「従来の防犯カメラシステムでは管理が煩雑で非効率的だと感じている」「複数台のカメラを効率的に管理し、セキュリティを向上させたい」と考えている経営者や施設管理者も多いのではないでしょうか。
NVR(ネットワークビデオレコーダー)は、従来のDVRシステムと比較して、より高度な機能を有しており、効果的で簡便な防犯カメラシステムの構築に有用です。
本記事では、NVRの特徴や導入メリット、そして導入時の注意点について詳しく解説します。防犯カメラシステムの導入や更新を検討されている方々にとって、有益な情報となるはずですので、ぜひ最後までお読みください。
目次
防犯・監視カメラに必要なNVR(ネットワークビデオレコーダー)とは
NVRは、IPカメラで撮影されたデジタル映像をネットワーク経由で受信し、保存・管理する機器です。高画質で映像を記録でき、リアルタイムの視聴や遠隔アクセス、動体検知などの機能も備えているため、防犯目的で広く使用され、ビジネスシーンや公共施設での導入が増えています。
ここからは、従来のDVR、VMSと比較してどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
なお、NVRに加えて、IPカメラやネットワーク機器、モニター、ストレージといった関連機器も含めて「NVRシステム」と称されることもあります。
DVR(デジタルビデオレコーダー)との違い
DVR(デジタルビデオレコーダー)とNVR(ネットワークビデオレコーダー)には、大きく分けて、使用するケーブル、録画した映像の保存方法、映像の画質の面で大きな違いがあります。
DVRは主に同軸ケーブルを使用し、アナログ信号をデジタル変換して保存します。一方、NVRはネットワークケーブルを使用し、IPカメラからのデジタル信号をそのまま録画できるのが特徴です。この違いにより、NVRはより高画質な映像を効率的に処理し、保存できます。また、NVRはネットワーク経由でのアクセスや管理が容易なのも特徴です。
VMS(ビデオマネジメントソフトウエア)との違い
VMS(ビデオマネジメントソフトウエア)とNVR(ネットワークビデオレコーダー)は、どちらもネットワークを通じて監視カメラの映像の録画や記録、管理を行える点は共通していますが、いくつかの相違点もあります。
VMSは、複数のカメラやセンサーからの映像や情報を統合管理するソフトウエアで、主にサーバー上で動作します。そのため、ソフトウエアであるVMSを利用する際には、サーバーが必須です。一方、NVRはハードウエアとソフトウエアが一体となった機器であるため、NVR単体でも動作します。
NVRの6つのメリット
NVRの導入は、防犯に多くの利点をもたらします。ここでは、NVRを使用することで得られる6つの主要なメリットについて詳しく解説します。
好きな場所からモニタリングできる
パソコンやスマートフォンからインターネット経由でNVRにアクセスできるため、オフィスや自宅、外出先など、どこからでも監視カメラの映像をリアルタイムで確認できます。そのため、問題が発生した際には即座に状況を把握し、迅速な対応が可能になります。
また、外出中でも施設や店舗の状況を随時チェックできるため、安心感を得られるのも利点です。
設定不要で、購入後すぐに使用できる
使いやすさもNVRの魅力の一つで、多くのNVR製品は、ユーザーフレンドリーな設計により、専門知識がなくても簡単に導入・運用できるようになっています。
まず、NVRには必要なソフトウエアがあらかじめ内蔵されているため、複雑な初期設定作業が不要です。電源を入れるだけで、すぐに使用を開始できる製品も多くあります。また、接続もシンプルで、LANケーブル1本で監視カメラとNVRをつなぐだけで動作する製品が主流です。この簡便さにより、NVRでは設置時間と労力を大幅に削減できます。
さらに、システムの拡張性が優れているのもNVRの利点です。多くのNVRシステムは、監視カメラやハードディスクの増設が容易に行えるよう設計されています。そのため、初期投資を抑えつつ、必要に応じて段階的にシステムを拡張していくこともできます。
多様な用途で使える
NVRの用途は、単なるセキュリティ対策にとどまりません。その柔軟性と高機能性を活かし、さまざまな分野での活用が可能です。例えば、店舗や商業施設では、顧客の動線分析やヒートマップ作成などのマーケティングデータとしても活用できます。それにより、来店者数の把握や人気エリアの特定などが可能です。
映像が高画質である
NVRは、ネットワークカメラから送信される高解像度のデジタルデータを、ほとんど劣化させることなく直接録画する仕組みです。そのため、従来のアナログシステムでは難しかった、鮮明な映像の録画ができます。
高画質な映像は、セキュリティ面でも役に立ちます。例えば、事件や事故が発生した際に、人物や車両のナンバープレートなどの鮮明な映像が残っていることで、調査や問題解決に大きく貢献するでしょう。
コストを抑制できる
近年では古いアナログカメラの配線をそのまま利用したIPカメラの設置が可能な機器があります。このため、工事費用を抑えて高画質な最新カメラをご利用いただくことも可能です。
また、NVRはパッケージ化されて提供されることが多いです。カメラ、録画装置、管理ソフトウエアなどが一体となっているため、個別に機器を購入・設定する手間とコストを省けます。
さらに、NVRはネットワークを利用するため、配線工事も不要です。この点も、設置コストや工期の削減につながります。
NVRを導入する際の注意点
NVRの導入は多くのメリットをもたらしますが、いくつかの注意点も存在します。ここでは、NVR導入時に考慮すべきポイントについて解説します。適切な製品選定と運用をする上で、ご参考にしてください。
高機能な場合はコストが高くなる
NVRシステムは、多くの場合パッケージ化されているため、個別にシステムを構築するよりも導入コストが低くなる傾向があります。しかし、要求される機能によっては、予想以上の費用がかかる可能性もあります。
例えば、大量のデータを長期間保存したい場合や、高度な分析機能を求める場合は、大容量のストレージや高性能なプロセッサーが必要となり、コストが高くなりやすいです。
また、高解像度や特殊機能を持つカメラを選択する場合、カメラ自体の価格に加え、それらのデータを効率的に処理・保存するために、より高性能なNVRが必要になる可能性があります。
セキュリティ対策が不十分な環境では、ハッキングされる恐れがある
NVRは、ネットワークを介してデータを送受信するため、適切なセキュリティ対策を講じないと、ハッキングのリスクにさらされる可能性があります。悪意のある第三者がシステムに侵入すると、監視カメラの映像や録画データが不正にアクセスされ、深刻な情報漏えいにつながる恐れがあります。
こうしたリスクを軽減するためには、強力なパスワードの設定や、ファイアウォールの適切な設定、定期的なソフトウエアアップデートなどのセキュリティ対策が不可欠です。また、暗号化通信の利用やアクセス制御の徹底なども重要です。
故障のリスクがある
NVRでHDDを使用する場合、経年劣化による故障のリスクも考慮する必要があります。HDDの信頼性は使用時間とともに低下する傾向があり、一般的には3~5年程度で故障のリスクが高まります。HDDの故障は、重要な監視データの損失につながる可能性があるため、定期的なバックアップなどの対策が重要です。
故障のリスクを踏まえて、クラウド型の記録装置を検討するのもよいでしょう。クラウド型では、データがインターネット上のサーバーに保存されるため、ローカル型のHDDのように故障する心配がありません。また、クラウドサービスは通常、自動バックアップが可能なため、データ損失のリスクも大幅に低減されます。
しかし、クラウド型とローカル型のどちらが適しているかは、企業のセキュリティ要件や予算などによって異なります。自社の利用環境や目的に最適なソリューションを選択するためには、USENカメラのようなベンダーに相談するのがおすすめです。USENカメラでは、お客様の利用環境や目的に適したタイプの提案が可能です。
防犯カメラに適したNVR選定のポイント
ここでは、適切なNVRを選ぶためのポイントについて解説します。以下の要素を考慮することで、より効果的で負担の少ない防犯システムを構築できるでしょう。
防犯カメラの設置台数を確認する
NVR製品には、接続できるカメラの数に制限があり、これは「チャンネル数」として表されます。例えば、4チャンネルのNVRは最大4台のカメラを接続できます。
なお、設置する際には、現在の設置予定台数だけでなく、将来的な拡張も考慮して選択しましょう。例えば、現在4台のカメラを設置予定であっても、将来的に増設の可能性がある場合は、8チャンネル以上のNVRを選んだ方が望ましいでしょう。
防犯カメラの運用方法・目的を明確にする
24時間の連続監視と時間限定の監視では、必要な録画容量が大きく異なります。例えば、営業時間のみの監視であれば、24時間にわたる監視の必要はなく、時間限定の監視の方が適切です。監視時間を限定することで、必要な容量を抑えられます。
また、データの保管期間も重要な要素です。法的要件や社内規定に基づいて、どの程度の期間データを保存する必要があるかを確認し、それに応じた容量を確保するとよいでしょう。
このように、防犯カメラの運用方法・目的を明確にして、録画設定を最適化することで、自社に最適なNVRの選定と円滑な運用が可能になります。
防犯カメラとの互換性を確認する
NVRと防犯カメラの互換性は、システムの安定性を左右します。異なるメーカーの製品を組み合わせる場合、互換性の問題が発生しやすい点には注意しましょう。互換性に問題があると、機器を利用できません。
この問題を回避するためには、カメラとNVRをセットで購入することが重要です。セット購入により、互換性が担保され、スムーズな導入と運用が可能になります。
また、既存のカメラがある場合には、新しいNVRとの適合性を考慮しましょう。既存カメラの仕様や規格を確認し、それと互換性のあるNVRを選択することで、問題なく運用できます。
NVR・防犯カメラは、USENカメラがおすすめ!
NVRと防犯カメラの選択は、セキュリティシステムの効果を左右します。適切な機器選定や互換性の確保、そして将来の拡張性を考慮するようにしましょう。
NVR・防犯カメラにお悩みの場合は、USENカメラがおすすめです。USENカメラでは、カメラとNVRの両方を取り扱っており、自社の環境に最適なシステムを提案できます。また、録画保存方法の柔軟性に強みがあり、ローカル録画とクラウド録画の両方から選択でき、それぞれの利点を考慮した最適な提案も可能です。
さらに、万全のサポート体制も魅力です。24時間365日の電話サポートに加え、日本全国で対応可能な技術スタッフによる設置工事の代行も行っています。特に、防犯カメラの設置には専門性が必要ですが、プロが最適な設置場所に設置してくれるため、効果的な運用が期待できます。
以下では、USENカメラが取り扱うNVR・カメラの一例をご紹介します。
IPカメラ(レコーダー録画)セット
「映像の劣化を防ぎたい」とお考えの方には、IPカメラ(レコーダー録画)セットがおすすめです。
NSK製の高品質な屋内ネットワークカメラとNVRが組み合わさり、クリアで詳細な映像を長期間にわたり記録できます。赤外線照射機能を有しているため、低照度でも高い視認性を確保できます。また、LAN配線が最大80mまで対応している点や、遠隔監視を行える点も魅力です。
ネットワークレコーダーは、PoE給電対応でカメラへの電源供給や、HDMI/VGA 同時ビデオ出力ができます。また、フルHD対応の21.5インチ液晶モニターで、映像も鮮明な画質で確認できるなど、効果的な防犯システム構築に必要な機能が揃っているのが同セットの特長です。
NEXTクラウドビュー
「映像のバックアップをしつつ、高画質の映像を記録したい」「初期費用を抑えたい」とお考えの場合には、「NEXTクラウドビュー」がおすすめです。
NEXTクラウドビューでは、高品質な映像をクラウド上に安全に保存できます。リアルタイムの映像確認だけでなく、過去の映像を簡単に再生することも可能です。また、パソコンやスマートフォンを使って、どこからでもカメラ映像にアクセスできるので、遠隔監視もスムーズに行えます。
さらに、録画プランも柔軟に選べるため、コストを抑えつつ自社に必要な期間だけ映像を保存できます。
費用が安価なのも魅力で、施工費用として1台目3万円~、2台目以降1万円の初期費用で設置が可能です。また、レンタル費用は契約月は0円、それ以降は1,700(7日間録画)〜3,000円(60日間録画)となっているため、初期費用を抑えたい場合に特におすすめです。