- 中華食堂
- 日高屋 目黒東口店 様
関東圏に400店舗以上を出店する人気中華チェーン店の日高屋。店舗数を増やす過程で解決しなければならない課題のひとつが、従業員の確保とサービスやクオリティの担保です。日高屋はどのようにしてスタッフ不足を補い、サービスの質を保っているのでしょうか。株式会社ハイデイ日高の営業第1部長 十河 健太郎(そごう けんたろう)さんと、目黒東口店店長の杉山 涼(すぎやま りょう)さんにお話を伺いました。
急な欠員やシフト変更にも、一役買う配膳ロボット
日高屋 目黒東口店では、BellaBotとKettyBotの2台が稼働している
杉山店長:2022年頃から配膳ロボットを使っています。店内は62席と席数が多いため、2台導入しました。主に料理の搬送や食器の片付けをしてもらっています。スタッフがテーブルを拭く間に、配膳ロボットには料理の提供や使用済みの食器を厨房へ運んでもらうなど、人と配膳ロボットが効率的に動いています。
十河営業部長:きっかけは、店舗の直近の人手不足だけでなく今後の人口減少も見据えて、配膳ロボットやタッチパネルなどの店舗のDX化を進めていこうという方針で導入しました。
ほかの飲食店で配膳ロボットを導入しているのを見たのも理由のひとつですね。
(左)営業第1部長の十河健太郎さん、(右)店長の杉山涼さん
十河営業部長:お店は働くスタッフさんたちに支えられています。お子さん持ちのパートさんや学生さんが働くお店ですので、それぞれの生活リズムがありますよね。
例えばいつも平日のお昼に入ってくれているパートさんが、急にお子さんの熱が出て欠員となってしまった場合、学生さんに入ってもらおうにも授業があって夕方以降しか入れない。
また、売上が多く人手が欲しい土日に体調不良のスタッフが出てしまった際に、急に土日に入ってくれる他のスタッフがいるかというと難しいですよね。
そういった急遽の欠員が出てしまった緊急事態でも、プラスの人員として配膳ロボットが活躍してくれます。
杉山店長:インフルエンザが流行る季節も欠員が出やすいですが、そういった時も配膳ロボットを重宝しています。配膳ロボット2台をフル稼働することでお客様にご迷惑がかからないように営業できているのは、メリットとしてとても大きいですね。
配膳ロボットであれば、皿数の多いセットメニューも一度にたくさん運ぶことができる
十河営業部長:配膳ロボットはインフルエンザにならないですからね(笑)。
働ける時間帯を選ばず、病気や急な欠勤もしない配膳ロボットが、安定した人員の確保を実現してくれています。
心に余裕ができ、"お客様への気配り"の時間が生まれた
料理を載せて席番号を押せば、自動で運んでくれる
十河営業部長:配膳ロボット導入のメリットは人手不足の解消や生産性の向上という面もありますが、それよりも大きいのはスタッフの動きに余裕ができたということ。
杉山店長:配膳ロボットを導入していなかった頃と比べてスタッフの手が空く時間が増えました。
忙しい時間帯は考えるよりもまず手を動かさないと捌き切れないので、以前は余裕がありませんでした。でも、今は配膳ロボットが代わりに作業をしてくれるので、一歩立ち止まってお店の状況を見て"お客様への気配り"を考える余裕ができました。
配膳ロボットが料理を運んでいる間に、お冷を補充したりテーブルを拭いているそう
杉山店長:ポットの中のお冷が少なくなったことにすぐに気づいて持って行けるようになったり、注文に困っていそうなお客様に声をかけられるようになったり。
心に余裕が生まれることで、表情や声のトーン、話すスピードが緩やかになり、お客様へのサービスの質も向上したと思います。
十河営業部長:ただ体を使って動くのではなく、頭を使って考える時間が生まれたお陰で、お客様の満足度に対してより一段深い行動ができるようになったと思います。
これからを見据えた、時代に寄り添うお店づくり
従業員やお客様に受け入れてもらえるようにと、日高屋の各店舗で配膳ロボットに名札をつけている
杉山店長:配膳ロボットはお客様にも受け入れられていて、特にお子様連れのご家族や外国人のお客様に人気です。そういったお客様へは、厨房から近い席でも配膳ロボットに届けてもらうようにしています。
配膳ロボットが世間に知れ渡ったからかお客様も使い方に慣れていて、料理を受け取ったらスムーズに受け取り完了のボタンを押してくださいます。
日高屋では、配膳ロボットやタッチパネル注文、キャッシュレス決済など店舗のDX化を進めている
十河営業部長:配膳ロボットだけでなく、キャッシュレス決済化からはじまり、タッチパネルなどの導入も進めています。スムーズな会計や、人手不足を機械で補ってお客様に快適に過ごしていただけるよう、今後の店舗の形も時代に寄り添っていきたいと考えています。
例えばロードサイドのお店では、店舗開発の時点で配膳ロボットの導線を考えながら店舗の内装を広めに設計し、配膳ロボットがより活躍できるような店舗づくりをしています。
これからは1店舗に2台、3台というように、活躍の幅を広げていってほしいですね。
取材日:2023年12月22日
- 掲載内容は取材当時のものです
日高屋 目黒東口店 様
東京都品川区上大崎2-13-35
座席数:62席、従業員数:約20名