医療現場の複雑さを取り除く
「配膳ロボット」の可能性

器具が多い医療現場にこそ“配膳”ロボット

どの業態もそうだと思うのですが、当院でも人手不足に困っていました。そんなとき、焼肉屋で配膳ロボットがスイスイと料理を運んでいるのを見て、「これは使えそうだ！」と思いました。その後もイタリア料理店や喫茶店でロボットを立て続けに見る機会があり、導入を決めました。
いまではなくてはならない存在で、すっかり職場に溶け込んでいますね。

これまではスタッフが何度も往復して器具を運んでいましたが、KettyBotを導入してからは一度に運べるようになりました。
例えばインプラントの施術には必要な器具がとても多いですし、両手に抱えるぐらい大きな機材を使うこともあります。そんな運びづらいものでもKettyBotが代わりに届けてくれることで、スタッフが物を落とすリスクが減り、機材の破損もなくなりました。

外科処置中に足りない道具を持ってきてもらったり、カルテを運んでもらうこともあります。ほかにも患者様の歯を型取りしたトレーを消毒室まで運んでもらい、洗浄が終わった義歯をブースまで届けてもらっていますね。

患者様の反応もよく、KettyBotを見かけると皆さん笑顔になります。「すごい！」「何これ？！」「かわいい！」などのお声もいただき、お子さんは特に釘づけです。
KettyBotに会いたくてお母さんの治療についてきた子もいました（笑）。すでに癒しの存在かもしれません。

業務効率が上がり、患者様の待ち時間短縮につながった

KettyBotのおかげで治療の合間の片付けのペースが格段に上がったので、効率よく患者様を診られるようになりました。
歯科衛生士は検診や施術が終わったら、次の患者様を呼ぶ前に必ず記録をつけるのですが、同時に片付けも並行して行わなければなりません。治療が終わったらKettyBotを呼びながら記録を書きはじめ、到着したら載せるだけで持って行ってくれるため、すぐに続きを書くことができます。

ちょっと何かを持ってきてほしい、物を片付けたい。そのひと手間が省けることで、患者様を待たせる時間が減りました。

インカムと組み合わせて使用すると更に効率がよくなりました。例えば来て欲しいときにインカムで「5番の部屋にお願いします」と伝えると、KettyBotの近くにいるスタッフが5番を押してロボットが来てくれます。
USENのカード型インカムはこちら

いまではスタッフが使い方に慣れて、患者様が退室するタイミングを見計らってKettyBotを施術室に向かわせています。片付けるものはロボットが持って行ってくれるので、スタッフはすぐに次の患者様を案内できます。

導入してから実感したことは、ロボットというスタッフが一人増えたというよりも、スタッフ皆が少しずつ負担していた業務が無くなった、という感覚です。スタッフが日々行う多岐にわたる作業を減らして楽にしてあげることができるので、その分の時間をほかの業務に回せるようになる。

人間がやるべきことと、機械を使って自動化できることをうまく分けることで、スタッフの仕事の複雑さを取り除いてあげることができました。

医療業界にもっと配膳ロボットが広まってほしい

先日、医者仲間の集まりがあった際に配膳ロボットの話をしたら皆さんすごく興味を持ってくれて。使い方やメリットをたくさん聞かれました（笑）。
医療業界でも人材不足が課題になっているので、当院での事例を広めてほしいというお声をいただきました。

いま、「医療DX」という言葉が歯科界でも広がりつつあります。
カルテのデータ化や、自動器具洗浄機、自動精算機による業務の自動化によって、人が業務にかける時間を減らすことが求められています。
USENグループの医療向け自動精算機はこちら
USENの飲食店向け自動精算機はこちら

それらを一気に導入しようとするとスタッフが変化についていけなくなってしまうのですが、段階を踏んで少しずつ環境をよくしていくと、スタッフも興味を持ってくれる。環境がよくなると、スタッフは長く勤めてくれるようになり、さらに環境がよくなるという好循環が生まれます。

人材は少なくとも、機械をうまく組み込むことで補っていけますし、人が行う業務の複雑さを取り除くことでクオリティも高めていけるのではないかと思っています。