人手不足の課題はDXサービスで解決し、店舗を発展させる
当店がDXサービスの導入を進めていった背景には人手不足があります。新しいスタッフを集めるのにすごく苦労しているのですが、でも、「お金をかけて人を集める」じゃなくて、「人が集まらないならどうするか」ということを考えていかなければ、時間だけがかかり、お店を発展させることができないと思ったんです。
それを考えるきっかけとなったのが店舗フロアの拡大でした。このお店は元々1階フロアのみでしたが、2階フロアが空き物件になると聞き、お客様だけでゆっくりと楽しめる個室空間を作りたいと思ったんです。ただ、当店は私を含めた板前が1階で調理や寿司を握り、ホールスタッフが1名でオーダーや配膳をするという形でしたので、ホールスタッフ1名だけでは2階フロアを賄うのは難しいだろうと…。それで、USENからお客様ご自身で注文が完了するテーブルオーダーシステム「USEN SelfOrder TAB」を紹介してもらい導入することにしたんです。
USENのサービスはタブレットPOSレジ「USENレジ FOOD」やハンディ端末の「USEN HANDY」、キャッシュレス決済の「USEN PAY」など様々な機器を導入していますが、いつもUSENの営業さんが付きっきりで使い方を教えてくれます。動画で撮影した機器の使い方を共有してくれたり、何かトラブルがあっても営業さんに電話1本すれば対処法を指示してくれる。USENだから新しい機器でも不安なく使い始めることができています。
接客の効率が上がったからこそ気づけたDXサービスの恩恵
これは当たり前の話ですが、2階にテーブルオーダーシステムの「USEN SelfOrder TAB」がなければ、お客様がスタッフを呼ぶ、スタッフが2階に注文を伺いに行く、1階で商品を準備してまた2階に商品を持っていく…という、1階と2階の行き来を2往復しなければいけません。ですが、テーブルオーダーシステムがあればお客様が個室からタブレットでオーダーし、その商品をホールスタッフが2階に運ぶだけ。1往復で商品を提供できます。これは2階フロアの接客の効率が上がるだけでなく、1階フロアの接客においても、良い影響をもたらしています。
1階フロアはハンディ端末の「USEN HANDY」でお客様からオーダーを伺う接客重視のスタイルです。「USEN HANDY」なら集計も会計金額も自動で計算されます。以前までは手書きでオーダーを書き込んでいて、その時は集計や会計の計算が忙しく、お客様の方を向いた接客ができていなかったと思います。でも、1階、2階のオーダー業務がDXサービスによって簡略化されたことで、ホールスタッフにも余裕が生まれ、接客に力を入れることができるようになっていきました。その結果、ホールスタッフが自発的にお客様の様子を見て、お酒が少なくなっていたら「追加でどうですか?」など、セールスの時間に充ててくれて客単価のアップに貢献してくれています。これはDXサービスのひとつの恩恵ですよね。
くだらない世間話がお店のファンを作る
2階フロアは、ご家族だけで食事を楽しみたい、ゆっくりと食事を楽しみたい、コロナ禍でもありますからスタッフとの接触をできるだけ避けて食事を楽しみたい方など、お客様だけの空間を提供することで今までとは違う新たな顧客の獲得ができています。
一方で、1階フロアは、お客様とコミュニケーションを取ることで関係性を築き、リピーター獲得に繋げています。当店では、タブレットPOSレジ「USENレジ FOOD」に蓄積されているデータから人気のネタをランキングにしてお客様にお知らせしているんですが、「上位は今の旬ですよ」など、ネタを介してコミュニケーションが生まれています。元々うちは定番の魚介類だけでなく、駿河湾で水揚げされた深海魚、牡蠣などの旬のもの等、メニューがとても豊富なので、お客様をアシストしてあげるような使い方をしたいと思ってランキングを始めたのですが、これがお客様とのコミュニケーションツールのひとつとして活用できています。
寿司ネタの話だけでなく、くだらない世間話でも良いですが、お客様と仲良くさせていただくことができれば、お客様からしても当店は通いやすいお店だと感じてもらえますし、それが常連客へと実際に変わっていきます。
実は私、お店に好きなアーティストのグッズを飾っていたりするのですが、それを目にしたお客様と盛り上がったりすることもあって。好きなものでコミュニケーションが生まれればお店としても、ファンとしても嬉しいですよね。お店ってこういった些細な会話から、“お店のファン(常連客)”が生まれていくんです。このようなスタイルが実現できているのも、DXサービスで業務を簡略化したことで、お店全体に余裕が生まれ、ホールスタッフも板前もみんながお客様の方を向いた接客ができているからだと思います。