固定電話を置かない世帯も増えていますが、飲食店などの店舗ビジネスでは必須のアイテムと言っても過言ではありません。これから開業する予定なら、開通に必要な費用や期間が気になっている場合もあるでしょう。今回はそのような人に向けて、固定電話の開通に関する情報を紹介し、導入の際に注意したほうが良いポイントも解説します。
目次
まずは知っておきたい電話回線の種類
一口に固定電話と言っても、使用する電話回線には複数のタイプがあります。かつてはアナログ回線が定番でしたが、IT技術の発展と普及によって多様化が進みました。それぞれ開通方法が異なりますし、そのほかにも特徴があるので、どのような種類があるのか把握しておきましょう。アナログ回線にはダイヤル式とプッシュ式があり、いずれも名前のとおりアナログ信号を送受信する回線です。1回線で同時に行えるのは1通話のみですが、安定性が高くて災害時にも強いという特徴があります。
ISDN回線はデジタル回線とも呼ばれており、通話時に送受信するのはデジタルデータです。特徴としては、音質がクリアであることや単一の電話番号で複数の回線を使えることが挙げられます。デジタル化によって盗聴されにくくなる点もメリットのひとつです。また、光回線もデジタル回線の一種ですが、こちらは光の点滅を用いて送受信することが特徴となっています。光ファイバーケーブルを使用するため、通信のスピードは非常に速いです。さらに、比較的新しく登場したサービスとして、インターネット回線を使用するタイプもあります。IP電話という名称で、費用を抑えやすい傾向があることや電話番号が「050」から始まることなどが特徴です。
電話回線を開通させるまでの流れ
アナログ回線を選択するなら、電話加入権を取得することが開通に向けてのスタートになります。とはいえ、自分で電話局とやり取りするのではなく、開通をサポートしてくれる代理店に問い合わせることが一般的です。これはアナログ回線以外の場合も同様であり、代理店に事情を伝えて相談したうえで、自分に合ったプランの提案を受けます。プランが決まれば必要書類の送付といった手続きを案内してくれるので、それに従う形で抜けなく進めていくと手配は完了です。
その後に、手配の内容に沿って開通のための工事が行われます。ただし、普通はその日のうちに行われないので、すぐ電話を使えるようにはなりません。工事にかかる期間は予約の混み具合や種類によって異なりますが、アナログ回線の場合は基本的に1週間程度です。一方、IP電話に関しては、インターネット回線の状況によって期間が大きく変わる可能性もあります。インターネット回線がすでに開通済みであれば、1週間くらいで使えるようになるでしょう。しかし、まだ通っていないならプロバイダの契約なども行うため、もっと日数がかかります。1カ月は必要だと想定しておいたほうが無難です。
電話回線にまつわる費用について
アナログ回線に必要な新規の電話加入権は、1回線あたり3万6000円(税抜)です。それを契約する回線の本数分だけ支払うことになります。一方、中古のアナログ回線も売買されており、そちらから選択すればもっと安く入手することも可能です。そのほかに節約する手段として、電話加入権をレンタルで済ませる方法が挙げられます。具体的には、NTTが提供している「加入電話・ライトプラン」であり、これなら購入費用は一切かかりません。しかし、買う場合と比べると、月々の使用料が若干高くなる点に気をつける必要があります。
IP電話の場合は電話加入権が不要です。ただし、インターネット回線が不可欠であり、プロバイダとの契約料をはじめとして、ルータのような通信機器にかかる費用も計算に入れなければなりません。なお、電話本体などの基本的な機器はどの種類の電話回線でも用意することになります。工事が必要な場合に費用がかかる点も共通で、金額はさまざまな要因によって変わりますが、特に影響が大きいのは店舗内における施工の有無です。基本的な工事だけで足りない場合は、そのぶんだけ金額が上がることを理解しておきましょう。
店舗が電話回線を開通させる時の注意点
店舗での開通は一般的な個人宅のケースとは勝手が異なります。そこで、特に注意しなければならない点を以下に説明します。
時間と費用の余裕を確認
開店までの作業は多岐にわたるため、なかなか固定電話のことにまで気が回らないケースもあるでしょう。しかし、開通には工事を要することも多く、申し込みが遅くなりすぎるとオープンに間に合わないおそれがあります。電話を使えない状態だと席の予約を受けられないため、集客の面で大きな支障が出かねません。テイクアウトやデリバリーも実施する予定なら、それらの注文を受けられないことも経営の不振につながります。以上のリスクを回避したいなら、時間の余裕を確認しながら開通に取りかかることが大事です。また、プランなどの選択では、開業時の初期費用だけでなく、オープン後のランニングコストも十分に考慮しなければなりません。
インターネットとあわせて考える
店舗の通信手段を準備するにあたり、固定電話回線の開通と同時にインターネット回線の利用も検討することが多いでしょう。まだインターネットによる集客を視野に入れていない場合でも、基本的にはインターネット回線も開通させておきたいところです。インターネットの環境があるとPOSシステムを導入しやすくなり、紙の帳簿を使う場合より売上や給与などの管理を効率化しやすくなります。もちろん、状況に応じて店舗のホームページを開けますし、SNSの運用が容易になることもメリットです。固定電話回線とインターネット回線は、契約や工事を一括で行えるケースもあるため、同時に開通させる方針で臨むと手間を省きやすいでしょう。
店舗がネットと電話を導入するなら「USEN PHONE」
「USEN AIR」のオプションサービスである「USEN PHONE」は、店舗にインターネットと固定電話を導入したい人にとって有力な候補と言えます。その理由となる特徴を以下に挙げるのでチェックしましょう。
「USEN PHONE」とは?何が魅力なの?
「USEN PHONE」は、店舗の通信サービスである「USEN AIR」のオプション機能です。契約すると、市外局番を利用できる専用スマートフォンを提供してもらえます。通信端末をコンセントに挿すだけで、すぐ利用できるので非常に便利です。つまり、工事の必要はありませんし、電話加入権がなくても問題ないため、それらにかかる費用をカットできます。さらに、通話料が安いこともメリットであり、ランニングコストの節約に打ってつけです。また、IP FAXサービスも利用可能です。プリンターとの連携をはじめとして機能面がとても充実しています。
「USEN AIR」とは
「USEN AIR」は店舗向けのWi-Fiであり、工事が不要なので即日の利用が可能です。USEN PHONEを使うために通信端末をコンセントに挿すことで、USEN AIRもすでに使用できる状況になっています。これだけでインターネットの環境を構築できるため、店舗にPOSレジや電子決済を効率よく導入したい場合に最適です。USEN AIRはUSEN PHONEの使用も想定したサービスであり、両者の相性はとても良いので、これらを組み合わせて活用していくことで店舗の通信面を安定させられます。
固定電話とネットを開通して安定した通信環境・経営を
この情報化社会で店舗を経営していくなら、安定した通信環境を設けることはとても大切です。多くの店で固定電話回線は必須ですし、インターネット回線も不可欠といわれる存在になってきました。両者をしっかり用意しておけば、顧客とのスムーズなコミュニケーションや多様なツールの活用が可能になります。すなわち、通信環境の良し悪しが、経営の安定化にも大きく影響するということです。それらの整備を優先度の高い項目として認識し、最初の段階で万全な状態にしておきましょう。