスプレイ
・売上管理、分析
小売業向けに特化したPOSシステムでは、レジ業務をはじめ、在庫管理・複数店舗管理・売上集計・分析など、多店舗展開することも多い小売店に便利な機能を多数搭載しています。
とくに、商品を数多く抱える小売店の負担を削減するための機能が、一台のタブレットに集約されているのが特徴です。入出荷業務や棚卸し業務、商品の店舗間移動機能に加え、訪日外国人客に対応した免税販売機能を標準装備しているものもあります。
【導入事例】
革製品ブランドショップのb3Labo 上野本店では、店舗課題の解決と機能性・コスト面の両方からタブレットPOSレジを導入。以下のような導入効果がありました。
【導入効果】
・これまでExcelで行っていて手間が多かった在庫管理を自動化でき、業務時間を1時間削減できた。
・ABC分析機能による売上管理で、効果的なディスプレイ戦略を立てられるようになった
・セット販売商品の値段変更がスムーズになるバンドル設定機能で業務時間を短縮できた
アパレルなどの小売店向けに特化したUSENレジ STOREの機能について詳しくはこちら
整体院向け
【主な機能一覧】
・顧客管理
・カルテ、診療履歴
・スタッフごとのマイページ
・スケジュール、予約管理
・統計情報
・WEB管理画面
・在庫管理機能
整体院向けのタブレットPOSレジでは、会計機能に加えて、施術に必要なカルテ管理や予約管理・顧客管理などの機能を搭載しています。また、顧客管理のデータを分析してリピート施策を立てることも可能です。
スタッフごとのマイページを作成できるのも特徴です。カルテや診療履歴と連携させることでスタッフごとの売上・客数を自動集計できるため、成績管理や評価反映にも役立ちます。
整体院向けに特化したUSENレジ HEALTH CAREの機能について詳しくはこちら
クラウドPOSシステムで店舗運営をより便利に
クラウドPOSシステムは、従来のPOSレジと比べてデータのやり取りが格段にスムーズです。スマホやタブレットからいつでも、どこからでもアクセスできるため、高い利便性を獲得できOPの幅を広げられます。
現在では、会計管理など基本的な機能をベースにしつつ、業種ごとに特化した機能を多数搭載したサービスも展開されています。
USENレジシリーズは、飲食店、美容院・サロン、小売店、治療院など特化した業種別のPOSシステムをラインナップしています。店舗に必要な機能を一台のタブレットに集約し一元管理できるため、業務の効率化や顧客満足度向上、集客アップ・リピーター施策の立案など店舗運営全般に活用可能です。導入から運用まで安心のサポート体制を整えておりますので、お気軽にお問い合わせください。