研究
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電話保留音の違いが人に与える影響

公開日:2020年8月20日

電話保留音の違いが人に与える影響

保留音で体感待ち時間が変わる!?

どなたでも、クレジットカードや公共料金の問い合わせなど、コールセンターに電話をかけた経験が一度はあると思います。コールセンターに電話をかけると、電話が混みあっていたり、担当オペレーターに代わってもらう必要があったり、電話口で待たなくてはいけない場面も多いですよね。その保留音を聴きながら「遅いなぁ」「長い時間、待たされているなぁ」と感じたことはありませんか。「少々お待ちください。」と言われてから延々と流れ続ける保留音にイライラした、という経験がある方も少なくないのでは?
今回は、電話保留音によって、待っている間の体感時間や気分、その保留音によって企業についての印象が変わるのかどうかを調べるため、検証実験を実施しました。

実験概要

電話の待ち時間中に聴く保留音によって、待っている間の体感時間や印象について違いがあるのかどうかを調査するため、大阪学院大学・谷口 高士教授の監修のもと、実験を行いました。
対象は40~60代の男女44名。時刻がわからない室内で、「突然クレジットカードが使えなくなったので、スマートフォンからカード会社に電話し、オペレーターに繋がるのを待っている」という状況を想定し、実際に架電してもらいました。「USENの保留音」と、電話保留音の定番曲である「グリーンスリーブス」を聴きながらそれぞれ140秒間待機してもらった後、「待たされたと思う体感時間」および「電話保留音の印象」についてたずねました。

結果

まずは体感時間についてです。
保留音を聴きながら140秒間待ってもらい、何秒間待たされたかという体感時間をたずねたところ、「グリーンスリーブス」よりも「USENの保留音」が平均して約40秒短く感じるという結果が出ました。

実験画像

つぎに音楽の印象についての結果です。「USENの保留音」の印象は「グリーンスリーブス」よりも様々な項目で評価が上回りました。下の図は、数字が大きいほど良い印象であることを示しています。

実験画像
・数字は調査に用いた7段階評価のポイント
・※ の項目については統計学上の有意差は認められなかった

待ち時間の印象については統計的有意差が見られませんでしたが、楽曲を聴いているときの快適さ、保留音としてのふさわしさや満足度、電話をかけた先の企業イメージの良さについては「USENの保留音」が良い印象を与えていることがわかります。

監修者からのコメント

谷口 高士教授
【専門】
感情と認知、音楽と感情、聴覚臨場感、超臨場感コミュニケーションの体感品質など
【所属学会】
日本心理学会、日本音楽知覚認知学会、日本感情心理学会、日本音響学会など

<監修>大阪学院大学情報学部  谷口高士 教授

この実験では、一般によく使われている保留メロディ(グリーンスリーブス)とUSENが推奨する保留メロディ(J-34)を、実際の電話保留場面を模した状況で別々の参加者に聴いてもらい(140秒間)、体感時間、音楽の印象、満足度などを答えてもらいました。
無音に対する体感時間には差がないにもかかわらず、待っている間の体感時間は、グリーンスリーブスに比べてJ-34では平均で40秒も短い約100秒となりました。また、待っている間のイライラ感は同じ程度でしたが、音楽の暖かさや快適さの印象、電話保留音としての適切さや満足度、そして、企業イメージが良くなるかどうかについては、いずれもJ-34の方がグリーンスリーブスよりも高いという評価が得られました。
定番であるグリーンスリーブスの評価も悪くはありませんが、J-34は、それに比べて7段階評価で1~1.5段階も高いことから、顧客の満足度や企業イメージの向上に、より役立つことが示唆されます。

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【免責事項】
・本ページの実験結果は、各種実験業務の委託により得た分析結果を記載したものです。当社並びに当該分析結果は、何らかの効果を保証しているものではありません。

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