ロボット技術の進化に伴い、多くの企業が業務効率化や生産性向上を目指して業務用ロボットの導入を検討しています。しかし、初期投資が大きいことから、導入に踏み切れない企業も少なくありません。そこで注目されるのが、業務用ロボットの導入をサポートする補助金や助成金制度です。この記事では、初心者の方でも理解しやすいように、業務用ロボットへの補助金や助成金の基礎から注意点までをわかりやすく解説します。
補助金や助成金を利用することで、導入コストを抑えつつ、最新のロボット技術を活用することができます。こうした支援策をしっかりと理解し、うまく活用することで、企業の競争力を大幅に高めることが可能です。皆さんも業務用ロボット導入を検討されている場合、この記事を参考にして、最適な補助金を見つけてみませんか?具体的な申請方法、成功のポイントなど、紹介していきます。
目次
業務用ロボットの補助金や助成金とは?基礎から学ぼう
企業が業務用ロボットの導入を検討する目的と、国や自治体が提供する補助金や助成金の目的が合致すれば、補助金・助成金を利用した業務用ロボットの導入が可能となる場合があります。ただし、補助金や助成金は、申請すれば必ず受けられるものではないことを理解しておくことが重要です。ここでは、業務用ロボットにおける補助金や助成金の基本的な情報について解説します。
補助金や助成金の定義と対象となるロボット
補助金や助成金は、企業が業務用ロボット等を導入する際に、国や地方自治体が提供する資金援助のことを指します。補助金や助成金を利用することで、企業は初期投資を軽減しつつ、最新技術を活用した生産性向上を図ることができます。
対象となるロボットは、製造業で使用される産業用ロボットや、物流業で活躍する搬送ロボット、飲食店などで利用される配膳・運搬ロボット、施設で利用される清掃ロボットなど多岐にわたります。
また、AI(人工知能)を活用したスマートロボットや、IoT(モノのインターネット)技術を取り入れた自動化システムも、補助金の適用対象として含まれることがあります。これにより、企業は最新の技術を取り入れた効率的な生産体制を構築することが可能となります。補助金の詳細な条件や対象範囲は、各自治体やプログラムによって異なるため、申請前にしっかりと確認することが重要です。
業務用ロボットが補助金や助成金の対象となった背景と目的
業務用ロボット導入に対し補助金や助成金が対象となった背景には、少子高齢化による労働力不足や、国際競争力の強化が挙げられます。日本の各業界では、労働人口の減少が深刻な問題となっており、効率的な生産体制の構築が急務となっています。そこで、ロボット技術を活用することで、労働力の補完や生産性の向上を図ることが期待されています。補助金や助成金はこのような各業界のニーズに応えるために提供されています。
業務用ロボットへの補助金や助成金の目的は、下記のようなものが挙げられます。
<省力化・業務改善系>
- 人手不足の解消を目的としたもの
- 従業員の労務の軽減を目的としたもの
- 業務の効率化を目的としたもの
<設備投資系>
- 新しい設備の導入を目的としたもの
- DX化推進を目的としたもの
- 地球環境への配慮を目的としたもの
<新事業・事業転換系>
- 新たな事業へのチャレンジを目的としたもの
- 新たな事業への転換を目的としたもの
業務用ロボットへの補助金を活用するメリット
業務用ロボットの導入に際し、補助金や助成金を活用する最大のメリットは、ロボット導入のコストすなわち初期投資の負担を軽減できる点です。業務用ロボットの導入には比較的多額の資金が必要となりますが、補助金や助成金を活用することで、その一部を賄うことが可能となります。また、補助金や助成金を活用することで、最新のロボット技術を導入しやすくなり、企業の生産性向上や効率化に貢献します。
さらに、業務用ロボットの補助金や助成金を受けることで、企業は国や自治体の支援を受けているという信頼感を得ることができ、労働環境の改善に注力していることを自社内や取引先、顧客に対してもアピールすることができます。また、補助金や助成金を活用した導入事例は、他の企業にとっても参考となり、産業全体の技術革新を促進する効果も期待できます。
知っておきたい!これまでにロボット導入時に利用された補助金や助成金をご紹介
ここでは、株式会社USENからロボットを導入いただいた企業様が、どのような補助金や助成金を利用されたのかを一部ご紹介します。ご自身の事業と類似する業態やエリアなどを参考にしていただき、自社に最適な補助金や助成金を見つけて、競争力を高める一助としてください。なお、これらは実際の事例のご紹介となりますが、既に終了しているものや名称が変更となっている場合もありますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
<補助金事例>
- 事業再構築補助金(奈良県/居酒屋) <主管>中小企業庁
- ものづくり補助金(徳島県/カフェバル) <主管>中小企業庁
- 外食産業成長支援補助金(香川県/レストラン) <主管>農林水産省
- 環境に配慮した持続可能な周遊観光促進事業(北海道/ホテル) <主管>観光庁
- 企業変革力強化投資促進事業費補助金(徳島県/焼肉) <主管>徳島県
- 富山県中小企業ビヨンドコロナ補助金(富山県/ラーメン) <主管>富山県
- 小規模事業者持続化補助金(富山県/ラーメン) <主管>中小企業庁
- 生産性向上支援補助金 (愛媛県/居酒屋) <主管>中小企業庁
<助成金事例>
- 業務改善助成金(鳥取県/焼肉) <主管>厚生労働省
- 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(東京都/中華料理) <主管>東京都
- 松山市人材確保・生産性向上チャレンジ事業(愛媛県/旅館) <主管>松山市
- 働き方改革推進支援助成金(沖縄県/レストラン) <主管>厚生労働省
上記のように、話題になりやすい経済産業省(中小企業庁)や厚生労働省などが主体の規模の大きな補助金・助成金に加え、実は各都道府県や市区町村といった各地方自治体でも多くの支援策が募集されています。しかし、施策によっては募集期間や申請期間が短く、大々的な告知が少ないため、見逃してしまうことが多いのが現状です。地域に根差した事業を展開する企業や個人事業主の方は、こまめに情報をチェックすることをおすすめします。
業務ロボットへの補助金や助成金の申請方法と成功のポイント

ここでは、補助金や助成金の申請の具体的な流れや成功への道筋を詳しく解説します。補助金や助成金を最大限に活用するために、必要なステップや注意点を押さえ、申請の成功率を高めましょう。
補助金や助成金申請の流れと注意点
補助金を利用する場合、設備の導入前に補助金申請を行い採択される(審査に通る)必要があります。大まかな流れは下記の通りです。注意点については各制度によって異なりますので、あくまで参考となります。
①導入設備および機器・補助金や助成金の選定
ポイント/注意点:契約や導入行為を先行して行わないこと。
②補助金や助成金の申請
ポイント/注意点:電子申請のための専用アカウントが必要になる場合があります。また、相見積もりが必要になる場合があります。
③補助金や助成金の採択発表・交付決定
④設備及び機器の導入
ポイント/注意点:導入実施期間が定めされている場合があります。
⑤補助金や助成金の交付・受け取り
ポイント/注意点:導入したことを証明する各種書類が必要になります。
まず自社のニーズに合ったロボットと、補助金や助成金の種類を選ぶことから始まります。次に、申請書類の準備が必要です。これには事業計画書や財務諸表、賃金に関する書類など、様々な書類や情報が必要になります。特に事業計画書では、ロボット導入による具体的な導入効果や、経済的なメリットや労務の軽減となる理由を明確に示すことが重要です。
申請書類を整えたら、次は提出期限を守って申請を行います。審査では、計画の実現可能性や、地域経済への貢献度が評価されますので、これらのポイントをしっかりとアピールすることが成功の鍵となります。最終的に、採択された場合は、補助金や助成金の交付を受けるための手続きを忘れずに行いましょう。
申請から交付決定までの期間は補助金や助成金によって異なりますので、その期間を考慮した導入計画が必要となります。
導入設備および機器・補助金や助成金選定のポイント
補助金や助成金の支援を受けるためには、導入設備および機器の契約や導入を事前に行わないことです。必ず採択発表・交付決定後に進めてください。先行契約は補助対象外となる可能性が高いため、十分にご留意ください。
また、企業側の導入目的が、国や地方自治体が設定している補助金や助成金の趣旨と一致していることが求められます。例えば、省人化や生産性向上、労働環境の改善など、具体的なロボットの導入目的が明確であり、それが社会的に意義のあるものであると認められる必要があります。
さらに、補助金・助成金には細かなルールと要件が存在します。採択・交付が目的化し、本来の事業目的を見失ったり、意図せずルールに違反する行為は厳禁です。制度の趣旨を理解した上で、適切な補助金の選択ができるよう心がけましょう。不明な点は事前に確認し、ルール遵守を徹底することが重要です。
申請の際のポイント
補助金申請の際には、いくつかの注意点があります。まず、申請書類の不備がないようにすることが大切です。特に、記入漏れや誤字脱字は、審査においてマイナス評価となる可能性があるため、慎重に確認しましょう。
また、申請期限を過ぎてしまうと、どんなに優れた計画でも無効となってしまいます。申請に必要な計画書や書類作成には時間を要するため、締切に間に合うよう、余裕を持った準備を強く推奨します。
さらに補助金・助成金申請では、専用WEBアカウントの作成が必須であったり、複雑な対象条件の見極めが必要な場合があります。ご自身での申請も可能ですが、士業の方や商工会、民間の申請サポート支援会社に相談するのも有効な手段です。
USENの業務用ロボット導入における補助金・助成金利用サポート
株式会社USENは、業務用ロボットの導入サポートも積極的に取り組んでいます。
飲食店だけでなく様々な業種・業態の企業様の課題にあわせて、配膳・運搬ロボット/重量運搬ロボット/清掃ロボットといった業務用ロボットを数多くのラインナップからご提案させていただきます。
また、補助金や助成金の利用を検討される際には以下の内容を提携先の申請サポート支援会社にてご提案させていただきます。
- 現在、お客様が申請可能な補助金や助成金のピックアップ
- 申請に必要となるアカウント作成のサポート
※現在、GbizIDアカウント作成のサポートを無料で行っております。 - 申請に必要となる事業計画書の作成
- 申請に必要となる各種書類の準備サポート
補助金や助成金についてご不明点やご不安な点がありましたら、USENおよび提携先の申請サポート支援会社と共に解決に向けて積極的にサポートさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
業務用ロボットへの補助金活用のまとめ
補助金申請のプロセスは複雑に感じられるかもしれませんが、申請の流れやポイントを押さえることで、成功への道が開けます。また、申請の際には、よくあるミスを避けるための注意点を確認し、慎重に準備を進めることが重要です。
最後に、業務用ロボットの導入において補助金や助成金を活用することで得られるメリットを最大限に引き出すためには、計画的な導入と継続的な改善が必要です。この記事を参考に、ぜひ積極的に補助金・助成金活用を検討し、企業の成長に繋げていただければ幸いです。


