- 飲食店
- ホリイフードサービス株式会社 様
「癒し」×「くつろぎ」をコンセプトにした和モダンな雰囲気が趣を感じる「牛タンうま囲」は、全席個室の牛タン専門店です。見栄えがよく食べやすさも抜群な牛タンしゃぶしゃぶを目当てに多くの来店客が訪れ、宴会利用から記念日のお祝いまで様々なシーンで利用されています。
茨城県を中心に店舗展開するホリイフードサービス株式会社では、一部のブランドでホスピタリティを高める目的でUSENレジ FOOD、USEN SelfOrder MOBILEを導入し、来店客の体験価値向上に取り組んでいます。 今回は、営業マネージャーの斎藤さんと店舗リーダーの坂本さんに、導入する経緯や導入後の効果についてお話をうかがいました。
導入背景
商品の提供価値を十分に伝えるためにオーダー業務を軽減したかった
齋藤:コロナ禍による人手不足がモバイルオーダー導入に至るひとつのきっかけでした。
休業期間を設けざるを得なくなったことでアルバイトの退職が増え、人手不足が進んでしまったんです。
そのため、お客さまの予約が集中した際にうまく回しきれなかったり、なにより弊社が大切にしている、商品を提供する際の接客トークでお客さまに商品の価値を十分にお伝えしきれていないという課題がありました。
特に今はお客さまが外食に求めるハードルが高くなっていると感じています。「美味しい」は常識になっていて、そのうえで他社と差別化するためには、美味しさとその価値をお客さまにきちんとお伝えすることだと思っていまして。
それを実現するためにどうしたらいいか考えたところ、一番負担になっている業務は注文を取っている時間かなということでモバイルオーダーを導入しました。
左上の出汁に綿あめを入れて甘みを加える演出を楽しむことができる。
齋藤:提供トークの例を言いますと、うま囲が一番ウリにしている「めり乃しゃぶしゃぶ」という商品があります。それを提供するためにパートナー(※ホリイフードサービスにおけるスタッフの呼称)は計3回お客さまのテーブルを往復する必要があるんですね。
最初に鍋セット、次に出汁とつみれ、最後に「綿あめ」とお肉を持っていきます。 この綿あめは、出汁の中に入れるとぱっと消えるんですよ。ひとつのエンタメ要素としてお客さまにご提供しているのですが、きちんとお伝えしないと綿あめをそのまま食べてしまう方もいらっしゃいます。
ほかにも薬味やつけダレの楽しみ方などたくさんお伝えするべきことがあって、でもそこって削れないじゃないですか。これから召し上がっていただく商品の価値をきちんと伝えることはお客さまの体験にとって外せない要素だと思っています。
導入準備
準備期間は半年以上!オペレーション構築とサービスレベルの向上を徹底
斎藤:価値を届けられる提供トークができるように、モバイルオーダーを導入するまで半年以上かけてオペレーションを再構築しました。
店内オペレーションはもちろんですが、特に時間をかけて準備したのは提供トークの作りこみです。全店舗に向けて提供トークのテストもしましたね。メニューの特徴を覚えていなくてお客さまに説明できないんだったら提供しないでほしい、とまで言ったこともあります。そこは一番こだわりましたね。
また、お客さまにモバイルオーダーを使っていただくご案内は、お通しをお持ちする際に行っています。基本的な使い方は卓上POPに記載しているのですが、ご案内のオペレーションで「モバイルオーダーの使い方は大丈夫ですか?」と尋ねるようにしています。細かい操作説明はパートナーがホスピタリティをもって補足するという方針です。
導入当初に質問が多かった内容を先にこちら側から伝えるようにするなど、お客さまにとってよりわかりやすいよう改善していきましたね。
来店客からよくある質問を盛り込むなど、改善を加えることで使用率がアップした。
そのような仕組みをつくることで、導入当初からお客さまが自然とモバイルオーダーで注文してくださっていました。今ではオーダーの90%がモバイルオーダーからの注文です。
そうやって各店舗の全パートナーが十分にご案内できるようになった状態を作ってから導入したので、オペレーション切り替え時にそこまで苦労はしなかったなという印象です。
導入効果①
販促効果アップ!画面レイアウト次第で出数のコントロールも
来店客が注文時に実際の商品をイメージしやすくなった。
斎藤:ほとんどの注文がモバイルオーダー経由に変わったことで、導入効果は販促面でも顕著に表れたと思っています。店舗によってはドリンク一杯分の客単価があがったところもあるんですよ。びっくりしました!
メニューブックと違ってすべての商品に写真を載せられるので、ひとつひとつの商品の訴求力が上がったんだと思っています。料理からドリンクまですべて撮影するのは大変でしたが、やってよかったなと。
あと、出数のコントロールもできるようになりました。メニューレイアウトの設定で、商品ごとに写真のサイズを変えられる機能を活用しているんですが、すごく効果的ですね。
最初はそこまで効果があると思っていなかったので、肉のカテゴリ内で「ヒレステーキ」を一番大きな写真に設定していました。
それがすごくたくさん出てしまって、現場から勘弁してくださいと言われました(笑)オペレーションが大変なんですよ。
それでお客さま満足度が高いならいいのですが、推している商品でもなければ現場に負荷がかかっているということでサイズを小さくしたところ、出数がぐっと減りました。
そういった実感から、今では売りたい商品を大きく表示させるようにしています。
坂本:ここまで変わるとは、と思いましたね(笑)即時に差し替えできるのもありがたかったです。
導入効果②
教育を充実させつつ人件費5%削減。数字以上の価値を感じている
坂本:現場目線ですと、新人教育の効率化とクオリティアップにつながりました。これまでは研修の中でも特にハンディ操作の教育に時間を要していて、覚えが早い方でも2〜3日、飲食店未経験の方などはひとり立ちするまで2週間から1ヵ月かかっていました。
ハンディ操作の場合は、メニューを全部覚えて、ボタンの配置を覚えて、お客さまと会話をしながら全部入力していく......という作業が必要なので慣れるまで結構大変です。そこに時間がかかってしまうと、提供トークまで教えきれないんですよね。
モバイルオーダーの場合はその時間がすべてカットできるので、こちらが教えたいラインまで十分研修できるようになりました。
斎藤:特にパートナー全員が新人にあたる新店舗のオープン時に大きな効果を実感しています。実際に数字にも表れていて、オープン時にモバイルオーダーを導入した店舗の人件費を既存店と比較すると5%削減できているんです。ただの5%ではなくこれまで十分じゃなかった提供トークを徹底させたうえでなので、数字以上の価値がありますよね。
導入前はお店を回すことで精いっぱいだったので、十分な教育ができて、結果的にコスト削減も実現できたのは効果として非常に大きいです。
導入効果③
公式LINE連携機能で再来店促進サイクルが加速
齋藤:また、お店の公式LINEと連携できるのもありがたいですね。
モバイルオーダーの注文用QRを読み込むと、LINEアプリが起動してお客さまの任意で友だち追加ができるんですが、この機能によって登録者数がずいぶん増えました。
うま囲では、友だち追加をしていただいた数日後にクーポンを配信したり、キャンペーン情報を配信するなどLINEを通じて再来店を促進しています。
来店実績がある方にダイレクトにアプローチできるのは強みですね。お店を探しているときに思い出していただくきっかけにもなりますし、前回来店時の体験や接客がここで活きてくるといいサイクルになるのではと思っています。
昨今、お店選びの手法が変わってきていると感じています。以前は新規顧客をどれだけ多く取り込めるかがポイントでしたが、今は実際に来店されたお客さまがクチコミを書いて、それを見た新規の方が来店する。そういったサイクルが回っているので、目の前のお客さまに集中することがその先の新規集客にも影響を与えているんです。
つまり集客面でもオペレーションを円滑に回すことは重要で、モバイルオーダーを導入する上で注目した要素でもありました。
展望
「それでお客さまは満足か!」を問いかけながら変化するニーズに応えていく
齋藤:ホリイフードサービス株式会社が掲げるスローガンに、「それでお客さまは満足か!」というものがあります。
時代とともに変化するニーズをタイムリーに捉えて本質的な改善を繰り返す、ということを実行しているので顧客満足度は常に意識しています。
正直なところ、モバイルオーダーを導入することでお客さまの負担が増えて顧客満足度が下がるのではという懸念は少し持っていました。ですがクチコミや顧客満足度調査の結果によると落ちていなかったんです。むしろ注文しやすかったという声もあるほどです。
最初は懸念していましたが、しっかりとご案内や提供トークでお客さまにとってメリットがあることをお伝えしていれば、満足度は落ちないんだなと実感しました。
モバイルオーダーは、弊社のスローガンを追求する過程で必要性を感じたツールでした。お客さまが求めるものはこれからも時代や情勢によって多様化していきますが、価値を感じていただけるよう応えていきたいと考えています。
- 導入サービス:
ホリイフードサービス株式会社
取材場所:うま囲 浦和駅西口店 様
茨城県水戸市城南3-10-17
その他の導入サービス:SOUND PLANET SOUND PLANET-i USEN440 USEN Wi-Fi