公開日:2019年9月30日
アンケート調査
~医療施設のBGM~
「居心地の良いBGMの音量に関する研究(医療施設編)」の参加者を対象に、医療施設のBGMに対するアンケート調査を実施しました。多くの人に居心地が良いと感じてもらうにはどのような環境が良いのでしょうか。
設問 ①
医療施設での音に関する要望があれば教えてください。
■ BGMの有無
- できれば流れていた方が良い
- よく行く診療所はBGMが無いのであった方が良いと思っていた
- 歯科は緊張してしまうのでそれを和らげる音楽が流れていて欲しい
- 場所に合った音楽が良い
- スマホをいじって待っていることが多いので、テレビよりもBGMが良い
- 小さめのクリニックでは雑音が気になるのでBGMが欲しい
- よく行くクリニックでは、テレビをつけているが、好きでない番組の時はBGMの方が良い
■ ジャンル
- クラシックが流れていると良いと思う
- 静かなものが良い
■ 音量
- 流れているBGMの音量が大きすぎて、名前を呼ばれても気づかないのでは、と心配になることがある
- BGMによって周りの会話が聞こえなくなる方が良い
■ 空間・環境
- (周りの人が)もっと静かにして欲しいがBGMがあると穏やかになれると思う
- (待合室など)ガヤガヤうるさいのは仕方ないと思うが、できるのであれば音を抑えて欲しい
■ 特になし
- 呼び出し音が聞こえれば特になし
- (普段よく行く)整形外科はBGMをかけても意味がないくらい会計や診察の呼び出しでうるさいので特になし
医療施設での音に関する要望をたずねたところ、上記のような回答が得られました。医療施設では、診察や会計に伴う呼び出しがあるため、周囲の音に関してもこの声を妨げないことが重要だと考える人が多くいるようです。また診療科によっても変わってくるようですね。例えば小児科では子供の声で溢れ、ガヤガヤしているでしょう。上記のように、歯科は緊張するという声もあり、様々な状況が考えられます。
設問 ②
医療施設にBGMはあった方が良いですか。それはなぜですか。
■「はい」と答えた理由
- 気持ちが和らぐ、安らぐ/リラックスできる/癒される/落ち着く(8名)
- 退屈しのぎになる(2名)
- 心地良い(2名)
- BGMが無いとシーンとして殺伐とする/無音だと不安になる(2名)
- 咳き込む声などを音で防ぐと落ち着く/周りの音が気になる(3名)
- 音楽があると気持ちが変わる
- 待たされるイライラが解消されるから
■「どちらともいえない」と答えた理由
<空間・環境>
- 総合病院のような大きい病院だとすでにいろいろな人の声が色々と聞こえるのでない方が良い。あっても意味がない
- 静かにBGMを聴けるような雰囲気ではないが、クリニックのような狭い空間だとBGMが無いと落ち着かない、リラックスできない(3名)
- 待合室のうるささによるが、診察の呼び出しがあるところは無くても良い。ただし総合病院のように広くて待たされるところでは、かすかに聴こえるレベルで流れていても良いと思う。
<体調>
- 体調による。具合が悪くなければ流れていても良い。
医療施設にBGMがあった方が良いと回答した方が4分の3を占め、BGMが無い方が良いと答えた方はいませんでした。BGMがあった方が良い理由として、「気持ちが和らぐ・リラックスできる」と答えた方が最も多く、診察に伴う緊張を緩和する効果を期待する声がありました。
また、「どちらともいえない」と答えた理由としては「病院の規模によって人の声が多くBGMが無い方が良い」「狭い空間だとBGMが欲しい」「体調によって具合が悪くなければ流れていても良い」など、その時の状況でBGMの有無に関する考えは変わってくるようです。
設問 ③
医療施設のBGMの音量に関して、気になることはありますか。(複数回答)
半数以上の人が、「名前の呼び出しが聞こえるように」と答えました。たしかに病院では診察の待ち時間、会計の待ち時間と、名前の呼び出しを待つ時間が長いですよね。そのような時に、BGMの音量が大きすぎて名前を聞き逃すようなことになると困ります。2番目に回答が多かった、「周囲の音とBGMのバランス」というのも、名前の呼び出しの声は妨げないことが前提にあるようです。
設問 ④
普段聴く音楽のジャンルは何ですか。(複数回答)
普段聴く音楽のジャンルは「J-POP・邦楽ロック」、「クラシック」、「POPS・洋楽ロック」が多く挙げられました。J-POPの人気は言うまでもありませんが、「クラシック」や「POPS・洋楽ロック」も人気でした。
では、医療施設でも「J-POP」や「POPS・洋楽ロック」を流すことが望まれるのでしょうか。
設問 ⑤
医療施設にどんなジャンルの音楽が流れていると良いと思いますか。(複数回答)
「クラシック」は半数以上の方から支持され、その他には「イージーリスニング」や「ヒーリング」など、癒しの音楽といわれるジャンルが多く挙がりました。やはり、体調が良くない時に、激しい曲調などは求められませんね。クラシックと一口で言っても様々な音楽がありますが、医療施設は比較的スローテンポで穏やかな楽曲をイメージされているのではないでしょうか。「落ち着ける音楽」「スローな音楽」という意見も見られるように、医療施設では穏やかで落ち着いた曲調が望まれるようです。
※本アンケートは、「居心地の良いBGMの音量に関する研究(医療施設編)」に参加した最近、医療施設で診察を受けた男女20名を対象としたものです。