公開日:2024年4月30日
血圧上昇を抑制する音楽に関する研究
運転中のストレスによる血圧上昇の抑制が期待できる音楽とは
トラックやタクシー、バスといったいわゆる職業ドライバーのストレスは、高血圧などの心血管疾患等の要因になると考えられています。
運転中にドライバーが好きな音楽を聴くと気分が良くなる一方で、不注意のため運転の安全性が低下する可能性があると言われています。
USENは、職業ドライバーのストレスとその健康への影響を軽減する手段として、どのような音楽の聴取が運転中の血圧に及ぼすのか、慶應義塾大学 藤井進也准教授との共同研究で、AIによる血圧上昇を抑制する音楽の生成と、その効果に関する検証実験を行いました。その結果、USENがAIで生成した音楽が運転中の血圧上昇を抑制する可能性が示唆されました。
実験概要
24名の運転免許を持つ参加者(女性8名、男性16名)を対象に実験を行いました。実験ではドライビングシミュレーターを使用し、運転中の音楽条件は①非音楽(無音)、②参加者の好きな音楽、③AI生成した音楽(予備実験で血圧上昇を抑制する傾向が見られた楽曲をもとにUSENが生成)としました。実験では血圧のほか、心拍数も同時に測定し、主観的覚醒度、気分をたずねるアンケートも実施しました。
結果
1|参加者全体の最大血圧・最低血圧(平均値)
USENがAI生成した音楽を聴いたときの最大血圧および最低血圧は、好きな音楽を聞いたときと比べ血圧が有意に低くなりました。
2|女性の最大血圧・最低血圧(平均値)
特に女性はUSENがAI生成した音楽を聴いたとき、最大血圧および最低血圧の平均値がより顕著に、有意に低くなりました。
3|参加者全体の心拍数(平均値)
USENがAI生成した音楽を聴いたときは、好きな音楽を聞いたときに比べ有意に心拍数が低くなりました。
4|主観的覚醒度
USENがAI生成した音楽を聴いたときも、主観的覚醒度は下がりませんでした。安全運転を目指す上で覚醒度の低下を避けることは極めて重要であるため、覚醒度が高まると言われている好きな音楽と比較して、AI生成音楽において覚醒度が低下しなかったことは望ましいことと言えます。
監修者からのコメント
<監修>慶應義塾大学環境情報学部 藤井進也 准教授
今回の研究では、USENのAI生成音楽を聴きながら運転すると、好きな音楽を聴く場合に比べて血圧と心拍数の上昇が抑えられ、運転中のストレスによる血圧上昇を抑制する可能性が示唆されました。
参加者の好きな音楽だけではなく、AIが生成した音楽でも主観的覚醒度が低下しなかったことは、運転中に聴く音楽として適していると言えそうです。
運転中に最適な音楽を聴くことで、職業ドライバーの方のストレス軽減、ひいては健康促進につながることを期待しています。
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【免責事項】
・本ページの実験結果は、各種実験業務の委託により得た分析結果を記載したものです。当社並びに当該分析結果は、何らかの効果を保証しているものではありません。
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