Study 研究

公開日: 2019.09.30
更新日: 2019.09.30
快適なBGMの音量(飲食店)
レストランやカフェなど飲食店での快適なBGM音量について、東京情報大学の西村明先生と実験を行いました。
飲食店では実に様々なBGMが流れています。例えば焼き鳥屋さんや大衆居酒屋では流行のJ-POPや懐かしの歌謡曲、お洒落なバーではジャズ、高級割烹では筝曲など、お店の雰囲気によってBGMのテイストも異なるということは想像に難くないと思います。では、BGMの音量について考えたことはありますか。お店によって、「うるさい」あるいは「静かすぎる」と感じたことはあるのではないでしょうか。
今回は飲食店のBGMについて、どのくらいの音量だと居心地が良いと感じるのか、検証しました。
実験概要
飲食店を想定した騒音に対し、心地良いと感じるBGMの音量を調べるため、東京情報大学・西村明教授と共同研究を行いました。18歳~60代の男女19名の参加者には、飲食店の4段階の音量の騒音(45dB / 55dB / 65dB / 70dB)に対して、居心地が良いと思うようにBGMの音量を調整してもらい、この音量の数値を分析したところ、以下のような結果が得られました。
本実験には、A-10「くつろぎのイージーリスニング」の代表楽曲を使用しました。
結果 -1-
店内の暗騒音(お客様の話し声や食器の立てる音など)の大きさに対応して快適なBGMの音量は変化することがわかりました。
結果 -2-
年齢が上がるにつれて、快適なBGMの音量も上がりますが、暗騒音レベルが上がるにつれて、世代間の差は小さくなっています。
このグラフを見てみると、18~29歳と60代では、45dBの暗騒音の時で10dB近く違う音量を設定していることがわかります。
結果 -3-
男性の方が女性よりも大きめの音量を好む傾向がありますが、暗騒音レベルが上がるにつれて、男女間の差は小さくなっています。
<実験監修:東京情報大学 総合情報学部 総合情報学科 西村明教授>
キーワード:飲食・音量・快適・居心地・音響設計
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【参考資料】騒音目安表
【免責事項】
・本ページの実験結果は、各種実験業務の委託により得た分析結果を記載したものです。当社並びに当該分析結果は、何らかの効果を保証しているものではありません。
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研究者からのコメント
BGMの音量が小さすぎると、BGMが掻き消されて演出効果は見込めず、かといって音量を上げるだけでは、店内がうるさくなるだけの不快な環境をつくりだしてしまうことが懸念されます。
今回の調査結果は、周りの音量に応じてバランスの取れた快適な音量が変わることを示しており、店内暗騒音との相対的なBGM音量調整の必要性を裏付ける結果となりました。
男性の方が女性より大きい音量を快適と感じることは、過去の研究で示されており、今回もその傾向が見られました。
さらに、年齢層が上がるにつれて、快適な音量は明らかに上昇することも示しており、客層属性に合わせた音量調節も新たな演出手法になると考えています。
東京情報大学 総合情報学部 総合情報学科 西村明教授
東京情報大学 総合情報学部 総合情報学科/九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)/音響設計学科卒業、同大学院修了 博士(芸術工学)/聴覚、オーディオ測定技術、音響情報処理の研究に従事