屋外用防犯カメラを設置する際には、設置環境や機種に応じた適切な方法での電源確保が必要です。
本記事では、防犯カメラの電源確保方法や設置時の注意点、必要な資格について詳しく解説します。また、設置工事の依頼が必要なケース・不要なケースについても紹介するので、安全で効果的な防犯カメラの設置にお役立てください。
目次
防犯カメラの給電方法

防犯カメラの給電方法は、設置場所や目的によって最適な選択肢が変わってきます。例えば、屋内では家庭用コンセントから直接電源を取ることができますが、屋外では防水処理や保護ボックスの設置など、より慎重な対応が必要です。
また、設置場所までの配線工事が困難な場所では、バッテリー式や太陽光発電式といった給電方法が適切です。
このように、防犯カメラの設置環境に合わせて適切な給電方法を選びましょう。
防犯カメラの電源の種類

防犯カメラの電源供給方式には、大きく分けて以下の2種類があります。
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電源が不要なタイプ |
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電源が必要なタイプ |
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設置環境や運用方法に応じて最適な電源タイプを選択することが重要です。
電源が不要なタイプ
電源工事が不要な防犯カメラには、乾電池式、ソーラーパネル式、充電式バッテリーの3種類があります。以下ではそれぞれの特徴を解説します。
乾電池式
乾電池式の防犯カメラは、一般的な乾電池を電源として使用するタイプです。電池交換で継続的な使用が可能で、設置場所を選ばないのが利点。乾電池式の防犯カメラの一つとして、動体検知機能を搭載したトレイルカメラがあります。トレイルカメラでは、動きを感知した時だけ撮影するため、電池の消費を抑えられます。
このタイプは、設置が簡単で場所を選ばない利点がありますが、SDカードを内蔵しているため、カメラごと盗まれると記録した映像も失われてしまう点には注意しましょう。
ソーラーパネル式
ソーラーパネル式の防犯カメラは、太陽光を電力に変換して動作するタイプです。電池交換が不要で、日中は太陽光で発電し、夜間は日中に蓄えた電力で動作します。
ただし、日照時間の影響を受けるため、設置場所の選定が重要です。また、落ち葉やほこりによる発電効率の低下を防ぐため、定期的な清掃も必要になります。
充電式バッテリー
充電式バッテリーを内蔵したタイプの防犯カメラも、電源が不要です。USB端子やACアダプターで充電でき、繰り返しの使用が可能です。モバイルバッテリーでの給電にも対応し、給電しながらの撮影ができる機種もあります。バッテリー容量には制限がありますが、コンセントのない屋外や、工事が制限される賃貸物件でも手軽に設置できます。
電源が必要なタイプ
防犯カメラの電源供給方式で電源が必要なタイプには、以下の3種類があります。
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ACアダプターによる一般的な給電方法
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同軸ケーブルを利用するPoC給電
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LANケーブルを使用するPoE給電
設置場所の条件や既存の配線設備によって、最適な方式を選択することが大切です。
ACアダプターによる給電方法
ACアダプターによる給電は、一般的なコンセントから電源を供給する方式です。屋内での使用はもちろん、防水コンセントがあれば屋外設置にも対応できます。
無線LAN対応の防犯カメラと組み合わせると、電源ケーブルだけを配線すれば良いため、レイアウトの自由度が高く、設置後の移設も容易です。ただし、無線LAN対応ではない従来の防犯カメラの場合、電源ケーブルに加えて映像信号用の通信ケーブルも配線する必要があります。
PoE給電による方式
PoE(Power over Ethernet)給電は、スマートフォンの充電と通信を1本のケーブルで行えるのと同じような仕組みで、LANケーブル1本で映像データの伝送と電力供給を同時に行えます。
オフィスビルなど既にLANケーブルが敷設されている環境では、その配線を活用できるため、新たな電源工事が不要となります。また、ケーブルの本数が少なくて済むため、配線がすっきりとまとまり、見た目も美しく仕上がります。
PoC給電による方式
PoC(Power over Coaxial)給電は、テレビアンテナのケーブルのような太めの同軸ケーブルを使用する方式で、このケーブル1本で電力供給と映像伝送を行えます。
アナログ防犯カメラシステムからの入れ替えの際、建物に張り巡らされている既存の同軸ケーブルをそのまま活用できるため、防犯カメラの設置に際して天井や壁に新たな穴を開けたり配線工事をしたりする必要がありません。
防犯カメラの電源確保方法と設置場所別のポイント

防犯カメラの設置場所が屋内か屋外かによって、適切な電源確保の方法が異なります。
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設置場所 |
電源確保方法 |
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屋内 |
コンセント給電(無線LAN) |
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屋内 |
ネットワークケーブル給電(PoE) |
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屋外 |
窓・ドアの隙間配線 |
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屋外 |
エアコンダクト利用 |
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屋外 |
壁面穴あけ工事 |
以下では、それぞれの電源確保方法と設置場所別のポイントを解説します。
屋内設置時
屋内での設置では、部屋に備え付けのコンセントを利用できるため、電源の確保が容易です。無線LANに対応した防犯カメラであれば、設置場所の近くのコンセントに接続するだけで運用を開始できます。一方、ネットワークケーブルでの給電が必要なカメラを選択した場合は、配線工事が必要となります。
屋外設置時
屋外に防犯カメラを設置する際は、防水性能を備えた専用機種を選択する必要があります。また、電源ケーブルも防水仕様のものを使用し、コンセントボックスで雨水から保護するなど、天候への対策が不可欠です。以下では、ケース別の設置方法の詳細を解説します。
窓やドアの隙間に隙間ケーブルを通す
隙間ケーブルとは、窓やドアの隙間から電源ケーブルを通して使用する変換ケーブルになります。
隙間ケーブルを通す方法は、専門的な工事が不要で手軽に実施でき、薄型設計の隙間ケーブルであれば窓やドアの開閉を妨げることなく配線が可能です。ただし、建物の外観を損なう可能性があるため、ケーブルの配線ルートは慎重に検討しましょう。
既存のエアコンダクトの隙間からケーブルを通す
エアコンが設置済みの場合、そのダクトの隙間を利用して電源ケーブルを外部に引き出せます。化粧カバーを外してケーブルを通すだけのため、大掛かりな工事は不要です。設置時には、壁面に露出するケーブルは配管カバーで保護することで、見た目にも配慮した設置が可能です。
壁面穴あけ工事により配線する
他の方法が使えない場合は、壁面に穴をあけて配線する方法もあります。この方法では、穴の位置や大きさ、防水処理など、専門的な知識が必要です。また、建物の構造に影響を与えないよう、施工箇所の選定には細心の注意が必要となります。美観を損なわず、かつ安全な設置のため、専門業者へ依頼しましょう。
防犯カメラを屋外に設置する場合の注意点

屋外に防犯カメラを設置する際は、機器の耐久性や通信の安定性に注意が必要です。以下では、それぞれの詳細を解説します。
風雨による故障に注意する
屋外環境では、雨風による機器の故障リスクが高まります。特に、屋内用カメラを屋外で使用すると、防水性能が不足しているため、内部に水が浸入して電子基板が腐食し、故障する可能性があります。また、湿気による結露も機器の寿命を縮める原因となるでしょう。
そのため、防水性能と防塵性能を備えた屋外専用カメラを選定することが大切です。具体的には、防水・防塵性能を示すIP規格で、IP65以上の性能を持つものを選びましょう。また、設置場所は雨風に直接さらされない軒下や壁面を選び、さらに雨よけカバーの取り付けも検討するとよいでしょう。
ケーブルの劣化に注意する
屋外では、雨風や直射日光によってケーブルが劣化するリスクがあります。ケーブルの被覆が劣化すると、内部の配線が露出して漏電や断線の原因となります。また、地面に這わせた配線は、人や動物による踏みつけ、ネズミなどの害獣による噛み切りの被害も懸念されます。
このような問題を防ぐため、耐候性のあるケーブルダクトでケーブルを保護することが大切になります。特に、金属端子が露出するコネクタ部分は優先的に防水処理を行い、接続部分に防水テープを巻くなどの対策が必要です。また、地面配線を避け、できるだけ壁面や軒下を通すルートを選定しましょう。
配線不要のWi-Fi対応防犯カメラでも、安定した運用には設置工事が推奨される
Wi-Fi対応の防犯カメラは配線工事が不要に思えますが、屋外設置では注意が必要です。カメラとルーターの間に壁があると電波が遮断され、映像が途切れたり画質が低下したりするおそれがあります。また、雨天時には電波の減衰が起こり、接続状態がさらに悪化することも。
そのため、安定した映像品質を維持するには、配線工事による設置がおすすめです。電源と通信用の配線を同時に行うことで、天候に左右されない安定した通信が可能になります。
防犯カメラの電源工事・DIYには資格が必要か?

防犯カメラの設置・工事は、作業内容によって必要な資格が異なります。以下では、資格が不要なケース、必要なケースを解説します。
資格が不要な場合
既存のコンセントに電源プラグを差し込むだけの設置作業であれば、特別な資格は必要ありません。例えば、玄関先の軒下にあるコンセントを利用して防犯カメラを設置する場合や、屋内のコンセントから電源を取る場合は、DIYでの設置が可能です。
ただし、資格が不要とはいえ、以下のような対策が必要な点には注意が必要です。
防水対策:屋外設置の場合、コンセントやケーブル接続部分への雨水侵入を防ぐ
配線:ケーブルの垂れ下がりや引っ掛かりによる事故を防ぐため、適切な固定をする など
資格が必要な場合
ブレーカーやコンセントの配線に関わる作業には、「第二種電気工事士」の資格が必要です。例えば、防犯カメラを設置したい場所の近くにコンセントがなく、新たにコンセントを増設する場合や、既存のコンセントの位置を移動させる場合が該当します。
これはたとえ自宅での工事であっても例外ではなく、法律で定められた電気工事士の資格が必須となります。無資格での電気工事は法律違反となり、事故の原因にもなるため、必ず有資格者に依頼しましょう。
防犯カメラの屋外設置は、プロに任せるのがおすすめ

防犯カメラの設置は、専門知識を持つプロの設置業者に依頼するのがおすすめです。以下では、その理由を見ていきましょう。
安全かつ効果的な設置をしてもらえる
防犯カメラの設置位置や角度は、防犯効果を左右します。カメラの死角をなくし、必要な範囲を確実に監視できるようにするには、設置場所の環境や建物の構造を考慮した専門的な判断が必要です。
プロの業者は、長年の経験から培った専門知識を活かし、最適な設置位置や角度を提案できます。例えば、日光の反射や夜間の照明の影響を考慮した配置など、一般の人では気付きにくい細かな点まで配慮した設置が可能です。
カメラ設置後の運用方法についてサポートを受けられる
防犯カメラの効果を最大限に発揮するには、適切な運用体制の構築が欠かせません。プロの業者は、機器の設置だけでなく、運用方法や管理体制についても実践的なアドバイスを提供できます。
例えば、録画データの保存期間の設定や、不審者を発見した際の対応手順など、具体的な運用ルールの策定をサポートしてもらえます。専門家の知見を活かした運用体制を整えることで、より効果の高い防犯ができます。
防犯カメラの設置を依頼できる専門業者の種類

ここでは、防犯カメラの設置を依頼できる代表的な業者の特徴を解説するので、防犯カメラ設置時の参考にしてください。
防犯カメラ専門店(ベンダー)
ベンダーは、自社メーカー・他社メーカーの防犯カメラを取り扱う事業者です。豊富な製品知識を持ち、設置場所の環境や目的に応じた最適な機種の選定をサポートしてくれます。また、電気工事士の資格を持つスタッフを抱えているベンダーであれば、法令に基づいた設置ができるのはもちろんのこと、効果的な設置位置や角度などを考慮した上で設置工事を代行してもらえます。ただし、販売に特化しており設置工事を行わないベンダーもあるため、事前の確認が大切です。
警備会社
警備会社では、ホームセキュリティ契約の一環として防犯カメラを提供するケースが一般的です。防犯カメラで異常を検知した際の警備員の駆けつけなど、総合的な防犯サービスを受けられる点が特徴です。建物全体の防犯を希望する場合に適していますが、月額料金などの費用は比較的高額になります。
家電量販店
家電量販店は、店頭で実物の防犯カメラを確認でき、複数メーカーの製品を比較検討できる点が魅力です。また、家電量販店のポイントが獲得・利用できる点も利点です。店舗にもよりますが、購入から設置工事までを一括で依頼できることもあります。
ただし、家電量販店では自身の判断で購入することになるため、購入した製品が設置したい場所や使用したい用途に適合しない可能性があります。
電気工事業者
電気工事業者は、電気工事のプロとして、確実で安全な設置工事が期待できます。配線処理も美しく行われるため、設置後の見栄えも良好です。また、電気工事士の資格を持つスタッフが対応するため、安心して依頼できます。ただし、防犯カメラ本体はベンダー等から別途購入が必要となる点には注意しましょう。
防犯カメラの屋外設置はUSENがおすすめ!

防犯カメラベンダーであるUSENは、屋外に適した防犯カメラを取り扱っており、利用環境に適した機種の提案から設置工事まで対応できます。
防犯カメラの設置工事は自社のエンジニアが担当します。多数の施工実績を持つプロのスタッフが、施設の特性や設置環境を考慮しながら丁寧に工事を行うため、お客様自身で施工業者を探す手間もかかりません。さらに、導入後のサポート体制も万全です。
▼万全のサポート内容
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導入前の不安解消をサポート:経験豊富なスタッフが機器選定など、お客様に寄り添って対応
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設置・工事の不安解消をサポート:専門スタッフが高品質な施工を提供
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導入後の不安解消をサポート:24時間365日の電話サポート
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故障時の不安解消をサポート:全プランにかけつけ出張保証が標準でセット
料金プランは、月額料金を抑えたい方のための機器販売プランと初期費用を抑えたい方のためのレンタルプランをご用意しています。環境・ご状況に合わせて最適なプランをご提案するので、まずはお気軽にご相談ください。

