Study 研究

公開日: 2021.04.08
更新日: 2021.04.08
音楽が仮眠にもたらす効果
仮眠の寝つきや質を高めスッキリ起きられる音楽について、埼玉県立大学の有竹清夏先生と検証実験を行いました。
USENでは、埼玉県立大学・有竹清夏准教授監修のもと、睡眠原理と音楽作用の関係性に基づき、音楽を制作しました。
さらにその効果に関する検証実験を行い、音楽が睡眠や目覚めに良い影響を与えることが明らかになりました。
主にトラックドライバーやシフト制勤務の方に向けた、短時間睡眠を効率よくとるために活用いただきたい音楽です。
実験概要
20代~50代の男女23名に2日間、音楽がある日と音楽がない日を設定し、短時間睡眠を取ってもらいました。それぞれの日程で、脳波の状態などを測定しました。また睡眠を取る前後に、アンケートで自分の睡眠に対する評価をたずねました。
結果 -1- アンケート(主観評価)

アンケートにおいては、音楽があるときの方が「すっきり起きられた」と全体の9割の方が回答しました。
結果 -2- 睡眠中のDPGの変化
DPGは、身体の中心部と手足などの末梢部との体温の差のことです。末梢部が中心部よりも温かくなり、その値が大きいほど眠くなります。図は、手(末梢部)と鎖骨下(中心部)のDPGを表しています。
音楽がある時の方がよく眠れたと回答した人は、そうでない人に比べて20分間の時間経過に伴うDPGが大きくなっていました。
結果 -3- 睡眠脳波測定
脳波のデータから、音楽があるときの方が、入眠潜時(寝るまでにかかる時間)が短くなり、睡眠時間がやや長くなりました。
実験に使用した楽曲(※USENオリジナル音源)

今回、睡眠原理に基づくUSENオリジナル楽曲を制作しました。
入眠時には手足を温めるために軽やかなクラシック調のメロディから始まり、セロトニンやメラトニンの誘発を促すためにリラックス状態へと導く曲調に変化させ、睡眠へといざないます。起床時には徐々に聴覚刺激を与えるような音と音量で構成された楽曲です。20分間の仮眠に適したプログラムでお届けします。
<共同研究:埼玉県立大学健康開発学科 有竹清夏准教授>
キーワード:仮眠・眠りの質・寝つき・目覚め・健康・USENオリジナル
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※詳しくは、お客様が加入されている各サービスのホームページをご覧ください。
・USEN MUSIC GUIDE
・Sound Design for OFFICE
【免責事項】
・本ページの実験結果は、各種実験業務の委託により得た分析結果を記載したものです。当社並びに当該分析結果は、何らかの効果を保証しているものではありません。
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研究者からのコメント
今回の実験は、睡眠原理に基づいて制作した音楽が入眠および目覚めに与える効果を知ることを目的に行いました。
今回使用した音楽では、被験者の方のほとんどが、今回使用した音楽があるほうがスッキリ起きられることが分かりました。
また、「音楽がある時のほうがよく眠れた」と回答した方においては、寝つきが良く、効率的に眠れていることが分かりました。
一方、「音楽が無いほうがよく眠れた」という方においては、入眠の結果は異なっていました。そもそも音があると眠れない方もいらっしゃいますが、そうでなければ、このような音楽を聴いて、睡眠の質を高めていただければとおもいます。
埼玉県立大学健康開発学科 有竹清夏准教授
2000年東京医科歯科大学医学部保健衛生学科卒業。国立精神・神経センター研究員、日本学術振興会PD、ハーバード大学リサーチフェロー、早稲田大学を経て現職。
研究分野は臨床生理学、睡眠学。