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BGMのテンポと食事スピードに関する研究

公開日:2022年2月1日 | 更新日:2024年11月19日

BGMのテンポと食事スピードに関する研究

BGMのテンポと食事時間の関係について、「アップテンポなBGMによって食事スピードが短くなる」というイメージをもつことは容易かと思います。
これを検証するため、大阪学院大学情報学部 谷口高士教授監修のもと実験を行いました。その結果、BGMテンポのが食事スピードに影響すること、またその影響に男女差があることが明らかになりました。

実験概要

男女66名を3グループに分け、右図のレストランの画像を見てこの店舗で食事していると想像してもらいながら、それぞれ「アップテンポのBGM」「スローテンポのBGM」「無音」の状況下でハヤシライスを食べてもらい、食事時間の計測を行いました。また、食事後にはBGMに関するアンケートに回答してもらいました。



お店写真


結果

下のグラフのように、アップテンポのBGMのときに食事時間が最も短くなりました。
スローテンポのBGMと比べると、約13%短縮されています。
逆にスローテンポなBGMは無音と比べても食事時間が長くなっています。



グラフ


また、女性の食事時間について見てみると、女性はよりBGMのテンポの影響を受ける傾向がありました。さらに女性は「スローテンポのBGM」が流れていると、周囲にも目を向け、よく噛んで食べる傾向が見られました。



グラフ


グラフ


グラフ




また、「飲食店でBGMを意識して食事をしていますか」というアンケートでは回答者の3分の2である44名がBGMを意識して食事をしていると回答しました。



円グラフ


以上の結果から、以下の3点が示唆されました。
[1]店舗が混雑している時間は、アップテンポなBGMをかけて、お客様の食事時間を短縮し回転率を上げること
[2]特に女性ターゲットの店舗では、テンポの異なるBGMを使い分けることで、お客様の食事時間に緩急をつけられること
[3]多くのお客様は食事をする際にBGMを意識しながら食事をされていること

これらを踏まえて店舗内の混雑状況や時間帯、客層に応じた最適なBGMを選ぶことが有用だと考えられます。

監修者からのコメント

谷口高士教授
専門:感情と認知、音楽と感情、聴覚臨場感、超臨場感コミュニケーションの体感品質など

所属学会 日本心理学会、日本音楽知覚認知学会、日本感情心理学会、日本音響学会など

<監修>大阪学院大学情報学部 谷口高士教授

全体として、食事時間はアップテンポの場合は短く、スローテンポの場合は長いという、想定通りの結果でした。
興味深いのは、男性はそもそも食事時間が短く、条件間での違いがほとんど見られないのに対して、女性は男性よりも食事時間が長く、テンポ条件間の違いもより大きいことです。
さらに女性はスローテンポの場合は周囲を見る行動をより多く取ったことから、雰囲気を楽しみながら(あるいは周囲にも気を配りながら)食事をした、と言えるかもしれません。また、スローテンポの場合は咀嚼回数も増えているので、よく噛んで食事をすることに繋がったとも言えそうです。 また、アンケートから飲食店ではBGMが意識されていることもわかりました。
食事時間は個人差が大きいですし、さまざまなものの影響を受けます。しかし、急いで食べたいときや、落ちついて食べたいときに、それに合わせた音楽がかかっていることは、食事の取り方に一定の効果をもたらすのではないでしょうか。

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【免責事項】
・本ページの実験結果は、各種実験業務の委託により得た分析結果を記載したものです。当社並びに当該分析結果は、何らかの効果を保証しているものではありません。

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