アメリカ・ブラック・ミュージック・シーンの伝説的グループ、アース・ウインド&ファイアー(以下、EW&F)のリーダーとして数々の名曲と名唱を音楽史に刻み込んだモーリス・ホワイト。
71年にEW&Fとしてデビューして以来、ソウル、ファンク、ジャズ、ロック、そしてアフリカン・ミュージックなどの要素を柔軟にブレンドしたサウンドや、バンド・カラーを決定付けるコンセプトづくりでグループをリードし、グループの象徴として官能的かつファンキーで伸びやかなヴォーカル・パフォーマンスにより観客を熱狂させる稀代のシンガーでした。
75年にリリースしたアルバム『暗黒への挑戦』の大ヒットで人気を確立し、以後もダンス・ナンバーやバラードなど次々とチャートを賑わし、70~80年代の日本のディスコ文化においても彼の歌声は欠かすことのできない存在でした。
90年代にパーキンソン病を患い、2004年頃から実質的に表舞台に出ることは叶いませんでしたが、EW&Fの精神的支柱として音楽界に与えた影響の大きさは計り知れません。
この特別番組では、彼のこれまでの音楽キャリアを称え、EW&Fの代表曲「シャイニング・スター」「セプテンバー」、モーリス・ホワイトの「アイ・ニード・ユー」など数々の名曲とともにその足跡をたどります。
世界最高の人気を誇るファンキー・ソウル・グループの象徴であったモーリス・ホワイト氏に追悼の意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。