閉店の定番BGMは「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」という曲だった

閉店の定番BGMは「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」という曲だった

2025年10月31日

多くの商業施設や居酒屋、特に大きなお店で閉店間際に聞くことの多いBGM「蛍の光」。閉店のBGMとしてよく浸透している「蛍の光」ですが、本当の曲名は「別れのワルツ」と言います。なぜ曲名が間違って浸透しているのかについては、その歴史を紐解いてみると明らかに。今回は「別れのワルツ」が生まれた経緯、この定番の閉店BGMを聞くとなぜ帰りたくなるのかについてご紹介します。

目次

  1. 1. 誰もが知る閉店BGMが誕生して浸透するまで
    1. 「蛍の光」
    2. 「別れのワルツ」
  2. 2. 「別れのワルツ」を聞いて帰りたくなるのはなぜか?
  3. 3. 閉店BGMとして「別れのワルツ」を流すメリット
  4. 4. まとめ|閉店BGMのポイントをQAで確認
    1. 閉店BGMとして「別れのワルツ」を使われる理由は?
    2. 「蛍の光」と「別れのワルツ」はどう違うの?
    3. 「別れのワルツ」を流すメリットは?
  5. 5. みんなが知っているBGMを活用しよう
    1. 店舗BGMなら「USEN MUSIC」がおすすめ

誰もが知る閉店BGMが誕生して浸透するまで

商業施設の閉店BGMとして広く知られている「別れのワルツ」と、その曲名として勘違いされている「蛍の光」は、実は別の楽曲です。この2曲はともに同じ原曲からアレンジされて生まれた曲であり、別々の歴史をたどった上でどちらも日本に浸透しました。原曲が同じであるため、「別れのワルツ」と「蛍の光」は混同されるようになったのだと考えられています。

原曲は、イギリス北部のスコットランドに伝わる民謡「オールド・ラング・サイン」。離れていた旧友との再会を喜ぶ内容で、別れを惜しみ、次にまた再会できることを願って歌われます。昔から歌われていたこの歌をスコットランドの詩人がアレンジしたものが有名で、このメロディは日本をはじめ世界中に広まっています。

「蛍の光」

「オールド・ラング・サイン」のメロディに日本語の歌詞をつけたのが「蛍の光」です。海軍の学校の卒業式で歌われたのが最初だと言われています。そのことから「別れの曲」のイメージが定着し、小学校などの卒業式でも広く歌われるように。卒業式で歌ったことがある、あるいは歌ってもらったことがあるという方も多いのではないでしょうか。

「別れのワルツ」

一方、「別れのワルツ」は一度アメリカを通って日本にやってきた楽曲で、1949年に日本公開された映画『哀愁』で使われていたのが始まり。主人公と恋人が「オールド・ラング・サイン」に合わせて踊るシーンがあり、映画のヒットに合わせてダンスシーンのBGMも話題になりました。ただしこの映画で流れていた「オールド・ラング・サイン」は、映画のために4分の4拍子から4分の3拍子に編曲されたもので、原曲とはリズムの取り方が異なります。ダンスシーンが閉店間際のシーンだったこともあり、有線放送などで採用されるようになって「閉店のBGM」として定着することとなりました。「別れのワルツ」という曲名は、日本でレコード化する際につけられたものです。

「別れのワルツ」を聞いて帰りたくなるのはなぜか?

店舗で「別れのワルツ」が流れると、「もう閉まるから帰らなければ」と閉店時間を気にするようになります。閉店のアナウンスがなくてもそう感じるのはなぜでしょうか。

ひとつは、「別れのワルツ」が閉店BGMとして根強く浸透していることがあげられます。「別れのワルツ」が流れてから5分~10分程度で閉店する、「別れのワルツ」と一緒に閉店のアナウンスが流れるというシーンに何度か居合わせると、「別れのワルツ」=閉店という条件反射を体が覚えるのです。

もうひとつ、「別れのワルツ」の拍数が関係していることも考えられます。「別れのワルツ」は3拍子であり、ほとんどが4拍子の日本の音楽ではなかなか出会わないリズム。「別れのワルツ」はゆったりとした曲ですが、3拍子であることで違和感を覚えてじっとしていられなくなるのかもしれません。

もちろん、「蛍の光」だと勘違いされていることも印象づけに一役買っていると言えます。卒業式などで歌われる「蛍の光」は別れのイメージが強く、そう思って「別れのワルツ」を聞くことで自然と別れ(閉店)の空気を感じるのです。

閉店BGMとして「別れのワルツ」を流すメリット

多くの商業施設で閉店BGMとして採用されている「別れのワルツ」ですが、この楽曲を使用することにどのようなメリットがあるでしょうか。

ひとつは、すでに広く浸透しているBGMであるためにスムーズに退店をうながせるというメリットがあります。お客様は「別れのワルツ」が流れることで閉店時間が近いことを知り、特別なアナウンスがなくても自然と急ぎ足になります。

お客様に不快な思いをさせにくい、というメリットもあります。アナウンスのみで閉店を知らされたりまだ商品を見ている最中に片付けを始められたりすると、お客様に不快感を与えてしまうことも。「別れのワルツ」であれば自然と閉店の雰囲気を演出できるので、無用な感情のすれ違いを避けることが可能です。

まとめ|閉店BGMのポイントをQAで確認

閉店BGMとして「別れのワルツ」を使われる理由は?

1949年公開の映画『哀愁』で使用され、そのシーンが「閉店間際のダンス」と解釈されたことがきっかけです。有線放送などで採用されるうちに、閉店を促すBGMとして広く浸透しました。

「蛍の光」と「別れのワルツ」はどう違うの?

どちらもスコットランド民謡の「オールド・ラング・サイン(Auld Lang Syne)」が原曲ですが、「蛍の光」は日本で歌詞をつけた卒業式などの別れの曲、「別れのワルツ」は映画の挿入曲をきっかけに3拍子に編曲され、閉店BGMとして定着した曲という、日本での使われ方とリズム(拍子)が異なります。

「別れのワルツ」を流すメリットは?

お客様に不快感を与えずにスムーズに閉店作業を行えること、そして閉店の雰囲気を自然に演出できることです。曲が流れるだけで「そろそろ帰ろう」と無意識に感じるため、特別なアナウンスなしでもスムーズに退店が促せます。また、広く知られている曲なので急ぎ足になりすぎず、閉店時の雰囲気を安心して演出できます。

みんなが知っているBGMを活用しよう

閉店のBGMとして広く知られている「蛍の光」は、実は「別れのワルツ」という原曲を同じにする別の楽曲でした。その歴史をたどってみると、「蛍の光」や「別れのワルツ」がより身近なものに感じられるのではないでしょうか。日本人の耳によく定着している「別れのワルツ」は自然と閉店の雰囲気を作ることができるため、閉店前のBGMとしてぴったりです。

店舗BGMなら「USEN MUSIC」がおすすめ

店舗BGMサービス「USEN MUSIC」では、「別れのワルツ」をはじめとした閉店用のBGMを流せるチャンネルが用意されています。「別れのワルツ」以外にも、ドヴォルザークの「家路」や閉店を告げるアナウンスなども収録されています。お客様に不快な思いをさせず、スムーズに閉店作業を行えるよう、ぜひ活用してみてください。

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