夜行バスは、安価で遠距離への移動が可能な交通手段として、若者を中心に利用されている交通手段です。それらのバスに近年、監視カメラの設置が進められていることは御存知でしょうか。
夜行バスへの監視カメラの設置には、様々な要素が絡んでいて、今では乗務員と乗客の両方の安全を守るために必要視されています。
今後、夜行バスを運行する場合は、バスに設置できる監視カメラの重要性を把握し、乗客に安心してバスを利用してもらうことが大切です。
この記事では夜行バスへの監視カメラ設置に関して、設置場所や、乗客目線での注意点を元にしたカメラの重要性を解説します。
目次
どうして監視カメラ(監視)の設置が進められているのか?
監視カメラの設置は、バス内で想定される様々な防犯対策として進められています。
そのため、夜行バスだけでなく、街中を走行する路線バスも含めたほとんどのバスで、カメラの設置が進められています。
ここからは、バスに監視カメラが設置される3つの理由について紹介します。
バス運転手が安全運行しているかを確認するため
監視カメラが設置されている理由の1つが、バス会社が乗務員の様子をチェックするためです。
バスは多数の乗客を乗せて運行している車であるため、乗務員には特に安全な運転が求められています。スピードの超過や急ブレーキの連続も該当しますが、もっと重大な危険行為として想定されているのが、居眠り運転やスマホを使いながらの運転です。
安全運転を妨げる要因であり、重大事故の原因としても想定されます。乗務員を撮影する監視カメラが設置されるのは、そのような行為に乗務員が及ばぬよう、監視の目を設置するという目的があってのことです。
後で会社が確認するという意識があれば、危険な運転の抑止になります。
事故を含むトラブルの記録を残すため
バスの運行中に発生した事件や事故の様子を記録することも、監視カメラの大切な役割です。
走行中に発生した事故の原因を究明するためには、発生当初の状況が正確に分かる記録を必要とします。
乗務員の過失による事故であれば、なぜ事故が起きたかを把握しなければならず、相手がいる事故なら、過失割合などを明らかにするためにも原因の究明が必要です。
そのためのツールとしてカメラが利用できます。また、バスの車内で発生した乗客同士のトラブルに関しても、車内で起きた出来事を後から確認して原因を把握するためにカメラの映像が必要です。
乗客の安全確保のため
乗客の安全確保のためにも監視カメラは役に立ちます。特に夜行バスにおいて、乗客の荷物を狙った窃盗や、女性の乗客を狙った性犯罪への対策に有効です。
監視カメラによって監視されていることを周知しておけば、後で捜査されれば確実に警察の捜査の手が及ぶことになるという意識が強まります。
この意識は、監視カメラを目の前にした犯罪を抑止する効果も見込めるため、乗客の安全確保にも役立つばかりではなく、安心して乗れるバスとして利用してもらうために防犯対策をしているという、強いアピールにもつながります。
バスに防犯・監視カメラを設置するメリット
バスに監視カメラを導入することは、バスを安全に運行するために役立つだけでなく、さまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、詳しい内容を覚えておきましょう。
犯罪の抑止力になる
バス内で発生する可能性がある、あらゆる犯罪への抑止に監視カメラが有効です。監視カメラは車内で起きた出来事を詳細に記録できるアイテムですから、犯罪捜査における被疑者特定の証拠として役に立ちます。
バスで起きがちな犯罪としては窃盗が挙げられ、夜行バスでは荷物の置き引き、路線バスであればバッグやポケットからのスリなどがありますが、監視カメラではどちらの事件にも対応可能です。
夜行バスでは女性を狙った性犯罪も発生する可能性が高いですが、犯行の瞬間を撮影することで確実な立件へとつなげられます。
こうした犯罪捜査への有効性は広く知られており、監視カメラがあるだけで犯罪を思いとどまらせることも可能です。犯罪の抑止力となることが、バス会社が監視カメラを取り入れるメリットのひとつとなります。
クレーム対策になる
監視カメラは主に乗客を守ることに寄与しますが、それと同様に、乗務員を守るツールとしての有効性も注目されています。
乗務員を脅かす存在が、乗客による理不尽なクレームです。乗務員の運転や対応に問題が無かったにもかかわらず、クレーマーは少しの不満を乗務員の責任に転換させて必要以上に責め立てます。
この時、乗務員の対応に問題が無いことを証明できなければ、バス会社は会社の名誉を守るために何らかの対応をせざるを得ません。そのために役に立つのが監視カメラです。
監視カメラで撮影した映像の確認をほのめかすことで、自分の主張に正当性がないことを理解しているクレーマーは引き下がります。それでも食い下がってくるクレーマーに対しては、映像を証拠にしてバス会社から毅然とした対応をすることができます。
防犯・監視カメラがない夜行バスで被害に遭わないための行動とは
監視カメラなどの安全対策が行われていない夜行バスでは、以下のような犯罪被害が懸念されるため、乗客は安心して利用することができません。
監視カメラによる安全対策を施すなら、まずは乗客がどういったことに注意しながら夜行バスを利用しているかを理解しましょう。
【痴漢被害】女性専用バスの利用をする
夜行バスは、安く都市間を移動したい人や、朝早く遠隔地のテーマパークを利用する人の需要がとても多く、特に若い女性による夜行バスの利用も多いです。そのため、痴漢などの性犯罪被害に対しての安全対策は重点的に注意されています。
犯罪被害を避けたい女性から高い人気を集めているのが、女性専用バスです。1台のバスが全て女性の乗客だけで構成されているバスで、男性客が乗車することはできません。
寝ているさなかに、男性から身体を触られるといった被害を未然に防ぐことができるため、多少割高となっていても利用する女性が増えています。
女性専用シートとの違い
夜行バスの中には、女性専用シートを設定している便もあります。こちらも女性が受ける性犯罪への対策として設定されているものですが、女性専用バスとは同じではありません。
女性専用シートとは、バス内の後方部を女性専用エリアに設定し、女性しか予約できない座席を用意するものです。同じ車内にはなりますが、男女混合で利用できるエリアと、女性しか立ち入れないエリアを完全に分けることができます。
ただし、同じ車内に乗っていることにはなりますから、女性専用バスと比較すると、性犯罪被害を100%防ぐことにはつながりにくいです。
座席に気をつける
夜行バスは、予約の段階で座席を選択できますが、座席表からの情報だけでは隣の席が女性か男性かはわかりません。どちらが隣に座ることになっても平気になるよう、座席は通路側を選ぶことが対策として有力です。
窓側に座った場合、仮に通路側の席に座った人が身体を触ってきた場合、逃げ道が塞がれている状態が数時間続くことになります。こうした状況を避けるためにも通路側の席を選ぶことが有効です。
また、必ず通路に面する構造になっている3列独立シートの便を選ぶことも、逃げ道を確保した座席選びになっています。
【スリ・盗難被害】中身が見えないバッグなどを選ぶ
男女問わず注意が必要な犯罪が、スリや置き引きなどの窃盗です。バス内での盗難の他、休憩で立ち寄ったサービスエリアで乗客を装って乗り込んできた人物による犯行が想定されます。
こうした犯罪から荷物を守る為に重要な対策が、荷物の中身が分からない状態にしておくことです。客室内に持ち込むバッグを選ぶ際はファスナー付きのバッグを選び、それを置いて出歩く際はファスナーを閉めておく意識を持ってください。
ファスナーを開ける動作の有無1つで、窃盗犯に手を出しにくくさせる効果が見込めます。
貴重品はできる限り身につけておく
サービスエリアでの休憩中でも寝ているという人が多いかと思いますが、その間に足下に置いていたバッグがそのまま持ち去られることも考えられます。
中身が見えているとかいないとか、関係無しにそのような被害に遭うことも考えなければなりません。最低限、持ち去られると非常に困ってしまうような貴重品は、肌身離さず持ち歩くような意識が必要です。
ポケットの中か、あるいは斜めがけのポシェットやボディーバッグにまとめて入れておき、寝ている間も手を出しにくいような姿勢を取ることで安心できます。
夜行バスの監視カメラはどこに設置するべき?
バス車内で想定されるトラブルに的確に対応するためには、監視カメラを設置する場所について十分に検討する必要があります。夜行バスで有効な設置場所とその理由について紹介します。
扉(乗客出入り口)付近
監視カメラは、設置している場所を出入りした人物を記録することが大きな役割の1つになります。そのため、バスの出入り口から乗り降りする人物の顔が撮影できるような場所に設置することが必要です。
夜行バスであれば、休憩で立ち寄ったサービスエリアで、乗客以外の人物が出入りした場合の証拠として記録できます。
目立つように設置していれば、侵入を抑止することにも効果的です。その他のトラブルを記録できる可能性が高い場所でもあります。
運賃箱付近
運賃箱を設置している夜行バスであれば、運賃箱付近にも設置しておくようにしましょう。
運賃の支払いにおいては、常に何らかの不正が行われることを想定しなければなりません。そのため、乗客の手元がはっきりと写るような角度で撮影することが重要です。
事前予約と決済が主流になっている夜行バスではあまり出番はありませんが、路線バスとして運行されているバスであれば、一般道を走るタイプも高速道路を走るタイプも、設置の必要性に違いはありません。
車内前方や側面
前方と側面を撮影できる画角であれば、万が一の事故における証拠映像として効力を発揮します。
車体が長い夜行バスでは、事故が発生した時の全容を把握することは困難です。運転手の証言と相手方の証言では不十分なことも多く、仮にバスのドライブレコーダーが備わっていたとしても、撮影できているのが前方だけであれば十分ではありません。
防犯を目的としたカメラが車体側面を画角に入れていれば、全体の状況把握がしやすいです。
運転席付近
運転席付近に設置すると、乗務員周辺で起きる物事の記録と、それに対する適切な対処ができます。
乗務員と乗客のトラブルでは、何が引き金になったのかを把握することで、原因の究明と再発防止などに役立てることが可能です。
乗務員の運転の様子も写すことができれば、居眠り運転や脇見運転の瞬間を捉えることもでき、乗務員の安全運転への意識を高めることにもつなげられます。
監視カメラの設置はプライバシーにも配慮して
監視カメラは、撮影された個人の顔を判別できるように設置することが必要ですが、個人の特定が可能な映像は、個人情報に該当することがあります。そのため、撮影された映像のデータは適切に管理されなければなりません。
映像データの流出や個人情報の流出になる可能性があり、事後対応に追われることになります。
また、撮影に際してもカメラを設置していることやその目的を明確にさせておくことが必要です。乗客への周知がされていないと、プライバシーへの配慮がされていないとして問題になることが考えられます。
高セキュリティ監視カメラは「USEN Camera」
夜行バスにおける監視カメラの設置は、乗客を様々な犯罪から守る為に必要です。
また、乗務員の安全運転徹底や乗務員自身の身の安全を確保することにもつながります。こうした理由から、バス車内への監視カメラ導入はとても有効です。
後付けで監視カメラを設置するなら、「USEN Camera」をおすすめします。シンプルで使いやすいクラウドカメラを導入できるため、時間や場所を問わず映像の確認が可能です。
来店客分析にも使えるカメラもあるため、個人を判別する撮影にも対応し、夜間撮影もできます。ぜひ、「USEN Camera」導入を検討してみてください。
以下より無料相談と資料請求を受け付けています。