Research 調査

公開日: 2020.09.07

更新日: 2020.09.07

アパレルショップのBGMに関する調査

20~50代の男女22名を対象に調査を行いました。

 

「居心地の良いBGMの音量に関する研究(アパレルショップ編)」に参加した、カジュアルウェアは月に一度以上、フォーマルウェアは1~2年に一度以上購入する方を対象に、アパレルショップの環境やBGMに対するインタビュー調査を実施しました。

設問 -1-
アパレルショップの音に関する要望は何ですか。

[音量が大きすぎる]
・会話がしづらい
・タイムセールのお知らせが聞こえない
・商品を選ぶのに集中できない
・ショップの考える年齢層と自分が乖離していると感じる
・店舗前を通るだけでもうるさいと思う。お店があるのでやめてほしい
・あまりにうるさいとイラっとする

[音量が小さすぎる]
・他人に声
・静かすぎると気まずい

[ジャンル]
・店の雰囲気にあったものが良い
・なじみの音楽やTVで流れているような音楽だと楽しくなる

[テンポ]
・アップテンポだと買わされるイメージで、お店にいづらい。

[その他]
・TPOに合わせてほしい
・曲間が空くと、空白が長いと思う

まずはアパレルショップの音に関する要望をたずねました。音量に関する要望が最も多く、その中でも多かった回答は「音量が大きすぎる」でした。BGMの音量が大きすぎて、会話がしづらかったり、タイムセールのお知らせが聞こえなかったり、買い物がしづらくなってしまうと感じる人もいるようです。音量に関する要望以外にも、ジャンル、テンポに関する要望、曲間に関する要望もありました。
では、ここで最も回答の多かった音量について、詳しく見ていきましょう。

設問 -2-
アパレルショップのBGMの音量に関して気になることは何ですか。

BGMの音量に関して気になることをたずねると、最も多かったのは人(店員、他人)の声とのバランスが気になるという回答でした。

人の声とBGMのバランスが取れていないと、前問の「音量が大きすぎる」「音量が小さすぎる」という回答の中にあったように、会話がしづらかったり、店内のお知らせが聞こえなかったり、といったことが起こりそうです。では、どのようなバランスなら居心地が良いのでしょうか。

設問 -3-
BGMと他人の声(店員やほかのお客様)はどのようなバランスが良いですか。

これは声とBGMどちらも聞こえるようにという回答が最も多く、次いで店員さんの声が聞こえるように、BGMが聞こえるように、となりました。どちらも聞こえるバランスが最も好まれてはいますが、どちらかを聞こえるように、という人は買い物をするときのスタンスの違いによって回答されていると考えられます。買い物をするときに店員さんや友人と会話しながら買い物をする人もいれば、1人でじっくり選びたい、という人もいますよね。人と会話しながら買い物をする人にとってはBGMより人の声の方が優先され、1人で買い物をしたい人にとってはBGMが優先されるということでしょう。これは、お店のジャンルによっても変わってくるかもしれません。

また、実験で店舗のBGM音量を調整してもらう際に考慮したこととして、カジュアルな店は音量を大きく、フォーマルな店は音量を小さくしたいという意見が多数を占めました。理由としてカジュアルな店では自分のペースで買い物をしたいので店員さんに話しかけられたくないという声が多く聞かれ、逆にフォーマルな店では店員さんと会話をしながら買い物がしたいという声が聞かれました。これは、カジュアルな店では自分の好みで私服を購入するため、自分が満足すればよいという反面、フォーマルな店では仕事や冠婚葬祭で着用する服を購入するため、人から見てどうか、ということが重要になるということが一因と考えられます。また、カジュアルとフォーマルでは購入頻度が異なり、フォーマルな服はカジュアルな服を比べ、購入し慣れていないために店員さんに聞きながら服を選ぶ傾向があると考えられます。

設問 -4-
アパレルショップにBGMはあったほうが良いですか。

「あった方が良い」理由
・楽しくなる
・気軽になる
・威圧感がなくなる
・店員さんと気まずくなりにくい
・他人の声や目が気にならない
・BGMに乗せられて買える
・(買い物に)集中できる

「店舗による」理由
・カジュアルな店でCM(店内放送)ばかりだと「営業されている感」がある
・フォーマルな店なら店員さんと会話したい
・フォーマルな店ならじっくり見たい

「音量による」理由
・うるさいのは苦手

「アパレルショップにBGMはあった方が良い」という回答が半数以上を占めました。店舗や音量による、という意見もありますが、ない方が良いという回答は無く、アパレルショップにBGMは求められていると言えます。
理由として「楽しくなる」「威圧感がなくなって店に入りやすくなる」などがあがり、BGMがあることによって居心地がよくなると感じる人が多いということがわかります。
店舗によっては店員さんと話したいということからあまり必要性を感じなかったり、音量によってはうるさいと感じることもあるため、それぞれのお店に合ったBGMの使い方を考える必要がありますね。お店に合った音量はもちろんですが、お店に合ったジャンルのBGMを使うことも必要です。

設問 -5-
アパレルショップ(カジュアル/フォーマル)にどんなジャンルの音楽が流れていると良いと思いますか?(複数回答)

このグラフから、カジュアルとフォーマルで求められるBGMのジャンルが異なることがわかりますね。
カジュアルではロックやポップス、J-POPなど、にぎやかさや明るさが求められているようです。店内で流行の曲が流れていると、商品も流行を取り入れている感じがする、などの声が聞かれました。
フォーマルではクラシックやジャズなどが挙がり、比較的落ち着いたBGMが好まれるようです。
フォーマルな店では店員さんと会話することも多いため、音量も音楽ジャンルも静かさや落ち着きが必要なのかもしれません。

設問 -6-
普段聴く好きなジャンル(アーティスト)の音楽は何ですか?(複数回答)

普段聴く音楽のジャンルはJ-POP・邦楽ロックが半数以上を占めており、アパレルショップのBGMとして求められるジャンルとは異なることがわかります。 普段から聴いたり、カラオケで歌ったりするような音楽と、BGMとして聞き流す音楽はまた別ということでしょう。BGMはその店舗の居心地を良くするために、お客様にとって買い物がしやすいジャンル、音量を選ぶ必要がありますね。

キーワード:アパレルショップ・音環境・音の問題・音楽ジャンル

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